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刑事訴訟法 第312条

条文
第312条(起訴状の変更)
① 裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。
② 裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命ずることができる。
③ 第1項の請求は、書面を提出してしなければならない。
④ 検察官は、第1項の請求と同時に、被告人に送達するものとして、前項の書面(以下「訴因変更等請求書面」という。)の謄本を裁判所に提出しなければならない。
⑤ 裁判所は、前項の規定による訴因変更等請求書面の謄本の提出があったときは、遅滞なくこれを被告人に送達しなければならない。
⑥ 第3項の規定にかかわらず、被告人が在廷する公判廷においては、第1項の請求は、口頭ですることができる。この場合においては、第4項の規定は、適用しない。
⑦ 裁判所は、訴因又は罰条の追加又は変更により被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、被告人に十分な防御の準備をさせるため必要な期間公判手続を停止しなければならない。
過去問・解説
(H21 司法 第32問 エ)
【事例】
 Vの死体が発見され、司法解剖の結果、Vの死因が頸部圧迫による窒息であることが判明した。その後、警察は、甲及び乙が共謀してVを殺害した事実により、甲を逮捕したが、乙は逃亡してその所在が判明しなかった。甲は、取調べに対し、自分はVの殺害とは無関係である旨供述した。捜査を尽くしたところ、検察官は、甲及び乙が共謀してVを殺害し、殺害の実行行為者が甲であると認定したが、犯行日時については、「平成◯年3月15日ころから同月18日ころまでの間」、犯行場所については、「H市内又はその周辺」、犯行方法については、「何らかの方法で頸部を圧迫した」としか認定できなかった。そのため、検察官は、甲の勾留満期日に、以下の<公訴事実>で甲を起訴した。
<公訴事実>
 被告人甲は、乙と共謀の上、平成◯年3月15日ころから同月18日ころまでの間、H市内又はその周辺において、Vに対し、殺意をもって、何らかの方法でVの頸部を圧迫し、よって、そのころ、同所付近において、Vを頸部圧迫により窒息死させて殺害したものである。

裁判所は、<公訴事実>の「殺意」を認定することができないと判断した場合、傷害致死の事実が当初の訴因中に含まれていて黙示的に主張されていると解されるときであっても、訴因変更の手続を経ることなく、傷害致死の事実を認定することはできない。

(正答)

(解説)
殺人罪の審理において「殺意」を認定することができないと判断した場合、傷害致死の事実が当初の訴因中に含まれていて黙示的に主張されていると解されるときに傷害致死の事実を認定することを、縮小認定という。このような認定方法は、許容されると解されている。
したがって、裁判所は、<公訴事実>の「殺意」を認定することができないと判断した場合、傷害致死の事実が当初の訴因中に含まれていて黙示的に主張されていると解されるときであれば、訴因変更の手続を経ることなく、傷害致死の事実を認定することができる。

(H21 司法 第33問 ア)
裁判所は、審判対象の設定について検察官に裁量権があるので、検察官に対して訴因を変更すべきことを命ずることはできない。

(正答)

(解説)
312条2項は、「裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因…を…変更すべきことを命ずることができる。」と規定している。

(H23 共通 第29問 ア)
検察官は、第1回の公判期日の前であっても、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因の追加、撤回又は変更を裁判所に請求することができる。

(正答)

(解説)
312条1項は、「裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因…の追加、撤回又は変更を許さなければならない。」と規定している。
また、第1回の公判期日の前の訴因変更を禁止する規定は存在しないため、検察官は、第1回の公判期日の前であっても、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因の追加、撤回又は変更を裁判所に請求することができる。

(H23 共通 第29問 オ)
裁判所は、訴因の追加又は変更により被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、被告人に十分な防御の準備をさせるため必要な期間公判手続を停止しなければならない。

(正答)

(解説)
312条4項は、「裁判所は、訴因又は罰条の追加又は変更により被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞があると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、被告人に充分な防禦の準備をさせるため必要な期間公判手続を停止しなければならない。」と規定している。

(H24 予備 第26問 3)
審理の途中で予備的訴因を追加することも許される。

(正答)

(解説)
312条1項は、「裁判所は、…公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加…を許さなければならない。」と規定している。
したがって、審理の途中で予備的訴因を追加することも許される。
総合メモ
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