現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
口頭弁論(時機に遅れた攻撃防御方法の却下) - 解答モード
控訴審における時機に後れた攻撃防御方法 大判昭和8年2月7日
概要
控訴審としては、第1審における訴訟手続の経過をも通観して、その時機に後れているか否かを決すべきであり、第1審の口頭弁論において提出することのできた攻撃防御方法を、控訴審の第1回口頭弁論において提出した場合、時機に後れたものとなりうる。
判例
事案:控訴審の第1回口頭弁論期日において新たな攻撃又は防御の方法が提出された事案において、控訴審の第1回口頭弁論期日において初めて提出された攻撃又は防御の方法につき、「時機に後れた」(157条1項)ものとして却下することができるかが問題となった。
判旨:「案スルニ民事訴訟法第百三十九條(現:157条1項)ニ所謂『時機ニ後レテ』ノ意ハ法文自體必スシモ明瞭ナリト云フヘカラサルモ同條カ總則規定ナルニ何等ノ制限ヲ加ヘサリシ點同條カ訴訟ノ完結遲滯ヲ防止スル目的ヲ以テ設ケラレタル點及控訴審カ第1審ノ續審タル點等ニ鑑レハ或訴訟事件ニシテ控訴審ニ繋屬シタル場合當事者ヨリ第1審ニ提出セサリシ攻撃防禦ノ方法ヲ提出シタルトキハ控訴審トシテハ第1審ニ於ケル訴訟手續ノ經過ヲモ通觀シテ以テ其ノ時機ニ後レタルヤ否ヤヲ決スヘキ法意ナリト解スルヲ相當トス」
判旨:「案スルニ民事訴訟法第百三十九條(現:157条1項)ニ所謂『時機ニ後レテ』ノ意ハ法文自體必スシモ明瞭ナリト云フヘカラサルモ同條カ總則規定ナルニ何等ノ制限ヲ加ヘサリシ點同條カ訴訟ノ完結遲滯ヲ防止スル目的ヲ以テ設ケラレタル點及控訴審カ第1審ノ續審タル點等ニ鑑レハ或訴訟事件ニシテ控訴審ニ繋屬シタル場合當事者ヨリ第1審ニ提出セサリシ攻撃防禦ノ方法ヲ提出シタルトキハ控訴審トシテハ第1審ニ於ケル訴訟手續ノ經過ヲモ通觀シテ以テ其ノ時機ニ後レタルヤ否ヤヲ決スヘキ法意ナリト解スルヲ相當トス」
過去問・解説
(H25 共通 第73問 3)
裁判所は、控訴審の第1回口頭弁論期日において初めて提出された攻撃又は防御の方法を、時機に後れたものとして却下することはできない。
控訴審において初めて提出した攻撃防禦の方法 最三小判昭和30年4月5日
概要
控訴審において初めて提出した攻撃防御の方法が、157条1項の時機に後れたかどうかは、第1審以来の訴訟手続の経過を含めて判断する。
判例
事案:控訴審において建物買取請求権の行使が主張された事案において、かかる主張が時機に後れたといえるかについて、第1審の訴訟手続も含めて判断するのかが問題となった。
判旨:「所論引用の大審院判例(昭和8年2月7日判決)が、控訴審における民訴139条(現:157条1項)の適用について、第1審における訴訟手続の経過をも通観して時機に後れたるや否やを考うべきものであり、そして時機に後れた攻撃防禦の方法であっても、当事者に故意又は重大な過失が存すること及びこれがため訴訟の完結を延滞せしめる結果を招来するものでなければ、右の攻撃防禦の方法を同条により却下し得ない趣旨を判示していることは所論のとおりであって、この解釈は現在もなお維持せらるべきものと認められる。 記録によって調べてみると、所論の買取請求権行使は、原審第2回の口頭弁論において(第1回は控訴代理人の申請により延期)はじめて陳述されたものであるところ、上告人が第1審第1回口頭弁論において陳述した答弁書によれば、本件賃借権の譲渡について被上告人の承諾を得ないことを認め、右不承諾を以て権利らん用であると抗弁していることがうかがわれるから、すでに第1審において少くとも前記買取請求権行使に関する主張を提出することができたものと認めるのを相当とし、所論のように、上告人が第1審において当初の主張にのみ防禦を集中したというだけの理由をもって、上告人が第2審において始めてなした買取請求権行使に関する主張が、故意又は重大なる過失により時機に後れてなされた防禦方法でないと断定することはできない。」
判旨:「所論引用の大審院判例(昭和8年2月7日判決)が、控訴審における民訴139条(現:157条1項)の適用について、第1審における訴訟手続の経過をも通観して時機に後れたるや否やを考うべきものであり、そして時機に後れた攻撃防禦の方法であっても、当事者に故意又は重大な過失が存すること及びこれがため訴訟の完結を延滞せしめる結果を招来するものでなければ、右の攻撃防禦の方法を同条により却下し得ない趣旨を判示していることは所論のとおりであって、この解釈は現在もなお維持せらるべきものと認められる。 記録によって調べてみると、所論の買取請求権行使は、原審第2回の口頭弁論において(第1回は控訴代理人の申請により延期)はじめて陳述されたものであるところ、上告人が第1審第1回口頭弁論において陳述した答弁書によれば、本件賃借権の譲渡について被上告人の承諾を得ないことを認め、右不承諾を以て権利らん用であると抗弁していることがうかがわれるから、すでに第1審において少くとも前記買取請求権行使に関する主張を提出することができたものと認めるのを相当とし、所論のように、上告人が第1審において当初の主張にのみ防禦を集中したというだけの理由をもって、上告人が第2審において始めてなした買取請求権行使に関する主張が、故意又は重大なる過失により時機に後れてなされた防禦方法でないと断定することはできない。」
過去問・解説
(H18 司法 第63問 3)
攻撃防御方法の提出が時機に後れたかどうかは、第1審及び控訴審を通じて判断されるため、控訴審の第1回期日に提出されても、時機に後れたものとして却下されることがある。
(H20 司法 第63問 イ)
実体法上の形成権を訴訟上行使する旨の主張は、時機に後れた攻撃防御方法の却下の対象とならない。
(H20 司法 第63問 エ)
控訴審において初めて提出した攻撃防御方法が時機に後れたものかどうかは、第1審以来の訴訟手続の経過を勘案して判断すべきである。
唯一の証拠方法の却下 最大判昭和30年4月27日
概要
唯一の証拠方法であっても、時機に後れて提出された場合はこれを却下しても違法でない。
判例
事案:一定の要証事項に対する証拠方法が1つしかなく、かつ、かかる証拠方法が時期に後れて提出された事案において、唯一の証拠方法である場合にも、157条1項の適用があるかが問題となった。
判旨:「右訴訟の経緯に徴すれば、原審は時機におくれた攻撃方法として該申請を却下し弁論を終結したものと認めるのを相当とすべく、しかも時機におくれた攻撃方法である以上、たとえ一定の要証事項に対する唯一の証拠方法であっても、これを却下し得べきことは勿論である。」
判旨:「右訴訟の経緯に徴すれば、原審は時機におくれた攻撃方法として該申請を却下し弁論を終結したものと認めるのを相当とすべく、しかも時機におくれた攻撃方法である以上、たとえ一定の要証事項に対する唯一の証拠方法であっても、これを却下し得べきことは勿論である。」