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刑事訴訟法 逮捕の準抗告による救済の可否 最一小決昭和57年8月27日

概要
逮捕に関する裁判は、429条1項各号所定の準抗告の対象となる裁判に含まれない。
判例
事案:被疑者に対する威力業務妨害秘技事件等について逮捕状が発布され、その逮捕状に基づいて被疑者が逮捕されたことから、被疑者は、この逮捕に関する裁判及び逮捕の処分に対して準抗告を申し立てた事案において、かかる準抗告の適法性が問題となった。

判旨:「逮捕に関する裁判及びこれに基づく処分は、刑訴法429条1項各号所定の準抗告の対象となる裁判に含まれないと解するのが相当であるから、本件準抗告棄却決定に対する特別抗告は、不適法である。」
過去問・解説
(H18 司法 第39問 ア)
被疑者甲は、任意同行後の取調べで犯行を自白して緊急逮捕され、逮捕状が発付されたが、緊急逮捕に先行する任意同行の過程に違法があったことを理由に、準抗告により、逮捕状発付の取消しを求めることができる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭57.8.27)は、「逮捕に関する裁判及びこれに基づく処分は、刑訴法429条1項各号所定の準抗告の対象となる裁判に含まれないと解するのが相当であるから、本件準抗告棄却決定に対する特別抗告は、不適法である。」としている。
したがって、緊急逮捕に先行する任意同行の過程に違法があったことを理由に、準抗告により、逮捕状発付の取消しを求めることはできない。

(H22 司法 第25問 ア)
【事例】
 甲は、殺人被疑事件の被疑者として、H地方裁判所の裁判官が発付した逮捕状に基づき、G警察署司法警察員に逮捕され、G警察署の留置施設に留置された。甲は、乙を弁護人に選任した。その後、甲は、引き続き、H地方裁判所の裁判官が発付した勾留状に基づきG警察署の留置施設に勾留された。また、その際、甲は、同じ裁判官により、刑事訴訟法第81条に基づいて、公訴が提起されるまでの間、接見等を禁じられた。乙は、甲と接見しようとしたところ、検察官により、捜査のため必要があるとして、接見の日時、場所及び時間を指定された。さらに甲は、同じ裁判官により、10日間の勾留期間の延長がされた後、殺人被疑事件につき、H地方裁判所に起訴され、J刑事施設に移されて引き続き勾留された。

乙による、逮捕状発付の裁判に対する準抗告には、法令上の根拠がない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭57.8.27)は、「逮捕に関する裁判及びこれに基づく処分は、刑訴法429条1項各号所定の準抗告の対象となる裁判に含まれないと解するのが相当であるから、本件準抗告棄却決定に対する特別抗告は、不適法である。」としている。
したがって、乙による、逮捕状発付の裁判に対する準抗告には、法令上の根拠がない。

(H24 共通 第38問 1)
被疑者又は弁護人は、逮捕状を発付した裁判に対して準抗告をすることができる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭57.8.27)は、「逮捕に関する裁判及びこれに基づく処分は、刑訴法429条1項各号所定の準抗告の対象となる裁判に含まれないと解するのが相当であるから、本件準抗告棄却決定に対する特別抗告は、不適法である。」としている。
したがって、被疑者又は弁護人は、逮捕状を発付した裁判に対して準抗告をすることができない。

(H26 共通 第24問 イ)
逮捕状による逮捕と起訴前の勾留に関しては、どちらも、刑事訴訟法上、不服申立ての手段がない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭57.8.27)は、「逮捕に関する裁判及びこれに基づく処分は、刑訴法429条1項各号所定の準抗告の対象となる裁判に含まれないと解するのが相当であるから、本件準抗告棄却決定に対する特別抗告は、不適法である。」としている。
これに対し、429条1項2号は、準抗告の対象事項の1つとして、「勾留...に関する裁判」を掲げている。
したがって、逮捕状による逮捕には不服申立ての手段がないものの、起訴前の勾留に関しては、不服申立ての手段がある。
総合メモ
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