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取締役会
代表取締役が取締役会の決議を経ないでした対外的な個々的取引行為の有効性 最三小判昭和40年9月22日
概要
株式会社の代表取締役が、取締役会の決議を経てすることを要する対外的な個々的取引行為を、取締役会の決議を経ないでした場合でも、当該取引行為は、相手方において取締役会の決議を経ていないことを知り又は知ることができたときでない限り、有効である。
判例
事案:株式会社の代表取締役が取締役会の決議を経ないで対外的な個々的取引行為をした場合に、当該取引行為が有効であるかが問題となった。
判旨:「株式会社の一定の業務執行に関する内部的意思決定をする権限が取締役会に属する場合には、代表取締役は、取締役会の決議に従って、株式会社を代表して右業務執行に関する法律行為をすることを要する。しかし、代表取締役は、株式会社の業務に関し一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する点にかんがみれば、代表取締役が、取締役会の決議を経てすることを要する対外的な個々的取引行為を、右決議を経ないでした場合でも、右取引行為は、内部的意思決定を欠くに止まるから、原則として有効であって、ただ、相手方が右決議を経ていないことを知りまたは知り得べかりしときに限って、無効である、と解するのが相当である。」
判旨:「株式会社の一定の業務執行に関する内部的意思決定をする権限が取締役会に属する場合には、代表取締役は、取締役会の決議に従って、株式会社を代表して右業務執行に関する法律行為をすることを要する。しかし、代表取締役は、株式会社の業務に関し一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する点にかんがみれば、代表取締役が、取締役会の決議を経てすることを要する対外的な個々的取引行為を、右決議を経ないでした場合でも、右取引行為は、内部的意思決定を欠くに止まるから、原則として有効であって、ただ、相手方が右決議を経ていないことを知りまたは知り得べかりしときに限って、無効である、と解するのが相当である。」
過去問・解説
(R6 予備 第21問 ウ)
代表取締役が取締役会の決議を経てすることを要する対外的な個々的取引行為を取締役会の決議を経ないでした場合には、当該取引行為は、内部的意思決定を欠くため、原則として無効である。
代表取締役が取締役会の決議を経てすることを要する対外的な個々的取引行為を取締役会の決議を経ないでした場合には、当該取引行為は、内部的意思決定を欠くため、原則として無効である。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭40.9.22)は、「代表取締役が、取締役会の決議を経てすることを要する対外的な個々的取引行為を、右決議を経ないでした場合でも、右取引行為は、内部的意思決定を欠くに止まるから、原則として有効であって、ただ、相手方が右決議を経ていないことを知りまたは知り得べかりしときに限って、無効である…。」としている。
したがって、原則として無効なのではなく、原則として有効である。
判例(最判昭40.9.22)は、「代表取締役が、取締役会の決議を経てすることを要する対外的な個々的取引行為を、右決議を経ないでした場合でも、右取引行為は、内部的意思決定を欠くに止まるから、原則として有効であって、ただ、相手方が右決議を経ていないことを知りまたは知り得べかりしときに限って、無効である…。」としている。
したがって、原則として無効なのではなく、原則として有効である。
総合メモ
代表取締役の解任に関する取締役会の決議について当該代表取締役は特別利害関係取締役に当たるか 最二小判昭和44年3月28日
概要
代表取締役の解任に関する取締役会の決議については、その代表取締役は、特別利害関係人に当たる。
判例
事案:代表取締役の解任に関する取締役会の決議について、その解任対象となっている代表取締役が特別利害関係人(369条2項)に当たるかが問題となった。
判旨:「代表取締役の解任に関する取締役会の決議については、当該代表取締役は、商法260条の2第2項(現:会社法369条2項)により準用される同法239条5項にいう特別の利害関係を有する者にあたると解すべきである。
けだし、代表取締役は、会社の業務を執行・主宰し、かつ会社を代表する権限を有するものであって…、会社の経営、支配に大きな権限と影響力を有し、したがって、本人の意志に反してこれを代表取締役の地位から排除することの当否が論ぜられる場合においては、当該代表取締役に対し、一切の私心を去って、社に対して負担する忠実義務…に従い公正に議決権を行使することは必ずしも期待しがたく、かえって、自己個人の利益を図って行動することすらあり得るのである。それゆえ、かかる忠実義務違反を予防し、取締役会の決議の公正を担保するため、個人として重大な利害関係を有する者として、当該取締役の議決権の行使を禁止するのが相当だからである。」
判旨:「代表取締役の解任に関する取締役会の決議については、当該代表取締役は、商法260条の2第2項(現:会社法369条2項)により準用される同法239条5項にいう特別の利害関係を有する者にあたると解すべきである。
けだし、代表取締役は、会社の業務を執行・主宰し、かつ会社を代表する権限を有するものであって…、会社の経営、支配に大きな権限と影響力を有し、したがって、本人の意志に反してこれを代表取締役の地位から排除することの当否が論ぜられる場合においては、当該代表取締役に対し、一切の私心を去って、社に対して負担する忠実義務…に従い公正に議決権を行使することは必ずしも期待しがたく、かえって、自己個人の利益を図って行動することすらあり得るのである。それゆえ、かかる忠実義務違反を予防し、取締役会の決議の公正を担保するため、個人として重大な利害関係を有する者として、当該取締役の議決権の行使を禁止するのが相当だからである。」