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刑事訴訟法 証人の証言拒絶 最大判昭和27年4月9日

概要
証人が証言を拒絶する場合、321条1項2号前段の「公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき」に当たる。
判例
事案:証人が証言拒絶したため、検察官が同人の検察官面前調書を証拠として提出した事案において、かかる場合が321条1項2号前段の「公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき」に当たるかが問題となった。

判旨:①「憲法37条2項は、裁判所が尋問すべきすべての証人に対して被告人にこれを審問する機会を充分に与えなければならないことを規定したものであって、被告人にかかる審問の機会を与えない証人の供述には絶対的に証拠能力を認めないとの法意を含むものではない(昭和23年(れ)833号同24年5月18日大法廷判決判例集3巻6号789頁以下参照)。されば被告人のため反対尋問の機会を与えていない証人の供述又はその供述を録取した書類であっても、現にやむことを得ない事由があって、その供述者を裁判所において尋問することが妨げられ、これがために被告人に反対尋問の機会を与え得ないような場合にあっては、これを裁判上証拠となし得べきものと解したからとて、必ずしも前記憲法の規定に背反するものではない。刑訴321条1項2号が、検察官の面前における被告人以外の者の供述を録取した書面について、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明、若しくは国外にあるため、公判準備若しくは公判期日において供述することができないときは、これを証拠とすることができる旨規定し、その供述について既に被告人のため反対尋問の機会を与えたか否かを問わないのも、全く右と同一見地に出た立法ということができる。そしてこの規定にいわゆる『供述者が...供述することができないとき』としてその事由を掲記しているのは、もとよりその供述者を裁判所において証人として尋問することを妨ぐべき障碍事由を示したものに外ならないのであるから、これと同様又はそれ以上の事由の存する場合において同条所定の書面に証拠能力を認めることを妨ぐるものではない。」
 ②「されば本件におけるが如く、Wが第1審裁判所に証人として喚問されながらその証言を拒絶した場合にあっては、検察官の面前における同人の供述につき被告人に反対尋問の機会を与え得ないことは右規定にいわゆる供述者の死亡した場合と何等選ぶところはないのであるから、原審が所論のWの検察官に対する供述調書の記載を、事実認定の資料に供した第1審判決を是認したからといって、これを目して所論の如き違法があると即断することはできない。尤も証言拒絶の場合においては、一旦証言を拒絶しても爾後その決意を翻して任意証言をする場合が絶無とはいい得ないのであって、この点においては供述者死亡の場合とは必ずしも事情を同じくするものではないが、現にその証言を拒絶している限りにおいては被告人に反対尋問の機会を与え得ないことは全く同様であり、むしろ同条項にいわゆる供述者の国外にある場合に比すれば一層強き意味において、その供述を得ることができないものといわなければならない。」
過去問・解説
(H19 司法 第33問 2)
証人が公判廷において証言を拒絶した場合は、321条1項2号前段の「公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき」に当たらない。

(正答)

(解説)
判例(最大判昭27.4.9)は、「321条1項2号...は、...その供述者を裁判所において証人として尋問することを妨ぐべき障碍事由を示したものに外ならないのであるから、これと同様又はそれ以上の事由の存する場合において同条所定の書面に証拠能力を認めることを妨ぐるものではない。」とした上で、「証人として喚問されながらその証言を拒絶した場合にあっては、検察官の面前における同人の供述につき被告人に反対尋問の機会を与え得ないことは右規定にいわゆる供述者の死亡した場合と何等選ぶところはない...。」としている。
したがって、証言拒絶も、「公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき」に当たる場合がある。

(H23 司法 第35問 ウ)
刑事訴訟法第321条第1項の「その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき」とは、供述不能の制限的な事由ではなく、例示的な事由であるから、証人が、公判期日に証言拒絶権を行使して証言を拒んだときも、これに該当する。

(正答)

(解説)
判例(最大判昭27.4.9)は、「321条1項2号...は、...その供述者を裁判所において証人として尋問することを妨ぐべき障碍事由を示したものに外ならないのであるから、これと同様又はそれ以上の事由の存する場合において同条所定の書面に証拠能力を認めることを妨ぐるものではない。」とした上で、「証人として喚問されながらその証言を拒絶した場合にあっては、検察官の面前における同人の供述につき被告人に反対尋問の機会を与え得ないことは右規定にいわゆる供述者の死亡した場合と何等選ぶところはない...。」とした上で、「『供述者が...供述することができないとき』としてその事由を掲記しているのは、もとよりその供述者を裁判所において証人として尋問することを妨ぐべき障碍事由を示したものに外ならないのであるから、これと同様又はそれ以上の事由の存する場合において同条所定の書面に証拠能力を認めることを妨ぐるものではない。」としている。
総合メモ
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