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被害者参加

第316条の33

条文
第316条の33(被告事件の手続への被害者参加)
① 裁判所は、次に掲げる罪に係る被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、被告事件の手続への参加の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、犯罪の性質、被告人との関係その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、決定で、当該被害者等又は当該被害者の法定代理人の被告事件の手続への参加を許すものとする。
 一 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪
 二 刑法第176条、第177条、第179条、第211条、第220条又は第224条から第227条までの罪
 三 前号に掲げる罪のほか、その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪(第1号に掲げる罪を除く。)
 四 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成25年法律第86号)第4条、第5条又は第6条第3項若しくは第4項の罪
 五 第1号から第3号までに掲げる罪の未遂罪
② 前項の申出は、あらかじめ、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。        
③ 裁判所は、第1項の規定により被告事件の手続への参加を許された者(以下「被害者参加人」という。)が当該被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人に該当せず若しくは該当しなくなったことが明らかになつたとき、又は第312条の規定により罰条が撤回若しくは変更されたため当該被告事件が同項各号に掲げる罪に係るものに該当しなくなったときは、決定で、同項の決定を取り消さなければならない。犯罪の性質、被告人との関係その他の事情を考慮して被告事件の手続への参加を認めることが相当でないと認めるに至ったときも、同様とする。        

第290条の2(公開の法廷での被害者特定事項の秘匿)
① 裁判所は、次に掲げる事件を取り扱う場合において、当該事件の被害者等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。)若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、被害者特定事項(氏名及び住所その他の当該事件の被害者を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。
 一〜三 略
②〜④ 略

刑法第211条
 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
過去問・解説
(H22 司法 第30問 ア)
被害者参加人として刑事事件の手続への参加を許されるのは、当該事件の被害者又は被害者が死亡した場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹に限られる。

(正答)

(解説)
316条の33第1項柱書は、「裁判所は、…当該被害者等又は当該被害者の法定代理人の被告事件の手続への参加を許すものとする。」と規定している。
そして、290条の2第1項柱書括弧書は、「被害者等」の定義について、「被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。」と規定している。
したがって被害者参加人として刑事事件の手続への参加を許されるのは、当該事件の被害者又は被害者が死亡した場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹に加え、被害者の法定代理人も含まれる。

(H24 司法 第36問 ア)
裁判所の許可を受けて証拠の取調べを請求することは、殺人被告事件の手続への参加を許可された同事件の被害者の配偶者が、公判期日において行うことが認められないものに当たる。

(正答)

(解説)
316条の33第1項柱書は、「裁判所は、次に掲げる罪に係る被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、被告事件の手続への参加の申出があるときは、…相当と認めるときは、決定で、当該被害者等又は当該被害者の法定代理人の被告事件の手続への参加を許すものとする。」と規定している。
もっとも、これに基づいて参加を許された被害者について、裁判所の許可を受けて証拠の取調べを請求することを認める規定は存在しない。
したがって、裁判所の許可を受けて証拠の取調べを請求することは、殺人被告事件の手続への参加を許可された同事件の被害者の配偶者が、公判期日において行うことが認められないものに当たる。

(H24 司法 第36問 エ)
裁判所に対し、強盗殺人罪の訴因への変更を請求することは、殺人被告事件の手続への参加を許可された同事件の被害者の配偶者が、公判期日において行うことが認められないものに当たる。

(正答)

(解説)
316条の33第1項柱書は、「裁判所は、次に掲げる罪に係る被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、被告事件の手続への参加の申出があるときは、…相当と認めるときは、決定で、当該被害者等又は当該被害者の法定代理人の被告事件の手続への参加を許すものとする。」と規定している。
もっとも、同項に基づいて参加を許された被害者について、強盗殺人罪の訴因への変更を請求することを認める規定は存在しない。
したがって、裁判所に対し、強盗殺人罪の訴因への変更を請求することは、殺人被告事件の手続への参加を許可された同事件の被害者の配偶者が、公判期日において行うことが認められないものに当たる。

(H26 司法 第33問 ア)
業務上過失致傷の罪の被害者は、同罪に係る被告事件の手続への参加を申し出ることができない。

(正答)

(解説)
316条の33第1項は、柱書において、「裁判所は、次に掲げる罪に係る被告事件の被害者…から、被告事件の手続への参加の申出があるときは、…相当と認めるときは、決定で、当該被害者等又は当該被害者の法定代理人の被告事件の手続への参加を許すものとする。」と規定し、2号において、「刑法…211条…の罪」として、業務上過失致傷罪を掲げている。
したがって、業務上過失致傷の罪の被害者は、同罪に係る被告事件の手続への参加を申し出ることができる。
総合メモ

第316条の34

条文
第316条の34(被害者参加人等の公判期日への出席)
① 被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、公判期日に出席することができる。
② 公判期日は、これを被害者参加人に通知しなければならない。
③ 裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士が多数である場合において、必要があると認めるときは、これらの者の全員又はその一部に対し、その中から、公判期日に出席する代表者を選定するよう求めることができる。
④ 裁判所は、審理の状況、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士の数その他の事情を考慮して、相当でないと認めるときは、公判期日の全部又は一部への出席を許さないことができる。
⑤ 前各項の規定は、公判準備において証人の尋問又は検証が行われる場合について準用する。
過去問・解説
(H22 司法 第30問 イ)
被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、公判期日に出席することができるが、裁判所は、審理の状況、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士の数その他の事情を考慮して、相当でないと認めるときは、公判期日の全部又は一部への出席を許さないことができる。

(正答)

(解説)
316条の34は、1項において、「被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、公判期日に出席することができる。」と規定し、4項において、「裁判所は、審理の状況、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士の数その他の事情を考慮して、相当でないと認めるときは、公判期日の全部又は一部への出席を許さないことができる。」と規定している。

(H26 司法 第33問 イ)
被害者参加人は、公判前整理手続期日に出席することができる。

(正答)

(解説)
316条の34第1項は、「被害者参加人…は、公判期日に出席することができる。」と規定している。
他方、被害者参加人が公判前整理手続期日に出席できるとする規定は存在しない。
したがって、被害者参加人は、公判前整理手続期日に出席することができない。

(H28 予備 第25問 ア)
被害者参加制度における被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、法律上定められた権限として、裁判員裁判の対象事件において、公判前整理手続期日に出席することができる。

(正答)

(解説)
316条の34は、「被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、公判期日に出席することができる。」と規定している。
他方、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士が公判前整理手続期日に出席できるとする規定は存在しない。
したがって、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、公判前整理手続期日に出席する権限を有しない。
総合メモ

第316条の35

条文
第316条の35(被害者参加人等の意見に対する検察官の説明義務)
 被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、検察官に対し、当該被告事件についてのこの法律の規定による検察官の権限の行使に関し、意見を述べることができる。この場合において、検察官は、当該権限を行使し又は行使しないこととしたときは、必要に応じ、当該意見を述べた者に対し、その理由を説明しなければならない。
過去問・解説
(R2 予備 第22問 イ)
被害者参加人は、当該被告事件についての刑事訴訟法の規定による検察官の権限の行使に関し、検察官に対して意見を述べることができ、この場合において、検察官は、当該権限を行使し又は行使しないこととしたときは、必要に応じ、当該意見を述べた者に対し、その理由を説明しなければならない。

(正答)

(解説)
316条の35は、「被害者参加人…は、検察官に対し、当該被告事件についてのこの法律の規定による検察官の権限の行使に関し、意見を述べることができる。この場合において、検察官は、当該権限を行使し又は行使しないこととしたときは、必要に応じ、当該意見を述べた者に対し、その理由を説明しなければならない。」と規定している。
総合メモ

第316条の36

条文
第316条の36(参加者参加人等による証人尋問)
① 裁判所は、証人を尋問する場合において、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、審理の状況、申出に係る尋問事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、情状に関する事項(犯罪事実に関するものを除く。)についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、申出をした者がその証人を尋問することを許すものとする。
② 前項の申出は、検察官の尋問が終わった後(検察官の尋問がないときは、被告人又は弁護人の尋問が終わった後)直ちに、尋問事項を明らかにして、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、当該事項について自ら尋問する場合を除き、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。
③ 裁判長は、第295条第1項から第4項までに規定する場合のほか、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士のする尋問が第1項に規定する事項以外の事項にわたるときは、これを制限することができる。
過去問・解説
(H22 司法 第30問 ウ)
裁判所は、証人を尋問する場合において、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、犯罪事実又は情状に関する事項についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、申出をした者がその証人を尋問することを許すことができる。

(正答)

(解説)
316条の36第1項は、「裁判所は、証人を尋問する場合において、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、…相当と認めるときは、情状に関する事項(犯罪事実に関するものを除く。)についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、申出をした者がその証人を尋問することを許すものとする。」と規定している。
したがって、裁判所は、証人を尋問する場合において、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、犯罪事実に関するものを除く、情状に関する事項についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、申出をした者がその証人を尋問することを許すことができる。

(H24 司法 第36問 イ)
被告人の更生可能性について述べた証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、裁判所の許可を受けて当該証人を尋問することは、殺人被告事件の手続への参加を許可された同事件の被害者の配偶者が、公判期日において行うことが認められないものに当たる。

(正答)

(解説)
316条の36第1項は、「裁判所は、証人を尋問する場合において、被害者参加人…から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、…相当と認めるときは、情状に関する事項(犯罪事実に関するものを除く。)についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、申出をした者がその証人を尋問することを許すものとする。」と規定している。
そして、被告人の更生可能性について述べた証人の供述は、「情状に関する事項」に当たる。
したがって、被告人の更生可能性について述べた証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、裁判所の許可を受けて当該証人を尋問することは、殺人被告事件の手続への参加を許可された同事件の被害者の配偶者が、公判期日において行うことが認められている。

(H26 司法 第33問 ウ)
被害者参加人による証人の尋問が許される事項は、情状に関する事項(犯罪事実に関するものを除く。)についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項に限られる。

(正答)

(解説)
316条の36第1項は、「裁判所は、証人を尋問する場合において、被害者参加人…から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、…情状に関する事項(犯罪事実に関するものを除く。)についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、申出をした者がその証人を尋問することを許すものとする。」と規定している。

(H28 予備 第25問 ウ)
被害者参加制度における被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、法律上定められた権限として、裁判所が申出を相当と認めるときは、情状に関する事項についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、その証人を尋問することができる。

(正答)

(解説)
316条の36第1項は、「裁判所は、証人を尋問する場合において、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、…相当と認めるときは、情状に関する事項…についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、申出をした者がその証人を尋問することを許すものとする。」と規定している。

(R2 予備 第22問 ウ)
情状に関する事項についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項についてその証人を尋問することの申出を被害者参加人から受けた検察官は、申出に係る尋問事項について自ら尋問する場合を除き、意見を付して、この申出を裁判所に通知するものとされている。

(正答)

(解説)
316条の36は、1項において、「裁判所は、証人を尋問する場合において、被害者参加人…から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、…相当と認めるときは、情状に関する事項…についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、申出をした者がその証人を尋問することを許すものとする。」と規定し、2項において、「前項の申出は、検察官の尋問が終わった後(検察官の尋問がないときは、被告人又は弁護人の尋問が終わった後)直ちに、尋問事項を明らかにして、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、当該事項について自ら尋問する場合を除き、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。」と規定している。
総合メモ

第316条の37

条文
第316条の37(被害者参加人等による被告人への質問)
① 裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者が被告人に対して第311条第2項の供述を求めるための質問を発することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士がこの法律の規定による意見の陳述をするために必要があると認める場合であって、審理の状況、申出に係る質問をする事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、申出をした者が被告人に対してその質問を発することを許すものとする。
② 前項の申出は、あらかじめ、質問をする事項を明らかにして、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、当該事項について自ら供述を求める場合を除き、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。
③ 裁判長は、第295条第1項、第3項及び第4項に規定する場合のほか、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士のする質問が第1項に規定する意見の陳述をするために必要がある事項に関係のない事項にわたるときは、これを制限することができる。

第311条(被告人の黙秘権・供述拒否権、任意の供述)
① 略
② 被告人が任意に供述をする場合には、裁判長は、何時でも必要とする事項につき被告人の供述を求めることができる。
③ 略
過去問・解説
(H24 司法 第36問 ウ)
裁判所の許可を受けて、犯行の動機について被告人に質問をすることは、殺人被告事件の手続への参加を許可された同事件の被害者の配偶者が、公判期日において行うことが認められないものに当たる。

(正答)

(解説)
316条の37第1項は、「裁判所は、被害者参加人…から、その者が被告人に対して311条2項の供述を求めるための質問を発することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士がこの法律の規定による意見の陳述をするために必要があると認める場合であって、…相当と認めるときは、申出をした者が被告人に対してその質問を発することを許すものとする。」と規定している。
また、311条2項は、「被告人が任意に供述をする場合には、裁判長は、何時でも必要とする事項につき被告人の供述を求めることができる。」と規定している。
そして、犯行の動機について被告人に質問をすることはこれに当たる。
したがって、裁判所の許可を受けて、犯行の動機について被告人に質問をすることは、殺人被告事件の手続への参加を許可された同事件の被害者の配偶者が、公判期日において行うことが認められる。

(H26 司法 第33問 エ)
被害者参加人による被告人に対する質問は、刑事訴訟法の規定による意見の陳述をするために必要があると認められる事項に限って許される。

(正答)

(解説)
316条の17第1項は、「裁判所は、被害者参加人…から、その者が被告人に対して…質問を発することの申出があるときは、…被害者参加人…がこの法律の規定による意見の陳述をするために必要があると認める場合…は、申出をした者が被告人に対してその質問を発することを許すものとする。」と規定している。

(R2 予備 第22問 エ)
被害者参加人は、裁判所の許可を得て、刑事訴訟法の規定による意見の陳述をするため被告人に対して質問をすることができるが、裁判長は、その質問が既にされた質問と重複するとき、これを制限することができる。

(正答)

(解説)
316条の37第3項は、「裁判長は、295条1項、3項及び4項に規定する場合のほか、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士のする質問が第1項に規定する意見の陳述をするために必要がある事項に関係のない事項にわたるときは、これを制限することができる。」としている。
ここで、295条1項は、「裁判長は、訴訟関係人のする尋問又は陳述が既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り、これを制限することができる。訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても同様である。」と規定している。
したがって、裁判長は、被害者参加人が裁判所の許可を得て、刑事訴訟法の規定による意見の陳述をするため被告人に対して質問をした際に、その質問が既にされた質問と重複するとき、これを制限することができる。
総合メモ

第316条の38

条文
第316条の38(被害者参加人等による弁論としての意見陳述)
① 裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、審理の状況、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公判期日において、第293条第1項の規定による検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、申出をした者がその意見を陳述することを許すものとする。
② 前項の申出は、あらかじめ、陳述する意見の要旨を明らかにして、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。
③ 裁判長は、第295条第1項、第3項及び第4項に規定する場合のほか、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士の意見の陳述が第1項に規定する範囲を超えるときは、これを制限することができる。
④ 第1項の規定による陳述は、証拠とはならないものとする。
過去問・解説
(H22 司法 第30問 エ)
被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、裁判所の許可を得て、公判期日において、検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、事実又は法律の適用について意見を陳述することができる。

(正答)

(解説)
316条の38第1項は、「裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、…相当と認めるときは、公判期日において、…検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、申出をした者がその意見を陳述することを許すものとする。」と規定している。

(H24 司法 第36問 オ)
検察官が懲役15年が相当であるとの意見を述べた後、裁判所の許可を受けて、「本件被告事件については無期懲役が相当である。」との意見を述べることは、殺人被告事件の手続への参加を許可された同事件の被害者の配偶者が、公判期日において行うことが認められないものに当たる。

(正答)

(解説)
316条の38第1項は、「裁判所は、被害者参加人…から、事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、…相当と認めるときは、公判期日において、…検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、申出をした者がその意見を陳述することを許すものとする。」と規定している。
「本件被告事件については無期懲役が相当である。」との意見を述べることは、「法律の適用について意見を陳述すること」に当たる。
したがって、「本件被告事件については無期懲役が相当である。」との意見を述べることは、殺人被告事件の手続への参加を許可された同事件の被害者の配偶者が、公判期日において行うことが認められる。

(H26 司法 第33問 エ)
被害者参加人による被告人に対する質問は、刑事訴訟法の規定による意見の陳述をするために必要があると認められる事項に限って許される。

(正答)

(解説)
316条の17第1項は、「裁判所は、被害者参加人…から、その者が被告人に対して…質問を発することの申出があるときは、…被害者参加人…がこの法律の規定による意見の陳述をするために必要があると認める場合…は、申出をした者が被告人に対してその質問を発することを許すものとする。」と規定している。

(H28 予備 第25問 エ)
被害者参加制度における被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、法律上定められた権限として、裁判所が申出を相当と認めるときは、訴因として特定された事実の範囲内で事実及び法律の適用について意見を陳述することができる。

(正答)

(解説)
刑事訴訟法316条の38第1項は、「裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、審理の状況、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公判期日において、…訴因として特定された事実の範囲内で、申出をした者がその意見を陳述することを許すものとする。」としている。

(R2 予備 第22問 オ)
被害者参加人は、裁判所の許可を得て、事実又は法律の適用について意見を陳述することができ、裁判所は、その陳述を犯罪事実の認定のための証拠とすることができる。

(正答)

(解説)
316条の38は、1項において、「裁判所は、被害者参加人…から、事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、…相当と認めるときは、公判期日において、第293条第1項の規定による検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、申出をした者がその意見を陳述することを許すものとする。」と規定し、4項において、「第1項の規定による陳述は、証拠とはならないものとする。」と規定している。
したがって、被害者参加人が裁判所の許可を得て事実又は法律の適用について陳述した意見について、裁判所は、犯罪事実の認定のための証拠とすることができない。
総合メモ