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株式(株主名簿)

名義書換未了の株主を会社が株主として扱うことの可否 最一小判昭和30年10月20日

概要
株式の譲渡があった場合に、株主名簿の名義書換が会社の都合で遅れていても、会社はその譲渡を認め、譲受人を株主として取り扱うことができる。
判例
事案:株式の譲渡につき名義書換が未了の場合に、会社がその譲渡を認めることができるかが問題となった。

判旨:「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない法意と解するを相当とする。従って、本件においては、…株式…を譲り受けたことについて、株主名簿に記載してないことは所論のとおりであるが、それは右譲渡をもって…会社に対抗し得ないというに止まり、会社側においては、株主名簿の書換が何らかの都合でおくれていても、右株式の譲渡を認めて譲受人…を株主として取り扱うことを妨げるものではない。」
過去問・解説
(H18 司法 第40問 ア)
判例によれば、株式会社は、株主名簿名義書換未了の株式譲受人を株主として扱うことができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭30.10.20)は、「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない…。」としている。
したがって、名義書換が会社の都合で遅れていても、会社はその譲渡を認め、譲受人を株主として取り扱うことができる。

(H24 共通 第39問 エ)
株式の譲渡に関する株主名簿の名義書換が会社の都合で遅れている場合には、会社は、その譲渡を認め譲受人を株主として取り扱うことができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭30.10.20)は、「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない…。」としている。
したがって、名義書換が会社の都合で遅れていても、会社はその譲渡を認め、譲受人を株主として取り扱うことができる。

(H30 予備 第17問 ア)
基準日前に株式の譲渡があった場合には、会社側においては、株主名簿の名義書換が何らかの都合でされていなくとも、当該譲渡を認め、基準日が定められた権利を譲受人に行使させることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭30.10.20)は、「商法206条1項(現:会社法130条1項)…によれば、記名株式の移転は、取得者の氏名及び住所を株主名簿に記載しなければ会社には対抗できないが、会社からは右移転のあったことを主張することは妨げない…。」としている。
したがって、名義書換が会社の都合で遅れていても、会社はその譲渡を認め、譲受人を株主として取り扱うことができる。
総合メモ

過失により名義書換請求に応じていない会社による株式譲渡の効力の否認の可否 最一小判昭和41年7月28日

概要
株式譲受人から株式会社に対し名義書換の請求をした場合において、会社の過失により名義書換が行なわれなかったときは、会社は、名義書換のないことを理由として、株式の譲渡を否定することができない。
判例
事案:会社が過失により株式譲受人の名義書換請求に応じなかった場合に、当該株式の譲渡を否定することができるかが問題となった。

判旨:「正当の事由なくして株式の名義書換請求を拒絶した会社は、その書換のないことを理由としてその譲渡を否認し得ないのであり…、従って、このような場合には、会社は株式譲受人を株主として取り扱うことを要し、株主名簿上に株主として記載されている譲渡人を株主として取り扱うことを得ない。そして、この理は会社が過失により株式譲受人から名義書換請求があったのにかかわらず、その書換をしなかったときにおいても、同様であると解すべきである。」
過去問・解説
(H24 共通 第39問 ウ)
株式の譲渡について、会社に対し適法に株主名簿の名義書換請求がされたにもかかわらず、会社の過失により名義書換が行われなかったときは、会社は、株主名簿の名義書換のないことを理由として、株式の譲渡を否定することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭41.7.28)は、「正当の事由なくして株式の名義書換請求を拒絶した会社は、その書換のないことを理由としてその譲渡を否認し得ないのであり…、従って、このような場合には、会社は株式譲受人を株主として取り扱うことを要し、株主名簿上に株主として記載されている譲渡人を株主として取り扱うことを得ない。そして、この理は会社が過失により株式譲受人から名義書換請求があったのにかかわらず、その書換をしなかったときにおいても、同様である…。」としている。

(R1 予備 第18問 ア)
判例の趣旨によれば、株式を譲り受けた株式取得者が株主名簿の名義書換の請求をしたにもかかわらず、株式会社が正当な事由なく当該請求に応じなかったときは、当該株式会社は、株主名簿の名義書換がないことを理由として、株式の譲渡を否定することができず、当該株式取得者を株主として取り扱わなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭41.7.28)は、「正当の事由なくして株式の名義書換請求を拒絶した会社は、その書換のないことを理由としてその譲渡を否認し得ないのであり…、従って、このような場合には、会社は株式譲受人を株主として取り扱うことを要し、株主名簿上に株主として記載されている譲渡人を株主として取り扱うことを得ない。」としている。
総合メモ

株式譲渡が行われたものの名義書換がなされていないまま譲渡人に配当金が配当された場合の不当利得の成否 最二小判昭和37年4月20日

概要
会社の剰余金の配当の基準日より前に株券が交付されて譲渡されたが、その基準日までに株主名簿の名義書換請求がされずに譲渡人が配当金を受領した場合、譲渡人は譲受人に対し、受領した配当金相当額の不当利得返還義務を負う。
判例
事案:会社の剰余金の配当の基準日より前に株券が交付されて譲渡されたが、その基準日までに株主名簿の名義書換請求がされずに譲渡人が配当金を受領した場合に、譲渡人が譲受人に対し、受領した配当金相当額の不当利得返還義務を負うかが問題となった。

判旨:「少くとも上告人と被上告人との関係においては、右株券に表彰される株主権は被上告人に移転すると解すべきであるから、上告人が、…本件株式につき被上告人に名義書換がなされるまでの間に、株主名簿上の株主として交付を受けた本件利益配当金及び無償交付の新株(またはその売得金)を不当利得として被上告人に返還すべき義務のあることは明らかである。」
過去問・解説
(H24 司法 第39問 オ)
株券発行会社の株式について、その会社の剰余金の配当の基準日より前に株券が交付されて譲渡されたが、その基準日までに株主名簿の名義書換請求がされずに譲渡人が配当金を受領したときは、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負わない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭37.4.20)は、本肢と同種の事案において、「上告人が、…本件株式につき被上告人に名義書換がなされるまでの間に、株主名簿上の株主として交付を受けた本件利益配当金及び無償交付の新株(またはその売得金)を不当利得として被上告人に返還すべき義務のあることは明らかである。」としている。
したがって、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負う。

(R1 予備 第18問 イ)
判例の趣旨によれば、株券発行会社の株式について、株式会社が定めた剰余金の配当の基準日より前に株券が交付されて譲渡されたが、当該基準日までに株主名簿の名義書換の請求がされなかったときは、株主名簿上の株主である譲渡人が適法に配当金を受領することができ、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負わない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭37.4.20)は、「上告人が、…本件株式につき被上告人に名義書換がなされるまでの間に、株主名簿上の株主として交付を受けた本件利益配当金及び無償交付の新株(またはその売得金)を不当利得として被上告人に返還すべき義務のあることは明らかである。」としている。
したがって、譲渡人は、譲受人に対し、受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負う。
総合メモ

株式譲渡が行われたものの名義書換がなされていないまま譲渡人に配当金が配当された場合の不当利得の額 最一小判平成19年3月8日

概要
株式を譲渡した後、譲受人が名義書換をしない間に、譲渡人が株式の分割により新株式を取得し、第三者に当該新株式を売却した場合には、譲渡人は譲受人に対し、原則として、売却代金相当額の金員の不当利得返還義務を負う。
判例
事案:株式を譲渡した後、譲受人が名義書換をしない間に、譲渡人が株式の分割により新株式を取得し、第三者に当該新株式を売却した場合に、譲渡人は譲受人に不当利得返還義務を負うが、その返還すべき利益の額が問題となった。

判旨:「不当利得の制度は、ある人の財産的利得が法律上の原因ないし正当な理由を欠く場合に、法律が、公平の観念に基づいて、受益者にその利得の返還義務を負担させるものである…。 受益者が法律上の原因なく代替性のある物を利得し、その後これを第三者に売却処分した場合、その返還すべき利益を事実審口頭弁論終結時における同種・同等・同量の物の価格相当額であると解すると、その物の価格が売却後に下落したり、無価値になったときには、受益者は取得した売却代金の全部又は一部の返還を免れることになるが、これは公平の見地に照らして相当ではないというべきである。また、逆に同種・同等・同量の物の価格が売却後に高騰したときには、受益者は現に保持する利益を超える返還義務を負担することになるが、これも公平の見地に照らして相当ではなく、受けた利益を返還するという不当利得制度の本質に適合しない。 そうすると、受益者は、法律上の原因なく利得した代替性のある物を第三者に売却処分した場合には、損失者に対し、原則として、売却代金相当額の金員の不当利得返還義務を負うと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H22 司法 第38問 3)
判例によれば、甲が乙に対して株式を譲渡した後、乙が株主名簿の名義書換をしていない間に、甲が株式の分割により新株式を取得し、第三者に当該新株式を売却した場合、甲が乙に対して売却代金相当額の金員の不当利得返還義務を負うことはない。

(正答)

(解説)
判例(最判平19.3.8)は、「受益者は、法律上の原因なく利得した代替性のある物を第三者に売却処分した場合には、損失者に対し、原則として、売却代金相当額の金員の不当利得返還義務を負う…。」としている。
したがって、甲は乙に対して、不当利得返還義務を負い、その額は原則として売却代金相当額となる。
総合メモ