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刑法 全農林警職法事件 最大判昭和48年4月25日

概要
勤労者の組織的集団行動としての争議行為に際して行なわれた犯罪構成要件該当行為について刑法上の違法性阻却事由の有無を判断するにあたっては、その行為が争議行為に際し行なわれたものであるという事実をも含めて、当該行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、それが法秩序全体の見地から許容されるべきものであるか否かを判定しなければならない。
判例
事案:被告人らが労働争議の一環として行った犯罪行為について違法性が阻却されるかが問題となった。

判旨:「被告人らは、いずれも管理者たるH駅長の禁止を無視して、それぞれ信号所に立ち入ったものであるから、いずれも人の看守する建造物に看守者の意思に反して侵入したものといわなければならない。
 ところで、勤労者の組織的集団行動としての争議行為に際して行なわれた犯罪構成要件該当行為について刑法上の違法性阻却事由の有無を判断するにあたっては、その行為が争議行為に際して行なわれたものであるという事実をも含めて、当該行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、それが法秩序全体の見地から許容されるべきものであるか否かを判定しなければならないのである。」
過去問・解説
(R4 共通 第16問 イ)
勤労者の争議行為に際し、人の看守する建造物に看守者の意思に反して侵入した場合、法令による行為に当たるから、建造物侵入罪が成立することはない。

(正答)

(解説)
判例(最大判昭48.4.25)は、「勤労者の組織的集団行動としての争議行為に際して行なわれた犯罪構成要件該当行為について刑法上の違法性阻却事由の有無を判断するにあたっては、その行為が争議行為に際して行なわれたものであるという事実をも含めて、当該行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、それが法秩序全体の見地から許容されるべきものであるか否かを判定しなければならない…。」として、侵入行為について、刑法上の違法を認めている。
したがって、争議行為であっても、建造物侵入罪が成立することはあり得る。
総合メモ
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