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短答判例
民事訴訟法197条第1項第2号の「黙秘すべきもの」の意義 最二小決平成16年11月26日
概要
民事訴訟法第197条第1項第2号の「黙秘すべきもの」とは、一般に知られていない事実のうち、弁護士等に事務を行うこと等を依頼した本人が当該事実を秘匿することについて、単に主観的利益だけでなく、客観的にみて保護に値するような利益を有するものをいう。
判例
事案:会社の旧役員らが故意又は過失により虚偽の財務内容を公表し、真実の財務内容を公表しなかったという事実を証明するためであると主張して、会社が所持する本件文書につき文書提出命令を申し立て、本件文書の提出が命じられた事案において、197条1項2号の「黙秘すべきもの」の意義が問題となった。
判旨:「民訴法197条1項2号所定の『黙秘すべきもの』とは、一般に知られていない事実のうち、弁護士等に事務を行うこと等を依頼した本人が、これを秘匿することについて、単に主観的利益だけではなく、客観的にみて保護に値するような利益を有するものをいうと解するのが相当である。前記のとおり、本件文書は、法令上の根拠を有する命令に基づく調査の結果を記載した文書であり、抗告人の旧役員等の経営責任とは無関係なプライバシー等に関する事項が記載されるものではないこと、本件文書の作成を命じ、その提出を受けた本件保険管理人は公益のためにその職務を行い、本件文書を作成した本件調査委員会も公益のために調査を行うものであること、本件調査委員会に加わった弁護士及び公認会計士は、その委員として公益のための調査に加わったにすぎないことにかんがみると、本件文書に記載されている事実は、客観的にみてこれを秘匿することについて保護に値するような利益を有するものとはいえず、同号所定の『黙秘すべきもの』には当たらないと解するのが相当である。」
判旨:「民訴法197条1項2号所定の『黙秘すべきもの』とは、一般に知られていない事実のうち、弁護士等に事務を行うこと等を依頼した本人が、これを秘匿することについて、単に主観的利益だけではなく、客観的にみて保護に値するような利益を有するものをいうと解するのが相当である。前記のとおり、本件文書は、法令上の根拠を有する命令に基づく調査の結果を記載した文書であり、抗告人の旧役員等の経営責任とは無関係なプライバシー等に関する事項が記載されるものではないこと、本件文書の作成を命じ、その提出を受けた本件保険管理人は公益のためにその職務を行い、本件文書を作成した本件調査委員会も公益のために調査を行うものであること、本件調査委員会に加わった弁護士及び公認会計士は、その委員として公益のための調査に加わったにすぎないことにかんがみると、本件文書に記載されている事実は、客観的にみてこれを秘匿することについて保護に値するような利益を有するものとはいえず、同号所定の『黙秘すべきもの』には当たらないと解するのが相当である。」
過去問・解説
(R7 予備 第39問 ウ)
民事訴訟法第197条第1項第2号の「黙秘すべきもの」とは、一般に知られていない事実のうち、弁護士等に事務を行うこと等を依頼した本人が当該事実を秘匿することについて、単に主観的利益だけでなく、客観的にみて保護に値するような利益を有するものをいう。
(正答)〇
(解説)
判例(最決平16.11.26)は、「民訴法197条1項2号所定の『黙秘すべきもの』とは、一般に知られていない事実のうち、弁護士等に事務を行うこと等を依頼した本人が、これを秘匿することについて、単に主観的利益だけではなく、客観的にみて保護に値するような利益を有するものをいうと解するのが相当である。」としている。