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裁判によらない訴訟の完結 - 解答モード
訴訟上の和解の内容たる私法上の契約の解除と和解による訴訟終了効 最一小判昭和43年2月15日
概要
判例
判旨:「訴訟が訴訟上の和解によって終了した場合においては、その後その和解の内容たる私法上の契約が債務不履行のため解除されるに至ったとしても、そのことによっては、単にその契約に基づく私法上の権利関係が消滅するのみであって、和解によって一旦終了した訴訟が復活するものではないと解するのが相当である。従って右と異なる見解に立って、本件の訴提起が二重起訴に該当するとの所論は採用し得ない。」
過去問・解説
(H18 司法 第64問 オ)
訴訟上の和解の内容となった私法上の契約が解除された場合、判例によれば、同一の請求の訴えを改めて提起することはできない。
(R3 予備 第42問 オ)
訴訟が訴訟上の和解により終了した場合において、その後、その和解の内容である私法上の契約が債務不履行により解除されたとしても、和解による訴訟終了の効果には影響を及ぼさない。
裁判外の訴えの取下げの合意の効力 最二小判昭和44年10月17日
概要
判例
判旨:「訴の取下に関する合意が成立した場合においては、右訴の原告は権利保護の利益を喪失したものとみうるから、右訴を却下すべきものであり、これと結論を同じくする原審の判断は相当である。」
過去問・解説
(H18 司法 第56問 2)
訴えの取下げの合意が成立したにもかかわらず、原告が訴えを取り下げない場合、判例によれば、原告は権利保護の利益を喪失したものとみることができるから、訴えは却下される。
(H22 共通 第65問 5)
判例によれば、訴訟外で訴えを取り下げる旨の合意が成立し、被告がその合意の存在を主張・立証した場合、裁判所は、請求棄却の判決をしなければならない。
(H23 共通 第70問 1)
判例の趣旨によれば、訴訟外で訴えの取下げの合意がされても、それだけでは、訴えの取下げの効力は生じない。
(H24 予備 第42問 ア)
XがYに対し、自動車の売買代金300万円の支払を求める訴えを提起したところ、Yは、第1回口頭弁論期日において請求棄却を求める旨の答弁をし、請求原因事実に対する認否として売買契約締結の事実を否認した。
XとYは、第1回口頭弁論期日の終了後、訴訟外で、YがXに対し150万円を支払い、Xが訴えを取り下げる旨の和解をした。
判例の趣旨に照らし訴訟の終了の効果が発生するか。
(H26 共通 第73問 2)
判例の趣旨によれば、原告と被告との間で訴えの取下げの合意が成立したときは、訴訟は、直ちに終了する。
(H28 予備 第43問 4)
裁判外で訴えを取り下げる旨の合意が成立し、被告がその存在を主張立証した場合には、裁判所は当該訴えを却下しなければならない。
(H29 予備 第41問 イ)
裁判所は、訴訟外において原告が被告との間で訴えを取り下げる旨の合意をしたと認めるときは、訴えの取下げによる訴訟終了の宣言をしなければならない。
刑事上罰すべき他人の行為によってなされた訴えの取下げの効力 最二小判昭和46年6月25日
概要
判例
判旨:「訴の取下は訴訟行為であるから、一般に行為者の意思の瑕疵がただちにその効力を左右するものではないが、詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為により訴の取下がなされるにいたったときは、民訴法420条1項5号(現:338条1項5号)の法意に照らし、その取下は無効と解すべきであり、また、右無効の主張については、いったん確定した判決に対する不服の申立である再審の訴を提起する場合とは異なり、同条2項(現:338条2項)の適用はなく、必ずしも右刑事上罰すべき他人の行為につき、有罪判決の確定ないしこれに準ずべき要件の具備、または告訴の提起等を必要としないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H22 共通 第65問 3)
判例によれば、詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき被告の行為により訴えの取下げがされるに至った場合であっても、当該訴えの取下げは有効である。
再訴禁止効が生じる「同一の訴え」の意義 最三小判昭和52年7月19日
概要
判例
判旨:「民訴法237条2項(現:262条2項)は、終局判決を得た後に訴を取下げることにより裁判を徒労に帰せしめたことに対する制裁的趣旨の規定であり、同一紛争をむし返して訴訟制度をもてあそぶような不当な事態の生起を防止する目的に出たものにほかならず、旧訴の取下者に対し、取下後に新たな訴の利益又は必要性が生じているにもかかわらず、一律絶対的に司法的救済の道を閉ざすことをまで意図しているものではないと解すべきである。したがって、同条項にいう『同一ノ訴』とは、単に当事者及び訴訟物を同じくするだけではなく、訴の利益又は必要性の点についても事情を一にする訴を意味し、たとえ新訴が旧訴とその訴訟物を同じくする場合であっても、再訴の提起を正当ならしめる新たな利益又は必要性が存するときは、同条項の規定はその適用がないものと解するのが、相当である。」
過去問・解説
(H19 司法 第60問 5)
第1審で勝訴した原告が控訴審で訴えを取り下げたときは、同一の訴えを再び提起することはできないが、取下げ後にその訴えの提起を必要とする新たな事情が生じた場合は、再訴が許されることがある。
(正答)〇
(解説)
262条2項は、「本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭52.7.19)は、「『同一ノ訴』とは、単に当事者及び訴訟物を同じくするだけではなく、訴の利益又は必要性の点についても事情を一にする訴を意味し、たとえ新訴が旧訴とその訴訟物を同じくする場合であっても、再訴の提起を正当ならしめる新たな利益又は必要性が存するときは、同条項の規定はその適用がない…。」として、取下げ後にその訴えの提起を必要とする新たな事情が生じた場合は、再訴が許されることを示している。
(H30 予備 第37問 エ)
本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、その訴えと訴訟物を同一とする再訴の提起を正当なものとする新たな利益又は必要性が存するときは、取り下げた訴えと訴訟物を同一とする再訴を提起することができる。
(R6 予備 第41問 オ)
終局判決があった後に訴えの取下げをした当事者は、新たな訴えの利益又は必要性が存するときは、前訴と当事者及び訴訟物を同一とする訴えを提起することができる。
(正答)〇
(解説)
262条2項は「本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない。」と規定している。
これについて判例(最判昭52.7.19)は、「『同一ノ訴』とは、単に当事者及び訴訟物を同じくするだけではなく、訴の利益又は必要性の点についても事情を一にする訴を意味し、たとえ新訴が旧訴とその訴訟物を同じくする場合であっても、再訴の提起を正当ならしめる新たな利益又は必要性が存するときは、同条項の規定はその適用がない…。」として、新たな訴えの利益又は必要性が存するときは、前訴と当事者及び訴訟物を同一とする訴えを提起することができることを示している。
差戻後の第一審における訴えの取下げと再訴禁止効 最三小判昭和38年10月1日
概要
判例
判旨:「一旦言い渡された第1審の本案の終局判決が第2審で取り消されその効力を失った後は、差戻後の第1審において改めて本案の終局判決がなされるまでは、訴の取下により失効されるべき『本案の終局判決』は存しなくなっているのであるから、その間における訴の取下については、右237条(現:262条)2項所定の再訴禁止の効果を生じないものと解するとして、本訴の提起が同条項に牴触しないことを判断した本件第1審判決は、正当であり、原審もまた、右第1審と同じ判断に立ち、本案の審理に進んだものであることが記録ならびに判文上から窺えるから、原判決に所論違法は存しない。」
過去問・解説
(H29 予備 第43問 1)
本案について終局判決がされた後、その判決が控訴審で取り消され、事件が第1審に差し戻された場合において、改めて終局判決がされるまでに訴えの取下げがされたときは、再訴禁止の効果を生じない。
(正答)〇
(解説)
262条2項は、「本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない。」と規定している(再訴の禁止)。
そして、判例(最判昭38.10.1)は、本肢と同種の事案において、「一旦言い渡された第1審の本案の終局判決が第2審で取り消されその効力を失った後は、差戻後の第1審において改めて本案の終局判決がなされるまでは、訴の取下により失効されるべき『本案の終局判決』は存しなくなっているのであるから、その間における訴の取下については、右237条2項所定の再訴禁止の効果を生じない…。」としている。
したがって、本案について終局判決がされた後、その判決が控訴審で取り消され、事件が第1審に差し戻された場合において、改めて終局判決がされるまでに訴えの取下げがされたときは、再訴禁止の効果を生じない。
(R2 予備 第44問 3)
請求を全部認容した第1審判決が控訴裁判所により取り消されて、事件が第1審に差し戻された場合において、原告が差戻し後の第1審において訴えを取り下げたときは、原告は、同一の訴えを提起することができない。
(正答)✕
(解説)
262条2項は、「本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭38.10.1)は、「一旦言い渡された第1審の本案の終局判決が第2審で取り消されその効力を失った後は、差戻後の第1審において改めて本案の終局判決がなされるまでは、訴の取下により失効されるべき『本案の終局判決』は存しなくなっているのであるから、その間における訴の取下については、右237条(現:262条)2項所定の再訴禁止の効果を生じないものと解する…。」としている。
したがって、本肢のような場合にも、原告は、同一の訴えを提起することができる。
請求が証書真否確認の訴えの対象たる資格を欠く訴えにおける請求の認諾の効力 最一小判昭和28年10月15日
概要
判例
判旨:「民訴225条(現:134条の2)にいわゆる『法律関係を証する書面』とは、その書面自体の内容から直接に一定の現在の法律関係の成立存否が証明され得る書面を指すものと解するを相当とする。なぜならば、証書真否確定の訴は、一定の現在の給付請求又は一定の現在の法律関係の存否の確認の訴の煩を避くるため、該訴における主要な書証の真否を確定することによって事案の解決に資することを目的として認められた制度であるからである。しかるに、本件書面は、郵便に付した信書ではあるが、原判決の説示したように、過去の事実の報告等(ことに『受取人不在ニ付差出人ニ返送ス広島県』なる事実)を証明する書面たるに止り、それ自体一定の現在の法律関係の成立存否を証明するに足るものでないことその内容に照し明白であるから同条の確認の訴の対象とならないものであって、これが偽造確認を求める本訴は不適法たるを免れないものといわなければならない。…また、同条の証書真否確認の訴は、前示のごとき証書の真否の確定を求めるものでなければ不適法であるから、本訴のような請求に対したとい相手方がその請求を認諾しても、その認諾は、証書真否確認の訴を認めた立法理由に背反しその訴訟上の効果を生じ得ないものといわなければならない。」
過去問・解説
(R4 予備 第43問 オ)
原告が被告に対し証書真否確認の訴えを提起した場合において、確認の対象となる文書が、法律関係を証する書面に該当しないものでも、被告が口頭弁論の期日において原告の請求を認諾する旨の陳述をし、それが調書に記載されたときは、当該訴訟は終了する。
第三者を含めた訴訟上の和解 大判昭和13年8月9日
概要
判例
判旨:「訟上ノ和解ハ争ノ目的タル法律関係ノ確定ヲ本旨トスルモノニ非スシテ争其ノモノノ終結ヲ目的トスルモノナレハ争ノ当事者ニ非サル第三者ノ加入ニ依リ此ノ目的ヲ達スルコトヲ得ルニ於テハ其ノ加入ニ依リ成立シタル和解モ亦訴訟上ノ和解タルヲ失ハス」
過去問・解説
(H21 司法 第67問 オ)
和解の内容として、第三者を利害関係人に加えた上で、原告が被告に対し、請求に係る債務の履行について期限の猶予を与えるとともに、当該第三者が原告に対し、被告の債務を保証することは許されない。
(H25 共通 第72問 2)
訴訟上の和解には、当事者以外の第三者も加わることができるが、そのためには訴訟参加の手続を経ることを要する。
和解が要素の錯誤によって無効とされた場合 最一小判昭和33年6月14日
概要
判例
判旨:「本件和解は、本件請求金額62万9777円50銭の支払義務あるか否かが争の目的であって、当事者である原告(被控訴人、被上告人)、被告(控訴人、上告人)が原判示のごとく互に譲歩をして右争を止めるため仮差押にかかる本件ジヤムを市場で一般に通用している特選D印苺ジヤムであることを前提とし、これを1箱当り3000円(1罐平均62円50銭相当)と見込んで控訴人から被控訴人に代物弁済として引渡すことを約したものであるところ、本件ジヤムは、原判示のごとき粗悪品であったから、本件和解に関与した被控訴会社の訴訟代理人の意思表示にはその重要な部分に錯誤があった…本件和解は要素の錯誤により無効である旨判示しているから、 所論のごとき実質的確定力を有しないこと論をまたない。」
過去問・解説
(H21 司法 第67問 エ)
訴訟上の和解が成立し、その内容が調書に記載されると、その調書の記載は確定判決と同一の効力を有するから、判例によれば、和解を締結する過程で意思表示の瑕疵があったとしても、当事者は、再審の事由がない限り、和解の無効や取消しを主張することができない。
(R4 予備 第43問 ウ)
訴訟上の和解が成立した場合には、和解の当事者は、その和解の内容である私法上の契約に係る意思表示の重要な部分に錯誤があったとして当該和解の効力を争うことはできない。
訴訟上の和解に訴訟物たる権利関係以外の権利関係を包含させることの可否 最二小判昭和43年3月29日
概要
判例
判旨:「訴訟上の和解には、当該訴訟の訴訟物たる権利関係以外の権利関係を包含させても違法ではないと解するのが相当であって、原判決に所論の違法は存しない。」
過去問・解説
(H21 司法 第67問 ウ)
訴訟上の和解では、当事者は、当該訴訟の訴訟物に加えて訴訟物以外の権利又は法律関係についても和解をすることができる。