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民事訴訟法 法定代理権の消滅の通知を定める36条1項の適用範囲 大判昭和16年4月5日 - 解答モード
概要
法定代理権の消滅の通知(36条1項)は、相手方がその消滅を知っているかを問わず、その通知をしない限り、法定代理権が消滅したものと解することはできない。
判例
事案:法定代理権の消滅を相手方が知っている事案において、法定代理権の消滅の通知は、相手方がその消滅を知っている場合であっても、その通知をする必要があるかが問題となった。
判旨:「民事訴訟法第45条ニ依レハ訴訟無能力者ノ法定代理ハ同法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外民法其ノ他ノ法令ニ従フ旨明定セルヲ以テ若シ法定代理権ノ消滅ニ付民法第112条ニ従フモノトセンカ代理権ノ消滅ハ善意無過失ノ第三者ニ対抗シ得サルニ至リ第三者ノ善意悪意若クハ過失ノ有無如何ニ因リ対抗問題ヲ惹起シ延テ種々錯雑ナル関係ヲ招来スル虞アルヲ以テ民事訴訟法第57条第1項(現:36条1項)ハ斯ル複雑ナル結果ヲ一掃シ訴訟関係ノ画一且明確ヲ企図センカ為特ニ法定代理権ノ消滅ハ本人又ハ代理人ヨリ之ヲ相手方ニ通知スルニ非サレハ其ノ効ナキ旨規定セルモノトス従テ同条項所定ノ通知ハ其ノ相手方ニ於テ法定代理権消滅ノ事実ヲ知ルト否トヲ問ハス之ヲ為ササル限リ法定代理権消滅ノ効力発生セス」
判旨:「民事訴訟法第45条ニ依レハ訴訟無能力者ノ法定代理ハ同法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外民法其ノ他ノ法令ニ従フ旨明定セルヲ以テ若シ法定代理権ノ消滅ニ付民法第112条ニ従フモノトセンカ代理権ノ消滅ハ善意無過失ノ第三者ニ対抗シ得サルニ至リ第三者ノ善意悪意若クハ過失ノ有無如何ニ因リ対抗問題ヲ惹起シ延テ種々錯雑ナル関係ヲ招来スル虞アルヲ以テ民事訴訟法第57条第1項(現:36条1項)ハ斯ル複雑ナル結果ヲ一掃シ訴訟関係ノ画一且明確ヲ企図センカ為特ニ法定代理権ノ消滅ハ本人又ハ代理人ヨリ之ヲ相手方ニ通知スルニ非サレハ其ノ効ナキ旨規定セルモノトス従テ同条項所定ノ通知ハ其ノ相手方ニ於テ法定代理権消滅ノ事実ヲ知ルト否トヲ問ハス之ヲ為ササル限リ法定代理権消滅ノ効力発生セス」
過去問・解説
全体の正答率 : 66.6%
(H21 司法 第58問 エ)
株式会社の代表者の交替があった場合には相手方への通知が必要であるが、判例によれば、相手方がその交替の事実を知っている場合には、通知は不要である。
(正答)✕
(解説)
36条1項は、「法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じない。」と規定しており、37条は、「この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者…について準用する。」と規定している。
したがって、法人代表者の代表権消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じないことになる。
これについて、判例(大判昭16.4.5)は、「民事訴訟法第57条第1項(現:36条1項)…所定ノ通知ハ其ノ相手方ニ於テ法定代理権消滅ノ事実ヲ知ルト否トヲ問ハス之ヲ為ササル限リ法定代理権消滅ノ効力発生セス」として、法定代理権の消滅の通知は、相手方がその消滅を知っているかを問わず、その通知をしない限り、法定代理権が消滅したものと解することはできないとしている。
したがって、株式会社の代表者の交替があった場合において、相手方がその交替の事実を知っているときであっても、通知は必要である。