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民事訴訟法 重複起訴訴訟解消のため前訴が取り下げられた場合における前訴の提起による時効の完成猶予 最三小判昭和50年11月28日 - 解答モード
概要
二重訴訟を解消するために前訴が取り下げられても、前訴の請求がそのまま後訴においても維持されている場合は、前訴の提起により生じた時効中断(現:完成猶予)の効力は消滅しない。
判例
事案:二重訴訟解消のため前訴が取り下げられた事案において、前訴の提起による時効中断の効力が消滅するかが問題となった。
判旨:「訴の提起が時効中断の効力を生ずるのは、訴の提起により権利主張がされ、かつ、権利について判決による公権的判断がされることになるからであり、訴が取り下げられたときに訴の提起による時効中断の効力が生じないのは、訴の取下は、通常、訴の提起による権利主張をやめ、かつ、権利についての判決による公権的判断を受ける機会を放棄することにほかならないからである。そうすると、訴の取下が、権利主張をやめたものでもなく、権利についての判決による公権的判断を受ける機会を放棄したものでもないような場合には、訴を取り下げても訴の提起による時効中断の効力は存続すると解するのを相当とする。 …被上告人所有の本件土地について、昭和23年7月2日付で自作農創設特別措置法に基づく買収処分及び辻本浅太郎への売渡処分がされ、同25年4月4日右浅太郎のための所有権取得登記がされ、更に浅太郎は右土地を辻本秀雄に贈与し、同29年11月30日秀雄のための所有権取得登記がされた。そこで、被上告人は、昭和33年4月7日大阪府知事を相手方として、大阪地方裁判所に訴を提起し、右買収処分、売渡処分の無効確認等を求めるとともに、右訴において、辻本浅太郎、辻本秀雄を相手方として、その各所有権取得登記の抹消登記手続を求めた(大阪地方裁判所昭和33年(行)第21の2号事件、以下『旧訴』という。)。右訴提起当時浅太郎が死亡していたので、被上告人は、昭和39年3月27日浅太郎の相続人らを相手方として、浅太郎の右所有権取得登記の抹消登記手続を求めるとともに、辻本秀雄以降の本件土地の譲受人らを相手方として、各その所有権取得登記の抹消登記手続を求める本訴を大阪地方裁判所に提起した。旧訴と本訴は、別個に審理されていたが、のちに併合され、辻本秀雄に対する訴が重複していることが明らかとなり、被上告人は、そのうちの一方を取り下げることとなったが、その際、旧訴中の買収処分、売渡処分の無効確認を求める部分等がすでにその必要がなくなったなどしたので、手続の便宜上旧訴を取り下げ本訴を追行することとしたものである。 右事実によると、被上告人の旧訴の取下は、権利主張をやめたものでもなく、権利についての判決による公権的判断を受ける機会を放棄したものでもないのであるから、右訴の取下によって訴の提起による時効中断の効力は消滅しないといわなければならない。」
判旨:「訴の提起が時効中断の効力を生ずるのは、訴の提起により権利主張がされ、かつ、権利について判決による公権的判断がされることになるからであり、訴が取り下げられたときに訴の提起による時効中断の効力が生じないのは、訴の取下は、通常、訴の提起による権利主張をやめ、かつ、権利についての判決による公権的判断を受ける機会を放棄することにほかならないからである。そうすると、訴の取下が、権利主張をやめたものでもなく、権利についての判決による公権的判断を受ける機会を放棄したものでもないような場合には、訴を取り下げても訴の提起による時効中断の効力は存続すると解するのを相当とする。 …被上告人所有の本件土地について、昭和23年7月2日付で自作農創設特別措置法に基づく買収処分及び辻本浅太郎への売渡処分がされ、同25年4月4日右浅太郎のための所有権取得登記がされ、更に浅太郎は右土地を辻本秀雄に贈与し、同29年11月30日秀雄のための所有権取得登記がされた。そこで、被上告人は、昭和33年4月7日大阪府知事を相手方として、大阪地方裁判所に訴を提起し、右買収処分、売渡処分の無効確認等を求めるとともに、右訴において、辻本浅太郎、辻本秀雄を相手方として、その各所有権取得登記の抹消登記手続を求めた(大阪地方裁判所昭和33年(行)第21の2号事件、以下『旧訴』という。)。右訴提起当時浅太郎が死亡していたので、被上告人は、昭和39年3月27日浅太郎の相続人らを相手方として、浅太郎の右所有権取得登記の抹消登記手続を求めるとともに、辻本秀雄以降の本件土地の譲受人らを相手方として、各その所有権取得登記の抹消登記手続を求める本訴を大阪地方裁判所に提起した。旧訴と本訴は、別個に審理されていたが、のちに併合され、辻本秀雄に対する訴が重複していることが明らかとなり、被上告人は、そのうちの一方を取り下げることとなったが、その際、旧訴中の買収処分、売渡処分の無効確認を求める部分等がすでにその必要がなくなったなどしたので、手続の便宜上旧訴を取り下げ本訴を追行することとしたものである。 右事実によると、被上告人の旧訴の取下は、権利主張をやめたものでもなく、権利についての判決による公権的判断を受ける機会を放棄したものでもないのであるから、右訴の取下によって訴の提起による時効中断の効力は消滅しないといわなければならない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0%
(H18 司法 第70問 4)
Aは、Bに対し、金銭債権(以下「甲債権」という。)を有している。AのBに対する甲債権に基づく金銭の支払請求訴訟が二重に係属し、別個に審理されていた場合において、その後、その口頭弁論が併合され、前訴を維持する必要がなくなったとして、Aが前訴を取り下げ、後訴を追行するときは、前訴の提起によって生じた甲債権の消滅時効の完成猶予の効果は消滅しない。(改題)