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資本金の額等

第445条

条文
第445条(資本金の額及び準備金の額)
① 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。
② 前項の払込み又は給付に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができる。
③ 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。
④ 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の1を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。
⑤ 合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転又は株式交付に際して資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。
⑥ 定款又は株主総会の決議による第361条第1項第3号、第4号若しくは第5号ロに掲げる事項についての定め又は報酬委員会による第409条第3項第3号、第4号若しくは第5号ロに定める事項についての決定に基づく株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。
過去問・解説
(H18 司法 第47問 イ)
設立に際して株主となる者が払い込んだ金額は、その全額を資本金としなければならない。

(正答)

(解説)
445条2項は、設立に際して株主となる者が払い込んだ金額について、「払込み又は給付に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができる。」と規定している。
したがって、設立に際して株主となる者が払い込んだ金額は、その全額を資本金とする必要はない。

(H18 司法 第47問 ウ)
株式会社が保有する自己株式を処分した場合には、処分の対価の額だけ資本金が増加する。

(正答)

(解説)
445条1項は、「株式会社の資本金の額は、…設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。」と規定している。
そして、自己株式の処分は、すでに発行された株式の処分に過ぎないため、会社に金銭等は払い込まれず、資本金は増加しない。
したがって、株式会社が保有する自己株式を処分した場合、資本金は増加しない。

(H18 司法 第47問 オ)
株式会社が株式分割又は株式併合をしても、資本金の額は変わらない。

(正答)

(解説)
445条1項は、「株式会社の資本金の額は、…設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。」と規定している。
そして、株式分割及び株式併合は、いずれも会社に対して金銭等の払込みがなされないため、資本金の額は変化しない。
したがって、株式会社が株式分割又は株式併合をしても、資本金の額は変わらない。

(H19 司法 第45問 イ)
株式の無償割当てにより株式が発行された場合には、新たに資本金は計上されない。

(正答)

(解説)
445条1項は、「株式会社の資本金の額は、…設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。」と規定している。
そして、株式の無償割当ては、会社に対して金銭等の払込みがなされないため、資本金の額は変化しない。
したがって、株式の無償割当てにより株式が発行された場合には、新たに資本金は計上されない。

(H20 司法 第46問 5)
設立に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額のうち資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。

(正答)

(解説)
445条は、2項において、「払込み又は給付に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができる。」と規定し、3項において、「前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。」と規定している。
したがって、設立に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額のうち資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。

(H27 予備 第23問 ウ)
募集株式の発行に際して、株主となる者が会社に対して払込み又は給付をした財産の額の2分の1を超えない額を資本金として計上しないときは、資本金として計上しない額は、利益準備金として計上しなければならない。

(正答)

(解説)
445条は、2項において、「払込み又は給付に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができる。」と規定し、3項において、「前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。」と規定している。
募集株式の発行に際して、株主となる者が会社に対して払込み又は給付をした財産の額の2分の1を超えない額を資本金として計上しないときは、資本金として計上しない額は、利益準備金ではなく、資本準備金として計上しなければならない。

(H27 予備 第23問 エ)
自己株式の処分により、資本金の額は増加しない。

(正答)

(解説)
445条1項は、「株式会社の資本金の額は、…設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。」と規定している。
そして、自己株式の処分は、すでに発行された株式の処分に過ぎないため、会社に金銭等は払い込まれず、資本金は増加しない。
したがって、自己株式の処分により、資本金の額は増加しない。

(H29 予備 第23問 1)
会社は、剰余金の配当をする場合において、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に10分の1を乗じて得た額を準備金として計上しなければならないときは、当該額を利益準備金として計上しなければならず、資本準備金として計上することができない。

(正答)

(解説)
445条4項は、「剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に10分の1を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金…として計上しなければならない。」と規定している。
したがって、会社は、剰余金の配当をする場合において、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に10分の1を乗じて得た額を準備金として計上しなければならないときは、当該額を利益準備金のみならず、資本準備金としても計上することができる。

(R2 予備 第23問 ウ)
株式会社がその処分する自己株式を引き受ける者の募集をし、自己株式を処分することにより、発行済株式の総数は増加しないが、資本金の額は増加する。

(正答)

(解説)
自己株式の処分は、すでに発行された株式の処分であるから、これによって発行済み株式の総数が変化することはない。
また、445条1項は、「株式会社の資本金の額は、…設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。」と規定している。
そして、自己株式の処分は、すでに発行された株式の処分に過ぎないため、会社に金銭等は払い込まれず、資本金は増加しない。
したがって、株式会社がその処分する自己株式を引き受ける者の募集をし、自己株式を処分することにより、発行済株式の総数のみならず、資本金の額も増加しない。

(R2 予備 第23問 エ)
資本金の額は、株式会社の業績と連動して増加し、又は減少する。

(正答)

(解説)
445条1項は、「株式会社の資本金の額は、…設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。」と規定している。
したがって、資本金の額は、株式会社の業績ではなく、払込み又は給付をした財産の額と連動して増加し、又は減少する。

(R3 予備 第23問 3)
設立に際して株主となる者が株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額のうち資本金として計上しないこととされた額は、資本準備金として計上されなければならない。

(正答)

(解説)
445条は、2項において、「払込み又は給付に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができる。」と規定し、3項において、「前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。」と規定している。
したがって、設立に際して株主となる者が株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額のうち資本金として計上しないこととされた額は、資本準備金として計上されなければならない。
総合メモ

第446条

条文
第446条(剰余金の額)
 株式会社の剰余金の額は、第1号から第4号までに掲げる額の合計額から第5号から第7号までに掲げる額の合計額を減じて得た額とする。                
 一 最終事業年度の末日におけるイ及びロに掲げる額の合計額からハからホまでに掲げる額の合計額を減じて得た額        
  イ 資産の額
  ロ 自己株式の帳簿価額の合計額
  ハ 負債の額
  二 資本金及び準備金の額の合計額
  ホ ハ及びニに掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額
 二 最終事業年度の末日後に自己株式の処分をした場合における当該自己株式の対価の額から当該自己株式の帳簿価額を控除して得た額        
 三 最終事業年度の末日後に資本金の額の減少をした場合における当該減少額(次条第1項第2号の額を除く。)        
 四 最終事業年度の末日後に準備金の額の減少をした場合における当該減少額(第448条第1項第2号の額を除く。)        
 五 最終事業年度の末日後に第178条第1項の規定により自己株式の消却をした場合における当該自己株式の帳簿価額        
 六 最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における次に掲げる額の合計額        
  イ 第454条第1項第1号の配当財産の帳簿価額の総額(同条第4項第1号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に割り当てた当該配当財産の帳簿価額を除く。)
  ロ 第454条第4項第1号に規定する金銭分配請求権を行使した株主に交付した金銭の額の合計額
  ハ 第456条に規定する基準未満株式の株主に支払った金銭の額の合計額
 七 前2号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額        
過去問・解説
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第447条

条文
第447条(資本金の額の減少)
① 株式会社は、資本金の額を減少することができる。この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。        
 一 減少する資本金の額
 二 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額
 三 資本金の額の減少がその効力を生ずる日
② 前項第1号の額は、同項第3号の日における資本金の額を超えてはならない。        
③ 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第1項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。        
過去問・解説
(H25 司法 第47問 ウ)
取締役会設置会社が資本金の額を減少する場合において、減少する資本金の額の全部を準備金とするときは、その資本金の額の減少については、株主総会決議を要せず、取締役会決議によってこれを行うことができる。

(正答)

(解説)
447条1項柱書は、「株式会社は、資本金の額を減少することができる。この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。」と規定し、資本金の額の減少について、株主総会決議を必要としている。
したがって、取締役会設置会社が資本金の額を減少する場合において、減少する資本金の額の全部を準備金とするときは、その資本金の額の減少については、株主総会決議を要する。

(H27 予備 第23問 ア)
資本金の額は、会社の財産の増減と連動して増減する。

(正答)

(解説)
445条1項は、「株式会社の資本金の額は、…設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。」と規定している。
したがって、資本金の額は、会社の財産の増減ではなく、払込み又は給付をした財産の額と連動して増減する。

(H29 予備 第23問 2)
取締役会設置会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときは、取締役会の決議により資本金の額を減少することができる。

(正答)

(解説)
447条は、1項において、「株式会社は、資本金の額を減少することができる。この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。」と規定し、3項において、「株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第1項の規定の適用については、同項中『株主総会の決議』とあるのは、『取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)』とする。」と規定している。
したがって、取締役会設置会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときは、取締役会の決議により資本金の額を減少することができる。
総合メモ

第448条

条文
第448条(準備金の額の減少)
① 株式会社は、準備金の額を減少することができる。この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。        
 一 減少する準備金の額
 二 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額
 三 準備金の額の減少がその効力を生ずる日
② 前項第1号の額は、同項第3号の日における準備金の額を超えてはならない。        
③ 株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときにおける第1項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。        
過去問・解説
(H19 司法 第45問 ウ)
剰余金の分配の財源とするために資本準備金の額を減少することはできない。

(正答)

(解説)
448条1項柱書前段は、「株式会社は、準備金の額を減少することができる。」と規定しており、その目的は制限していない。
したがって、剰余金の分配の財源とするために資本準備金の額を減少することはできる。

(H20 司法 第46問 2)
資本準備金は、欠損てん補のためにその額を減少することができる。

(正答)

(解説)
448条1項柱書前段は、「株式会社は、準備金の額を減少することができる。」と規定しており、その目的は制限していない。
したがって、資本準備金は、欠損てん補のためにその額を減少することができる。
総合メモ

第449条

条文
第449条(債権者の異議)
① 株式会社が資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。        
 一 定時株主総会において前条第1項各号に掲げる事項を定めること。
 二 前条第1項第1号の額が前号の定時株主総会の日(第439条前段に規定する場合にあっては、第436条第3項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。
② 前項の規定により株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第3号の期間は、1か月を下ることができない。        
 一 当該資本金等の額の減少の内容
 二 当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの
 三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
③ 前項の規定にかかわらず、株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第939条第1項の規定による定款の定めに従い、同項第2号又は第3号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。        
④ 債権者が第2項第3号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金等の額の減少について承認をしたものとみなす。        
⑤ 債権者が第2項第3号の期間内に異議を述べたときは、株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号)第1条第1項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。        
⑥ 次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。ただし、第2項から前項までの規定による手続が終了していないときは、この限りでない。        
 一 資本金の額の減少 第447条第1項第3号の日
 二 準備金の額の減少 前条第1項第3号の日
⑦ 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。        
過去問・解説
(H18 司法 第47問 エ)
株式会社が資本金の額を減少する場合には、会社債権者に異議を述べる機会を与えなければならない。

(正答)

(解説)
449条は、1項柱書本文において、「株式会社が資本金…の額を減少する場合…には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。」と規定し、2項柱書本文において、「株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。」と規定している。
したがって、株式会社が資本金の額を減少する場合には、会社債権者に異議を述べる機会を与えなければならない。

(H19 司法 第45問 エ)
資本準備金の額の減少をする場合において、減少する資本準備金の額の全部を資本金とするときは、債権者保護手続を経ることを要しない。

(正答)

(解説)
449条1項柱書本文は、「株式会社が…準備金…の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。」と規定している。そのため、減少する資本準備金の額の全部を資本金とするときについては、債権者保護手続を不要である。
したがって、資本準備金の額の減少をする場合において、減少する資本準備金の額の全部を資本金とするときは、債権者保護手続を経ることを要しない。

(H24 共通 第46問 ア)
会社が資本金の額を減少する場合には、その会社の債権者は、その会社に対し、これについて異議を述べることができる。

(正答)

(解説)
449条1項柱書本文は、「株式会社が資本金…の額を減少する場合…には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。」と規定している。

(H24 共通 第46問 ウ)
会社が準備金の額を減少する場合において、その減少額の全部を資本金とするときは、その会社の債権者は、その会社に対し、準備金の額の減少について異議を述べることができない。

(正答)

(解説)
449条1項柱書本文は、「株式会社が…準備金…の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。」と規定している。そのため、減少する資本準備金の額の全部を資本金とするときについては、債権者保護手続を不要としている。
したがって、会社が準備金の額を減少する場合において、その減少額の全部を資本金とするときは、その会社の債権者は、その会社に対し、準備金の額の減少について異議を述べることができない。

(H25 司法 第47問 イ)
会社が資本金の額を減少する場合には、それと同時に株式の発行が行われることにより、その資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額がその日前の資本金の額を下回らないときであっても、その会社の債権者は、その資本金の額の減少について異議を述べることができる。

(正答)

(解説)
449条1項柱書本文は、「株式会社が資本金…の額を減少する場合…には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。」と規定している。
また、資本金額の減少と株式の発行が同時に行われる場合に、債権者手続を不要とする規定は存在しない。
したがって、会社が資本金の額を減少する場合には、それと同時に株式の発行が行われることにより、その資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額がその日前の資本金の額を下回らないときであっても、その会社の債権者は、その資本金の額の減少について異議を述べることができる。

(H27 予備 第23問 オ)
資本金の額の減少は、債権者異議手続が終了していないときは、その効力を生じない。

(正答)

(解説)
449条6項柱書は「次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。ただし、第2項から前項までの規定による手続が終了していないときは、この限りでない。」と規定しており、同条2項ないし5項は、債権者異議手続について規定している。
したがって、資本金の額の減少は、債権者異議手続が終了していないときは、その効力を生じない。

(H29 予備 第23問 5)
会社が定時株主総会の決議により資本金の額を減少する場合において、減少する資本金の額が当該定時株主総会の日における欠損の額を超えないときは、当該会社の債権者は、当該会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができない。

(正答)

(解説)
449条1項柱書本文は、「株式会社が資本金…の額を減少する場合…には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。」と規定している。
そして、減少する資本金の額が当該定時株主総会の日における欠損の額を超えないとき、当該会社の債権者は、資本金の額の減少について異議を述べることができないとする規定は存在しない。
したがって、会社が定時株主総会の決議により資本金の額を減少する場合において、減少する資本金の額が当該定時株主総会の日における欠損の額を超えないときは、当該会社の債権者は、当該会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができない。

(R1 予備 第23問 イ)
株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときは、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、当該資本金の額の減少について異議を述べることができない。

(正答)

(解説)
449条1項柱書本文は、「株式会社が資本金…の額を減少する場合…には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。」と規定している。
そして、資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときは、当該株式会社の債権者は異議を述べることができないという規定は存在しない。
したがって、株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときであっても、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、当該資本金の額の減少について異議を述べることができる。

(R1 予備 第23問 ウ)
株式会社が準備金の額を減少する場合において、減少する準備金の額の全部を資本金とするときは、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、当該準備金の額の減少について異議を述べることができない。

(正答)

(解説)
449条1項柱書本文は、「株式会社が準備金…の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。」と規定している。そのため、減少する資本準備金の額の全部を資本金とするときについては、債権者保護手続を不要としている。
したがって、株式会社が準備金の額を減少する場合において、減少する準備金の額の全部を資本金とするときは、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、当該準備金の額の減少について異議を述べることができない。

(R3 予備 第23問 1)
株式会社が資本金の額を減少する場合には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができる。

(正答)

(解説)
449条1項柱書本文は、「株式会社が資本金…の額を減少する場合…には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。」と規定している。
総合メモ

第450条

条文
第450条(資本金の額の増加)
① 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。        
 一 減少する剰余金の額
 二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日
② 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。        
③ 第1項第1号の額は、同項第2号の日における剰余金の額を超えてはならない。        
過去問・解説
(H29 予備 第23問 4)
取締役会設置会社において、剰余金の額を減少して資本金の額を増加することは、株主総会の決議によらなければならないが、剰余金の額を減少して準備金の額を増加することは、取締役会の決議によりすることができる。

(正答)

(解説)
450条2項は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加する場合について、「株主総会の決議によらなければならない。」と規定している。
また、451条2項は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加する場合について、「株主総会の決議によらなければならない。」と規定している。
したがって、取締役設置会社は、剰余金の額を減少して資本金の額を増加する場合及び剰余金の額を減少して準備金の額を増加する場合、いずれも、株主総会の決議による必要がある。
総合メモ

第451条

条文
第451条(準備金の額の増加)
① 株式会社は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。        
 一 減少する剰余金の額
 二 準備金の額の増加がその効力を生ずる日
② 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。        
③ 第1項第1号の額は、同項第2号の日における剰余金の額を超えてはならない。        
過去問・解説
(H19 司法 第45問 オ)
取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議により、その他資本剰余金の額を減少して資本準備金の額を増額することができる。

(正答)

(解説)
451条2項は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加する場合について、「株主総会の決議によらなければならない。」と規定している。
したがって、その他資本剰余金の額を減少して資本準備金の額を増額する場合は、取締役会決議ではなく、株主総会決議による必要がある。

(H24 共通 第46問 エ)
取締役会設置会社が剰余金の額を減少する場合において、その減少額の全部を準備金とするときは、取締役会の決議によって剰余金の額の減少をすることができる。

(正答)

(解説)
451条2項は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加する場合について、「株主総会の決議によらなければならない。」と規定している。
したがって、取締役会設置会社が剰余金の額を減少する場合において、その減少額の全部を準備金とするときは、取締役会の決議ではなく、株主総会決議によって剰余金の額の減少をすることができる。

(R3 予備 第23問 2)
株式会社は、株主総会の決議によることなく、剰余金の額を減少してその分を準備金とすることができる。

(正答)

(解説)
451条2項は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加する場合について、「株主総会の決議によらなければならない。」と規定している。
したがって、株式会社は、剰余金の額を減少してその分を準備金とするとき、株主総会決議による必要がある。
総合メモ

第452条

条文
第452条(剰余金についてのその他の処分)
 株式会社は、株主総会の決議によって、損失の処理、任意積立金の積立てその他の剰余金の処分(前目に定めるもの及び剰余金の配当その他株式会社の財産を処分するものを除く。)をすることができる。この場合においては、当該剰余金の処分の額その他の法務省令で定める事項を定めなければならない。
過去問・解説
(H24 共通 第46問 オ)
会社が剰余金の処分として任意積立金の積立てをする場合には、定時株主総会の決議によらなければならない。

(正答)

(解説)
452条前段は、「株式会社は、株主総会の決議によって、…任意積立金の積立て…をすることができる。」と規定している。
そして、ここでいう「株主総会」は、定時株主総会に限られないと解されている。
したがって、会社が剰余金の処分として任意積立金の積立てをする場合には、およそ株主総会の決議によらなければならない。
総合メモ