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刑事訴訟法 第230条

条文
第230条(告訴権者)
 犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。
過去問・解説
(H20 司法 第33問 イ)
V1は、月刊誌に自己の名誉を毀損する記事が掲載されたとして、同月刊誌の編集責任者甲を名誉毀損の罪で告訴した。捜査の結果、甲に、前記記事によるV1及びその愛人V2に対する名誉毀損の事実が認められた場合、V1の告訴の効力は、甲のV2に対する名誉毀損の事実にも及ぶ。

(正答)

(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
単一の犯罪の一部分についてした告訴は、残りの部分に対しても効力を生ずる(告訴客観的不可分の原則)。
もっとも、科刑上一罪の犯罪事実で、かつ、被害者を異にする場合には被害者意思の尊重という観点から、例外的に一方の告訴の効力が他方に及ばない。
甲は、1つの月刊誌の記事でV1とV2の名誉を毀損していることから、「1個の行為が2個以上の罪名に触れ」ているため、科刑上一罪であり(刑法54条1項前段)、かつ、被害者は異なっている。
したがって、V1の告訴の効力は、甲のV2に対する名誉毀損の事実にも及ばない。

(H20 司法 第33問 ウ)
Vは、甲から住居侵入及びこれと科刑上一罪の関係にある不同意わいせつの被害を受けたが、甲を住居侵入の罪に限定して告訴した。この場合、Vの告訴の効力は、不同意わいせつの事実には及ばない。

(正答)

(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
単一の犯罪の一部分についてした告訴は、残りの部分に対しても効力を生ずる(告訴客観的不可分の原則)。
したがって、Vの告訴の効力は、不同意わいせつの事実には及ぶ。

(H24 共通 第39問 ウ)
告訴をすることができる者の範囲は、刑事訴訟法の規定上、対象となっている事件の法定刑の軽重による差異が設けられていない。

(正答)

(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
しかし、告訴をすることができる者の範囲について、対象となっている事件の法定刑の軽重による差異を設けた規定を置いていない。

(H24 司法 第24問 ア)
弟甲から宝石を盗まれたとして同居していない姉Aが告訴した。捜査の結果、甲が宝石と一緒に現金を盗んでいたことが判明したが、Aは追加の告訴をしなかった。この場合、検察官が宝石と現金を窃取した事実で甲を起訴しても、親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。

(正答)

(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
単一の犯罪の一部分についてした告訴は、残りの部分に対しても効力を生ずる(告訴客観的不可分の原則)。
そして、包括一罪の場合においては、犯罪行為全体について包括的に評価することから、上記の原則が妥当することとなる。
本肢における、宝石と現金を窃取した行為は、窃盗罪(刑法235条)で包括一罪となる。
したがって、検察官が宝石と現金を窃取した事実で甲を起訴しても、親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。

(H24 司法 第24問 ウ)
弟甲から宝石を盗まれたとして同居していない姉Aが告訴した。捜査の結果、甲が宝石と一緒にAと同居している妹Bからも現金を盗んでいたことが判明したが、Bは告訴しなかった。この場合、検察官が宝石と現金を窃取した事実で甲を起訴しても、親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。

(正答)

(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
単一の犯罪の一部分についてした告訴は、残りの部分に対しても効力を生ずる(告訴客観的不可分の原則)。
もっとも、科刑上一罪を構成する各罪が親告罪で、かつ、被害者を異にする場合には被害者意思の尊重という観点から、例外的に一方の告訴の効力が他方に及ばない。
甲は、1つの行為でAとBの財産権を侵害していることから、「1個の行為が2個以上の罪名に触れ」ているため、科刑上一罪であり(刑法54条1項前段)、A、Bは共に甲と同居していないことから、244条2項が適用され、甲の現金・宝石の窃盗はいずれも親告罪となる。そして、被害者は別である。
したがって、Bの告訴がなければ現金の窃取については告訴があったことにはならない。

(H24 司法 第24問 エ)
胸を触られ強姦されそうになったことは許せない旨の不同意性交等未遂の告訴を被害者から受けて捜査をした結果、不同意わいせつの事実が判明した場合、被害者による不同意性交等未遂の告訴は、それより軽い不同意わいせつの事実を当然包含しているから、検察官が不同意わいせつの事実で起訴しても、親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。

(正答)

(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
しかし、不同意性交等未遂、不同意わいせつは共に親告罪ではない。
したがって、検察官が不同意わいせつの事実で起訴しても、親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。

(H24 司法 第24問 オ)
深夜無理やり自動車に連れ込まれ強姦されそうになったことは許せない旨の強姦未遂の告訴を被害者から受けて捜査をした結果、わいせつ目的略取未遂の事実が判明した場合、不同意性交等未遂罪とわいせつ目的略取未遂罪は、観念的競合又は牽連犯の関係に立ち、一方が他方を包含する関係にないが、被害者による不同意性交未遂の告訴があれば、検察官がわいせつ目的略取未遂のみの事実で起訴しても、親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。

(正答)

(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
しかし、不同意性交等未遂、不同意わいせつは共に親告罪ではない。
したがって、検察官がわいせつ目的略取未遂のみの事実で起訴しても、親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。

(H27 予備 第15問 ア)
Aが不同意性交された場合、Aの夫は、「犯罪により害を被った者」として告訴権を有する。

(正答)

(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
Aが不同意性交された場合の「犯罪によって害を被った者」はAであり、Aの夫はこれに当たらない。
したがって、Aが不同意性交された場合、Aの夫は、「犯罪により害を被った者」として告訴権を有しない。

(H27 予備 第15問 オ)
1通の文書でA及びBの名誉が毀損された場合、Aがした告訴の効力は、Bに対する名誉毀損の事実には及ばない。

(正答)

(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
単一の犯罪の一部分についてした告訴は、残りの部分に対しても効力を生ずる(告訴客観的不可分の原則)。
もっとも、科刑上一罪の犯罪事実で、かつ、被害者を異にする場合には被害者意思の尊重という観点から、例外的に一方の告訴の効力が他方に及ばない。
1つの文書でAとBの名誉を毀損していることから、「1個の行為が2個以上の罪名に触れ」ているため、科刑上一罪であり(刑法54条1項前段)、かつ、被害者は異なっている。
したがって、1通の文書でA及びBの名誉が毀損された場合、Aがした告訴の効力は、Bに対する名誉毀損の事実には及ばない。

(H28 予備 第14問 ア)
甲が、平成26年11月1日に乙に不同意性交されたとの事実により乙を告訴する場合において、司法警察員は、甲からの告訴を受けたときは、乙を逮捕しなければならない。

(正答)

(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
しかし、犯人として告訴された者を逮捕しなければならないとする規定は存在しない。
総合メモ
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