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民事訴訟法 文書提出命令の申立てについての決定に対して即時抗告をすることができる者の範囲 最一小判平成12年12月14日 - 解答モード

概要
文書提出命令の申立てについての決定に対しては、文書の提出を命じられた所持者及び申立てを却下された申立人以外の者は、抗告の利益を有しない。
判例
事案:原審が、原々審の文書提出命令の申出を却下決定を取り消し、原々審に差し戻した。かかる決定に対して、文書提出命令の申立をしていない当事者が、抗告をしたという事案において、文書提出命令の申立てについての決定に対して抗告の利益を有する者の範囲が問題となった。

判旨:「文書提出命令は、ある事実を立証しようとする当事者が自ら証拠を提出する代わりに、裁判所の命令により文書の所持者にその提出を求めるものであり、文書提出命令が発せられた場合には、これに従わない所持者は、文書の記載に関する相手方の主張を真実と認められるなどの不利益を受け、あるいは過料の制裁を受けることがある。そこで、民訴法223条4項は、文書提出命令の申立てについての決定に対しては、申立人とその名あて人である所持者との間で文書提出義務の存否について争う機会を付与したものと解される。また、文書提出命令は、文書の所持者に対してその提出を命ずるとともに、当該文書の証拠申出を採用する証拠決定の性質を併せ持つものであるが、文書提出命令に対し証拠調べの必要性がないことを理由として即時抗告をすることは許されない(最高裁平成11年(許)第20号同12年3月10日第一小法廷決定・民集54巻3号1073頁参照)。そうすると、文書提出命令の申立てについての決定に対しては、文書の提出を命じられた所持者及び申立てを却下された申立人以外の者は、抗告の利益を有せず、本案事件の当事者であっても、即時抗告をすることができないと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H21 司法 第64問 5)
本案訴訟の原告が申し立て、文書の所持者である第三者に対してされた文書提出命令に対し、本案訴訟の被告は不服の申立てをすることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平12.12.14)は、「文書提出命令の申立てについての決定に対しては、文書の提出を命じられた所持者及び申立てを却下された申立人以外の者は、抗告の利益を有せず、本案事件の当事者であっても、即時抗告をすることができない。」としている。
したがって、文書の所持者でも申立人でもない被告は、即時抗告をすることができない。


全体の正答率 : 100%

(H23 共通 第68問 4)
Aは、Y会社で工員として勤務していたが、工場で就業中に事故に遭って死亡したAの遺族であるXは、Y会社を被告として損害賠償を求める訴えを提起したが、事故の状況を立証するため、国の機関である労働基準監督署において保管されている調査報告書の提出を求める文書提出命令の申立てを検討している。
調査報告書について文書提出命令が出された場合、Y会社は、証拠調べの必要性がないことを理由として、即時抗告をすることができる。

(正答)

(解説)
判例(最決平12.12.14)は、「文書提出命令に対し証拠調べの必要性がないことを理由として即時抗告をすることは許されない。」とした上で、「文書提出命令の申立てについての決定に対しては、文書の提出を命じられた所持者及び申立てを却下された申立人以外の者は、抗告の利益を有せず、本案事件の当事者であっても、即時抗告をすることができない。」としている。
Y社は調査報告書の所持者でも申立人でもないため、抗告の利益を有さず、当事者ではあるものの、即時抗告をすることはできない。
したがって、文書提出命令に対し証拠調べの必要性がないことを理由として即時抗告をすることは許されないが、そもそもY社は即時抗告自体ができない。


全体の正答率 : 100%

(H27 予備 第42問 5)
判例によれば、第三者に対してされた文書提出命令に対し、文書提出命令の申立人ではない本案訴訟の当事者は、即時抗告をすることができない。

(正答)

(解説)
判例(最判平12.12.14)は、「文書提出命令の申立てについての決定に対しては、文書の提出を命じられた所持者及び申立てを却下された申立人以外の者は、抗告の利益を有せず、本案事件の当事者であっても、即時抗告をすることができない。」としている。


全体の正答率 : 100%

(R2 予備 第45問 5)
当事者は、第三者に対してされた文書提出命令に対して、即時抗告をすることができない。

(正答)

(解説)
判例(最判平12.12.14)は、「文書提出命令の申立てについての決定に対しては、文書の提出を命じられた所持者及び申立てを却下された申立人以外の者は、抗告の利益を有せず、本案事件の当事者であっても、即時抗告をすることができない。」としている。
不服申立てをすると考えられるのは、文書提出命令の申立てをしていない方の当事者であるところ、かかる当事者は、文書の所持者でも申立人でもないため、即時抗告をすることができない。


全体の正答率 : 100%

(R3 予備 第40問 5)
証拠調べの必要性がないことを理由とする文書提出命令の申立ての却下決定に対しては、証拠調べの必要性があることを理由として即時抗告をすることはできないが、文書提出命令に対して、証拠調べの必要性がないことを理由として即時抗告をすることはできる。

(正答)

(解説)
223条7項は、「文書提出命令の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最決平12.3.10)は、「証拠調べの必要性を欠くことを理由として文書提出命令の申立てを却下する決定に対しては、右必要性があることを理由として独立に不服の申立てをすることはできない。」としている。
また、判例(最決平12.12.14)は、「文書提出命令に対し証拠調べの必要性がないことを理由として即時抗告をすることは許されない…。」としている。
したがって、文書提出命令に対しても、証拠調べの必要性がないことを理由として即時抗告をすることはできない。

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