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民事訴訟法 私文書における二段の推定 最三小判昭和39年5月12日 - 解答モード
概要
判例
判旨:「民訴326条(現:228条4項)に『本人又ハ其ノ代理人ノ署名又ハ捺印アルトキ』というのは、該署名または捺印が、本人またはその代理人の意思に基づいて、真正に成立したときの謂であるが、文書中の印影が本人または代理人の印章によって顕出された事実が確定された場合には、反証がない限り、該印影は本人または代理人の意思に基づいて成立したものと推定するのが相当であり、右推定がなされる結果、当該文書は、民訴326条(現:228条4項)にいう『本人又ハ其ノ代理人ノ(中略)捺印アルトキ』の要件を充たし、その全体が真正に成立したものと推定されることとなるのである。」
過去問・解説
(H18 司法 第60問 ウ)
私文書に作成名義人の印章による印影がある場合、その印影は、法律上、作成名義人の意思に基づいて顕出されたものと推定される。
(正答)✕
(解説)
228条4項は、「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」と規定している。
これについて、判例(最判昭39.5.12)は、「民訴326条(現:228条4項)に『本人又ハ其ノ代理人ノ署名又ハ捺印アルトキ』というのは、該署名または捺印が、本人またはその代理人の意思に基づいて、真正に成立したときの謂であるが、文書中の印影が本人または代理人の印章によって顕出された事実が確定された場合には、反証がない限り、該印影は本人または代理人の意思に基づいて成立したものと推定するのが相当であ…る。」としている。
この推定は、「反証がない限り」されるものであるから、立証責任が転換するものではなく、事実上の推定にとどまる。
したがって、私文書に作成名義人の印章による印影がある場合、その印影は、法律上ではなく、事実上、作成名義人の意思に基づいて顕出されたものと推定される。
(H21 司法 第66問 5)
売買契約に基づく代金支払請求訴訟において、買主の委任状が偽造されたものかどうかが争点とされた場合には、委任状に被告の印章による印影があると当該印影は被告の意思に基づいて顕出されたものと推定されるが、被告は、印章が盗まれた事実を立証して反証に成功すれば、この推定を覆すことができる。
(H25 共通 第68問 エ)
判例の趣旨によれば、Aの氏名が記された印影が私文書中に顕出されている場合には、その文書は、Aを作成者として真正に成立したものと推定される。
(正答)〇
(解説)
228条4項は、「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」と規定している。
これについて、判例(最判昭39.5.12)は、「民訴326条(現:228条4項)に『本人又ハ其ノ代理人ノ署名又ハ捺印アルトキ』というのは、該署名または捺印が、本人またはその代理人の意思に基づいて、真正に成立したときの謂であるが、文書中の印影が本人または代理人の印章によって顕出された事実が確定された場合には、反証がない限り、該印影は本人または代理人の意思に基づいて成立したものと推定するのが相当であり、右推定がなされる結果、当該文書は、民訴326条(現:228条4項)にいう『本人又ハ其ノ代理人ノ(中略)捺印アルトキ』の要件を充たし、その全体が真正に成立したものと推定されることとなるのである。」としている。
したがって、Aの氏名が記された印影が私文書中に顕出されている場合には、その文書は、Aを作成者として真正に成立したものと推定される。
(H30 予備 第40問 3)
成立に争いのある私文書に本人名義の署名が存在する場合には、その署名をしたのが本人であるかどうかかが明らかでないときであっても、その署名は本人の意思に基づいてされたものと事実上推定され、ひいては当該私文書が真正に成立したものと推定される。
(正答)✕
(解説)
228条4項は、「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」と規定している。
これについて、判例(最判昭39.5.12)は、「民訴326条(現:228条4項)に『本人又ハ其ノ代理人ノ署名又ハ捺印アルトキ』というのは、該署名または捺印が、本人またはその代理人の意思に基づいて、真正に成立したときの謂である。」として、署名が本人または代理人の意思に基づいていなければ民訴326条(現:228条4項)の推定は生じないことを示している。
したがって、署名をしたのが本人であるかどうかかが明らかでないときは、その署名は本人の意思に基づいてされたものと事実上推定されることはなく、民訴326条(現:228条4項)によって成立の真正が推定されることもない。
なお、判例(最判昭39.5.12)は、「文書中の印影が本人または代理人の印章によって顕出された事実が確定された場合には、反証がない限り、該印影は本人または代理人の意思に基づいて成立したものと推定するのが相当であ…る。」として、印影の場合に限って、本人または代理人の意思に基づく捺印であるという事実につき、事実上の推定を認めているが、署名の場合はこのような事実上の推定は認められていない。
(H30 予備 第40問 4)
成立に争いのある私文書に本人の印章による印影が存在する場合には、その印影は本人の意思に基づいて顕出されたものと事実上推定され、ひいては当該私文書が真正に成立したものと推定される。
(正答)〇
(解説)
228条4項は、「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」と規定している。
これについて、判例(最判昭39.5.12)は、「民訴326条(現:228条4項)に『本人又ハ其ノ代理人ノ署名又ハ捺印アルトキ』というのは、該署名または捺印が、本人またはその代理人の意思に基づいて、真正に成立したときの謂であるが、文書中の印影が本人または代理人の印章によって顕出された事実が確定された場合には、反証がない限り、該印影は本人または代理人の意思に基づいて成立したものと推定するのが相当であり、右推定がなされる結果、当該文書は、民訴326条(現:228条4項)にいう『本人又ハ其ノ代理人ノ(中略)捺印アルトキ』の要件を充たし、その全体が真正に成立したものと推定されることとなるのである。」としている。
したがって、本人の印章による印影が存在する場合には、その印影は本人の意思に基づいて顕出されたものと事実上推定され、ひいては当該私文書が真正に成立したものと推定される。