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刑事訴訟法 窃盗罪 最二小判昭和26年3月9日

概要
窃盗犯人が被告人であることの証拠は被告人の自白だけであっても、被害者の始末書に窃盗被害の日時及び被害物件等について被告人の自白にかかる事実を裏書するに足りる記載がある以上、右自白と始末書の記載を総合して被告人に窃盗の罪を認めても、違憲違法ではない。
判例
事案:被告人の自白及び被害日時・被害物件等を申告した窃盗被害者Vの窃盗被害始末書から被告人に窃盗の罪で有罪としたところ、かかる被害始末書が補強証拠たり得るかが問題となった。

判旨:「Vの被害始末書には、窃盗被害の日時及び被害物件等につき、被告人の自白にかかる原審認定事実を裏書するに足りる記載があるから、原判決は所論の如く被告人の自白だけで被告人の罪責を認めたものではない。そして、かかる場合犯人が被告人であることの証拠が自白のみであっても違憲違法でないことは当裁判所大法廷判決(昭和23年(れ)1328号、同24年11月2日言渡集3巻11号1691頁)に徴して明かである。」
過去問・解説
(H21 司法 第37問 ア)
被告人は、被害者A所有の現金50万円を窃取した事実で窃盗罪により起訴された。被告人の自白の他には、被害者A作成の現金50万円についての盗難被害届しか存在しない場合でも、被告人を窃盗罪で有罪とすることは許される。

(正答)

(解説)
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭26.3.9)は、本肢と同種の事案において、「窃盗被害始末書には、窃盗被害の日時及び被害物件等につき、被告人の自白にかかる原審認定事実を裏書するに足りる記載があるから、原判決は...被告人の自白だけで被告人の罪責を認めたものではない...。」としている。
したがって、被害者Aの被害届が出ていれば、補強証拠としては十分である。

(H24 司法 第32問 オ)
【事例】
 甲は、平成23年4月3日、H警察署を訪れ、同署司法警察員Xに対し、「乙と一緒にV1を殺害する計画を立てた。その計画は、乙がV1をH市内の岸壁に呼び出し、私が普通乗用自動車を運転してV1を跳ね飛ばして殺害し、V1の死体を海に捨てるというものであった。実際、私は、この計画どおり、平成23年2月3日午後9時頃、前記岸壁において、普通乗用自動車を運転し、乙が呼び出したV1を跳ね飛ばして殺害し、乙と一緒にV1の死体を海に捨てた。ちなみに、私は、これまで、一度も運転免許を取得したことがない。また、私は、平成22年12月8日、H市内にあるアパートの一室に侵入して現金10万円と時計1個を盗んだ。その後に確認したところ、私が盗みに入ったアパートの住人はV2だと分かった。」などと、道路交通法違反(無免許運転)、殺人、死体遺棄、住居侵入、窃盗の罪を自白した。そこで、司法警察員Xは、この自白を内容とする供述調書を作成した。その後、甲は、平成23年4月5日、司法警察員Xに述べたことと同じ内容を記載した知人A宛ての手紙を作成した上、これをAに郵送した。

甲を現金10万円及び時計1個を窃取した旨の窃盗の罪で有罪とするには、V2が被害直後に現金10万円と時計1個を窃取された旨の被害を届けていた場合であっても、被害金品の所在又は使途についての補強証拠が必要不可欠であり、たとえ、甲から押収した被害に係る時計1個が証拠として存在しても、被害に係る現金10万円の使途を全て明らかにする補強証拠がない限り、甲を現金10万円及び時計1個を窃取した旨の窃盗の罪で有罪とする余地はない。

(正答)

(解説)
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭26.3.9)は、本肢と同種の事案において、「窃盗被害始末書には、窃盗被害の日時及び被害物件等につき、被告人の自白にかかる原審認定事実を裏書するに足りる記載があるから、原判決は...被告人の自白だけで被告人の罪責を認めたものではない...。」としている。
したがって、被害者V2の被害届が出ていれば、補強証拠としては十分である。
総合メモ
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