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刑事訴訟法 第212条

条文
第212条(現行犯人)
① 現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者を現行犯人とする。        
② 左の各号の1にあたる者が、罪を行い終ってから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。
 一 犯人として追呼されているとき。
 二 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
 三 身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
 四 誰何されて逃走しようとするとき。
過去問・解説
(H21 司法 第21問 ア)
窃盗事件の犯人として追呼されている者が、罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるときは、検察官、検察事務官又は司法警察職員以外の者であっても、逮捕状なくしてその者を逮捕することができる。

(正答)

(解説)
212条2項柱書は、「左の各号の一にあたる者が、罪を行い終ってから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。」と規定し、同項1号は、「犯人として追呼されているとき。」を掲げている。そして、213条は、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」と規定している。
したがって、窃盗事件の犯人として追呼されている者が、罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるときは、検察官、検察事務官又は司法警察職員以外の者であっても、逮捕状なくしてその者を逮捕することができる。

(H22 司法 第23問 イ)
司法警察員Xは、被疑者甲に係る大麻取締法違反(大麻所持)被疑事件に関し、被疑者甲が1人で居住するアパートの居室を捜索すべき場所とし、大麻及び大麻吸引具を差し押さえるべき物とする捜索差押許可状に基づき、その居室を捜索した。その際、被疑者甲は、その居室にいた。司法警察員Xは、その捜索において、大麻及び大麻吸引具を発見することができなかったが、ポーチに入った覚せい剤様の白色結晶や、血液の混じったような液体が入った注射器を発見した。そのため、司法警察員Xは、前記白色結晶につき、覚せい剤の予試験を実施したところ、覚せい剤であるとの試験結果が得られた。そこで、司法警察員Xは、被疑者甲を覚せい剤取締法違反の被疑事実で逮捕した。
被疑者を逮捕するに当たり、司法警察員Xは、裁判官による令状の発付を受ける必要がない。

(正答)

(解説)
212条1項は、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者を現行犯人とする。」と規定する。
甲は、予試験により覚醒剤であると判明した白色結晶を所持していたため、覚醒剤所持の「現行犯人」に当たる。
そして、213条は「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」と規定している。
したがって、被疑者を逮捕するに当たり、司法警察員Xは、裁判官による令状の発付を受ける必要がない。

(H26 共通 第23問 イ)
司法巡査は、「路上で人がバットで殴られている。」旨の110番通報に基づき、事件現場に急行したところ、現場到着時に犯人が逃走していたことから、傷害を負った被害者から被害状況や犯人の服装・体格等を聴取し、犯人の探索を開始した。司法巡査は、事件発生の約30分後に事件現場から約500メートル離れた路上において、被害者が供述した犯人の服装・体格と一致する人物甲がバットを持って歩いているのを認め、甲に「ちょっと待って。」と声を掛けて停止を求めた。すると、甲が直ちに逃走を開始したため、司法巡査は甲を追跡し、甲を傷害罪の準現行犯人として逮捕した。甲は、逮捕翌日に、傷害罪により検察官に送致された。
甲が司法巡査から「ちょっと待って。」と声を掛けられて直ちに逃走を開始したことは、「誰何されて逃走しようとするとき。」(刑事訴訟法第212条第2項第4号)に該当する。

(正答)

(解説)
212条2項4号は、準現行犯に該当する場合として、「誰何されて逃走しようとするとき。」を掲げている。
ここでいう「誰何」とは、相手がだれかを確認することであり、声をかけられたら逃げ出すような場合も含む(吉開多一ほか「基本刑事訴訟法Ⅰ手続理解編」初版87頁)と解されている。
そのため、司法巡査が「ちょっと待って。」と声をかけることは「誰何」に当たり、本肢における甲は、直ちに逃走を開始していることから、「逃走しようとするとき」に当たる。
したがって、甲が司法巡査から「ちょっと待って。」と声を掛けられて直ちに逃走を開始したことは、「誰何されて逃走しようとするとき。」(刑事訴訟法第212条第2項第4号)に該当する。

(H28 予備 第15問 ウ)
現行犯人である「現に罪を行い終った者」というためには、犯罪の実行行為の全部を完了していることが必要である。

(正答)

(解説)
212条1項は、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者を現行犯人とする。」と規定している。
ここでいう「現に罪を行い」とは、実行行為を行いつつある場合、すなわち未遂犯も含む。
したがって、現行犯人である「現に罪を行い終った者」というためには、犯罪の実行行為の全部を完了している必要はなく、実行の着手があれば足りる。

(H28 予備 第15問 エ)
現行犯逮捕が許されるためには、逮捕者が、少なくとも犯行の一部を現認していることが必要である。

(正答)

(解説)
213条は「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」と規定している。
現行犯逮捕が認められるためには、逮捕者にとっての犯罪と犯人の明白性が必要であると解されている。
もっとも、逮捕者が犯行自体の一部を現認していなくても、逮捕者にとって犯罪とその犯人が明白である場合はあり得る。
したがって、現行犯逮捕が許されるためには、逮捕者が、少なくとも犯行の一部を現認していることは、必ずしも必要ではない。

(H29 予備 第15問 イ)
罪を行い終わってから間がないと認められないときでも、罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由があり、急速を要する場合には、現行犯逮捕することができる。

(正答)

(解説)
213条は、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」と規定されている。
そして、212条は、1項において、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者を現行犯人とする。」と規定し、2項柱書において、「左の各号の1にあたる者が、罪を行い終ってから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。」と規定している。
したがって、罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由があり、急速を要する場合であっても、212条1項又は2項の要件に当たらない限り、現行犯逮捕することはできない。

(H29 予備 第15問 ウ)
未遂犯の処罰規定のある犯罪の実行に着手した者については、その犯罪が既遂に達していなくとも、現行犯逮捕することができる。

(正答)

(解説)
212条1項は、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者を現行犯人とする。」と規定している。
ここでいう「現に罪を行い」とは、実行行為を行いつつある場合、すなわち未遂犯も含む。
したがって、未遂犯の処罰規定のある犯罪の実行に着手した者については、その犯罪が既遂に達していなくとも、現行犯逮捕することができる。

(R1 予備 第16問 イ)
現行犯人である「現に罪を行い終った者」というためには、犯罪が既遂に達していることが必要である。

(正答)

(解説)
212条1項は、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者を現行犯人とする。」と規定している。
ここでいう「現に罪を行い」とは、実行行為を行いつつある場合、すなわち未遂犯も含むと解されている。
したがって、現行犯人である「現に罪を行い終った者」というためには、犯罪が既遂に達していることまで必要ではなく、実行の着手があれば足りる。
総合メモ
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