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会社法 設立費用の成立後の会社への債務帰属の要件 大判昭和2年7月4日

概要
設立費用に属する取引については、定款の記載等の法令の要件を満たした限度内において、発起人のした取引の効果が成立後の会社に帰属し、取引の相手方は会社に対し支払いを請求できる。
判例
事案:設立費用に属する取引について、取引の相手方が成立後の会社に対し支払いを請求できる額の範囲が問題となった。

判旨:「発起人カ株式会社ノ為ニスル行為ニハ其ノ設立事務ノ執行ニ必要ナル行為ト然ラサル行為トアルモノニシテ右ノ中設立事務ノ執行ニ必要ナル行為ニ付テハ発起人ハ会社ヲ成立セシムルコトヲ目的トシ既ニ成立シタル上ハ其ノ行為ノ一切ノ効力ヲ之ニ帰属セシメントスルノ目的ヲ以テ之ヲ為スモノナレハ会社カ成立シ其ノ創立総会ニ於テ発起人ノ為シタル行為ヲ承認シタルトキハ発起人ノ第三者ト為シタル契約ヨリ生スル権利義務ハ其ノ性質上当然会社ニ移転シ発起人ハ其ノ法律関係ヨリ脱退スルモノトス会社ノ設立事務ノ執行ニ付必要ナル行為ノ主要ナルモノハ株式ノ引受ヲ為サシムルコト株金ノ第1回払込ヲ為サシムルコト等ニシテ発起団体カ受取リタル引受証拠金、払込株金カ当然会社ニ移転スルコトニ付テハ曩ニ当院ノ判示シタル所ナリ(明治43年(オ)第242号同年12月23日大正11年(オ)第80号同年6月14日当院判決参照)而シテ発起人カ株主ヲ募集スル為新聞紙ニ其ノ旨ノ広告ヲ為シ之カ費用ヲ支払フコトヲ約スルハ会社ノ為株式引受人ヲ求メ資本ヲ充実セシムル方法タルニ外ナラサレハ株式ヲ引受ケシメ株金ヲ払込マシムルト同シク会社設立事務ノ執行ニ必要ナル行為ナリト云ハサルヲ得ス然リ而シテ右ノ広告費用ハ商法第122条第5号(現:会社法28条4号)ニ所謂会社ノ負担ニ帰スヘキ設立費用ニ属スルヲ以テ其ノ金額カ定款ニ記載セラレアリテ創立総会ニ於テ之ヲ承認シ商法第135条(現:会社法96条)ニ掲クル変更ノ手続ヲ為ササル限リ右広告ニ関スル契約ヨリ生スル権利義務ハ当然会社ニ移転シ会社ハ広告料支払ノ義務ヲ負担スヘク発起人ハ全ク其ノ義務ヲ負担セサルモノト謂ハサルヲ得ス」
過去問・解説
(H20 司法 第37問 ア)
判例によれば、設立費用に属する取引については性質上当然に成立後の会社に帰属し、会社が定款記載の設立費用の額を超えて弁済した場合、当該会社は、その超過額について発起人に求償することができる。

(正答)

(解説)
判例(大判昭2.7.4)は、設立費用に属する取引については、定款の記載等の法令の要件を満たした限度内において、発起人のした取引の効果が成立後の会社に帰属し、取引の相手方は会社に対し支払いを請求できることを示している。
したがって、設立費用に属する取引については、性質上当然にではなく、定款の記載等の法令の要件を満たした限度内において成立後の会社に帰属する。
総合メモ
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