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民事訴訟法 選択的に併合されている甲、乙両請求につき甲請求を認容しその余の請求を棄却した第一審判決に対し被告が控訴し、原告が控訴も附帯控訴もしなかった場合において、控訴審が第一審判決の認容部分を取り消すべきであるとするときに、乙請求について判断することの要否 最一小判昭和58年4月14日 - 解答モード
概要
選択的に併合されている甲、乙両請求につき、甲請求の一部を認容しその余の請求を棄却した第1審判決に対し、被告が控訴し、原告が控訴、附帯控訴しなかった場合において、控訴審は、第1審判決の右認容部分を取り消すべきであるとするときには、乙請求につき審理判断すべきであり、乙請求を全部理由がないと判断すべきときにのみ、原告の請求を全部棄却しうると解すべきである。
判例
事案: 選択的に併合されている甲、乙両請求につき甲請求の一部を認容しその余の請求を棄却した第1審判決に対し被告が控訴し原告が控訴、附帯控訴しなかった場合に控訴審が第1審判決の右認容部分を取り消すべきであるとした事案において、乙請求についての判断の要否が問題となった。
判旨:「原告が甲請求と乙請求とを選択的併合として申し立てている場合、原告の意思は、1つの申立が認容されれば他の申立はこれを撤回するが、1つの申立が棄却されるときには他の申立についても審判を求めるというものであることは明らかであって、この意思は、原告が併合形態を変更しない限り、全審級を通じて維持されているものというべきであり、選択的併合の申立が訴訟法上適法なものと認められるべきものである以上、原告の意思に右のような内容の効力を認めるべきものであるから、甲請求につきその一部を認容し、原告のその余の請求を棄却した第1審判決に対し、被告が控訴の申立をし、原告が控訴及び附帯控訴の申立をしなかった場合でも、控訴審としては、第1審判決の甲請求の認容部分を取り消すべきであるとするときには、乙請求の当否につき審理判断し、これが理由があると認めるときには第1審判決の甲請求の認容額の限度で乙請求を認容すべきであり、乙請求を全部理由がないと判断すべきときに至ってはじめて原告の請求を全部棄却しうるものと解すべきである。」
判旨:「原告が甲請求と乙請求とを選択的併合として申し立てている場合、原告の意思は、1つの申立が認容されれば他の申立はこれを撤回するが、1つの申立が棄却されるときには他の申立についても審判を求めるというものであることは明らかであって、この意思は、原告が併合形態を変更しない限り、全審級を通じて維持されているものというべきであり、選択的併合の申立が訴訟法上適法なものと認められるべきものである以上、原告の意思に右のような内容の効力を認めるべきものであるから、甲請求につきその一部を認容し、原告のその余の請求を棄却した第1審判決に対し、被告が控訴の申立をし、原告が控訴及び附帯控訴の申立をしなかった場合でも、控訴審としては、第1審判決の甲請求の認容部分を取り消すべきであるとするときには、乙請求の当否につき審理判断し、これが理由があると認めるときには第1審判決の甲請求の認容額の限度で乙請求を認容すべきであり、乙請求を全部理由がないと判断すべきときに至ってはじめて原告の請求を全部棄却しうるものと解すべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50%
(R3 予備 第44問 3)
XがYに対して選択的に債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求める訴えを提起したところ、第1審裁判所は、不法行為に基づく損害賠償請求の一部を認容し、その余の請求を棄却するとの判決をした。これに対し、Yが控訴をしたが、Xは控訴と附帯控訴をしなかった場合において、控訴裁判所が不法行為に基づく損害賠償請求の全部を棄却すべきと判断したときは、控訴裁判所は、債務不履行に基づく損害賠償請求権の有無について判断するまでもなく、第1審判決を取り消してXの請求をいずれも棄却するとの判決をすることができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭58.4.14)は、原告が甲請求と乙請求とを選択的併合として申し立てている事案において、「甲請求につきその一部を認容し、原告のその余の請求を棄却した第1審判決に対し、被告が控訴の申立をし、原告が控訴及び附帯控訴の申立をしなかった場合でも、控訴審としては、第1審判決の甲請求の認容部分を取り消すべきであるとするときには、乙請求の当否につき審理判断し、これが理由があると認めるときには第1審判決の甲請求の認容額の限度で乙請求を認容すべきであり、乙請求を全部理由がないと判断すべきときに至ってはじめて原告の請求を全部棄却しうる…。」としている。
したがって、控訴裁判所が第1審判決を取り消してXの請求を全部棄却するためには、債務不履行に基づく損害賠償請求権の有無について審理判断してからでなければならない。