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裏書 - 解答モード
手形の被裏書人の記載の抹消の効果 最二小判昭和61年7月18日
概要
判例
判例:「約束手形の裏書欄の記載事項のうち被裏書人欄の記載のみが抹消された場合、当該裏書は、手形法77条1項1号において準用する同法16条1項の裏書の連続の関係においては、所持人において右抹消が権限のある者によってされたことを証明するまでもなく、白地式裏書となると解するのが相当である。けだし、被裏書人欄の記載が抹消されたことにより、当該裏書は被裏書人の記載のみをないものとして白地式裏書となると解するのが合理的であり、かつ、取引通念に照らしても相当であり、ひいては手形の流通の保護にも資することになるからである。」
過去問・解説
(R4 予備 第30問 エ)
約束手形の受取人欄に「A」という記載、第一裏書人欄に「A」という署名及びその住所の記載、第一被裏書人欄に「B」の記載、第二裏書人欄に「C」という署名及びその住所の記載、第二被裏書人欄に「D」の記載があるが、第一被裏書人欄の「B」の記載が抹消された場合には、その抹消が権限のある者によってされたことを所持人が証明した場合に限り、第一裏書は白地式裏書となり、当該約束手形には裏書の連続があるものとされる。
手形取得者が手形振出人の代表者名義が真実に反することを知っていた場合の真正な裏書人である手形受取人の裏書人としての手形上の責任の存否 最一小判昭和33年3月20日
概要
判例
判旨:「上告人は本件手形の真正な裏書人であるというのであるから、被上告人が所論のように本件手形振出人の代表者名義が真実に反することを知っていたとしても、上告人の裏書人としての手形上の責任は何ら消長を来たさないものというべきである。」
過去問・解説
(H24 司法 第55問 オ)
AがBを受取人として振り出した約束手形を、Bは、白地式裏書によってCに譲渡し、Cは、この手形をそのままの状態で金庫で保管していた。Cの金庫からこの手形を盗み出したDは,記名式裏書によってこれをEに譲渡した。Eは、この手形を取得する際、Dが権利者であると重過失なく信じていた。Eは、この手形を記名式裏書によってFに譲渡した。現在の所持人は、Fである。このとき、判例によれば、Dは、この手形について遡求義務を負うことはない。
売買代金債務の支払のため手形を振出した債務者による右売買代金の支払と手形の返還とを引換えにする同時履行の抗弁 最二小判昭和35年7月8日
概要
判例
判旨:「既存債務の支払確保のために振出交付された手形は、債権者債務者間に裏書禁止の特約のない場合には、債務者から既存債務の履行のないかぎり、債権者において該手形を第三者に対し更に担保のため裏書譲渡することは妨げなく、しかも、右裏書の事実によって直ちに債務者は既存債務の支払を免れるものでなく、債権者において右手形の裏書人としての償還義務を免れるまでは債務者に対する既存の債権は消滅するものでないと解すべきことは原判示のとおりであって、所論のように、債権者は償還義務の履行その他の方法によって右手形を自己に回収するまでは既存債権を行使し得ないものと解すべき根拠はないのであるから、論旨は採用することができない。もっとも、かかる場合債務者は、特段の事由のないかぎり、既存債務の支払は手形の返還と引換にする旨の同時履行の抗弁を為し得るものと解すべきである…。」
過去問・解説
(H25 司法 第55問 ア)
小売商Aと卸売商Bは、Aを買主とし、Bを売主とする衣料品の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結し,その売買代金債務(以下「本件原因債務」という。)の支払を目的として、Aは、Bを受取人とする確定日払の約束手形(以下「本件手形」という。)を振り出した。Bは、本件手形を誰にも譲渡していない。
この時、Bが,本件売買契約に基づく衣料品の納入に係る債務を履行しないまま、支払呈示期間内に本件手形の支払呈示をした場合でも、Aは、手形金の支払を拒むことはできない。
原因債務の時効消滅と手形抗弁 最一小判昭和43年12月12日
概要
判例
判旨:「上告会社の被上告人安藤豊明に対する売掛代金債権が本訴提起前に民法173条所定の2年の時効期間の満了によって消滅し、同被上告人は右事由をもって上告会社からの本件為替手形金の請求を拒むことができるとした原審の判断は正当であり、原判決に所論の違法は存しない。」
過去問・解説
(H25 司法 第55問 イ)
小売商Aと卸売商Bは、Aを買主とし、Bを売主とする衣料品の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結し,その売買代金債務(以下「本件原因債務」という。)の支払を目的として、Aは、Bを受取人とする確定日払の約束手形(以下「本件手形」という。)を振り出した。Bは、本件手形を誰にも譲渡していない。
この時、判例によれば、本件手形の振出し後に本件原因債務が時効により消滅した場合には、Aは、これを抗弁として、Bに対し、手形金の支払を拒むことができる。
小切手の原因債権に基づく請求と小切手の返還義務との同時履行の抗弁が認められた場合の判決 最三小判昭和33年6月3日
概要
判例
判旨:「貸金債務確保のために小切手が交付された場合、債務者は債権者からの、貸金請求に対しては、特段の事由がないかぎり、右小切手の返還と引換に支払うべき旨の抗弁をなし得るものと解するを相当する…。」
過去問・解説
(R5 予備 第30問 エ)
AB間の当該約束手形振出しの原因関係上の債務と当該約束手形上の債務が併存する場合には、Aは、Bからの当該原因関係上の債務の履行の請求について、当該原因関係上の債務の履行は当該約束手形の返還と引換えにする旨を主張することができない。
人的抗弁の存在につき手形所持人の前者が善意であつた場合の手形法17条但書の適用の有無 最三小判昭和37年5月1日
概要
判例
判旨:「商法38条3項…は、支配人の代理権に加えた制限は第三者が悪意である限り如何なる場合にもこれを対抗しうる旨を定めたものではなく、本件のように適法に被控訴会社に対する手形上の権利を取得した株式会社小田栄吉商店より右手形上の権利を承継した控訴人は、商法38条3項の適用によって被控訴会社に対する手形上の権利を取得したものではないから、右承継に際し、たとい堀江文雄の代理権の制限につき悪意であっても、これをもって控訴人に対抗しえないことはいうまでもない。」
過去問・解説
(R5 予備 第30問 オ)
Bが、AのBに対する人的抗弁につき善意のCに対して当該約束手形を裏書譲渡し、Cが、当該人的抗弁につき悪意のDに対して当該約束手形を裏書譲渡した場合には、Aは、Dからの当該約束手形に係る手形金請求を拒むことができない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭37.5.1)は、「商法38条3項…は、支配人の代理権に加えた制限は第三者が悪意である限り如何なる場合にもこれを対抗しうる旨を定めたものではなく、本件のように適法に被控訴会社に対する手形上の権利を取得した株式会社小田栄吉商店より右手形上の権利を承継した控訴人は、商法38条3項の適用によって被控訴会社に対する手形上の権利を取得したものではないから、右承継に際し、たとい堀江文雄の代理権の制限につき悪意であっても、これをもって控訴人に対抗しえないことはいうまでもない。」として、手形債務者の相手方に対する人的抗弁につき善意の第三者に当該約束手形が裏書譲渡された場合、さらに裏書譲渡を受けた者が当該人的抗弁について悪意であったとしても、手形債務者は手形金請求を拒むことができないことを示している。
したがって、本肢のような場合、Aは、悪意であるDからの約束手形に係る手形金請求を拒むことができない。
裏書の連続が欠ける約束手形の所持人による実質的な権利移転の証明 最三小判昭和31年2月7日
概要
判例
判旨:「手形行為の効力は、原則として、当事者の具体的意思如何にかかわらず行為の外形に従って解釈せらるべきであるから、隠れたる取立委任裏書の場合にあっても、手形上の権利は、通常の裏書におけると同様裏書人から被裏書人に移転し、取立委任の合意は単に当事者間の人的抗弁事由となるに止まるものと解すべく、従って、被上告人が三和銀行に対してなした前記裏書により、本件手形上の権利は被上告人から三和銀行に移転したものと解すべきである。しかしながら、前記認定によれば、被上告人は、満期日における支払の拒絶後三和銀行から本件手形の返還を受けて現にこれを所持するというにあるところ、手形上の権利が裏書により一旦被裏書人に移転された場合でも、その後裏書人が被裏書人から当該手形の返還を受けるときは、さきの裏書を抹消すると否とにかかわらず、裏書人は再び手形上の権利を取得するものと解するのが相当であるから、被上告人は、現に本件手形の権利者たる地位にあるものというべきである。もっとも、被上告人から三和銀行に対する裏書が本件手形における最後の裏書としてなお残存する以上、被上告人は、たとえその実質的権利を有しかつ手形を所持していても、裏書の連続を欠くため、本件手形上の権利につきいわゆる形式的資格(以下資格という)あるものとすることはできない。しかしながら、右にいわゆる資格とは、手形法の下において、所持人が裏書の連続により権利者たるの外観を具えるときは、その実質的権利を証明しなくても手形上の権利を行使することができると共に、手形債務者もかかる所持人に支払をする限り、所持人がたとえ無権利者であっても債務を免れることができるものとせられ(手形法16条1項、40条3項並びに77条1項及び3号参照)、もって手形取引の敏活と安全とが企図されている関係においての手形権利者たることの外観をいうに外ならないのであるから、これなくしては手形上の権利の行使が絶対に許されないものと解すべきではない。かえって、実質的権利者が資格を具備しない場合であっても、債務者に対し進んでその権利を証明するときは、その権利の行使はもとより適法であって、債務者は、請求者が資格を欠くことを理由としてこれが履行を拒否することは許されないものと解すべきである。」
過去問・解説
(R4 予備 第30問 ア)
裏書の連続が欠ける約束手形の所持人も、裏書の連続が欠ける部分につき、実質的な権利移転の事実により自己の権利を証明すれば、手形上の権利を行使することができる。
手形の裏書の連続 最三小判昭和27年11月25日
概要
判例
判例:「手形の裏書の連続ありとなすには、第1裏書における被裏書人と第2裏書の裏書人が同一人であることが表示されて居ればいいのであって、右被裏書人と裏書人との表示1字1句同じでなければならないものではない。」
過去問・解説
(R4 予備 第30問 イ)
約束手形の受取人欄に「法務花子」という記載があり、第一裏書人欄に法務花子の通称である「司法華子」という署名及びその住所の記載がある場合には、当該約束手形には裏書の連続がある。
職名を附記して表示された受取人が個人名義で裏書した場合の裏書の連続の有無 最二小判昭和30年9月30日
概要
判例
判旨:「右『愛媛無尽会社岡支店長』なる記載は、原判決のいうように、必ずしも『個人たる岡善恵に右会社の支店長たる地位を冠したものとは到底解せられない』ものではなく、個人たる岡善恵に右会社の支店長たる職名を附記して、個人たる岡善恵を指称するものとも解し得られるのである。けだし、かように氏名に職名を付記してその個人を指称することは取引において、往々行われるところであるからである。そして、本件では、その第1裏書における裏書人は明らかに岡善恵個人名をもって為されていることは前示のとおりであるから、右第1裏書の記載と対照して、本件『愛媛無尽会社岡支店長』なる受取人の記載は他に特段なる事由のない限りむしろ個人たる岡善恵を指称するものと解するは妥当であるといわなければならない。」
過去問・解説
(R4 予備 第30問 オ)
約束手形の受取人欄に「A株式会社法務太郎支店長」という記載があり、第一裏書人欄に「法務太郎」という署名及びその住所の記載がある場合には、当該約束手形に裏書の連続があるとはいえない。
手形を裏書によつて譲り渡す場合における代表機関による署名の要否 最三小判昭和41年9月13日
概要
判例
判旨:「手形を裏書によって譲り渡す場合には、裏書人が当該手形に署名することを要することは同条の規定により明らかであるが、その裏書人が会社その他の法人である場合には、当該法人の代表機関が法人のためにすることを明らかにして自己の署名をすることを要するものと解するのが相当である。けだし、法人はその機関たる地位にある自然人と別個の人格を有するが、代理の場合と異なり、機関の法律行為を離れて別に法人の法律行為があるわけでなく、法人が裏書人である場合における法人の署名とはその機関の地位にある自然人の署名をいうものと解されるからである。」
過去問・解説
(R6 予備 第30問 イ)
裏書人欄に会社の名称が記載され、社印が押捺されている場合には、当該会社の代表者の自署又は記名捺印がないときであっても、その裏書は、無効とはならない。
手形債権の金額的一部の指名債権譲渡の方法による譲渡の有効性 最三小判昭和60年7月2日
概要
判例
判旨:「手形債権の一部が指名債権譲渡の方法により譲渡されたときであっても、これによって権利の分属的帰属の生ずることは手形法12条2項所定の一部裏書の場合と異なるものではないから、右譲渡について同項を類推適用し、これを無効と解するのが相当であり、この理は、譲渡人と譲受人とが同一の占有代理人によって当該手形を占有していても異なるものではない。」