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登記と囲繞地通行権 最二小判昭和47年4月14日
概要
判例
判旨:「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないしこれにつき利用権を有する者に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。なんとなれば、民法209条ないし238条は、いずれも、相隣接する不動産相互間の利用の調整を目的とする規定であつて、同法210条において袋地の所有者が囲繞地を通行することができるとされているのも、相隣関係にある所有権共存の1態様として、囲繞地の所有者に一定の範囲の通行受忍義務を課し、袋地の効用を完からしめようとしているためである。このような趣旨に照らすと、袋地の所有者が囲繞地の所有者らに対して囲繞地通行権を主張する場合は、不動産取引の安全保護をはかるための公示制度とは関係がないと解するのが相当であり、したがつて、実体上袋地の所有権を取得した者は、対抗要件を具備することなく、囲繞地所有者らに対し囲繞地通行権を主張しうるものというべきである。」
過去問・解説
(H21 司法 第10問 4)
判例によれば、袋地(他人の土地に囲まれて公道に通じない土地)を買い受けた者は、所有権移転登記をしなければ、囲繞地(袋地を囲んでいる土地)の所有者に対し、公道に至るため囲繞地を通行する権利を有することを主張することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭47.4.14)は、「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者…に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。」と判示している。
(H23 司法 第7問 1)
Aは、Bから袋地(他人の土地に囲まれて公道に通じない土地)を購入したが、当該袋地についての所有権移転登記を経ないうちは、囲繞地(袋地を囲んでいる土地)を所有しているCに対し、公道に至るため、その囲繞地の通行権を主張することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭47.4.14)は、「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者…に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。」と判示している。したがって、Aは、Bから購入した袋地についての所有権移転登記を経なくても、囲繞地を所有しているCに対し、公道に至るため、その囲繞地の通行権を主張することができる。
(H28 司法 第10問 イ)
袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者及び囲繞地につき利用権を有する者に対して、公道に至るため囲繞地を通行する権利を主張することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭47.4.14)は、「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないしこれにつき利用権を有する者に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。」と判示している。
(R4 司法 第9問 エ)
袋地(他の土地に囲まれて公道に通じない土地)である甲土地の所有者Aは、公道に至るために囲繞地(袋地を囲んでいる他の土地)であるB所有の乙土地を通行する権利を有している。Aが甲土地をCから買い受けてその所有者となっていた場合には、Aは、その所有権移転登記がなくても、乙土地を通行することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭47.4.14)は、「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者…に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。」と判示している。したがって、Aが甲土地をCから買い受けてその所有者となっていた場合には、Aは、その所有権移転登記がなくても、乙土地を通行することができる。
(R8 司法 第9問 エ)
袋地である甲土地の所有者AがB所有の乙土地について隣地通行権を有する場合において、Aが甲土地をCに譲渡したときは、その所有権移転登記がされない限り、Cは、Bに対し、乙土地について隣地通行権を主張することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭47.4.14)は、「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者…に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。」と判示している。
したがって、Cは、Aから譲渡された袋地である甲土地についての所有権移転登記を経なくても、囲繞地である乙土地を所有しているBに対し、乙土地について隣地通行権を主張することができる。