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訴訟代理人及び保佐人 - 解答モード

貸金請求事件における被告の訴訟代理人の和解の権限の範囲 最一小判昭和38年2月21日

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概要
貸金返還請求訴訟における被告の訴訟代理人が、被告所有の不動産に抵当権を設定することは、訴訟代理人の和解権限の範囲内である。
判例
事案:貸金請求事件における被告の訴訟代理人の和解の権限には、当該貸金債権の担保のため被告所有の不動産について原告に対し抵当権設定契約をなす権限も包含されるかが問題となった。

判旨:「原審が適法に認定したところによれば、右前事件は、前事件原告(本件被上告人先代)東明小兵二から前事件被告(本件控訴人、上告人)に対する金銭債権に関する事件であり、この弁済期日を延期し、かつ分割払いとするかわりに、その担保として上告人所有の不動産について、被上告人先代のために抵当権の設定がなされたものであって、このような抵当権の設定は、訴訟物に関する互譲の一方法としてなされたものであることがうかがえるのである。しからば、右のような事実関係の下においては、前記埴渕弁護士が授権された和解の代理権限のうちに右抵当権設定契約をなす権限も包含されていたものと解するのが相当であって、これと同趣旨に出た原判決の判断は、正当であり、この点に関する原判決の説示はこれを是認することができる。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(R6 予備 第33問 イ)
貸金請求事件において訴訟上の和解の権限を授与された被告の訴訟代理人は、和解の条項として、貸金債務の弁済期日を延期し、かつ分割払いとする代わりに、その担保として、被告所有の不動産について原告のために抵当権を設定することが含まれている場合には、その抵当権設定契約をする権限を有する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭38.2.21)は、本肢と同種の事案において、「弁護士が授権された和解の代理権限のうちに右抵当権設定契約をなす権限も包含されていた…。」としている。

該当する過去問がありません

訴訟復代理権は訴訟代理人の死亡によって消滅するか 最一小判昭和36年11月9日

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概要
訴訟復代理人は、その選任者である訴訟代理人の死亡によって、当然に、その代理権を失うものではない。
判例
事案:訴訟代理人が訴訟復代理人を選任した後に死亡した事案において、訴訟復代理権は、訴訟代理人の死亡によって消滅しないかが問題となった。

判旨:「訴訟代理人がその権限に基づいて選任した訴訟復代理人は独立して当事者本人の訴訟代理人となるものであるから、選任後継続して本人のために適法に訴訟行為をなし得るものであって、訴訟代理人の死亡に因って当然にその代理資格を失なうものとは解されない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H28 予備 第32問 ウ)
訴訟委任を受けた訴訟代理人が適法に訴訟復代理人に訴訟委任をしていた場合、その訴訟代理人が死亡しても、委任を受けた訴訟復代理人は、これにより訴訟代理権を失うことはない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭36.11.9)は、「訴訟復代理人は…訴訟代理人の死亡に因って当然にその代理資格を失なうものとは解されない。」としている。


全体の正答率 : 100%

(R3 予備 第34問 オ)
訴訟代理人が適法に選任した訴訟復代理人は、訴訟代理人の死亡によっては訴訟代理権を失わない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭36.11.9)は、「訴訟代理人がその権限に基づいて選任した訴訟復代理人は…訴訟代理人の死亡に因って当然にその代理資格を失なうものとは解されない。」としている。


全体の正答率 : 75%

(R6 予備 第31問 オ)
当事者から委任を受けた訴訟代理人が復代理人を選任した場合において、その訴訟代理人が死亡したときは、復代理人の代理権は消滅する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭36.11.9)は、「訴訟代理人がその権限に基づいて選任した訴訟復代理人は…訴訟代理人の死亡に因って当然にその代理資格を失なうものとは解されない。」としている。

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無権代理人の訴訟行為の追認 最二小判昭和55年9月26日

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概要
無権代理人がした訴訟行為の追認は、ある審級における手続がすでに終了したのちにおいては、その審級における訴訟行為を一体として不可分的にすべきものであって、すでに終了した控訴審における訴訟行為のうち控訴提起行為のみを選択して追認することは許されない。
判例
事案:無権代理人が行った行為のうち、控訴提起行為のみを選択して追認がなされた事案において、訴訟行為の一部のみの追認が許されるか否か問題となった。

判旨:「訴訟行為は、通常、相互に関連をもちながら手続を形成し、審級ごとに終局的判断を経ながら発展して完結に至るものであるから、無権代理人がした訴訟行為を追認する場合には、ある審級における手続がすでに終了したのちにおいては、その審級における訴訟行為を一体として不可分的にすべきものであって上告人らが主張するように、すでに終了した控訴審における訴訟行為のうち控訴提起行為のみを選択して追認することは許されないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50%

(R2 予備 第31問 1)
訴訟が第1審裁判所に係属中に、訴訟能力を欠く者が訴訟行為をしたことが明らかになったときは、法定代理人による追認は、それまでに行われた全ての訴訟行為に対し行わなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭55.9.26)は、「無権代理人がした訴訟行為を追認する場合には、ある審級における手続がすでに終了したのちにおいては、その審級における訴訟行為を一体として不可分的にすべきものであって、…すでに終了した控訴審における訴訟行為のうち控訴提起行為のみを選択して追認することは許されない…。」としている。
したがって、法定代理人による追認は、それまでに行われた全ての訴訟行為に対し行わなければならないといえる。

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弁護士法25条1号に違反する訴訟行為の有効性 最大判昭和38年10月30日

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概要
弁護士法25条1号違反の訴訟行為であっても、相手方がこれを知り又は知り得たにもかかわらず異議を述べることなく訴訟手続を進行させ、口頭弁論が終結したときは、相手方は、その後に無効を主張することは許されないと解する。
判例
事案:原告訴訟代理人が弁護士法25条1号に違反する訴訟行為を行った事案において、かかる行為の有効性が問題となった。

判旨:「弁護士法25条1号において、弁護士は相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件については、その職務を行ってはならないと規定している…弁護士が右禁止規定に違反して職務を行ったときは、同法所定の懲戒に服すべきはもちろんであるが(同法56条参照)、かかる事件につき当該弁護士のした訴訟行為の効力については、同法又は訴訟法上直接の規定がない…前記法条は弁護士の品位の保持と当事者の保護とを目的とするものであることは前述のとおりであるから、弁護士の遵守すべき職務規定に違背した弁護士をして懲戒に服せしめることは、固より当然であるが、単にこれを懲戒の原因とするに止め、その訴訟行為の効力には何らの影響を及ぼさず、完全に有効なものとすることは、同条立法の目的の一である相手方たる一方の当事者の保護に欠くるものと言わなければならない。従って、同条違反の訴訟行為については、相手方たる当事者は、これに異議を述べ、裁判所に対しその行為の排除を求めることができるものと解するのが相当である。
 しかし、他面相手方たる当事者において、これに同意し又はその違背を知り若しくは知り得べかりしにかかわらず、何ら異議を述べない場合には、最早かかる当事者を保護する必要はなく、却って当該訴訟行為を無効とすることは訴訟手続の安定と訴訟経済を著しく害することになるのみならず、当該弁護士を信頼して、これに訴訟行為を委任した他の一方の当事者をして不測の損害を蒙らしめる結果となる。従って、相手方たる当事者が弁護士に前記禁止規定違反のあることを知り又は知り得べかりしにかかわらず何ら異議を述べることなく訴訟手続を進行せしめ、第2審の口頭弁論を終結せしめたときは、当該訴訟行為は完全にその効力を生じ、弁護士法の禁止規定に違反することを理由として、その無効を主張することは許されないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H20 司法 第60問 2)
判例によれば、弁護士が、弁護士法第25条第1号の、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件については、その職務を行ってはならないとの規定に違反して、訴訟行為を行った場合には、相手方当事者は、当該訴訟行為に異議を述べ、裁判所に対し、排除を求めることができる。

(正答)

(解説)
弁護士法25条1項は、柱書本文において、「弁護士は、次に掲げる事件については、その職務を行ってはならない。」と規定し、1号において、「相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件」を掲げている。
これについて、判例(最大判昭38.10.30)は、「弁護士が右禁止規定に違反して職務を行ったときは…相手方たる当事者は、これに異議を述べ、裁判所に対しその行為の排除を求めることができる。」としている。

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代表取締役の職務執行停止及び職務代行者選任の仮処分がされた場合にその本案訴訟において会社を代表すべき者 最二小判昭和59年9月28日

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概要
代表取締役の職務執行停止及び職務代行者選任の仮処分がされた場合に、株主総会における取締役選任決議の無効確認請求訴訟において会社を代表すべき者は、職務の執行を停止された代表取締役ではなく、代表取締役職務代行者である。
判例
事案:代表取締役の職務執行停止及び職務代行者選任の仮処分がされた場合に、その本案訴訟において会社を代表すべき者が誰であるかが問題となった。

判旨:「株主総会における取締役選任決議の無効確認請求訴訟を本案とする取締役の職務執行停止、職務代行者選任の仮処分は、右本案訴訟の判決により確定的な解決がされるまでの間の暫定措置として、当該取締役の職務の執行を停止し、これを代行する者を選任する仮の地位を創設する仮処分であって、右仮処分により職務の執行を停止された取締役が代表取締役である場合には、仮処分に別段の定めのない限り、 右代表取締役は会社代表権の行使を含む一切の職務執行から排除され、これに代わって代表取締役の職務代行者として選任された者(以下、この者を『代表取締役職務代行者』という。)が会社代表者として会社の常務に属する一切の職務を行うべきこととなるのであり、したがって、当該仮処分の本案訴訟において被告たる会社を代表して訴訟の追行にあたる者も右代表取締役職務代行者であって職務の執行を停止された代表取締役ではないと解するのが相当である。けだし、株主総会の取締役選任決議の無効確認請求訴訟は、会社の株主総会決議の効力自体を争うものであり、その性質上会社のみが被告となりうるのであって、当該取締役個人は、右訴訟の結果いかんによってはその地位を失うことがあるとしても、右訴訟につき被告適格を有するものではなく(最高裁判所昭和34年(オ)第250号同36年11月24日第二小法廷判決・民集15巻10号2583頁参照)、代表取締役が右訴訟の追行にあたることができるのも、専ら会社の代表機関たる地位に基づくのであって、代表取締役個人の権利ないし利益に基づくわけではないのであるから、代表取締役が、仮処分によりその職務の執行を停止されながら、なお代表取締役個人の権利ないし利益の擁護のために会社代表者たる資格において右訴訟の追行にあたることを許さなければならないものとすべき理由はないからである。このように解しても、職務の執行を停止された代表取締役は、本案訴訟にいわゆる共同訴訟的補助参加をすることができるのであるから(最高裁判所昭和42年(オ)第867号同45年1月22日第一小法廷判決・民集24巻1号1頁参照)、代表取締役個人の権利ないし利益を擁護する途に欠けることになるとはいえないし、また、右仮処分の本案訴訟において何人が被告たる会社を代表して訴訟の追行にあたる権限を有するかは、本案の請求の当否とは別個の手続上の問題であるから、仮処分により職務の執行を停止された代表取締役は以後当該仮処分の効力として右権限を行使しえないことになるからといって、右仮処分における判断が本案の請求の判断に影響を及ぼしたことになるわけのものではない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 75%

(H27 予備 第32問 4)
株式会社の代表取締役の職務の執行を停止し、その職務を代行する者を選任する旨の仮処分が発令されている場合、その取締役を選任した株主総会決議が無効であることの確認を請求する本案訴訟において、当該株式会社を代表すべき者は、当該職務を代行する者である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭59.9.28)は、「株主総会における取締役選任決議の無効確認請求訴訟を本案とする取締役の職務執行停止、職務代行者選任の仮処分…により職務の執行を停止された取締役が代表取締役である場合には、仮処分に別段の定めのない限り、 右代表取締役は会社代表権の行使を含む一切の職務執行から排除され、これに代わって代表取締役の職務代行者として選任された者…が会社代表者として会社の常務に属する一切の職務を行うべきこととなるのであり、したがって、当該仮処分の本案訴訟において被告たる会社を代表して訴訟の追行にあたる者も右代表取締役職務代行者であって職務の執行を停止された代表取締役ではない…。」としている。

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法定代理権の消滅の通知を定める36条1項の適用範囲 大判昭和16年4月5日

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概要
法定代理権の消滅の通知(36条1項)は、相手方がその消滅を知っているかを問わず、その通知をしない限り、法定代理権が消滅したものと解することはできない。
判例
事案:法定代理権の消滅を相手方が知っている事案において、法定代理権の消滅の通知は、相手方がその消滅を知っている場合であっても、その通知をする必要があるかが問題となった。

判旨:「民事訴訟法第45条ニ依レハ訴訟無能力者ノ法定代理ハ同法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外民法其ノ他ノ法令ニ従フ旨明定セルヲ以テ若シ法定代理権ノ消滅ニ付民法第112条ニ従フモノトセンカ代理権ノ消滅ハ善意無過失ノ第三者ニ対抗シ得サルニ至リ第三者ノ善意悪意若クハ過失ノ有無如何ニ因リ対抗問題ヲ惹起シ延テ種々錯雑ナル関係ヲ招来スル虞アルヲ以テ民事訴訟法第57条第1項(現:36条1項)ハ斯ル複雑ナル結果ヲ一掃シ訴訟関係ノ画一且明確ヲ企図センカ為特ニ法定代理権ノ消滅ハ本人又ハ代理人ヨリ之ヲ相手方ニ通知スルニ非サレハ其ノ効ナキ旨規定セルモノトス従テ同条項所定ノ通知ハ其ノ相手方ニ於テ法定代理権消滅ノ事実ヲ知ルト否トヲ問ハス之ヲ為ササル限リ法定代理権消滅ノ効力発生セス」
過去問・解説
全体の正答率 : 66.6%

(H21 司法 第58問 エ)
株式会社の代表者の交替があった場合には相手方への通知が必要であるが、判例によれば、相手方がその交替の事実を知っている場合には、通知は不要である。

(正答)

(解説)
36条1項は、「法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じない。」と規定しており、37条は、「この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者…について準用する。」と規定している。
したがって、法人代表者の代表権消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じないことになる。
これについて、判例(大判昭16.4.5)は、「民事訴訟法第57条第1項(現:36条1項)…所定ノ通知ハ其ノ相手方ニ於テ法定代理権消滅ノ事実ヲ知ルト否トヲ問ハス之ヲ為ササル限リ法定代理権消滅ノ効力発生セス」として、法定代理権の消滅の通知は、相手方がその消滅を知っているかを問わず、その通知をしない限り、法定代理権が消滅したものと解することはできないとしている。
したがって、株式会社の代表者の交替があった場合において、相手方がその交替の事実を知っているときであっても、通知は必要である。

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訴訟代理人のない法人が追行する訴訟の係属中に代表者の代表権が消滅した場合に、それが公知の事実であるときの相手方への通知の要否 最三小判平成19年3月27日

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概要
訴訟当事者を代表していた者の代表権の消滅は、それが公知の事実である場合には、相手方に通知されなくても直ちにその効力を生ずる。
判例
事案:中華民国政府に代えて中華人民共和国政府を承認したことにより、中華民国政府から派遣されていた中華民国駐日本国特命全権大使が有していた中国国家の我が国における代表権が消滅した事案において、かかる事実が公知の事実として代理権消滅の通知があったものと同視し、代表権の消滅の効果が直ちに生じるといえるか問題となった。

判旨:「代表権の消滅が公知の事実である場合には、民訴法37条で準用される同法36条1項所定の通知があったものと同視し、代表権の消滅は、直ちにその効力を生ずると解するのが相当である。なぜなら、上記規定が、法定代理権の消滅について、相手方に通知しなければ、その効力を生じないと定めているのは、訴訟手続の安定性と明確性を確保し、相手方の保護を図る趣旨と解されるところ、上記の場合には、代表権の消滅が直ちにその効力を生ずるとしても、訴訟手続の安定性と明確性は害されず、相手方の保護に欠けるところはないと解されるからである。
 また、本件のように、訴訟代理人が外国国家の外交使節から訴訟代理権の授与を受けて訴訟を提起した後に、我が国政府が、当該外国国家の政府として、上記外交使節を派遣していた従前の政府に代えて新たな政府を承認したことによって、上記外交使節の我が国における当該外国国家の代表権が消滅した場合には、民訴法37条、124条2項、同条1項3号の規定にかかわらず、上記代表権の消滅の時点で、訴訟手続は中断すると解するのが相当である。なぜなら、上記規定は、訴訟代理人が選任されているときには、当該訴訟代理人が訴訟の実情に通暁しており、一般にそのまま訴訟を追行させたとしても、当事者の利益を害するおそれがないことから、訴訟手続の中断事由が生じたとしても、訴訟代理権は消滅しないものとして(同法58条1項4号参照)、訴訟手続の中断についての例外を定めたものと解されるところ、上記の場合、従前の政府の承認が取り消されたことにより、従前の政府が上記代表権の発生母体としての根拠を失ったために上記代表権が消滅したのであって、単に代表権のみが消滅した場合とは実質を異にする上、新たに承認された政府が従前の政府と利害の異なる関係にあることは明らかであるので、従前の政府から派遣されていた外交使節からの訴訟代理権の授与しか受けていない訴訟代理人がそのまま訴訟を追行することは、新たな政府が承認された後の上記外国国家の利益を害するおそれがあるというべきだからである。
 そうすると、本件の訴訟手続は、民訴法37条、124条1項3号の規定により、第1次第1審に係属していた昭和47年9月29日の時点で中断したものというべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 66.6%

(R6 予備 第36問 4)
訴訟代理人のない法人が追行する訴訟の係属中にその代表者の代表権が消滅した場合において、その代表権の消滅が公知の事実であるときは、相手方にその旨の通知がなくとも、代表権の消滅があった時点で訴訟手続は中断する。

(正答)

(解説)
判例(最判平19.3.27)は、「代表権の消滅が公知の事実である場合には、民訴法37条で準用される同法36条1項所定の通知があったものと同視し、代表権の消滅は,直ちにその効力を生ずる…。」とした上で、「民訴法37条、124条2項、同条1項3号の規定にかかわらず、上記代表権の消滅の時点で、訴訟手続は中断する…。」としている。

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会社の訴訟上の代表者の確定と民法109条、商法262条の適用の有無 最三小判昭和45年12月15日

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概要
民法109条、商法262条は、会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたっては、適用されない。
判例
事案:会社の訴訟上の代表者の確定について、民法109条、商法262条の適用の有無が問題となった。

判旨:「民法109条および商法262条の規定は、いずれも取引の相手方を保護し、取引の安全を図るために設けられた規定であるから、取引行為と異なる訴訟手続において会社を代表する権限を有する者を定めるにあたっては適用されないものと解するを相当とする。この理は、同様に取引の相手方保護を図った規定である商法42条1項が、その本文において表見支配人のした取引行為について一定の効果を認めながらも、その但書において表見支配人のした訴訟上の行為について右本文の規定の適用を除外していることから考えても明らかである。したがって、本訴において、Dには被上告会社の代表者としての資格はなく、同人を被告たる被上告会社の代表者として提起された本件訴は不適法である旨の原審の判断は正当である。
 そうして、右のような場合、訴状は、民訴法58条、165条(現:37条、102条)により、被上告会社の真正な代表者に宛てて送達されなければならないところ、記録によれば、本件訴状は、被上告会社の代表者として表示されたDに宛てて送達されたものであることが認められ、Dに訴訟上被上告会社を代表すべき権限のないことは前記説示のとおりであるから、代表権のない者に宛てた送達をもってしては、適式を訴状送達の効果を生じないものというべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H21 司法 第58問 イ)
株式会社の登記簿上の代表者が、代表者として訴訟を追行した場合において、株式会社が敗訴判決を受けたとき、判例によれば、株式会社は、代表権限がなかったことを理由として再審の訴えを提起することはできない。

(正答)

(解説)
338条1項3号は、再審事由の1つとして、「法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと」を掲げている。
これについて、判例(最判昭45.12.15)は、「民法109条および商法262条の規定は、いずれも取引の相手方を保護し、取引の安全を図るために設けられた規定であるから、取引行為と異なる訴訟手続において会社を代表する権限を有する者を定めるにあたっては適用されないものと解するを相当とする。」として、表見代理の規定の適用を否定している。
したがって、株式会社は、代表権限がなかったことを理由として再審の訴えを提起することができる。

該当する過去問がありません

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