現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

信用及び業務に対する罪

第234条の2

条文
第234条の2(電子計算機損壊等業務妨害)
① 人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。
② 前項の罪の未遂は、罰する。
過去問・解説
(H28 司法 第12問 エ)
Aは、同僚Bのパソコンに、コンピュータウイルスを感染させてBの業務を妨害しようと考え、コンピュータウイルスを作成したが、自宅のパソコンでその効果を試したところ、市販のウイルス対策ソフトで検出されてしまうことが分かったため、同ウイルスを使用することは断念した。同ウイルスを作成して試した一連のAの行為について、電子計算機損壊等業務妨害罪の未遂罪が成立する。

(正答)  

(解説)
確かに、電子計算機損壊等業務妨害罪(234条の2第1項)については、未遂処罰規定が存在する(同条2項)。
しかし、Aは、コンピュータウイルスを作成し、自宅のパソコンでその効果を試したにとどまるから、本罪の「実行に着手」(43条本文)したとはいえず、本罪の未遂罪は成立しない。

(H30 共通 第18問 2)
電子計算機損壊等業務妨害罪は、電子計算機に向けられた加害行為を手段とする業務妨害行為を処罰対象とするものであるところ、同罪の加害行為は、「人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊」することと「人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え」ることに限られる。

(正答)  

(解説)
電子計算機損壊等業務妨害罪(234条の2)における加害行為には、①「人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊」すること、②「人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え」ることの他に、③「その他の方法」も含まれる。

(R4 共通 第4問 1)
人の業務に使用する電子計算機に対して不正な指令を入力した場合、その指令の内容が人の業務を妨害するおそれのあるものであれば、当該電子計算機の動作に影響を及ぼしていなくても、電子計算機損壊等業務妨害罪の既遂犯が成立し得る。

(正答)  

(解説)
電子計算機損壊等業務妨害罪(234条の2)の成立には、「電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせ」るという中間結果を経由して、「人の業務を妨害した」といえることが必要である(大塚裕史ほか「基本刑法Ⅱ」第4版114頁)。
総合メモ