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民事訴訟法 第92条の2

条文
第92条の2(専門委員の関与)
① 裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、専門委員の説明は、裁判長が書面により又は口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日において口頭でさせなければならない。
② 裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
③ 裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の同意を得て、決定で、当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。
過去問・解説
(H20 司法 第62問 1)
口頭弁論又は弁論準備手続の期日において、専門委員が、書面又は口頭により専門的知見に基づく説明をする場合、裁判所は、専門委員がした説明について、当事者に意見を述べる機会を与える必要はない。

(正答)

(解説)
民事訴訟規則34条の5は、「裁判所は、当事者に対し、専門委員がした説明について意見を述べる機会を与えなければならない。」と規定している。
したがって、口頭弁論又は弁論準備手続の期日において、専門委員が、書面又は口頭により専門的知見に基づく説明をする場合、裁判所は、専門委員がした説明について、当事者に意見を述べる機会を与えなければならない。

(H20 司法 第62問 2)
口頭弁論又は弁論準備手続の期日において、専門委員が、書面又は口頭により説明をした場合、裁判所は、その結果を証拠資料として用いることはできない。

(正答)

(解説)
92条の2の各項が規定する専門委員を手続に関与させる制度は、裁判所が専門的な知見に基づく説明を聴くための制度であり、専門委員による説明は証拠資料となるものではないと解されている。
したがって、口頭弁論又は弁論準備手続の期日において、専門委員が、書面又は口頭により説明をした場合、裁判所は、その結果を証拠資料として用いることはできない。

(H20 司法 第62問 3)
証人尋問の期日において、専門委員を手続に関与させる場合、専門委員は、当事者の同意を得ずに証人に直接に問いを発することができる。

(正答)

(解説)
92条の2第2項は、前段において、「裁判所は、証拠調べをするに当たり、…当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定し、後段において、「この場合において、証人…の尋問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、…専門委員が証人…に対し直接に問いを発することを許すことができる。」と規定している。
したがって、当事者の同意を得なければ、専門委員が直接に問いを発することを許すことはできない。

(H20 司法 第62問 5)
口頭弁論又は弁論準備手続の期日において、専門委員が、書面又は口頭により専門的知見に基づく説明をする場合、裁判所は、専門委員に宣誓をさせなければならない。

(正答)

(解説)
201条1項は、証人について、「証人には、特別の定めがある場合を除き、宣誓をさせなければならない。」と規定し、216条は、鑑定人について、154条2項は、通訳人について、それぞれこれを準用している。また、207条1項後段は、当事者本人について、「その当事者に宣誓をさせることができる。」と規定し、211条本文は、法定代理人についてこれを準用している。
これに対し、専門委員については、宣誓に関する規定は存在しない。
したがって、専門委員への宣誓の要否について、口頭弁論又は弁論準備手続の期日において、専門委員が書面又は口頭により専門的知見に基づく説明をする場合であっても、裁判所は、専門委員に宣誓をさせる必要はない。

(H23 共通 第65問 1)
裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。

(正答)

(解説)
92条の2第2項前段は、「裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定している。

(H26 共通 第65問 ウ)
裁判所は、争点及び証拠の整理をするに当たり、訴訟関係を明瞭にするため必要があると認める場合において、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させるときは、当事者の同意を得なければならない。

(正答)

(解説)
92条の2第1項前段は、「裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定している。
したがって、同項前段は、当事者の同意までは要件としていない。
よって、裁判所が争点及び証拠の整理をするに当たり専門委員を手続に関与させるときの要件について、当事者の同意を得なければならないのではなく、当事者の意見を聴けば足りる。

(H29 予備 第35問 イ)
裁判所は、争点の整理をするに当たり、訴訟関係を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴けばその同意がなくとも、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。

(正答)

(解説)
92条の2第1項は、「裁判所は、争点…の整理…をするに当たり、訴訟関係を明瞭に…するため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定している。
したがって、裁判所は、争点の整理をするに当たり、訴訟関係を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴けばその同意がなくとも、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。

(H29 予備 第35問 エ)
裁判長は、当事者の意見を聴けばその同意がなくとも、証拠調べの手続に関与している専門委員が証拠調べの期日において証人に対して直接に問いを発することを許すことができる。

(正答)

(解説)
92条の2第2項は、前段において、「裁判所は、証拠調べをするに当たり、…当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定し、後段において、「この場合において、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、…専門委員が証人…に対し直接に問いを発することを許すことができる。」と規定している。
したがって、専門委員が証人に対して直接に問いを発することを許すには、当事者の同意を得なければならない。

(H29 予備 第35問 オ)
裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の意見を聴けばその同意がなくとも、当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。

(正答)

(解説)
92条の2第3項は、「裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の同意を得て、決定で、当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定している。
したがって、和解を試みる期日において専門委員を手続に関与させるには、当事者の同意が必要である。

(H30 予備 第36問 4)
裁判所は、弁論準備手続において、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させる決定を行うときは、当事者の意見を聴かなければならない。

(正答)

(解説)
92条の2第1項前段は、「裁判所は、…当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定している。

(R2 予備 第45問 3)
裁判所が当事者尋問の期日に専門委員を手続に関与させる場合において、裁判長は、当事者の同意を得なくとも、専門委員に、尋問を受ける当事者本人に対し直接に問いを発することを許すことができる。

(正答)

(解説)
92条の2第2項は、前段において、「裁判所は、証拠調べをするに当たり、…当事者の意見を聴いて、…証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定し、後段において、「この場合において、…当事者本人の尋問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、裁判長は、当事者の同意を得て、…専門委員が…当事者本人…に対し直接に問いを発することを許すことができる。」と規定している。
したがって、専門委員が当事者本人に対し直接に問いを発することを許すには、当事者の同意を得なければならない。

(R5 予備 第34問 ア)
裁判所は、当事者の同意を得たとしても、和解を試みる期日において、専門委員を手続に関与させることはできない。

(正答)

(解説)
92条の2第3項は、「裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の同意を得て、決定で、当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定している。
したがって、和解を試みる期日において、当事者の同意を得れば専門委員を手続に関与させることができる。

(R5 予備 第34問 エ)
裁判長は、証拠調べ手続に関与させた専門委員に、当事者の同意を得た上で、証人に対して直接に問いを発することを許すことができる。

(正答)

(解説)
92の2第2項は、前段において、「裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定し、後段において、「この場合において…裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人…に対し直接に問いを発することを許すことができる。」と規定している。
したがって、裁判長は、証拠調べ手続に関与させた専門委員に、当事者の同意を得た上で、証人に対して直接に問いを発することを許すことができる。

(R5 予備 第34問 オ)
裁判所は、専ら訴訟手続の円滑な進行を図るためとして、専門委員を手続に関与させる決定をすることはできない。

(正答)

(解説)
92の2第1項前段は、「裁判所は…訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定している。
したがって、専門委員を手続に関与させる決定について、専ら訴訟手続の円滑な進行を図るためとしても、することができる。

(R5 予備 第42問 イ)
裁判所は、当事者から書証として提出された設計図面の意味内容について、専門委員から専門的な知見に基づく説明を受けることはできない。

(正答)

(解説)
92条の2第2項前段は、「裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。」と規定している。
そして、当事者から書証として提出された設計図面の意味内容についての説明を受けることは、「証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるとき」に当たる。
したがって、当事者から書証として提出された設計図面の意味内容について専門委員から説明を受けることができる。
総合メモ
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