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民事訴訟法 賃借人のある建物について買取請求権が行使された場合における建物収去土地明渡しを求める相手方の請求 最三小判昭和36年2月28日 - 解答モード
概要
土地賃貸人からの建物収去土地明渡の請求において、建物所有者が借地法第10条(現:借地借家法13条1項)により買取請求権を行使した場合に、その建物に賃借人があるときは、右収去明渡の請求には、建物の指図による占有移転を求める趣旨を包合するものと解すべきである。
判例
事案: 賃借人のある建物について買取請求権が行使された事案において、建物収去土地明渡を求める相手方の請求が問題となった。
判旨:「土地所有者からの建物収去土地明渡の請求において、建物所有者が借地法10条(現:借地借家法13条1項)により建物の買取請求権を行使した場合、右明渡請求には建物の引渡を求める申立をも包含する趣旨と解すべきであることは所論のとおりである。
されば本件建物の買取請求により右建物の所有権が上告人に移転したものであること原判決の確定したところであるから、右日時以後において上告人は被上告人…に対して本件建物の引渡を求めているものというべきであり、ここにいう引渡は、本件の如く建物の占有者が賃借人…であるため、買取前の所有者たる被上告人…が、買取後の所有者たる上告人に対し現実の引渡をなし得ない場合においては、指図による占有移転を求める趣旨と解するのが相当である。」
判旨:「土地所有者からの建物収去土地明渡の請求において、建物所有者が借地法10条(現:借地借家法13条1項)により建物の買取請求権を行使した場合、右明渡請求には建物の引渡を求める申立をも包含する趣旨と解すべきであることは所論のとおりである。
されば本件建物の買取請求により右建物の所有権が上告人に移転したものであること原判決の確定したところであるから、右日時以後において上告人は被上告人…に対して本件建物の引渡を求めているものというべきであり、ここにいう引渡は、本件の如く建物の占有者が賃借人…であるため、買取前の所有者たる被上告人…が、買取後の所有者たる上告人に対し現実の引渡をなし得ない場合においては、指図による占有移転を求める趣旨と解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%
(R1 予備 第42問 4)
建物所有目的の土地賃貸借契約の終了に基づき、建物収去土地明渡しを求める請求に対し、被告が建物買取請求権を行使した場合には、裁判所は、建物を引き渡して土地を明け渡すことを命ずる判決をすることができる。
(正答)〇
(解説)
246条は、「裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない。」として、処分権主義について規定している。
これについて、判例(最判昭36.2.28)は、「土地所有者からの建物収去土地明渡の請求において、建物所有者が借地法10条(現:借地借家法13条1項)により建物の買取請求権を行使した場合、右明渡請求には建物の引渡を求める申立をも包含する趣旨と解すべきである。」としている。
したがって、建物所有目的の土地賃貸借契約の終了に基づき、建物収去土地明渡しを求める請求に対し、被告が建物買取請求権を行使した場合において、裁判所が、建物を引き渡して土地を明け渡すことを命ずる判決をしても、「当事者が申し立てていない事項について」判決をしたことにならない。
よって、当該判決は246条に反せず、裁判所は、建物を引き渡して土地を明け渡すことを命ずる判決をすることができる。