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刑法 第19条
条文
第19条(没収)
① 次に掲げる物は、没収することができる。
一 犯罪行為を組成した物
二 犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物
三 犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物
四 前号に掲げる物の対価として得た物
② 没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。
① 次に掲げる物は、没収することができる。
一 犯罪行為を組成した物
二 犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物
三 犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物
四 前号に掲げる物の対価として得た物
② 没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。
過去問・解説
(H24 司法 第20問 ①)
刑法第19条により没収の対象とされているのは、例えば、犯罪を組成した物として偽造文書行使罪における偽造文書がある。
刑法第19条により没収の対象とされているのは、例えば、犯罪を組成した物として偽造文書行使罪における偽造文書がある。
(正答) 〇
(解説)
「犯罪行為を組成した物」(19条1項3号)とは、犯罪組成物件を意味し、偽造通貨行使罪(148条2項)における偽造通貨、文書偽造罪(154条以下)における偽造文書などがこれに当たる。
「犯罪行為を組成した物」(19条1項3号)とは、犯罪組成物件を意味し、偽造通貨行使罪(148条2項)における偽造通貨、文書偽造罪(154条以下)における偽造文書などがこれに当たる。
(H24 司法 第20問 ②)
刑法第19条により没収の対象とされているのは、例えば、犯罪行為の用に供した物として殺人に使用された包丁がある。
刑法第19条により没収の対象とされているのは、例えば、犯罪行為の用に供した物として殺人に使用された包丁がある。
(正答) 〇
(解説)
「犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物」(19条1項2号)とは、犯罪供用物件を意味し、殺人(199条)に使用された凶器などがこれに当たる。
「犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物」(19条1項2号)とは、犯罪供用物件を意味し、殺人(199条)に使用された凶器などがこれに当たる。
(H24 司法 第20問 ③)
刑法第19条により没収の対象とされているのは、例えば、犯罪行為によって生じた物として文書偽造罪における偽造文書がある。
刑法第19条により没収の対象とされているのは、例えば、犯罪行為によって生じた物として文書偽造罪における偽造文書がある。
(正答) 〇
(解説)
「犯罪行為を組成した物」(19条1項3号)とは、犯罪組成物件を意味し、偽造通貨行使罪(148条2項)における偽造通貨、文書偽造罪(154条以下)における偽造文書などがこれに当たる。
「犯罪行為を組成した物」(19条1項3号)とは、犯罪組成物件を意味し、偽造通貨行使罪(148条2項)における偽造通貨、文書偽造罪(154条以下)における偽造文書などがこれに当たる。
(H24 司法 第20問 ④)
刑法第19条により没収の対象とされているのは、例えば、犯罪によって得た物としては、犯罪行為の報酬として得た金銭がある。
刑法第19条により没収の対象とされているのは、例えば、犯罪によって得た物としては、犯罪行為の報酬として得た金銭がある。
(正答) ✕
(解説)
「犯罪行為…によって得た物」(19条1項3号)とは、犯罪取得物件を意味し、犯罪行為の報酬として得た金銭もこれに当たる。その他にも、賭博(185条以下)によって得た金銭、窃盗(235条)によって得た金銭などが挙げられる。
「犯罪行為…によって得た物」(19条1項3号)とは、犯罪取得物件を意味し、犯罪行為の報酬として得た金銭もこれに当たる。その他にも、賭博(185条以下)によって得た金銭、窃盗(235条)によって得た金銭などが挙げられる。
(H29 司法 第9問 イ)
判決により没収の言渡しをするためには、対象物が判決時に裁判所により押収されている必要がある。
判決により没収の言渡しをするためには、対象物が判決時に裁判所により押収されている必要がある。
(正答) ✕
(解説)
19条2項本文は、没収の要件について、「没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。」と規定するにとどまり、対象物が判決時に裁判所により押収されていることまで必要としていない。
19条2項本文は、没収の要件について、「没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。」と規定するにとどまり、対象物が判決時に裁判所により押収されていることまで必要としていない。
(H29 司法 第9問 エ)
窃盗によって取得された盗品は、取得物件であるが、没収できない場合がある。
窃盗によって取得された盗品は、取得物件であるが、没収できない場合がある。
(正答) 〇
(解説)
窃盗によって取得された盗品は、「犯罪行為…によって得た物」(19条1項3号)に当たる。
他方で、19条2項は、「没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。」と規定している。したがって、窃盗によって取得された盗品は、「犯人以外の者に属する物」である場合は、「犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるとき」を除き、没収することができない。
窃盗によって取得された盗品は、「犯罪行為…によって得た物」(19条1項3号)に当たる。
他方で、19条2項は、「没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。」と規定している。したがって、窃盗によって取得された盗品は、「犯人以外の者に属する物」である場合は、「犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるとき」を除き、没収することができない。
(R3 司法 第11問 2)
犯罪行為の報酬として得た貴金属を売却して得た現金は、追徴ではなく、没収の対象となる。
犯罪行為の報酬として得た貴金属を売却して得た現金は、追徴ではなく、没収の対象となる。
(正答) 〇
(解説)
犯罪行為の報酬として得た貴金属を売却して得た現金は、「犯罪行為の報酬として得た物」(19条1項3号)として、没収の対象となる。
犯罪行為の報酬として得た貴金属を売却して得た現金は、「犯罪行為の報酬として得た物」(19条1項3号)として、没収の対象となる。
(R3 司法 第11問 4)
犯罪行為によって得た物(刑法第19条第1項第3号)は、犯罪により不当に得た利益を犯人から剥奪する必要があるため、任意的没収ではなく、必要的没収の対象となる。
犯罪行為によって得た物(刑法第19条第1項第3号)は、犯罪により不当に得た利益を犯人から剥奪する必要があるため、任意的没収ではなく、必要的没収の対象となる。
(正答) ✕
(解説)
総則で規定されている「没収」(19条)及び「追徴」(19条の2)は、いずれも「することができる」と規定されていることから、任意処分にとどまる。これに対し、贈収賄における「没収」及び「追徴」は、必要的処分である(197条の5)。
したがって「犯罪行為によって生じ…た物」(19条1項3号)は、同条の任意的没収の対象となるにとどまる。
総則で規定されている「没収」(19条)及び「追徴」(19条の2)は、いずれも「することができる」と規定されていることから、任意処分にとどまる。これに対し、贈収賄における「没収」及び「追徴」は、必要的処分である(197条の5)。
したがって「犯罪行為によって生じ…た物」(19条1項3号)は、同条の任意的没収の対象となるにとどまる。
(R3 司法 第11問 5)
没収の対象は、刑罰の一身専属性の見地から、犯人の所有物に限られる。
没収の対象は、刑罰の一身専属性の見地から、犯人の所有物に限られる。
(正答) ✕
(解説)
19条2項は、本文において「没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。」と規定する一方で、但書において「ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。」と規定している。
19条2項は、本文において「没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。」と規定する一方で、但書において「ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。」と規定している。