現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
証拠(証人尋問)
証人尋問の申出の撤回 最三小判昭和32年6月25日
過去問・解説
(H24 予備 第38問 1)
判例によれば、証拠調べが終了した後に当該証拠の申出を撤回することはできない。
判例によれば、証拠調べが終了した後に当該証拠の申出を撤回することはできない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭32.6.25)は、「証人訊問終了后は、その申請を撤回することを得ない。」としている。
判例(最判昭32.6.25)は、「証人訊問終了后は、その申請を撤回することを得ない。」としている。
(R1 予備 第41問 ウ)
証人の尋問の終了後は、その尋問の申出を撤回することができない。
証人の尋問の終了後は、その尋問の申出を撤回することができない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭32.6.25)は、「証人訊問終了后は、その申請を撤回することを得ない。」としている。
判例(最判昭32.6.25)は、「証人訊問終了后は、その申請を撤回することを得ない。」としている。
(R6 予備 第38問 3)
証人の尋問が終了した後においては、当該証人の尋問の申出を撤回することはできない。
証人の尋問が終了した後においては、当該証人の尋問の申出を撤回することはできない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭32.6.25)は、「証人訊問終了后は、その申請を撤回することを得ない。」としている。
判例(最判昭32.6.25)は、「証人訊問終了后は、その申請を撤回することを得ない。」としている。
総合メモ
同一審級における同一証人の再尋問と宣誓の要否 最一小判昭和29年2月11日
概要
宣誓をさせるべき証人を宣誓させないで尋問した場合であっても、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権を失う。
判例
事案:宣誓をさせないで承認を尋問したが、当事者が遅滞なく意義を述べなかった事案において、宣誓を欠く証人尋問手続について、責問権の喪失によりその瑕疵が治癒されることになるかが問題となった。
判旨:「宣誓せしむべき証人を宣誓せしめずして尋問した場合と雖も、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権を失ったものというべきである。それ故、異議を述べなかった上告人は責問権を失ったのであるから、原判決が右証人の証言を事実認定の資料としたことは正当であって、原判決には所論の違法はない。」
判旨:「宣誓せしむべき証人を宣誓せしめずして尋問した場合と雖も、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権を失ったものというべきである。それ故、異議を述べなかった上告人は責問権を失ったのであるから、原判決が右証人の証言を事実認定の資料としたことは正当であって、原判決には所論の違法はない。」
過去問・解説
(H19 司法 第56問 イ)
宣誓を必要とする証人を宣誓させずに証人尋問を行った場合でも、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権を喪失する。
宣誓を必要とする証人を宣誓させずに証人尋問を行った場合でも、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権を喪失する。
(正答)〇
(解説)
90条は、責問権について、「当事者が訴訟手続に関する規定の違反を知り、又は知ることができた場合において、遅滞なく異議を述べないときは、これを述べる権利を失う。ただし、放棄することができないものについては、この限りでない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭29.2.11)は、「宣誓せしむべき証人を宣誓せしめずして尋問した場合と雖も、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権を失ったものというべきである。」としている。
90条は、責問権について、「当事者が訴訟手続に関する規定の違反を知り、又は知ることができた場合において、遅滞なく異議を述べないときは、これを述べる権利を失う。ただし、放棄することができないものについては、この限りでない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭29.2.11)は、「宣誓せしむべき証人を宣誓せしめずして尋問した場合と雖も、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権を失ったものというべきである。」としている。
(H28 予備 第33問 オ)
宣誓をさせるべき証人を宣誓させないで尋問した場合、当事者は、そのことを知りながら、遅滞なく異議を述べないときは、異議を述べる権利を失う。
宣誓をさせるべき証人を宣誓させないで尋問した場合、当事者は、そのことを知りながら、遅滞なく異議を述べないときは、異議を述べる権利を失う。
(正答)〇
(解説)
90条は、責問権について、「当事者が訴訟手続に関する規定の違反を知り、又は知ることができた場合において、遅滞なく異議を述べないときは、これを述べる権利を失う。ただし、放棄することができないものについては、この限りでない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭29.2.11)は、「宣誓せしむべき証人を宣誓せしめずして尋問した場合と雖も、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権を失ったものというべき。」として、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権、すなわち異議を述べる権利を失うことを示している。
90条は、責問権について、「当事者が訴訟手続に関する規定の違反を知り、又は知ることができた場合において、遅滞なく異議を述べないときは、これを述べる権利を失う。ただし、放棄することができないものについては、この限りでない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭29.2.11)は、「宣誓せしむべき証人を宣誓せしめずして尋問した場合と雖も、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権を失ったものというべき。」として、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権、すなわち異議を述べる権利を失うことを示している。
(R6 予備 第37問 イ)
宣誓させるべき証人に宣誓させないで尋問がされた場合において、当事者がそのことを知りながら遅滞なく異議を述べないときであっても、その瑕疵は、異議権の喪失によっては治癒されない。
宣誓させるべき証人に宣誓させないで尋問がされた場合において、当事者がそのことを知りながら遅滞なく異議を述べないときであっても、その瑕疵は、異議権の喪失によっては治癒されない。
(正答)✕
(解説)
90条は、責問権について、「当事者が訴訟手続に関する規定の違反を知り、又は知ることができた場合において、遅滞なく異議を述べないときは、これを述べる権利を失う。ただし、放棄することができないものについては、この限りでない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭29.2.11)は、「宣誓せしむべき証人を宣誓せしめずして尋問した場合と雖も、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権を失ったものというべきである。」として、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権、すなわち異議を述べる権利を失い、これによって宣誓させなかったという瑕疵が治癒されることを示している。
90条は、責問権について、「当事者が訴訟手続に関する規定の違反を知り、又は知ることができた場合において、遅滞なく異議を述べないときは、これを述べる権利を失う。ただし、放棄することができないものについては、この限りでない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭29.2.11)は、「宣誓せしむべき証人を宣誓せしめずして尋問した場合と雖も、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権を失ったものというべきである。」として、当事者が遅滞なく異議を述べないときは、責問権、すなわち異議を述べる権利を失い、これによって宣誓させなかったという瑕疵が治癒されることを示している。
総合メモ
民事事件において証人となった報道関係者が民事訴訟法197条1項3号に基づいて取材源に係る証言を拒絶することができるかどうかの判断基準 最三小判平成18年10月3日
概要
①民事事件において証人となった報道関係者が197条1項3号に基づいて取材源に係る証言を拒絶することができるかは、当該報道の内容、性質、その持つ社会的な意義・価値、当該取材の態様、将来における同種の取材活動が妨げられることによって生ずる不利益の内容、程度等と、当該民事事件の内容、性質、その持つ社会的な意義・価値、当該民事事件において当該証言を必要とする程度、代替証拠の有無等の諸事情を比較衡量して決すべきである。
②民事事件において証人となった報道関係者は、当該報道が公共の利益に関するものであって、その取材の手段、方法が一般の刑罰法令に触れるとか、取材源となった者が取材源の秘密の開示を承諾しているなどの事情がなく、しかも、当該民事事件が社会的意義や影響のある重大な民事事件であるため、当該取材源の秘密の社会的価値を考慮してもなお公正な裁判を実現すべき必要性が高く、そのために当該証言を得ることが必要不可欠であるといった事情が認められない場合には、同号に基づき、原則として、当該取材源に係る証言を拒絶することができる。
②民事事件において証人となった報道関係者は、当該報道が公共の利益に関するものであって、その取材の手段、方法が一般の刑罰法令に触れるとか、取材源となった者が取材源の秘密の開示を承諾しているなどの事情がなく、しかも、当該民事事件が社会的意義や影響のある重大な民事事件であるため、当該取材源の秘密の社会的価値を考慮してもなお公正な裁判を実現すべき必要性が高く、そのために当該証言を得ることが必要不可欠であるといった事情が認められない場合には、同号に基づき、原則として、当該取材源に係る証言を拒絶することができる。
判例
事案:民事事件において報道関係者が証人となった事案において、①民事訴訟法197条1項3号に基づいて取材源に係る証言を拒絶することができるかどうかを判断する基準と、②どの場合にそれが必要となるかが問題となった。
判旨:①「民訴法は、公正な民事裁判の実現を目的として、何人も、証人として証言をすべき義務を負い(同法190条)、一定の事由がある場合に限って例外的に証言を拒絶することができる旨定めている(同法196条、197条)。そして、同法197条1項3号は、『職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合』には、証人は、証言を拒むことができると規定している。ここにいう『職業の秘密』とは、その事項が公開されると、当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になるものをいうと解される(最高裁平成11年(許)第20号同12年3月10日第一小法廷決定・民集54巻3号1073頁参照)。もっとも、ある秘密が上記の意味での職業の秘密に当たる場合においても、そのことから直ちに証言拒絶が認められるものではなく、そのうち保護に値する秘密についてのみ証言拒絶が認められると解すべきである。そして、保護に値する秘密であるかどうかは、秘密の公表によって生ずる不利益と証言の拒絶によって犠牲になる真実発見及び裁判の公正との比較衡量により決せられるというべきである。報道関係者の取材源は、一般に、それがみだりに開示されると、報道関係者と取材源となる者との間の信頼関係が損なわれ、将来にわたる自由で円滑な取材活動が妨げられることとなり、報道機関の業務に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になると解されるので、取材源の秘密は職業の秘密に当たるというべきである。そして、当該取材源の秘密が保護に値する秘密であるかどうかは、当該報道の内容、性質、その持つ社会的な意義・価値、当該取材の態様、将来における同種の取材活動が妨げられることによって生ずる不利益の内容、程度等と、当該民事事件の内容、性質、その持つ社会的な意義・価値、当該民事事件において当該証言を必要とする程度、代替証拠の有無等の諸事情を比較衡量して決すべきことになる。」
②「報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の知る権利に奉仕するものである。したがって、思想の表明の自由と並んで、事実報道の自由は、表現の自由を規定した憲法21条の保障の下にあることはいうまでもない。また、このような報道機関の報道が正しい内容を持つためには、報道の自由とともに、報道のための取材の自由も、憲法21条の精神に照らし、十分尊重に値するものといわなければならない(最高裁昭和44年(し)第68号同年11月26日大法廷決定・刑集23巻11号1490頁参照)。取材の自由の持つ上記のような意義に照らして考えれば、取材源の秘密は、取材の自由を確保するために必要なものとして、重要な社会的価値を有するというべきである。そうすると、当該報道が公共の利益に関するものであって、その取材の手段、方法が一般の刑罰法令に触れるとか、取材源となった者が取材源の秘密の開示を承諾しているなどの事情がなく、しかも、当該民事事件が社会的意義や影響のある重大な民事事件であるため、当該取材源の秘密の社会的価値を考慮してもなお公正な裁判を実現すべき必要性が高く、そのために当該証言を得ることが必要不可欠であるといった事情が認められない場合には、当該取材源の秘密は保護に値すると解すべきであり、証人は、原則として、当該取材源に係る証言を拒絶することができると解するのが相当である。」
判旨:①「民訴法は、公正な民事裁判の実現を目的として、何人も、証人として証言をすべき義務を負い(同法190条)、一定の事由がある場合に限って例外的に証言を拒絶することができる旨定めている(同法196条、197条)。そして、同法197条1項3号は、『職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合』には、証人は、証言を拒むことができると規定している。ここにいう『職業の秘密』とは、その事項が公開されると、当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になるものをいうと解される(最高裁平成11年(許)第20号同12年3月10日第一小法廷決定・民集54巻3号1073頁参照)。もっとも、ある秘密が上記の意味での職業の秘密に当たる場合においても、そのことから直ちに証言拒絶が認められるものではなく、そのうち保護に値する秘密についてのみ証言拒絶が認められると解すべきである。そして、保護に値する秘密であるかどうかは、秘密の公表によって生ずる不利益と証言の拒絶によって犠牲になる真実発見及び裁判の公正との比較衡量により決せられるというべきである。報道関係者の取材源は、一般に、それがみだりに開示されると、報道関係者と取材源となる者との間の信頼関係が損なわれ、将来にわたる自由で円滑な取材活動が妨げられることとなり、報道機関の業務に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になると解されるので、取材源の秘密は職業の秘密に当たるというべきである。そして、当該取材源の秘密が保護に値する秘密であるかどうかは、当該報道の内容、性質、その持つ社会的な意義・価値、当該取材の態様、将来における同種の取材活動が妨げられることによって生ずる不利益の内容、程度等と、当該民事事件の内容、性質、その持つ社会的な意義・価値、当該民事事件において当該証言を必要とする程度、代替証拠の有無等の諸事情を比較衡量して決すべきことになる。」
②「報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の知る権利に奉仕するものである。したがって、思想の表明の自由と並んで、事実報道の自由は、表現の自由を規定した憲法21条の保障の下にあることはいうまでもない。また、このような報道機関の報道が正しい内容を持つためには、報道の自由とともに、報道のための取材の自由も、憲法21条の精神に照らし、十分尊重に値するものといわなければならない(最高裁昭和44年(し)第68号同年11月26日大法廷決定・刑集23巻11号1490頁参照)。取材の自由の持つ上記のような意義に照らして考えれば、取材源の秘密は、取材の自由を確保するために必要なものとして、重要な社会的価値を有するというべきである。そうすると、当該報道が公共の利益に関するものであって、その取材の手段、方法が一般の刑罰法令に触れるとか、取材源となった者が取材源の秘密の開示を承諾しているなどの事情がなく、しかも、当該民事事件が社会的意義や影響のある重大な民事事件であるため、当該取材源の秘密の社会的価値を考慮してもなお公正な裁判を実現すべき必要性が高く、そのために当該証言を得ることが必要不可欠であるといった事情が認められない場合には、当該取材源の秘密は保護に値すると解すべきであり、証人は、原則として、当該取材源に係る証言を拒絶することができると解するのが相当である。」
過去問・解説
(H28 予備 第41問 3)
職業の秘密とは、その事項が公開されると当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になる事項をいい、これに該当すれば、当然に、証人は当該事項につき証言を拒むことができる。
職業の秘密とは、その事項が公開されると当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になる事項をいい、これに該当すれば、当然に、証人は当該事項につき証言を拒むことができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平18.10.3)は、「『職業の秘密』とは、その事項が公開されると、当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になるものをいうと解される…もっとも、ある秘密が上記の意味での職業の秘密に当たる場合においても、そのことから直ちに証言拒絶が認められるものではなく、そのうち保護に値する秘密についてのみ証言拒絶が認められると解すべきである。そして、保護に値する秘密であるかどうかは、秘密の公表によって生ずる不利益と証言の拒絶によって犠牲になる真実発見及び裁判の公正との比較衡量により決せられるというべきである。」として、職業の秘密に該当する場合でも、当然に、証人は当該事項につき証言を拒むことができるわけではないことを示している。
判例(最判平18.10.3)は、「『職業の秘密』とは、その事項が公開されると、当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になるものをいうと解される…もっとも、ある秘密が上記の意味での職業の秘密に当たる場合においても、そのことから直ちに証言拒絶が認められるものではなく、そのうち保護に値する秘密についてのみ証言拒絶が認められると解すべきである。そして、保護に値する秘密であるかどうかは、秘密の公表によって生ずる不利益と証言の拒絶によって犠牲になる真実発見及び裁判の公正との比較衡量により決せられるというべきである。」として、職業の秘密に該当する場合でも、当然に、証人は当該事項につき証言を拒むことができるわけではないことを示している。
総合メモ
金融機関が民事訴訟において訴訟外の第三者として開示を求められた顧客情報について、当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合に、同情報は、民事訴訟法197条1項3号にいう職業の秘密として保護されるか 最三小判平成19年12月11日
概要
①金融機関が民事訴訟において訴訟外の第三者として開示を求められた顧客情報について、当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合には、同情報は、金融機関がこれにつき職業の秘密として保護に値する独自の利益を有するときは別として、197条1項3号にいう職業の秘密として保護されない。
②A、Bを当事者とする民事訴訟の手続の中で、Aが金融機関Cを相手方としてBとCとの間の取引履歴が記載された明細表を対象文書とする文書提出命令を申し立てた場合において、Bが上記明細表を所持しているとすれば民訴法220条4号所定の事由のいずれにも該当せず提出義務が認められること、Cがその取引履歴を秘匿する独自の利益を有するものとはいえないことなど判示の事情の下では、上記明細表は、同法197条1項3号にいう職業の秘密として保護されるべき情報が記載された文書とはいえず、同法220条4号ハ所定の文書に該当しない。
②A、Bを当事者とする民事訴訟の手続の中で、Aが金融機関Cを相手方としてBとCとの間の取引履歴が記載された明細表を対象文書とする文書提出命令を申し立てた場合において、Bが上記明細表を所持しているとすれば民訴法220条4号所定の事由のいずれにも該当せず提出義務が認められること、Cがその取引履歴を秘匿する独自の利益を有するものとはいえないことなど判示の事情の下では、上記明細表は、同法197条1項3号にいう職業の秘密として保護されるべき情報が記載された文書とはいえず、同法220条4号ハ所定の文書に該当しない。
判例
事案:訴訟外の第三者である金融機関が所持する顧客の取引履歴が記載された取引明細書について文書提出命令の申立てがされた事案において、①当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合、同情報は、197条1項3号にいう職業の秘密として保護されるか、②金融機関と顧客との取引履歴が記載された明細表が、197条1項3号にいう職業の秘密として保護されるべき情報が記載された文書とはいえないとして、220条4号ハ所定の文書に該当しないのではないかなどが問題となった。
判旨:①「金融機関は、顧客との取引内容に関する情報や顧客との取引に関して得た顧客の信用にかかわる情報などの顧客情報につき、商慣習上又は契約上、当該顧客との関係において守秘義務を負い、その顧客情報をみだりに外部に漏らすことは許されない。しかしながら、金融機関が有する上記守秘義務は、上記の根拠に基づき個々の顧客との関係において認められるにすぎないものであるから、金融機関が民事訴訟において訴訟外の第三者として開示を求められた顧客情報について、当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合には、当該顧客は上記顧客情報につき金融機関の守秘義務により保護されるべき正当な利益を有さず、金融機関は、訴訟手続において上記顧客情報を開示しても守秘義務には違反しないというべきである。そうすると、金融機関は、訴訟手続上、顧客に対し守秘義務を負うことを理由として上記顧客情報の開示を拒否することはできず、同情報は、金融機関がこれにつき職業の秘密として保護に値する独自の利益を有する場合は別として、民訴法197条1項3号にいう職業の秘密として保護されないものというべきである。」
②「これを本件についてみるに、本件明細表は、相手方とその顧客であるBとの取引履歴が記載されたものであり、相手方は、同取引履歴を秘匿する独自の利益を有するものとはいえず、これについてBとの関係において守秘義務を負っているにすぎない。そして、本件明細表は、本案の訴訟当事者であるBがこれを所持しているとすれば、民訴法220条4号所定の事由のいずれにも該当せず、提出義務の認められる文書であるから、Bは本件明細表に記載された取引履歴について相手方の守秘義務によって保護されるべき正当な利益を有さず、相手方が本案訴訟において本件明細表を提出しても、守秘義務に違反するものではないというべきである。そうすると、本件明細表は、職業の秘密として保護されるべき情報が記載された文書とはいえないから、相手方は、本件申立てに対して本件明細表の提出を拒否することはできない。」
判旨:①「金融機関は、顧客との取引内容に関する情報や顧客との取引に関して得た顧客の信用にかかわる情報などの顧客情報につき、商慣習上又は契約上、当該顧客との関係において守秘義務を負い、その顧客情報をみだりに外部に漏らすことは許されない。しかしながら、金融機関が有する上記守秘義務は、上記の根拠に基づき個々の顧客との関係において認められるにすぎないものであるから、金融機関が民事訴訟において訴訟外の第三者として開示を求められた顧客情報について、当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合には、当該顧客は上記顧客情報につき金融機関の守秘義務により保護されるべき正当な利益を有さず、金融機関は、訴訟手続において上記顧客情報を開示しても守秘義務には違反しないというべきである。そうすると、金融機関は、訴訟手続上、顧客に対し守秘義務を負うことを理由として上記顧客情報の開示を拒否することはできず、同情報は、金融機関がこれにつき職業の秘密として保護に値する独自の利益を有する場合は別として、民訴法197条1項3号にいう職業の秘密として保護されないものというべきである。」
②「これを本件についてみるに、本件明細表は、相手方とその顧客であるBとの取引履歴が記載されたものであり、相手方は、同取引履歴を秘匿する独自の利益を有するものとはいえず、これについてBとの関係において守秘義務を負っているにすぎない。そして、本件明細表は、本案の訴訟当事者であるBがこれを所持しているとすれば、民訴法220条4号所定の事由のいずれにも該当せず、提出義務の認められる文書であるから、Bは本件明細表に記載された取引履歴について相手方の守秘義務によって保護されるべき正当な利益を有さず、相手方が本案訴訟において本件明細表を提出しても、守秘義務に違反するものではないというべきである。そうすると、本件明細表は、職業の秘密として保護されるべき情報が記載された文書とはいえないから、相手方は、本件申立てに対して本件明細表の提出を拒否することはできない。」
過去問・解説
(R3 予備 第40問 1)
訴訟外の第三者である金融機関が所持する顧客の取引履歴が記載された取引明細書について文書提出命令の申立てがされた場合に、その顧客自身が訴訟の当事者として開示義務を負うときであっても、金融機関は、その保持する顧客の信用情報につき、商慣習上又は契約上、その顧客との関係で守秘義務を負うから、裁判所は、当該取引明細書の提出を命ずることはできない。
訴訟外の第三者である金融機関が所持する顧客の取引履歴が記載された取引明細書について文書提出命令の申立てがされた場合に、その顧客自身が訴訟の当事者として開示義務を負うときであっても、金融機関は、その保持する顧客の信用情報につき、商慣習上又は契約上、その顧客との関係で守秘義務を負うから、裁判所は、当該取引明細書の提出を命ずることはできない。
(正答)✕
(解説)
220条は、柱書において、「次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。」と規定し、4号において、「前3号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。」を、同号ハにおいて、「第197条第1項…第3号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書」を掲げている。
そして、197条1項3号は、証言拒絶事由として、「職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合」を掲げている。
これについて、判例(最判平19.12.11)は、本肢と同種の事案において、「金融機関は、顧客との取引内容に関する情報や顧客との取引に関して得た顧客の信用にかかわる情報などの顧客情報につき、商慣習上又は契約上、当該顧客との関係において守秘義務を負い、その顧客情報をみだりに外部に漏らすことは許されない。しかしながら…金融機関が民事訴訟において訴訟外の第三者として開示を求められた顧客情報について、当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合には…上記顧客情報の開示を拒否することはできず、同情報は、金融機関がこれにつき職業の秘密として保護に値する独自の利益を有する場合は別として、民訴法197条1項3号にいう職業の秘密として保護されないものというべきである。」とした上で、「本件明細表は、本案の訴訟当事者であるBがこれを所持しているとすれば、民訴法220条4号所定の事由のいずれにも該当せず、提出義務の認められる文書である…そうすると、本件明細表は、職業の秘密として保護されるべき情報が記載された文書とはいえないから、相手方は、本件申立てに対して本件明細表の提出を拒否することはできない。」として、訴訟外の第三者である金融機関が所持する顧客の取引履歴が記載された取引明細書について当該取引明細書の提出を命ずることができることを示している。
220条は、柱書において、「次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。」と規定し、4号において、「前3号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。」を、同号ハにおいて、「第197条第1項…第3号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書」を掲げている。
そして、197条1項3号は、証言拒絶事由として、「職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合」を掲げている。
これについて、判例(最判平19.12.11)は、本肢と同種の事案において、「金融機関は、顧客との取引内容に関する情報や顧客との取引に関して得た顧客の信用にかかわる情報などの顧客情報につき、商慣習上又は契約上、当該顧客との関係において守秘義務を負い、その顧客情報をみだりに外部に漏らすことは許されない。しかしながら…金融機関が民事訴訟において訴訟外の第三者として開示を求められた顧客情報について、当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務を負う場合には…上記顧客情報の開示を拒否することはできず、同情報は、金融機関がこれにつき職業の秘密として保護に値する独自の利益を有する場合は別として、民訴法197条1項3号にいう職業の秘密として保護されないものというべきである。」とした上で、「本件明細表は、本案の訴訟当事者であるBがこれを所持しているとすれば、民訴法220条4号所定の事由のいずれにも該当せず、提出義務の認められる文書である…そうすると、本件明細表は、職業の秘密として保護されるべき情報が記載された文書とはいえないから、相手方は、本件申立てに対して本件明細表の提出を拒否することはできない。」として、訴訟外の第三者である金融機関が所持する顧客の取引履歴が記載された取引明細書について当該取引明細書の提出を命ずることができることを示している。