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不法行為(共同不法行為者の責任 719条) - 解答モード
共同行為者の流水汚染により惹起された損害と各行為者の賠償すべき損害の範囲 最三小判昭和43年4月23日
概要
判例
判旨:「共同行為者各自の行為が客観的に関連し共同して違法に損害を加えた場合において、各自の行為がそれぞれ独立に不法行為の要件を備えるときは、各自が右違法を加害行為と相当因果関係にある損害についてその賠償の責に任ずべきであ…ると解するのが相当である。」
過去問・解説
(H21 司法 第30問 ア)
Aが所有し運転するタクシーに、Bが所有し運転する自家用車が衝突する交通事故が発生し、AB所有の各車両が損傷するとともに歩行者Cが負傷した。当該交通事故により、Aには50万円の損害が、Bには80万円の損害が、Cには100万円の損害が、それぞれ生じ、当該交通事故及びCの負傷についての過失割合はAが2割で、Bが8割であり、また、Cの負傷にはCの過失がない。Cは、その損害額である100万円全額を、Aに対しても、Bに対しても請求することができる。
事故と共同不法行為 最三小判平成13年3月13日
概要
②各不法行為者の結果発生に対する寄与の割合を確定することができる場合であっても、被害者の被った損害の額を当該寄与の割合で按分し、各不法行為者において責任を負うべき損害額を限定することは許されない。
判例
②各不法行為者の結果発生に対する寄与の割合を確定することができる場合において、被害者の被った損害の額を当該寄与の割合で按分し、各不法行為者において責任を負うべき損害額を限定することができるかが問題となった。
判旨:①「本件交通事故により、Aは放置すれば死亡するに至る傷害を負ったものの、事故後搬入されたB病院において、Aに対し通常期待されるべき適切な経過観察がされるなどして脳内出血が早期に発見され適切な治療が施されていれば、高度の蓋然性をもってAを救命できたということができるから、本件交通事故と本件医療事故とのいずれもが、Aの死亡という不可分の1個の結果を招来し、この結果について相当因果関係を有する関係にある。したがって、本件交通事故における運転行為と本件医療事故における医療行為とは民法719条所定の共同不法行為に当たるから、各不法行為者は被害者の被った損害の全額について連帯して責任を負うべきものである。
②「本件のようにそれぞれ独立して成立する複数の不法行為が順次競合した共同不法行為においても別異に解する理由はないから、被害者との関係においては、各不法行為者の結果発生に対する寄与の割合をもって被害者の被った損害の額を案分し、各不法行為者において責任を負うべき損害額を限定することは許されないと解するのが相当である。けだし、共同不法行為によって被害者の被った損害は、各不法行為者の行為のいずれとの関係でも相当因果関係に立つものとして、各不法行為者はその全額を負担すべきものであり、各不法行為者が賠償すべき損害額を案分、限定することは連帯関係を免除することとなり、共同不法行為者のいずれからも全額の損害賠償を受けられるとしている民法719条の明文に反し、これにより被害者保護を図る同条の趣旨を没却することとなり、損害の負担について公平の理念に反することとなるからである。」
過去問・解説
(H24 司法 第29問 5)
暴行を受けて傷害を負った被害者が損害賠償を請求する場合において、被害者の治療を行った医師に診療上の過失があり、そのために被害者の症状が悪化したときであっても、暴行を加えた者と医師は、被害者に対し連帯して損害を賠償する責任を負うことはない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平13.3.13)は、それぞれ独立して成立する複数の不法行為が順次競合した場合においても、当該各不法行為が不可分の1個の結果を招来し、この結果について相当因果関係を有する関係にあれば、当該各不法行為の間に共同不法行為(719条)が成立し、各不法行為者は被害者の被った損害の全額について連帯して責任を負う旨判示している。本肢においても、暴行と医師の診療上の過失のいずれもが、被害者の症状の悪化という不可分の1個の結果を招来し、当該結果について相当因果関係を有する関係にある場合には、暴行を加えた者と医師との間には共同不法行為が成立するから、被害者に対し連帯して損害を賠償する責任を負うことがあるといえる。
(H26 共通 第29問 1)
Aの前方不注意による自動車の運転によってBが重傷を負い、Bを治療したCの過失によってBが死亡した場合において、ACの各行為が共同不法行為となるときであっても、Bの死亡という結果の発生に対するA及びCの寄与の割合をそれぞれ確定することができるときは、Aは、Bの死亡による損害の全額を賠償する責任を負わない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平13.3.13)は、本肢と同種の事案において、「被害者との関係においては、各不法行為者の結果発生に対する寄与の割合をもって被害者の被った損害の額を案分し、各不法行為者において責任を負うべき損害額を限定することは許されないと解するのが相当である。」と判示している。したがって、ACの各行為が共同不法行為となるときは、Bの死亡という結果の発生に対するA及びCの寄与の割合をそれぞれ確定することができるときであっても、Aは、当該寄与の割合をもってBの被った損害の額を按分し、責任を負うべき損害額を限定することは許されないから、Aは、Bの死亡による損害の全額を賠償する責任を負う。
(H30 司法 第29問 オ)
交通事故により傷害を受けた者が搬送先の医師の診療上の過失により死亡した場合には、交通事故の加害者と医師が被害者の被った損害について連帯して賠償する責任を負うことはない。
交通事故における過失相殺 最二小判平成15年7月11日
概要
判例
判旨:「複数の加害者の過失及び被害者の過失が競合する1つの交通事故において、その交通事故の原因となったすべての過失の割合(以下「絶対的過失割合」という。)を認定することができるときには、絶対的過失割合に基づく被害者の過失による過失相殺をした損害賠償額について、加害者らは連帯して共同不法行為に基づく賠償責任を負うものと解すべきである。」
過去問・解説
(H26 共通 第29問 3)
複数の加害者であるABの過失と被害者Cの過失が競合する1つの交通事故において、その交通事故の原因となった全ての過失の割合を認定することができ、A、B及びCの過失割合が順次5:3:2である場合には、ABは、Cに対し、連帯して、その損害の8割に相当する額を賠償する責任を負う。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平15.7.11)は、「複数の加害者の過失及び被害者の過失が競合する1つの交通事故において、その交通事故の原因となったすべての過失の割合(以下「絶対的過失割合」という。)を認定することができるときには、絶対的過失割合に基づく被害者の過失による過失相殺をした損害賠償額について、加害者らは連帯して共同不法行為に基づく賠償責任を負うものと解すべきである」 と判示している。したがって、A、B及びCの過失割合が順次5:3:2である場合には、ABの責任は、Cの絶対的過失割合である2割に相当する額分、過失相殺がされるから、ABは、Cに対し、連帯して、その損害の8割に相当する額を賠償する責任を負う。
(R1 共通 第29問 ウ)
複数の加害者の過失及び被害者の過失が競合する1つの交通事故において、その交通事故の原因となった全ての過失の割合(いわゆる絶対的過失割合)を認定することができるときには、絶対的過失割合に基づく被害者の過失による過失相殺をした損害賠償額について、加害者らは連帯して共同不法行為に基づく賠償責任を負う。