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刑事訴訟法 第221条

条文
第221条(領置)
 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。
過去問・解説
(H20 司法 第28問 エ)
殺人事件の犯人が公道上の犯行現場に遺留した凶器を押収するには、差押許可状が必要である。

(正答)

(解説)
221条は、「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者…が遺留した物…は、これを領置することができる。」と規定している。そして、領置は、占有の取得の過程に強制の要素がないため、その実施に当たって令状は不要である。
殺人事件の犯人が公道上の犯行現場に遺留した凶器は「被疑者…が遺留した物」に当たる。
したがって、殺人事件の犯人が公道上の犯行現場に遺留した凶器を押収するには、差押許可状は不要である。

(H20 司法 第28問 オ)
捜査機関に対し、証拠物を任意に提出することができる者は、当該証拠物の所有者に限られる。

(正答)

(解説)
221条は、「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、…所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。」と規定している。
したがって、拠物を任意に提出することができる者は、当該証拠物の所有者に限られない。

(H21 司法 第22問 オ)
司法警察員が、覚せい剤を注射して使用した被疑者により公道上に投棄された注射器を領置するときは、裁判官の発する令状を必要とする。

(正答)

(解説)
221条は、「司法警察職員は、被疑者…が遺留した物…を領置することができる。」と規定している。そして、領置は、占有の取得の過程に強制の要素がないため、その実施に当たって令状は不要である。
覚せい剤を注射して使用した被疑者により公道上に投棄された注射器は「被疑者…が遺留した物」に当たる。
したがって、司法警察員が、覚せい剤を注射して使用した被疑者により公道上に投棄された注射器を領置するときは、裁判官の発する令状は不要である。

(H25 司法 第24問 ウ)
司法警察員は、甲が自宅において覚せい剤を密売しているとの被疑事実により、甲の逮捕状及び甲宅に対する捜索差押許可状の発付を得て、甲宅に赴いた。甲宅には、甲の妻Aのみが在宅していたことから、司法警察員は、Aに前記捜索差押許可状を呈示した上で、甲宅に立ち入り、Aを立会人として捜索を実施し、覚せい剤や電子計量器などを差し押さえた。更に捜索を進めたところ、甲宅リビングルームのテーブル上に、甲が野球賭博を開張していたことを示すノートが発見されたことから、司法警察員はAにノートの提出を求めた。ノートは甲の所有物であったが、②Aは司法警察員にノートを任意に提出し、司法警察員がこれを領置した。
下線部②につき、任意提出を行うことができる者は、所有者又は所持者に限られるところ、所持者とは自己のために当該物件を占有する者であるから、司法警察員がAからノートを領置したことは違法である。

(正答)

(解説)
221条は、「司法警察職員は、…所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる」と規定しており、任意提出を行うことができる者は、所有者又は所持者に限られない。
したがって、司法警察員がAからノートを領置したことは適法である。

(H25 司法 第24問 オ)
司法警察員は、甲が自宅において覚せい剤を密売しているとの被疑事実により、甲の逮捕状及び甲宅に対する捜索差押許可状の発付を得て、甲宅に赴いた。甲宅には、甲の妻Aのみが在宅していたことから、司法警察員は、Aに前記捜索差押許可状を呈示した上で、甲宅に立ち入り、Aを立会人として捜索を実施し、覚せい剤や電子計量器などを差し押さえた。更に捜索を進めたところ、甲宅リビングルームのテーブル上に、甲が野球賭博を開張していたことを示すノートが発見されたことから、司法警察員はAにノートの提出を求めた。ノートは甲の所有物であったが、Aは司法警察員にノートを任意に提出し、司法警察員がこれを領置した。捜索終了後、その日のうちに、司法警察員は甲が帰宅した旨の情報を得たことから、直ちに甲宅に赴き、玄関から甲宅に立ち入り、在宅していた甲に逮捕状を示して通常逮捕した。翌日、Aは、甲の了解を得ずに前記ノートを提出したことを後悔し、④司法警察員に対してノートの還付を請求した。
下線部④につき、任意提出物を領置した場合には、提出者から還付を請求されると直ちに還付する必要がある。

(正答)

(解説)
221条は、「司法警察職員は、…所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる」と規定している。
そして、領置は、対象物の占有取得の際は任意であるが、対象物の占有取得後の効果は差押えと同じであり、その占有は強制的に維持される(酒巻匡「刑事訴訟法」第2版103頁)。
したがって、任意提出物を領置した場合には、提出者から還付を請求されたとしても、領置された物が証拠物や没収すべき物でないことが明らかにならない限り、還付する必要はない。

(H28 予備 第16問 イ)
平成27年2月1日、H県I警察署所属の司法警察員Xは、私人から「H県営J公園で、女性が血を流して死んでいる。」との通報を受け、同公園に向かい、その女性の死体を確認した。Xから変死体を発見した旨の連絡を受けたH地方検察庁検察官Yは、自ら検視を実施した。検視の結果、所持品等から、前記死体がH県内に住むVであることが判明し、胸部にはナイフで刺されたような傷痕が認められた。そこで、Vを被害者とする殺人事件の捜査が開始された。
 Xは、同日、J公園の草むらで、血痕が付着したナイフを発見し、その場でこれを領置した。また、Yは、前記検視の結果を踏まえ、Vの死体については捜査の必要から解剖を実施することとし、同月2日、Z医師による同死体の解剖が行われた。その結果、Vの死因は、胸部刺創による失血死であることが判明した。
 その後、J公園に設置された防犯カメラに、甲がVの胸付近を刃物で刺す場面が撮影されていることが明らかとなり、Xは、同月4日、甲を被疑者とする逮捕状の発付を受けた。Xは、同日、甲方に向かったところ、ちょうど甲がボストンバッグ1個を持って甲方から出てきた。そこで、Xは、甲方前路上において、甲に前記逮捕状を示した上で、これを逮捕し、その際、甲が持っていたボストンバッグのチャックを開け、その中の物を取り出したところ、血の付いたシャツを認めたことから、同シャツをその場で差し押さえた。その後、Xは、I警察署において、逮捕された甲の指紋を採取し、甲の正面及び左右の顔写真を撮影した。
 Xがナイフを領置するには、差押許可状の発付を受ける必要がない。

(正答)

(解説)
221条は「司法警察職員は、被疑者その他の者が遺留した物…は、これを領置することができる。」と規定している。
そして、領置は、占有の取得の過程に強制の要素がないため、その実施に当たって令状は不要である。
本肢のナイフはJ公園の草むらに放置されていたものであるから、「被疑者その他の者が遺留した物」に当たる。
したがって、Xがナイフを領置するには、差押許可状の発付を受ける必要がない。

(R2 予備 第16問 オ)
司法警察職員が領置することができる物は、所有者、所持者又は保管者が任意に提出した物に限られる。

(正答)

(解説)
221条は、「司法警察職員は、被疑者その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。」と規定している。
したがって、任意に提出された物だけでなく、遺留物も領置することができる。
総合メモ
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