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刑事訴訟法 実況見分調書における犯行再現 最二小決平成17年9月27日

概要
捜査官が被害者や被疑者に被害・犯行状況を再現させた結果を記録した実況見分調書等で、実質上の要証事実が再現されたとおりの犯罪事実の存在であると解される書証が326条の同意を得ずに証拠能力を具備するためには、321条3項所定の要件が満たされるほか、再現者の供述録取部分については、再現者が被告人以外の者である場合には321条1項2号ないし3号所定の要件が、再現者が被告人である場合には322条1項所定の要件が、写真部分については、署名押印の要件を除き供述録取部分と同様の要件が満たされる必要がある。
判例
事案:痴漢の公判において、検察官から、実況見分調書・写真撮影報告書(以下「本件両書証」という。)が証拠として提出された。ここには、被害再現状況・犯行再現状況として、前者には、被害者と女性警察官が被害を受けた状況を再現し、後者には、被告人と男性警察官が犯行時の状況を再現した状況が記録されており、各再現者の供述録取部分について再現者の署名押印はなかった。弁護人は不同意意見を述べたが、作成者たる警察官の証人尋問を経て、裁判所は321条3項により両書証の証拠調べを決定したという事案において、本件両書証の証拠能力の存否が問題となった。

判旨:「本件両書証は、捜査官が、被害者や被疑者の供述内容を明確にすることを主たる目的にして、これらの者に被害・犯行状況について再現させた結果を記録したものと認められ、立証趣旨が『被害再現状況』、『犯行再現状況』とされていても、実質においては、再現されたとおりの犯罪事実の存在が要証事実になるものと解される。このような内容の実況見分調書や写真撮影報告書等の証拠能力については、刑訴法326条の同意が得られない場合には、同法321条3項所定の要件を満たす必要があることはもとより、再現者の供述の録取部分及び写真については、再現者が被告人以外の者である場合には同法321条1項2号ないし3号所定の、被告人である場合には同法322条1項所定の要件を満たす必要があるというべきである。もっとも、写真については、撮影、現像等の記録の過程が機械的操作によってなされることから前記各要件のうち再現者の署名押印は不要と解される。」
過去問・解説
(H24 司法 第23問 エ)
捜査官が被疑者に犯行状況を再現させた結果を記録した実況見分調書で、立証趣旨を「犯行状況」とする書面の写真部分については、弁護人が証拠とすることについて同意しなかった場合であっても、刑事訴訟法第321条第3項所定の要件のほか、同法第322条第1項所定の要件を満たせば証拠能力が認められる。

(正答)

(解説)
判例(最決平17.9.27)は、捜査官が被疑者に犯行状況を再現させた結果を記録した実況見分調書で、立証趣旨を「犯行状況」とする書面の写真部分について、「捜査官が、被害者や被疑者の供述内容を明確にすることを主たる目的にして、これらの者に被害・犯行状況について再現させた結果を記録したものと認められ、立証趣旨が『被害再現状況』、『犯行再現状況』とされていても、実質においては、再現されたとおりの犯罪事実の存在が要証事実になるものと解される。このような内容の実況見分調書や写真撮影報告書等の証拠能力については、刑訴法326条の同意が得られない場合には、同法321条3項所定の要件を満たす必要があることはもとより、再現者の供述の録取部分及び写真については、再現者が被告人以外の者である場合には同法321条1項2号ないし3号所定の、被告人である場合には同法322条1項所定の要件を満たす必要があるというべきである。」としている。
総合メモ
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