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通貨偽造の罪 - 解答モード

「行使」の意義 大判明治37年5月13日

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概要
行使とは偽造銀行券を使用する目的をもって流通に置くという意に他ならず、従って単に偽造券を他人に示し若しくはこれを流通に置くため他人に交付する事実のみではいまだその行使があるとは言えない。
判例
事案:外国銀行券偽造行使の事案において、偽造通貨行使罪の「行使」の意義が問題となった。

要旨:明治三十六年勅令第七十三号第二条ニ所謂行使トハ偽造銀行券ヲ使用スルノ目的ヲ以テ流通ニ置クノ意ニ外ナラス従テ単ニ偽造券ヲ他人ニ示シ若クハ之ヲ流通ニ置カシムル為メ他人ニ交付シタル事実ノミニテハ未タ以テ其行使アリトスルニ足ラス
(※原文を確認できないため、要旨のみを掲載)
過去問・解説

(H26 共通 第6問 1)
偽造通貨行使罪及び偽造有価証券行使罪の「行使」とは、各客体を真正なものとして使用することをいい、例えば、自己に資力があることを証明するために偽造紙幣又は偽造株券を相手に示すことも「行使」に該当する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭34.6.30)は、偽造通貨行使罪につき、行使とは真正な通貨として流通におくことを指すとし、「行使の目的は、自己が行使する場合に限らず他人をして真正の通貨として流通に置かせる目的でもよい。」としている。
また、判例(大判明37.5.13)は、行使とは、使用の目的を持って流通におくことを指し、単に偽造した銀行券を他人に示すだけでは行使といえないことを示している。
したがって、偽造通貨行使罪は自己に資力があることを証明するために偽造紙幣を他人に示すことは行使に当たらないのに対して、偽造有価証券行使罪は、自己に資力があることを証明するために偽造有価証券を他人に示すことが行使に当たる。

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「偽造」の程度 最三小判昭和25年2月28日

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概要
通貨偽造罪の規定する銀行券の偽造は、通常人が不用意にこれを一見した場合に真正の銀行券と思い誤る程度に製作されることを要する。
判例
事案:通貨を偽造した事案において、通貨偽造罪に規定する銀行券の偽造の程度が問題となった。

判旨:「刑法148条に規定する銀行券の偽造は、通常人が不用意にこれを一見した場合に真正の銀行券と思い誤る程度に製作されることを要することは言うまでもない。されば、原審がその判決において押収に係る偽造百円日本銀行券8332枚を証拠中に引用して被告人は他の者と共謀の上行使の目的を以て『二重合せ仙花紙に色別にして表は4回刷裏は2回刷で百円札の文字及び模様を印刷して通用の日本銀行券百円札合計8332枚を偽造したもの』と説明したのは、前記の程度に製作されたことを判示した趣旨と解することができる。そして、所論の発券局長印は、百円銀行券の裏面に印刷された小形の印影であって、これがなくとも本件銀行券が冒頭に説明した程度に製作されたものと認定することを妨げるものではない。それ枚、論旨は理由がない。」
過去問・解説

(H22 司法 第8問 ア)
甲の罪責について、判例の立場に従って検討し、通貨偽造罪が既遂になる場合には1を、未遂にとどまる場合には2を、既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
甲は、行使の目的をもって1万円札を偽造しようとしたが、印刷機器の操作を間違えたため、出来上がった物は、一般人が一見して真正の通貨と誤認するには至らない程度のものであった。

(正答)2

(解説)
判例(最判昭25.2.28)は、「刑法148条に規定する銀行券の偽造は、通常人が不用意にこれを一見した場合に真正の銀行券と思い誤る程度に製作されることを要する…。」としている。
甲は、行使の目的をもって1万円札を偽造しようとし、印刷機器で印刷したが、出来上がった物は一般人が一見して真正の通貨と誤認するには至らない程度のものであったのであるから、「偽造」には当たらない。
したがって、甲の通貨偽造罪は未遂にとどまる。


(H29 共通 第17問 イ)
甲は、行使の目的で、カラープリンターを用いて、複写用紙に真正な千円札の表面及び裏面を複写して千円札を偽造しようとしたが、カラープリンターの操作を誤ったため、完成したものは、一般人がこれを一見した場合に真正な千円札と誤認する程度の外観を備えたものではなかった。通貨偽造罪の未遂罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.2.28)は、「刑法148条に規定する銀行券の偽造は、通常人が不用意にこれを一見した場合に真正の銀行券と思い誤る程度に製作されることを要する…。」としている。
カラープリンターの操作を誤ったため、完成したものは、一般人がこれを一見した場合に真正な千円札と誤認する程度の外観を備えたものではなかったのであるから、「偽造」には当たらない。
したがって、甲に通貨偽造罪の既遂罪は成立しない。

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通貨偽造の既遂時期 最三小判昭和25年2月28日

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概要
通貨偽造罪の規定する銀行券の偽造は、通常人が不用意にこれを一見した場合に真正の銀行券と思い誤る程度に製作されることを要する。
判例
事案:通貨を偽造した事案において、通貨偽造罪に規定する銀行券の偽造の程度が問題となった。

判旨:「刑法148条に規定する銀行券の偽造は、通常人が不用意にこれを一見した場合に真正の銀行券と思い誤る程度に製作されることを要することは言うまでもない。されば、原審がその判決において押収に係る偽造百円日本銀行券8332枚を証拠中に引用して被告人は他の者と共謀の上行使の目的を以て『二重合せ仙花紙に色別にして表は4回刷裏は2回刷で百円札の文字及び模様を印刷して通用の日本銀行券百円札合計8332枚を偽造したもの』と説明したのは、前記の程度に製作されたことを判示した趣旨と解することができる。そして、所論の発券局長印は、百円銀行券の裏面に印刷された小形の印影であって、これがなくとも本件銀行券が冒頭に説明した程度に製作されたものと認定することを妨げるものではない。それ枚、論旨は理由がない。」
過去問・解説

(H22 司法 第8問 ア)
甲の罪責について、判例の立場に従って検討し、通貨偽造罪が既遂になる場合には1を、未遂にとどまる場合には2を、既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
甲は、行使の目的をもって1万円札を偽造しようとしたが、印刷機器の操作を間違えたため、出来上がった物は、一般人が一見して真正の通貨と誤認するには至らない程度のものであった。

(正答)2

(解説)
判例(最判昭25.2.28)は、「刑法148条に規定する銀行券の偽造は、通常人が不用意にこれを一見した場合に真正の銀行券と思い誤る程度に製作されることを要する…。」としている。
甲は、行使の目的をもって1万円札を偽造しようとし、印刷機器で印刷したが、出来上がった物は一般人が一見して真正の通貨と誤認するには至らない程度のものであったのであるから、「偽造」には当たらない。
したがって、甲の通貨偽造罪は未遂にとどまる。


(H29 司法 第17問 イ)
甲の罪責について、判例の立場に従って検討し、通貨偽造罪が既遂になる場合には1を、未遂にとどまる場合には2を、既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
甲は、行使の目的で、カラープリンターを用いて、複写用紙に真正な千円札の表面及び裏面を複写して千円札を偽造しようとしたが、カラープリンターの操作を誤ったため、完成したものは、一般人がこれを一見した場合に真正な千円札と誤認する程度の外観を備えたものではなかった。

(正答)2

(解説)
判例(最判昭25.2.28)は、「刑法148条に規定する銀行券の偽造は、通常人が不用意にこれを一見した場合に真正の銀行券と思い誤る程度に製作されることを要する…。」としている。
甲は、カラープリンターの操作を誤ったため、完成したものは、一般人がこれを一見した場合に真正な千円札と誤認する程度の外観を備えたものではなかったのであるから、「偽造」には当たらない。
したがって、甲の通貨偽造罪は未遂にとどまる。

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