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不法行為(違法性阻却、胎児の権利能力、過失相殺等、名誉毀損における原状回復 720条~723条) - 解答モード

胎児固有の慰謝料請求 大判昭和7年10月6日

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概要
①胎児がその出生前に有する固有の慰謝料請求権(721条)を、胎児の親族が代理行使することはできない。
②胎児の損害賠償請求権につき、その親族が胎児のために加害者と行った和解は、出生後の子を拘束しない。
判例
事案:①胎児が有する固有の慰謝料請求権(721条)を、胎児の親族が代理行使することができるかが問題となった。
 ②胎児の損害賠償請求権につき、その親族が胎児のために加害者と和解を行った場合において、当該和解が出生後の子を拘束するかが問題となった。

判旨:「AハBカCト和解ノ交渉ヲ為シタル際未タ出生セスDノ胎内ニ在リタルモノニシテ民法ハ胎児ハ損害賠償請求権ニ付キ既ニ生レタルモノト看做シタルモ右ハ胎児カ不法行為ノアリタル後生キテ生レタル場合ニ不法行為ニ因ル損害賠償請求権ノ取得ニ付キテハ出生ノ時ニ遡リテ権利能力アリタルモノト看做サルヘシト云フニ止マリ胎児ニ対シ此ノ請求権ヲ出生前ニ於テ処分シ得ヘキ能力ヲ与ヘントスルノ主旨ニアラサルノミナラス仮令此ノ如キ能力ヲ有シタルモノトスルモ我民法上出生以前ニ其ノ処分行為ヲ代行スヘキ機関ニ関スル規定ナキヲ以テ前示Bノ交渉ハ之ヲ以テAヲ代理シテ為シタル有効ナル処分ト認ムルニ由ナク又仮ニ原判決ノ趣旨ニシテBカ親族ノD等ヲ代理シ又ハ自ラ将来出生スヘキAノ為ニ叙上ノ和解契約ヲ為シタルコトヲ認メタルニアリト解スルモCハAノ出生後同人ノ為ニAノ為シタル処置ニ付キAニ於テ契約ノ利益ヲ享受スル意思ノ表示セラレタル事実ヲ主張セス原審モ亦此ノ如キ事実ヲ認定セサリシモノナルヲ以テBノ為シタル前記和解契約ハAニ対シテハ何等ノ効力ナキモノト云ハサルヘカラス。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H23 共通 第30問 ア)
胎児の父が他人の不法行為によって死亡した場合、胎児の母は、子の出生前であっても、その代理人として子の固有の慰謝料請求権を行使することができる。

(正答)

(解説)
判例(大判昭7.10.6)は、胎児がその出生前に有する固有の慰謝料請求権(721条)を、胎児の親族が代理行使することはできない旨判示している。したがって、胎児の父が他人の不法行為によって死亡した場合であっても、胎児の母は、子の出生前は、その代理人として子の固有の慰謝料請求権を行使することができない。


全体の正答率 : 100.0%

(H30 司法 第1問 オ)
胎児のときに不法行為を受けた者は、出生前にその父母が胎児を代理して加害者とした和解に拘束される。

(正答)

(解説)
判例(大判昭7.10.6)は、本肢と同種の事案において、胎児の損害賠償請求権につき、その親族が胎児のために加害者と行った和解は、出生後の子を拘束しない旨判示している。したがって、胎児のときに不法行為を受けた者は、出生前にその父母が胎児を代理して加害者とした和解に拘束されない。


全体の正答率 : 100.0%

(R4 司法 第29問 エ)
胎児Aの父が不法行為により死亡した場合、Aの母は、Aが生まれる前であっても、Aの代理人として、加害者に対し、Aの固有の慰謝料を請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(大判昭7.10.6)は、胎児がその出生前に有する固有の慰謝料請求権(721条)を、胎児の親族が代理行使することはできない旨判示している。したがって、胎児Aの父が不法行為により死亡した場合であっても、Aの母は、Aが生まれる前は、Aの代理人として、加害者に対し、Aの固有の慰謝料を請求することができない。

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父母の過失と722条2項 最一小判昭和34年11月26日

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概要
722条2項にいう「過失」とは、単に被害者本人の過失のみではなく、広く被害者側の過失をも包含する。
判例
事案:722条2項により過失相殺をする場合において、不法行為の被害者本人の過失のみならず、広く被害者側の過失をもって過失相殺することができるかが問題となった。

判旨:「民法722条にいわゆる過失とは単に被害者本人の過失のみでなく、ひろく被害者側の過失をも包含する趣旨と解するを相当とする。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H24 司法 第29問 4)
交通事故の被害者である幼児に過失がなかったときは、その父又は母に過失があったとしても、それを理由として賠償額が減額されることはない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭34.11.26)は、「民法722条にいわゆる過失とは単に被害者本人の過失のみでなく、ひろく被害者側の過失をも包含する趣旨と解するを相当とする。」と判示している。そして、722条2項は、「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」と規定している。
本肢においては、交通事故の被害者である幼児に過失がなかったとしても、その父又は母に過失があったときは、当該過失は被害者側の過失として、同項にいう「過失」に当たるといえる。したがって、当該過失を理由として、同項により、賠償額が減額されることがある。

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被害者の過失と弁識能力の程度 最大判昭和39年6月24日

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概要
722条2項により被害者の過失を斟酌するには、被害者たる未成年者が、事理を弁識するに足る知能を具えていれば足り、行為の責任を弁識するに足る知能を具えていることを要しない。
判例
事案:722条2項により被害者の過失を斟酌して過失相殺をする場合において、被害者がどの程度の弁識能力を備えていれば足りるかが問題となった。

判旨:「民法722条2項の過失相殺の問題は、不法行為者に対し積極的に損害賠償責任を負わせる問題とは趣を異にし、不法行為者が責任を負うべき損害賠償の額を定めるにつき、公平の見地から、損害発生についての被害者の不注意をいかにしんしゃくするかの問題に過ぎないのであるから、被害者たる未成年者の過失をしんしゃくする場合においても、未成年者に事理を弁識するに足る知能が具わっていれば足り、未成年者に対し不法行為責任を負わせる場合のごとく、行為の責任を弁識するに足る知能が具わっていることを要しないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H20 司法 第29問 イ)
被害者が未成年である場合、その過失を斟酌するには、被害者たる未成年者に行為の責任を弁識する能力が必要である。

(正答)

(解説)
判例(最大判昭39.6.24)は、「民法722条2項の過失相殺の問題は、不法行為者に対し積極的に損害賠償責任を負わせる問題とは趣を異にし、不法行為者が責任を負うべき損害賠償の額を定めるにつき、公平の見地から、損害発生についての被害者の不注意をいかにしんしゃくするかの問題に過ぎないのであるから、被害者たる未成年者の過失をしんしゃくする場合においても、未成年者に事理を弁識するに足る知能が具わっていれば足り、未成年者に対し不法行為責任を負わせる場合のごとく、行為の責任を弁識するに足る知能が具わっていることを要しないものと解するのが相当である。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H23 共通 第30問 エ)
不法行為による身体傷害の場合、被害者に責任能力が備わっていないときは、その過失を考慮して損害賠償の額を決めることができない。

(正答)

(解説)
判例(最大判昭39.6.24)は、「民法722条2項の過失相殺の問題は、不法行為者に対し積極的に損害賠償責任を負わせる問題とは趣を異にし、不法行為者が責任を負うべき損害賠償の額を定めるにつき、公平の見地から、損害発生についての被害者の不注意をいかにしんしゃくするかの問題に過ぎないのであるから、被害者たる未成年者の過失をしんしゃくする場合においても、未成年者に事理を弁識するに足る知能が具わっていれば足り、未成年者に対し不法行為責任を負わせる場合のごとく、行為の責任を弁識するに足る知能が具わっていることを要しないものと解するのが相当である。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R1 共通 第29問 ア)
被害者の過失を考慮するためには、被害者に自己の行為の責任を弁識するに足りる知能が備わっていることを要する。

(正答)

(解説)
判例(最大判昭39.6.24)は、「民法722条2項の過失相殺の問題は、不法行為者に対し積極的に損害賠償責任を負わせる問題とは趣を異にし、不法行為者が責任を負うべき損害賠償の額を定めるにつき、公平の見地から、損害発生についての被害者の不注意をいかにしんしゃくするかの問題に過ぎないのであるから、被害者たる未成年者の過失をしんしゃくする場合においても、未成年者に事理を弁識するに足る知能が具わっていれば足り、未成年者に対し不法行為責任を負わせる場合のごとく、行為の責任を弁識するに足る知能が具わっていることを要しないものと解するのが相当である。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R5 共通 第30問 オ)
損害賠償の額を定めるに当たり、被害を受けた未成年者の過失を考慮するためには、その未成年者に事理を弁識するに足りる知能が備わっていれば足りる。

(正答)

(解説)
判例(最大判昭39.6.24)は、「民法722条2項の過失相殺の問題は、不法行為者に対し積極的に損害賠償責任を負わせる問題とは趣を異にし、不法行為者が責任を負うべき損害賠償の額を定めるにつき、公平の見地から、損害発生についての被害者の不注意をいかにしんしゃくするかの問題に過ぎないのであるから、被害者たる未成年者の過失をしんしゃくする場合においても、未成年者に事理を弁識するに足る知能が具わっていれば足り、未成年者に対し不法行為責任を負わせる場合のごとく、行為の責任を弁識するに足る知能が具わっていることを要しないものと解するのが相当である。」と判示している。

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722条第2項にいう被害者の範囲 最三小判昭和42年6月27日

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概要
722条2項に定める被害者の過失とは、単に被害者本人の過失のみではなく、ひろく被害者側の過失をも包含するが、被害者本人が幼児である場合において、被害者側の過失とは、例えば被害者に対する監督者である父母ないしはその被用者である家事使用人などのように、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失をいう。
判例
事案:不法行為の被害者本人が幼児である場合において、当該幼児の両親により当該幼児の監護を委託された者の被用者の過失が、722条2項の「過失」に当たるかが問題となった。

判旨:「民法722条2項に定める被害者の過失とは単に被害者本人の過失のみでなく、ひろく被害者側の過失をも包含する趣旨と解すべきではあるが、本件のように被害者本人が幼児である場合において、右にいう被害者側の過失とは、例えば被害者に対する監督者である父母ないしはその被用者である家事使用人などのように、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失をいうものと解するを相当とし、所論のように両親より幼児の監護を委託された者の被用者のような被害者と一体をなすとみられない者の過失はこれに含まれないものと解すべきである。けだし、同条項が損害賠償の額を定めるにあたつて被害者の過失を斟酌することができる旨を定めたのは、発生した損害を加害者と被害者との間において公平に分担させるという公平の理念に基づくものである以上、被害者と一体をなすとみられない者の過失を斟酌することは、第三者の過失によつて生じた損害を被害者の負担に帰せしめ、加害者の負担を免ずることとなり、却つて公平の理念に反する結果となるからである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H20 司法 第29問 ウ)
被害者が幼児である場合における被害者側の過失とは、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失をいうのであり、両親より幼児の監護を委託された保育園の被用者の過失は含まれない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.6.27)は、本肢と同種の事案において、「民法722条2項に定める被害者の過失とは単に被害者本人の過失のみでなく、ひろく被害者側の過失をも包含する趣旨と解すべきではあるが、本件のように被害者本人が幼児である場合において、右にいう被害者側の過失とは、例えば被害者に対する監督者である父母ないしはその被用者である家事使用人などのように、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失をいうものと解するを相当とし、所論のように両親より幼児の監護を委託された者の被用者のような被害者と一体をなすとみられない者の過失はこれに含まれないものと解すべきである。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H26 共通 第29問 4)
Aの不法行為により未成年者Bが重傷を負った場合において、Bが事理弁識能力を有していなかったときであっても、その損害の発生についてBの親に監督上の過失が認められるときには、Aは、過失相殺による損害額の減額を主張することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.6.27)は、本肢と同種の事案において、「民法722条2項に定める被害者の過失とは単に被害者本人の過失のみでなく、ひろく被害者側の過失をも包含する趣旨と解すべきではあるが、本件のように被害者本人が幼児である場合において、右にいう被害者側の過失とは、例えば被害者に対する監督者である父母ないしはその被用者である家事使用人などのように、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失をいうものと解する…。」と判示している。したがって、Aの不法行為により未成年者Bが重傷を負った場合において、Bが事理弁識能力を有していなかったときであっても、その損害の発生についてBの親に監督上の過失が認められるときには、当該過失は被害者側の過失として、722条2項の「過失」に当たるといえるから、Aは、過失相殺による損害額の減額を主張することができる。


全体の正答率 : 100.0%

(R6 司法 第31問 オ)
自動車の運転者の過失による事故の被害者が幼児である場合において、両親より幼児の監護を委託された保育園の被用者の過失が事故の発生に寄与しているとしても、裁判所は、その者の過失を考慮して過失相殺による賠償額の減額をすることができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.6.27)は、本肢と同種の事案において、「民法722条2項に定める被害者の過失とは単に被害者本人の過失のみでなく、ひろく被害者側の過失をも包含する趣旨と解すべきではあるが、本件のように被害者本人が幼児である場合において、右にいう被害者側の過失とは、例えば被害者に対する監督者である父母ないしはその被用者である家事使用人などのように、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失をいうものと解するを相当とし、所論のように両親より幼児の監護を委託された者の被用者のような被害者と一体をなすとみられない者の過失はこれに含まれないものと解すべきである。」と判示している。したがって、本肢においても、両親より幼児の監護を委託された保育園の被用者の過失が事故の発生に寄与しているとしても、裁判所は、その者の過失を考慮して過失相殺による賠償額の減額をすることができない。

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交通事故と被害者側の過失相殺 最一小判昭和51年3月25日

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概要
夫の運転する自動車に同乗する妻が、当該自動車と第三者の運転する自動車との衝突により損害を被った場合において、衝突につき夫にも過失があるときは、夫婦の婚姻関係が既に破綻にひんしているなど特段の事情のない限り、第三者の負担すべき損害賠償額を定めるにつき、夫の過失を722条2項にいう「過失」として斟酌することができる。
判例
事案:夫の運転する自動車に同乗する妻が、当該自動車と第三者の運転する自動車との衝突により損害を被った場合において、妻が当該第三者に対して損害賠償を請求する場合の損害額を算定するについて、夫の過失を722条2項にいう「過失」として斟酌することができるかが問題となった。

判旨:「民法722条2項が不法行為による損害賠償の額を定めるにつき被害者の過失を斟酌することができる旨を定めたのは、不法行為によつて発生した損害を加害者と被害者との間において公平に分担させるという公平の理念に基づくものであると考えられるから、右被害者の過失には、被害者本人と身分上、生活関係上、一体をなすとみられるような関係にある者の過失、すなわちいわゆる被害者側の過失をも包含するものと解される。したがつて、夫が妻を同乗させて運転する自動車と第三者が運転する自動車とが、右第三者と夫との双方の過失の競合により衝突したため、傷害を被つた妻が右第三者に対し損害賠償を請求する場合の損害額を算定するについては、右夫婦の婚姻関係が既に破綻にひんしているなど特段の事情のない限り、夫の過失を被害者側の過失として斟酌することができるものと解するのを相当とする。このように解するときは、加害者が、いつたん被害者である妻に対して全損害を賠償した後、夫にその過失に応じた負担部分を求償するという求償関係をも一挙に解決し、紛争を1回で処理することができるという合理性もある。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H20 司法 第29問 ア)
夫が妻を同乗させて運転する自動車と第三者が運転する自動車とが、第三者と夫の双方の過失が競合して衝突したため、負傷した妻が第三者に対し損害賠償を請求した場合には、特段の事情のない限り、第三者の賠償額を定めるにつき夫の過失を被害者側の過失として斟酌することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭51.3.25)は、「夫が妻を同乗させて運転する自動車と第三者が運転する自動車とが、右第三者と夫との双方の過失の競合により衝突したため、傷害を被った妻が右第三者に対し損害賠償を請求する場合の損害額を算定するについては、右夫婦の婚姻関係が既に破綻にひんしているなど特段の事情のない限り、夫の過失を被害者側の過失として斟酌することができるものと解するのを相当とする。」と判示している。

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被害者の心因的要因につていの722条2項の類推適用 最一小判昭和63年4月21日

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概要
身体に対する加害行為と発生した損害との間に相当因果関係がある場合において、その損害が加害行為のみによって通常発生する程度、範囲を超えるものであつて、かつ、その損害の拡大について被害者の心因的要因が寄与しているときは、損害賠償額を定めるにつき、722条2項を類推適用して、その損害の拡大に寄与した被害者の事情を斟酌することができる。
判例
事案:身体に対する加害行為によって生じた損害についての損害賠償請求がされた場合において、その損害賠償の額を定めるに当たり、被害者の心因的要因を斟酌することができるかが問題となった。

判旨:「身体に対する加害行為と発生した損害との間に相当因果関係がある場合において、その損害がその加害行為のみによつて通常発生する程度、範囲を超えるものであつて、かつ、その損害の拡大について被害者の心因的要因が寄与しているときは、損害を公平に分担させるという損害賠償法の理念に照らし、裁判所は、損害賠償の額を定めるに当たり、民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用して、その損害の拡大に寄与した被害者の右事情を斟酌することができるものと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H20 司法 第29問 エ)
身体に対する加害行為と発生した損害との間に相当因果関係がある場合において、その損害が加害行為のみによって通常発生する程度や範囲を超えるものであり、かつ、その損害の拡大について被害者の心因的要因が寄与しているときは、損害賠償額を定めるにつき、過失相殺の規定を類推適用して、損害の拡大に寄与した被害者の心因的要因を斟酌することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭63.4.21)は、「身体に対する加害行為と発生した損害との間に相当因果関係がある場合において、その損害がその加害行為のみによって通常発生する程度、範囲を超えるものであって、かつ、その損害の拡大について被害者の心因的要因が寄与しているときは、損害を公平に分担させるという損害賠償法の理念に照らし、裁判所は、損害賠償の額を定めるに当たり、民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用して、その損害の拡大に寄与した被害者の右事情を斟酌することができるものと解するのが相当である。」と判示している。

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被害者の疾患と損害賠償の過失相殺 最一小判平成4年6月25日

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概要
被害者に対する加害行為と被害者が罹患していた疾患とがともに原因となって損害が発生した場合において、当該疾患の態様、程度などに照らし、加害者に損害の全部を賠償させるのが公平を失するときは、裁判所は、損害賠償の額を定めるに当たり、722条2項の規定を類推適用して、被害者の疾患を斟酌することができる。
判例
事案:被害者に対する加害行為と被害者が罹患していた疾患とがともに原因となって損害が発生した場合において、損害賠償額の算定に当たり、加害行為前から存在した被害者の疾患を斟酌することができるかが問題となった。

判旨:「被害者に対する加害行為と被害者のり患していた疾患とがともに原因となって損害が発生した場合において、当該疾患の態様、程度などに照らし、加害者に損害の全部を賠償させるのが公平を失するときは、裁判所は、損害賠償の額を定めるに当たり、民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用して、被害者の当該疾患をしんしゃくすることができるものと解するのが相当である。けだし、このような場合においてもなお、被害者に生じた損害の全部を加害者に賠償させるのは、損害の公平な分担を図る損害賠償法の理念に反するものといわなければならないからである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(R1 共通 第29問 エ)
被害者に対する加害行為と加害行為前から存在した被害者の疾患とが共に原因となって損害が発生した場合において、当該疾患の態様、程度などに照らし、加害者に損害の全部を賠償させるのが公平を失するときは、裁判所は、損害賠償の額を定めるに当たり、過失相殺の規定を類推適用して、被害者の疾患を考慮することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平4.6.25)は、「被害者に対する加害行為と被害者のり患していた疾患とがともに原因となって損害が発生した場合において、当該疾患の態様、程度などに照らし、加害者に損害の全部を賠償させるのが公平を失するときは、裁判所は、損害賠償の額を定めるに当たり、民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用して、被害者の当該疾患をしんしゃくすることができるものと解するのが相当である。」と判示している。

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内縁関係にある者の被害者側の過失 最三小判平成19年4月24日

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概要
内縁の夫が内縁の妻を同乗させて運転する自動車と、第三者が運転する自動車とが衝突し、それにより傷害を負った内縁の妻が第三者に対して損害賠償を請求する場合において、その損害賠償額を定めるに当たっては、内縁の夫の過失を被害者側の過失として考慮することができる。
判例
事案:内縁の夫の運転する自動車に同乗中に、第三者の運転する自動車との衝突事故により傷害を負った内縁の妻が、第三者に対して損害賠償を請求する場合において、当該事故の発生につき内縁の夫にも過失があるとき、その賠償額を定めるに当たって、内縁の夫の過失を被害者側の過失として考慮することができるかが問題となった。

判旨:「不法行為に基づき被害者に対して支払われるべき損害賠償額を定めるに当たっては、被害者と身分上、生活関係上一体を成すとみられるような関係にある者の過失についても、民法722条2項の規定により、いわゆる被害者側の過失としてこれを考慮することができる(最高裁昭和40年(オ)第1056号同42年6月27日第三小法廷判決・民集21巻6号1507頁、最高裁昭和47年(オ)第457号同51年3月25日第一小法廷判決・民集30巻2号160頁参照)。内縁の夫婦は、婚姻の届出はしていないが、男女が相協力して夫婦としての共同生活を営んでいるものであり、身分上、生活関係上一体を成す関係にあるとみることができる。そうすると、内縁の夫が内縁の妻を同乗させて運転する自動車と第三者が運転する自動車とが衝突し、それにより傷害を負った内縁の妻が第三者に対して損害賠償を請求する場合において、その損害賠償額を定めるに当たっては、内縁の夫の過失を被害者側の過失として考慮することができると解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(R1 共通 第29問 イ)
内縁の夫が運転する自動車に同乗していた者が、内縁の夫と第三者の双方の過失による交通事故で負傷し、第三者に対し損害賠償を請求する場合において、裁判所は、損害賠償の額を定めるに当たり、内縁の夫の過失を被害者側の過失として考慮することはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判平19.4.24)は、「内縁の夫婦は、婚姻の届出はしていないが、男女が相協力して夫婦としての共同生活を営んでいるものであり、身分上、生活関係上一体を成す関係にあるとみることができる。そうすると、内縁の夫が内縁の妻を同乗させて運転する自動車と第三者が運転する自動車とが衝突し、それにより傷害を負った内縁の妻が第三者に対して損害賠償を請求する場合において、その損害賠償額を定めるに当たっては、内縁の夫の過失を被害者側の過失として考慮することができると解するのが相当である。」と判示している。

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723条の「名誉」と名誉感情 最二小判昭和45年12月18日

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概要
723条にいう「名誉」とは、人がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価、すなわち社会的名誉を指すものであって、人が自己自身の人格的価値について有する主観的な評価、すなわち名誉感情は含まない。
判例
事案:723条の「名誉」に、名誉感情が含まれるかが問題となった。

判旨:「民法723条にいう名誉とは、人がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価、すなわち社会的名誉を指すものであつて、人が自己自身の人格的価値について有する主観的な評価、すなわち名誉感情は含まないものと解するのが相当である。けだし、同条が、名誉を毀損された被害者の救済処分として、損害の賠償のほかに、それに代えまたはそれとともに、原状回復処分を命じうることを規定している趣旨は、その処分により、加害者に対して制裁を加えたり、また、加害者に謝罪等をさせることにより被害者に主観的な満足を与えたりするためではなく、金銭による損害賠償のみでは填補されえない、毀損された被害者の人格的価値に対する社会的、客観的な評価自体を回復することを可能ならしめるためであると解すべきであり、したがつて、このような原状回復処分をもつて救済するに適するのは、人の社会的名誉が毀損された場合であり、かつ、その場合にかぎられると解するのが相当であるからである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(R4 司法 第29問 ウ)
名誉感情を侵害された場合、被害者は、これを理由として、名誉感情を回復するのに適当な処分を請求することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭45.12.18)は、「民法723条にいう名誉とは、人がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価、すなわち社会的名誉を指すものであって、人が自己自身の人格的価値について有する主観的な評価、すなわち名誉感情は含まないものと解するのが相当である。」と判示している。そして、723条は、「他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。」と規定している。したがって、名誉感情を侵害された場合、被害者は、これを理由として、名誉感情を回復するのに適当な処分を請求することができない。

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石に泳ぐ魚事件 最三小判平成14年9月24日

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概要
公共の利害にかかわらない者のプライバシーにわたる事項を表現内容に含む小説の公表により、同人の名誉、プライバシー、名誉感情が侵害された場合は、これらの利益を保護するため、裁判所に適当な処分を請求することができる。
判例
事案:公共の利害にかかわらない者のプライバシーにわたる事項を表現内容に含む小説の公表により、同人の名誉、プライバシー、名誉感情が侵害された場合において、これらの利益を保護するため、裁判所に適当な処分を請求することができるかが問題となった。

判旨:「公共の利益に係わらない被上告人のプライバシーにわたる事項を表現内容に含む本件小説の公表により公的立場にない被上告人の名誉、プライバシー、名誉感情が侵害されたものであって、本件小説の出版等により被上告人に重大で回復困難な損害を被らせるおそれがあるというべきである。したがって、人格権としての名誉権等に基づく被上告人の各請求を認容した判断に違法はなく、この判断が憲法21条1項に違反するものでないことは、当裁判所の判例(最高裁昭和41年(あ)第2472号同44年6月25日大法廷判決・刑集23巻7号975頁、最高裁昭和56年(オ)第609号同61年6月11日大法廷判決・民集40巻4号872頁)の趣旨に照らして明らかである。」
過去問・解説
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(H22 司法 第8問 ア)
裁判所は、他人のプライバシーを侵害した者に対し、被害者の請求により、損害賠償に代え、プライバシーを保護するのに適当な処分を命ずることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平14.9.24)は、公共の利害にかかわらない者のプライバシーにわたる事項を表現内容に含む小説の公表により、同人の名誉、プライバシー、名誉感情が侵害された場合は、これらの利益を保護するため、裁判所に適当な処分を請求することができる旨判示している。したがって、裁判所は、他人のプライバシーを侵害した者に対し、被害者の請求により、損害賠償に代え、プライバシーを保護するのに適当な処分を命ずることができる。

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