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未遂罪

第43条

条文
第43条(未遂減免)
 犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
過去問・解説
(H22 司法 第10問 5)
中止犯が成立する場合、必ずその刑が免除される。

(正答)  

(解説)
43条但書は、中止犯の効果について、「その刑を減軽し、又は免除する。」として、必要的減軽を定めている。

(H24 司法 第11問 ウ)
甲は、殺意をもって、乙の頭部目掛けて包丁で1回切り付けたが、乙は、これを左腕で防いだため、乙の負った傷害は、全治約2週間の左前腕部切創にとどまり、生命に危険のある状態には至らなかった。しかし、甲は、乙に致命傷を与えたものと信じ込み、その場を立ち去った。甲には、殺人未遂罪の中止犯が成立する。

(正答)  

(解説)
確かに、乙の負った傷害は、全治約2週間の左前腕部切創にとどまり、生命に危険のある状態には至らなかったのだから、「犯罪を中止した」というには、単なる不作為で足りる。したがって、甲は、その場を立ち去ったことをもって「犯罪を中止した」といえる。
しかし、甲は、乙に致命傷を与えた者と信じ込み、その場を立ち去っているにすぎないから、甲の主観においてできるのに止めたとはいえず、「自己の意思により」という要件を満たさない。
したがって、甲には、殺人未遂罪の中止犯は成立しない。

(H24 司法 第11問 オ)
甲は、殺意をもって、乙の頭部目掛けて包丁で1回切り付けたが、乙は、これを左腕で防いだため、左前腕部切創の傷害を負った。乙は、前記左前腕部切創に起因する出血のため、早期に治療を受けなければ出血性ショックにより死亡する危険のある状態となった。甲は、更に乙に切り付けようとしたが、乙から「助けてくれ。」と懇願されたため、憐憫の情を催し、乙を病院に搬送して治療を受けさせたが、乙は治療の甲斐なく出血性ショックにより死亡した。甲には、殺人未遂罪の中止犯が成立する。

(正答)  

(解説)
現行法が中止犯を未遂犯の一種と規定している以上、自己の行為により既遂結果が発生した場合には、「犯罪を中止した」とはいえず、中止犯の成立は認められないと解されている。
本肢の事例では、甲の殺人の実行行為により乙が死亡している以上、甲には、殺人既遂罪が成立するのであって、殺人未遂罪の中止犯は成立しない。

(H27 予備 第7問 2)
既遂犯が成立する場合にも、結果発生防止のための真摯な努力をしていれば、中止未遂が成立する。

(正答)  

(解説)
現行法が中止犯を未遂犯の一種と規定している以上、自己の行為により既遂結果が発生した場合には、「犯罪を中止した」とはいえず、中止犯の成立は認められないと解されている。
したがって、既遂犯が成立する場合にも、結果発生防止のための真摯な努力をしていても、中止未遂は成立しない。

(H27 予備 第7問 5)
中止未遂の刑は、刑法第43条ただし書により、任意的に減軽又は免除される。

(正答)  

(解説)
43条但書は、中止犯の効果について、「その刑を減軽し、又は免除する。」として、必要的減軽を定めている。
総合メモ