現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

名誉に対する罪

第230条

条文
第230条(名誉毀損)
① 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
② 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
過去問・解説
(H21 司法 第13問 1)
名誉毀損罪が成立するためには、事実の摘示が行われる必要があるが、摘示された事実が真実である場合には、人の社会的評価が低下したとはいえないから、名誉毀損罪が成立する余地はない。

(正答)  

(解説)
230条1項は、「その事実の有無にかかわらず」と規定しているから、名誉毀損罪は、摘示された事実が真実であるか否かにかかわらず、成立する。
提示された事実の真実性は、230条の2の適用において問題となるにとどまる。

(H29 共通 第18問 4)
死者の名誉を毀損したとしても、虚偽の事実を摘示した場合でなければ処罰されないから、摘示した事実が真実である場合には、名誉毀損罪として処罰されない。

(正答)  

(解説)
230条2項は、「死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。」と規定している。
したがって、死者の名誉を毀損した場合には、摘示した事実が真実であるときは、名誉毀損罪は成立しない。

(R2 共通 第16問 2)
死者であっても、その外部的名誉を保護すべきことに変わりはないので、死者の名誉を毀損する事実が摘示された場合も、その事実の真偽にかかわらず、名誉毀損罪が成立し得る。

(正答)  

(解説)
230条2項は、「死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。」と規定している。
したがって、死者の名誉を毀損した場合には、摘示した事実が真実であるときは、名誉毀損罪は成立しない。

(R6 司法 第20問 オ)
乙は、死亡したAについて、インターネットの掲示板に「Aは、事故を起こして人を死なせた前科がある。」と書き込み、インターネットを利用する不特定多数の者が閲覧可能な状態にした。
乙がインターネットの掲示板に書き込んだ行為について、乙が摘示した事実が真実であったとしても、乙に名誉毀損罪が成立する。

(正答)  

(解説)
230条2項は、「死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。」と規定している。
したがって、乙が摘示した事実が真実であった場合、「虚偽の事実を摘示」したとはいえないから、名誉毀損罪は成立しない。
総合メモ

第230条の2

条文
第230条の2(公共の利害に関する場合の特例)
① 前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
② 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
③ 前条第1項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
過去問・解説
(H21 司法 第13問 5)
名誉毀損罪が成立するためには、人の名誉を毀損する必要があるが、名誉を毀損したとしても、それが公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、名誉毀損罪として処罰される余地はない。

(正答)  

(解説)
230条の2第1項は、「前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。」と規定している。
総合メモ

第232条

条文
第232条(親告罪)
① この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
② 告訴をすることができる者が天皇、皇后、太皇太后、皇太后又は皇嗣であるときは内閣総理大臣が、外国の君主又は大統領であるときはその国の代表者がそれぞれ代わって告訴を行う。
過去問・解説
(H30 共通 第18問 4)
信用毀損罪は、公訴が提起されることにより公判において事件の内容が明らかになり、かえって被害者の信用が損なわれる事態を招くおそれがあるため、被害者による告訴がなければ公訴を提起することができない。

(正答)  

(解説)
232条1項は、名誉毀損罪(230条)及び侮辱罪(231条)について、「この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」と規定している。
これに対し、第35章の信用及び業務に対する罪(233条ないし234条の2の罪)については、これを親告罪であるとする規定は存在しない。
総合メモ