現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
会社法 会社一任会社と一人株主である取締役との間での直接取引における取締役会の承認の要否 最一小判昭和45年8月20日
概要
会社と取締役間に356条1項2号所定の取引がなされる場合でも、取締役が会社の全株式を所有し、会社の営業が実質上取締役の個人経営にすぎないとき(一人会社と一人株主との間における利益相反取引の場合)は、取引によって両者の間に実質的に利害相反関係が生じないから、取締役会の承認は不要である。
判例
事案:会社と取締役間に356条1項2号所定の取引がなされる場合において、両者の間に実質的に利害相反関係が生じないときに、取締役会の承認が必要であるかが問題となった。
判旨:「本件売買契約締結当時には、被上告会社は株式会社の形態をとっているとはいえ、その営業は実質上、上告人…の個人経営のものにすぎないから、被上告会社の利害得失は実質的には上告人…の利害得失となるものであり、その間に利害相反する関係はない。したがって、上告人…がその所有の本件土地を被上告会社に売り渡すことについて、両者の間に実質的に利害相反の関係を生じるものではないというべきである。…商法265条(現:会社法356条、365条)が、会社と取締役との間の同条所定の取引について取締役会の承認を要するものとしている趣旨は、取締役個人と株式会社との利害相反する場合において取締役個人の利益を図り、会社に不利益な行為が行なわれることを防止するにあるのであるから、会社と取締役間に商法265条(現:会社法356条、365条)所定の取引がなされた場合でも、…実質的に会社と当該取締役との間に利害相反する関係がないときには、同条所定の取締役会の承認は必要ないものと解するのが相当である。」
判旨:「本件売買契約締結当時には、被上告会社は株式会社の形態をとっているとはいえ、その営業は実質上、上告人…の個人経営のものにすぎないから、被上告会社の利害得失は実質的には上告人…の利害得失となるものであり、その間に利害相反する関係はない。したがって、上告人…がその所有の本件土地を被上告会社に売り渡すことについて、両者の間に実質的に利害相反の関係を生じるものではないというべきである。…商法265条(現:会社法356条、365条)が、会社と取締役との間の同条所定の取引について取締役会の承認を要するものとしている趣旨は、取締役個人と株式会社との利害相反する場合において取締役個人の利益を図り、会社に不利益な行為が行なわれることを防止するにあるのであるから、会社と取締役間に商法265条(現:会社法356条、365条)所定の取引がなされた場合でも、…実質的に会社と当該取締役との間に利害相反する関係がないときには、同条所定の取締役会の承認は必要ないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H22 司法 第43問 4)
取締役会設置会社の取締役に対する金銭の貸付けに関し、判例によれば、株式会社の取締役が当該株式会社の全株式を所有し、当該株式会社の営業が実質上当該取締役の個人経営のものにすぎないときであっても、当該株式会社が当該取締役に対して金銭の貸付けをするためには、当該貸付けに関する取締役会の承認が必要である。
取締役会設置会社の取締役に対する金銭の貸付けに関し、判例によれば、株式会社の取締役が当該株式会社の全株式を所有し、当該株式会社の営業が実質上当該取締役の個人経営のものにすぎないときであっても、当該株式会社が当該取締役に対して金銭の貸付けをするためには、当該貸付けに関する取締役会の承認が必要である。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭45.8.20)は、「会社と取締役間に商法265条(現:会社法356条、365条)所定の取引がなされた場合でも、…実質的に会社と当該取締役との間に利害相反する関係がないときには、同条所定の取締役会の承認は必要ない…。」としている。
したがって、株式会社の取締役が当該株式会社の全株式を所有し、当該株式会社の営業が実質上当該取締役の個人経営のものにすぎないときは、実質的に会社と当該取締役との間に利害相反関係がないから、取締役会の承認は不要である。
判例(最判昭45.8.20)は、「会社と取締役間に商法265条(現:会社法356条、365条)所定の取引がなされた場合でも、…実質的に会社と当該取締役との間に利害相反する関係がないときには、同条所定の取締役会の承認は必要ない…。」としている。
したがって、株式会社の取締役が当該株式会社の全株式を所有し、当該株式会社の営業が実質上当該取締役の個人経営のものにすぎないときは、実質的に会社と当該取締役との間に利害相反関係がないから、取締役会の承認は不要である。