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短答判例

建物滅失後の再築と法定地上権 大判昭和10年8月10日

概要
土地及びその地上建物が同一所有者に属する状態で土地のみに抵当権が設定された後、抵当権の実行前に旧建物が滅失し、新建物が再築された場合、旧建物が競売時までに朽廃していた場合は別として、再築後も法定地上権が成立し得る。ただし、その法定地上権の範囲は、旧建物が存続していたならば成立した法定地上権と同一の範囲に限られる。
判例
事案:土地及びその地上建物が同一所有者に属する状態で土地のみに抵当権が設定された後、旧建物が取り壊されて新建物が再築された場合に、土地抵当権の実行により土地と建物の所有者が異なるに至ったとき、①新建物のために法定地上権が成立するか、②その成立範囲が問題となった。

判旨:① 「當該建物カ抵當不動産ノ競賣前既ニ朽廢シタル場合ハ格別ナルモ然ラサル限リ其ノ所有者ハ縱令建物カ滅失スルコトアルモ再築ノ上當該土地ノ利用ヲ繼續シ來タリタル以上依然競賣ノ場合ニ付地上權者ト看做サルヘキ地位ニアルモノト解スルヲ相當トスヘク」
②「再築改築等ノ爲メ建物ノ状態ニ變更アル場合ニ於テモ其ノ所有者ノ取得スヘキ地上權ハ舊建物ノ存シタル場合ニ於ケルト同一ノモノタルヘク即チ其ノ所有者ハ競賣ノ場合ニ付舊建物ノ存シタルナラムニハ有シ得ヘカリシト同一ノ範圍ニ於テノミ地上權者トシテ當該土地ヲ利用シ得ヘキモノト云フヘク」
過去問・解説
全体の正答率 : 33.3%

(R8 司法 第17問 イ)
Aが甲土地及び甲土地上の乙建物を所有していたところ、甲土地に抵当権が設定され、その後、乙建物が火災で焼失し、建物が再築される前に甲土地の抵当権が実行されてBが甲土地を取得したときは、Aが甲土地上に再築予定の丙建物のための法定地上権は成立しない。

(正答)〇

(解説)
判例(大判昭10.8.10)は、土地及びその地上建物が同一所有者に属する状態で土地のみに抵当権が設定された後、抵当権の実行前に旧建物が滅失した場合について、抵当権の実行前に新建物が再築された場合は、再築後も法定地上権が成立し得る旨判示している。もっとも、本肢では、乙建物が焼失した後、丙建物が再築される前に甲土地の抵当権が実行されているため、丙建物のための法定地上権は成立しない。

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