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民事訴訟法 訴訟代理人のない法人が追行する訴訟の係属中に代表者の代表権が消滅した場合に、それが公知の事実であるときの相手方への通知の要否 最三小判平成19年3月27日 - 解答モード

概要
訴訟当事者を代表していた者の代表権の消滅は、それが公知の事実である場合には、相手方に通知されなくても直ちにその効力を生ずる。
判例
事案:中華民国政府に代えて中華人民共和国政府を承認したことにより、中華民国政府から派遣されていた中華民国駐日本国特命全権大使が有していた中国国家の我が国における代表権が消滅した事案において、かかる事実が公知の事実として代理権消滅の通知があったものと同視し、代表権の消滅の効果が直ちに生じるといえるか問題となった。

判旨:「代表権の消滅が公知の事実である場合には、民訴法37条で準用される同法36条1項所定の通知があったものと同視し、代表権の消滅は、直ちにその効力を生ずると解するのが相当である。なぜなら、上記規定が、法定代理権の消滅について、相手方に通知しなければ、その効力を生じないと定めているのは、訴訟手続の安定性と明確性を確保し、相手方の保護を図る趣旨と解されるところ、上記の場合には、代表権の消滅が直ちにその効力を生ずるとしても、訴訟手続の安定性と明確性は害されず、相手方の保護に欠けるところはないと解されるからである。
 また、本件のように、訴訟代理人が外国国家の外交使節から訴訟代理権の授与を受けて訴訟を提起した後に、我が国政府が、当該外国国家の政府として、上記外交使節を派遣していた従前の政府に代えて新たな政府を承認したことによって、上記外交使節の我が国における当該外国国家の代表権が消滅した場合には、民訴法37条、124条2項、同条1項3号の規定にかかわらず、上記代表権の消滅の時点で、訴訟手続は中断すると解するのが相当である。なぜなら、上記規定は、訴訟代理人が選任されているときには、当該訴訟代理人が訴訟の実情に通暁しており、一般にそのまま訴訟を追行させたとしても、当事者の利益を害するおそれがないことから、訴訟手続の中断事由が生じたとしても、訴訟代理権は消滅しないものとして(同法58条1項4号参照)、訴訟手続の中断についての例外を定めたものと解されるところ、上記の場合、従前の政府の承認が取り消されたことにより、従前の政府が上記代表権の発生母体としての根拠を失ったために上記代表権が消滅したのであって、単に代表権のみが消滅した場合とは実質を異にする上、新たに承認された政府が従前の政府と利害の異なる関係にあることは明らかであるので、従前の政府から派遣されていた外交使節からの訴訟代理権の授与しか受けていない訴訟代理人がそのまま訴訟を追行することは、新たな政府が承認された後の上記外国国家の利益を害するおそれがあるというべきだからである。
 そうすると、本件の訴訟手続は、民訴法37条、124条1項3号の規定により、第1次第1審に係属していた昭和47年9月29日の時点で中断したものというべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 66.6%

(R6 予備 第36問 4)
訴訟代理人のない法人が追行する訴訟の係属中にその代表者の代表権が消滅した場合において、その代表権の消滅が公知の事実であるときは、相手方にその旨の通知がなくとも、代表権の消滅があった時点で訴訟手続は中断する。

(正答)

(解説)
判例(最判平19.3.27)は、「代表権の消滅が公知の事実である場合には、民訴法37条で準用される同法36条1項所定の通知があったものと同視し、代表権の消滅は,直ちにその効力を生ずる…。」とした上で、「民訴法37条、124条2項、同条1項3号の規定にかかわらず、上記代表権の消滅の時点で、訴訟手続は中断する…。」としている。

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