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総則 - 解答モード
第1条
条文
① この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。
② 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下単に「処分」という。)に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。
過去問・解説
(H19 司法 第40問 イ)
行政不服審査においては、違法性のみならず不当性を理由としても処分を取り消すことができるのに対し、行政事件訴訟においては、裁判所が不当性を理由として処分を取り消すことはできない。
(正答)〇
(解説)
行審法1条は、「この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定める。」と規定しており、行政不服審査においては、違法性のみならず不当性を理由としても処分を取り消すことができることを前提としている。
他方で、行訴法30条は、「行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。」と規定しており、行政事件訴訟においては、裁判所が不当性を理由として処分を取り消すことはできないことを前提としている。
したがって、行政不服審査においては、違法性のみならず不当性を理由としても処分を取り消すことができるのに対し、行政事件訴訟においては、裁判所が不当性を理由として処分を取り消すことはできない。
(H19 司法 第30問 イ)
行政手続法第6章(意見公募手続等)に関する記述として、命令等が制定された場合において、当該命令等につき利害関係を有し、意見公募手続において意見を提出していた者は、当該命令等に対する不服申立てをすることができる。
(H23 共通 第38問 ア)
行政不服審査と行政事件訴訟とは種々の点で異同がある。処分の取消しを求める審査請求と取消訴訟を前提として、次の記述について、法令及び最高裁判所の判例に照らし、A:審査請求のみに当てはまるもの、B:取消訴訟のみに当てはまるもの、C:双方に当てはまるもの、の中から正しいものを選びなさい。
処分を取り消すことができるのは処分が違法な場合に限られる。
(正答)B
(解説)
行審法1条は、「この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定める。」と規定しており、行政不服審査においては、違法性のみならず不当性を理由としても処分を取り消すことができることを前提としている。
他方で、行訴法30条は、「行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。」と規定しており、行政事件訴訟においては、裁判所が不当性を理由として処分を取り消すことはできないことを前提としている。
したがって、処分を取り消すことができるのは処分が違法な場合に限られるのは、取消訴訟の場合のみである。
(H24 共通 第39問 ア)
法は、公権力の行使に当たる事実上の行為で、その内容が継続的性質を有しないものも、「処分」に含まれると定めている。
(H30 予備 第24問 ア)
行政不服審査法にいう「処分」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいうところ、弁護士会は、国又は地方公共団体の機関ではなく、「行政庁」には当たらないから、弁護士会が弁護士法の規定に基づいて行う所属弁護士に対する懲戒は、行政不服審査法にいう「処分」には当たらない。
第2条
条文
行政庁の処分に不服がある者は、第4条及び第5条第2項の定めるところにより、審査請求をすることができる。
過去問・解説
(H22 司法 第28問 イ)
行政上の即時強制として行われた継続的性質を有する事実行為の違法を主張し、その差止めや原状回復等を求めるには、民事訴訟の手続によるのであって、行政不服審査法による救済手続によることはできない。
第3条
条文
法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者は、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、行政庁の不作為(法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないことをいう。以下同じ。)がある場合には、次条の定めるところにより、当該不作為についての審査請求をすることができる。
過去問・解説
(H22 司法 第39問 イ)
行政不服審査法においては、行政庁の不作為についての不服申立てをするに当たって、当該不作為庁に上級行政庁がある場合であっても、当該不作為庁に対する異議申立てをすることができるものとされている。
第4条
条文
審査請求は、法律(条例に基づく処分については、条例)に特別の定めがある場合を除くほか、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める行政庁に対してするものとする。
一 処分庁等(処分をした行政庁(以下「処分庁」という。)又は不作為に係る行政庁(以下「不作為庁」という。)をいう。以下同じ。)に上級行政庁がない場合又は処分庁等が主任の大臣若しくは宮内庁長官若しくは内閣府設置法(平成11年法律第89号)第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第3条第2項に規定する庁の長である場合 当該処分庁等
二 宮内庁長官又は内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法第3条第2項に規定する庁の長が処分庁等の上級行政庁である場合 宮内庁長官又は当該庁の長
三 主任の大臣が処分庁等の上級行政庁である場合(前2号に掲げる場合を除く。) 当該主任の大臣
四 前3号に掲げる場合以外の場合 当該処分庁等の最上級行政庁
過去問・解説
(H18 司法 第39問 イ)
審査請求は、処分庁又は不作為庁以外の行政庁に対してする行政不服申立てであり、個別の法律又は条例に審査請求をすることができる旨の定めがなくてもすることができる。
(正答)✕
(解説)
行審法4条1号前段は、「処分庁等…又は不作為に係る行政庁…に上級行政庁がない場合」についめ、「当該処分庁等」に対して審査請求をすると規定しており、当該処分庁や当該不作為庁に対する審査請求も認められうる。
また、行審法は、対象を個別に列挙せず原則として広く認める立場である一般概括主義を採用していると解されており、個別の法律又は条例に審査請求をすることができる旨の定めがなくても審査請求をすることができる。
したがって、審査請求は、処分庁又は不作為庁に対しても行うことができる行政不服申立てであり、個別の法律又は条例に審査請求をすることができる旨の定めがなくてもすることができる。
(H24 共通 第39問 イ)
審査請求は、建築基準法に基づいて設置される建築審査会のような、独立して職権を行使する第三者機関に対して行われる不服申立てを意味する。
(R5 予備 第24問 ウ)
法は、処分に関する不服申立てについて、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、法の定めるところによると規定しているから、条例に基づく処分に対する不服申立てに関し、条例による特別の定めを設けることを認めていない。
第5条
条文
① 行政庁の処分につき法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合には、当該処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、再審査請求をすることができる。
② 再審査請求は、原裁決(再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決をいう。以下同じ。)又は当該処分(以下「原裁決等」という。)を対象として、前項の法律に定める行政庁に対してするものとする。
過去問・解説
(H23 共通 第38問 エ)
行政不服審査と行政事件訴訟とは種々の点で異同がある。処分の取消しを求める審査請求と取消訴訟を前提として、次の記述について、法令及び最高裁判所の判例に照らし、A:審査請求のみに当てはまるもの、B:取消訴訟のみに当てはまるもの、C:双方に当てはまるもの、の中から正しいものを選びなさい。
他の不服申立てを前置しなければ適法に行えない場合がある。
第6条
条文
① 行政庁の処分につき法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合には、当該処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、再審査請求をすることができる。
② 再審査請求は、原裁決(再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決をいう。以下同じ。)又は当該処分(以下「原裁決等」という。)を対象として、前項の法律に定める行政庁に対してするものとする。
過去問・解説
(H18 司法 第39問 ウ)
再審査請求は、審査請求についての審査庁の裁決に不服のある者が同じ審査庁に対して更に不服を申し立てるものであり、法律又は条例に再審査請求ができる旨の定めがあるときにすることができる。
(正答)✕
(解説)
行審法6条は、1項において、「行政庁の処分につき法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合には、当該処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、再審査請求をすることができる。」と規定し、2項において、「再審査請求は、原裁決…又は当該処分…を対象として、前項の法律に定める行政庁に対してするものとする。」と規定している。
したがって、再審査請求は、審査請求についての審査庁の裁決に不服のある者が同じ審査庁ではなく、再審査請求をすることができる旨について規定する法律に定める行政庁に対して更に不服を申し立てるものであり、法律に再審査請求ができる旨の定めがあるときに限ってすることができ、条例にかかる定めがあってもすることはできない。
第7条
条文
① 次に掲げる処分及びその不作為については、第2条及び第3条の規定は、適用しない。
一 国会の両院若しくは1院又は議会の議決によってされる処分
二 裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
三 国会の両院若しくは1院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
四 検査官会議で決すべきものとされている処分
五 当事者間の法律関係を確認し、又は形成する処分で、法令の規定により当該処分に関する訴えにおいてその法律関係の当事者の一方を被告とすべきものと定められているもの
六 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分
七 国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、国税庁、国税局若しくは税務署の当該職員、税関長、税関職員又は徴税吏員(他の法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む。)がする処分及び金融商品取引の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて証券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含む。)、財務局長又は財務支局長がする処分
八 学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分
九 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分
十 外国人の出入国又は帰化に関する処分
十一 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
十二 この法律に基づく処分(第5章第1節第1款の規定に基づく処分を除く。)
② 国の機関又は地方公共団体その他の公共団体若しくはその機関に対する処分で、これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の相手方となるもの及びその不作為については、この法律の規定は、適用しない。
過去問・解説
(H19 司法 第40問 ア)
行政不服審査法には、学校において教育の目的を達成するために学生等に対して行われる処分について、不服申立てを排除する趣旨の規定があるが、行政事件訴訟法には、そのような規定はない。
(正答)〇
(解説)
行審法7条1項8号は、不服申立てを排除する処分及び不作為の1つとして、「学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分」が掲げられており、学校において教育の目的を達成するために学生等に対して行われる処分はこれに当たる。
他方で、行訴法には、この適用除外に関する規定は存在しない。
したがって、行政不服審査法には、学校において教育の目的を達成するために学生等に対して行われる処分について、不服申立てを排除する趣旨の規定があるが、行政事件訴訟法には、そのような規定はない。