刑事訴訟規則 第199条の11(記憶喚起のための書面等の提示)
① 訴訟関係人は、証人の記憶が明らかでない事項についてその記憶を喚起するため必要があるときは、裁判長の許可を受けて、書面(供述を録取した書面を除く。)又は物を示して尋問することができる。
② 前項の規定による尋問については、書面の内容が証人の供述に不当な影響を及ぼすことのないように注意しなければならない。
③ 第1項の場合には、前条第2項の規定を準用する。
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短答条文
第199条の11
条文
過去問・解説
(R8 予備 第16問 オ 改題)
甲は、令和7年9月19日午後11時頃、自宅で、妻である被害者Vに対し、頭部をガラス製の灰皿で1回殴る暴行を加えてけがを負わせた傷害事件で公判請求された。
甲は、第1回公判期日において、「公訴事実記載の日時場所においてVと一緒にいたことは間違いない。もっとも、Vに暴行を加えてけがを負わせたことはなく、Vが自分で転んでけがを負ったものである。」旨を述べて犯行を否認した。
検察官は、第2回公判期日において、立証趣旨を「本件被害状況等」として、Vの証人尋問を請求し、裁判所の証拠調べをする決定を経て、尋問の途中で、「証人が思い出せないようなので、記憶喚起のために、弁護人に開示済みのVの検察官に対する供述調書の供述部分を示します。」と述べて、Vの検察官に対する供述調書の供述部分をVに提示しようとした。
上記の尋問による証拠物の提示は、裁判長の許可がなければ許されない。
(正答)✕
(解説)
刑事訴訟規則199条の11第1項は、「訴訟関係人は、証人の記憶が明らかでない事項についてその記憶を喚起するため必要があるときは、裁判長の許可を受けて、書面(供述を録取した書面を除く。)又は物を示して尋問することができる。」と規定し、供述を録取した書面を条文上除外している。
したがって、裁判長の許可があっても、記憶喚起のためにVの検察官に対する供述調書の供述部分を示して尋問することは許されない。