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刑事訴訟法 第298条

条文
第298条(証拠調べの請求、職権証拠調べ)
① 検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。
② 裁判所は、必要と認めるときは、職権で証拠調をすることができる。

第41条(独立行為権)
弁護人は、この法律に特別の定のある場合に限り、独立して訴訟行為をすることができる。

第299条(証拠調べの請求、職権証拠調べ、当事者の権利)
① 略
② 裁判所が職権で証拠調の決定をするについては、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。

刑事訴訟規則第189条(証拠調の請求の方式・法第298条)
① 証拠調の請求は、証拠と証明すべき事実との関係を具体的に明示して、これをしなければならない。
②〜③ 略
④ 前各項の規定に違反してされた証拠調の請求は、これを却下することができる。

刑事訴訟規則第190条(証拠決定・法第298条等)
① 証拠調又は証拠調の請求の却下は、決定でこれをしなければならない。
② 前項の決定をするについては、証拠調の請求に基く場合には、相手方又はその弁護人の意見を、職権による場合には、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
③ 被告人が出頭しないでも証拠調を行うことができる公判期日に被告人及び弁護人が出頭していないときは、前項の規定にかかわらず、これらの者の意見を聴かないで、第1項の決定をすることができる。

刑事訴訟規則第192条(証拠決定についての提示命令)
証拠調の決定をするについて必要があると認めるときは、訴訟関係人に証拠書類又は証拠物の提示を命ずることができる。
過去問・解説
(H20 司法 第33問 ア)
検察官は、ハンマーを凶器とする傷害被告事件の証拠として、犯行に使用されたとされるハンマーの証拠調べを請求した。ハンマーには伝聞法則は適用されないから、裁判所は、弁護人の意見を聴かずに、ハンマーを証拠として採用するか否かを決定することができる。

(正答)

(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」と規定している。
ハンマーは非供述証拠であるため、伝聞法則は適用されない。
他方、刑事訴訟規則190条は、1項において、「証拠調又は証拠調の請求の却下は、決定でこれをしなければならない。」と規定し、2項において、「前項の決定をするについては、証拠調の請求に基く場合には、相手方又はその弁護人の意見を、職権による場合には、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。」と規定している。
したがって、裁判所は、ハンマーを証拠として採用するか否かを決定する際に、弁護人の意見を聞く必要がある。

(H20 司法 第33問 イ)
V1は、月刊誌に自己の名誉を毀損する記事が掲載されたとして、同月刊誌の編集責任者甲を名誉毀損の罪で告訴した。捜査の結果、甲に、前記記事によるV1及びその愛人V2に対する名誉毀損の事実が認められた場合、V1の告訴の効力は、甲のV2に対する名誉毀損の事実にも及ぶ。

(正答)

(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
単一の犯罪の一部分についてした告訴は、残りの部分に対しても効力を生ずる(告訴客観的不可分の原則)。
もっとも、科刑上一罪の犯罪事実で、かつ、被害者を異にする場合には被害者意思の尊重という観点から、例外的に一方の告訴の効力が他方に及ばない。
甲は、1つの月刊誌の記事でV1とV2の名誉を毀損していることから、「1個の行為が2個以上の罪名に触れ」ているため、科刑上一罪であり(刑法54条1項前段)、かつ、被害者は異なっている。
したがって、V1の告訴の効力は、甲のV2に対する名誉毀損の事実にも及ばない。

(H21 司法 第28問 ウ)
弁護人は、公判期日において、被告人が証拠調べを請求する意思がない証拠についても、その証拠調べを請求することができる。

(正答)

(解説)
41条は、「弁護人は、この法律に特別の定のある場合に限り、独立して訴訟行為をすることができる。」と規定している。
そして、298条1項は、「弁護人は、証拠調を請求することができる。」と規定している。
したがって、弁護人は、公判期日において、被告人が証拠調べを請求する意思がない証拠についても、被告人と独立して、証拠調べを請求することができる。

(H21 司法 第33問 イ)
裁判所は、必要と認めるときは、職権で証拠調べをすることができるので、被告人のアリバイの存在を立証趣旨として弁護人から証拠調べを請求された被告人以外の者が作成した供述書につき、検察官の意見を聴かずに、証拠調べの決定をすることができる。

(正答)

(解説)
298条2項は、「裁判所は、必要と認めるときは、職権で証拠調をすることができる。」と規定している。
他方で、299条2項は、「裁判所が職権で証拠調の決定をするについては、検察官…の意見を聴かなければならない。」と規定している。
したがって、弁護人から証拠調べを請求された被告人以外の者が作成した供述書につき、職権で証拠調べの決定をするには、検察官の意見を聴かなければならない。

(H24 共通 第34問 1)
当事者の一方が鑑定を請求した場合、裁判所が鑑定を決定するについては、相手方又はその弁護人に意見を述べる機会を与えなければならない。

(正答)

(解説)
刑事訴訟規則190条は、1項において、「証拠調又は証拠調の請求の却下は、決定でこれをしなければならない。」と規定し、2項において、「前項の決定をするについては、証拠調の請求に基く場合には、相手方又はその弁護人の意見を…聴かなければならない。」と規定している。
鑑定の決定は、証拠調の決定に当たるため、相手方又はその弁護人に意見を述べる機会を与えなければならない。

(H24 司法 第28問 エ)
証拠調べの請求は、証拠と証明すべき事実との関係を具体的に明示して行わなければならず、裁判所は、その関係が明らかにされていないときは、証拠調べの請求を却下することができる。

(正答)

(解説)
刑事訴訟規則189条は、1項において、「証拠調の請求は、証拠と証明すべき事実との関係を具体的に明示して、これをしなければならない。」と規定し、4項において、「前各項の規定に違反してされた証拠調の請求は、これを却下することができる。」と規定している。

(H26 共通 第30問 イ)
被告人Aと被告人Bは、共謀の上、A方で覚せい剤を所持したとの覚せい剤取締法違反に係る公訴事実で起訴された。公判廷では、Aは、Bと共に犯行に及んだことを認める旨の供述をしているが、Bは、自己の関与を否定する旨の供述をしている。検察官は、A方から押収された覚せい剤、同覚せい剤の鑑定書、A方の捜索差押調書等の証拠調べを請求している。
前記覚せい剤の証拠調べ請求について、Aの弁護人は「異議なし」との意見を述べ、Bの弁護人は「関連性なし」との意見を述べた場合、裁判所はBとの関係でも同覚せい剤を証拠として採用し、取り調べることが許される。

(正答)

(解説)
共同被告人の一方に対する関係で取り調べられた証拠が当然に他方の被告人との関係でも証拠となるわけではない。
Bの弁護人は「関連性なし」との意見を述べているところ、関連性がなければ、覚醒剤について、Bとの関係で証拠調べすることはできない。

(H26 司法 第27問 エ)
犯罪の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が取調べに対して供述を拒んだため、検察官が刑事訴訟法第226条に基づき証人尋問を請求する場合において、証人尋問が実施された後、裁判所は、公判期日において、その尋問の結果を記載した書面を取り調べなければならない。

(正答)

(解説)
298条は、1項において、「検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。」と規定し、2項において、「裁判所は、必要と認めるときは、職権で証拠調をすることができる。」と規定している。
刑事訴訟法第226条に基づく証人尋問における証言は、その証言を録取した書面が証拠となるため、当事者の請求または職権により取調べが行われるところ、この職権証拠調べは義務ではない。

(H28 予備 第25問 イ)
被害者参加制度における被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、法律上定められた権限として、情状に関する事項について、証拠調べを請求することができる。

(正答)

(解説)
298条1項は、「検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。」と規定しており、被害者参加制度における被害者参加人又はその委託を受けた弁護士はここに含まれない。
また、被害者参加制度について規定する316条の33以下にも、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士による情状に関する事項についての証拠調べ請求を認める規定は存在しない。
したがって、被害者参加制度における被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、情状に関する事項について、証拠調べを請求することができない。

(H30 予備 第18問 ウ)
弁護人は、被告人の明示の同意がなければ、証拠調べを請求することができない。

(正答)

(解説)
41条は、「弁護人は、この法律に特別の定のある場合に限り、独立して訴訟行為をすることができる。」と規定している。
また、298条が「弁護人は、証拠調を請求することができる。」と規定している。
したがって、弁護人は、被告人の同意がなくても、証拠調べを請求することができる。
総合メモ
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