民事執行法 第172条(間接強制)
① 作為又は不作為を目的とする債務で前条第1項の強制執行ができないものについての強制執行は、執行裁判所が、債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭を債権者に支払うべき旨を命ずる方法により行う。
② 事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定による決定を変更することができる。
③ 執行裁判所は、前二項の規定による決定をする場合には、申立ての相手方を審尋しなければならない。
④ 第1項の規定により命じられた金銭の支払があつた場合において、債務不履行により生じた損害の額が支払額を超えるときは、債権者は、その超える額について損害賠償の請求をすることを妨げられない。
⑤ 第1項の強制執行の申立て又は第2項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
⑥ 前条第2項の規定は、第1項の執行裁判所について準用する。
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短答条文
第172条
条文
過去問・解説
全体の正答率 : 50%
(R8 司法 第19問 エ)
土地の買主が、売主に対し、当該土地の所有権移転登記手続を命ずる債務名義を得たときは、その履行を間接強制の方法により強制することができる。
(正答)✕
(解説)
民事執行法172条1項は、「作為又は不作為を目的とする債務で前条第1項の強制執行ができないものについての強制執行」について、間接強制の方法によることができる旨規定している。他方で、民事執行法177条1項本文は、「意思表示をすべきことを債務者に命ずる判決その他の裁判が確定し…たときは、債務者は、その確定又は成立の時に意思表示をしたものとみなす。」と規定している。そして、所有権移転登記手続を命ずる判決については、民事執行法177条1項本文により、判決の確定時に、登記申請に必要な意思表示をしたものとみなされる。
したがって、土地の買主が、売主に対し、当該土地の所有権移転登記手続を命ずる債務名義を得たときであっても、その履行を間接強制の方法により強制することはできない。