現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
訴訟参加(訴訟承継) - 解答モード
「その訴訟の目的である義務…を承継した…第三者」の意義 最三小判昭和41年3月22日
概要
判例
判旨:「賃貸人が、土地賃貸借契約の終了を理由に、賃借人に対して地上建物の収去、土地の明渡を求める訴訟が係属中に、土地賃借人からその所有の前記建物の一部を賃借し、これに基づき、当該建物部分および建物敷地の占有を承継した者は、民訴法74条(現:50条1項)にいう『其ノ訴訟ノ目的タル債務ヲ承継シタル』者に該当すると解するのが相当である。けだし、土地賃借人が契約の終了に基づいて土地賃貸人に対して負担する地上建物の収去義務は、右建物から立ち退く義務を包含するものであり、当該建物収去義務の存否に関する紛争のうち建物からの退去にかかる部分は、第三者が土地賃借人から係争建物の一部および建物敷地の占有を承継することによって、第三者の土地賃貸人に対する退去義務の存否に関する紛争という型態をとって、右両者間に移行し、第三者は当該紛争の主体たる地位を土地賃借人から承継したものと解されるからである。これを実質的に考察しても、第三者の占有の適否ないし土地賃貸人に対する退去義務の存否は、帰するところ、土地賃貸借契約が終了していないとする土地賃借人の主張とこれを支える証拠関係(訴訟資料)に依存するとともに、他面において、土地賃貸人側の反対の訴訟資料によって否定されうる関係にあるのが通常であるから、かかる場合、土地賃貸人が、第三者を相手どって新たに訴訟を提起する代わりに、土地賃借人との間の既存の訴訟を第三者に承継させて、従前の訴訟資料を利用し、争いの実効的な解決を計ろうとする要請は、民訴法74条(現:50条)の法意に鑑み、正当なものとしてこれを是認すべきであるし、これにより第三者の利益を損うものとは考えられないのである。そして、たとえ、土地賃貸人の第三者に対する請求が土地所有権に基づく物上請求であり、土地賃借人に対する請求が債権的請求であって、前者と後者とが権利としての性質を異にするからといって、叙上の理は左右されないというべきである。」
過去問・解説
(H22 共通 第72問 4)
判例によれば、土地賃貸借契約の終了を理由とする建物収去土地明渡請求訴訟の係属中に、第三者が被告から建物の一部を賃借し、当該建物の一部及び建物敷地の占有を承継した場合、裁判所は、原告の申立てがあっても、当該第三者に訴訟を引き受けさせることができない。
(正答)✕
(解説)
50条1項は、義務の引受承継について、「訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、当事者の申立てにより、決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判昭41.3.22)は、「賃貸人が、土地賃貸借契約の終了を理由に、賃借人に対して地上建物の収去、土地の明渡を求める訴訟が係属中に、土地賃借人からその所有の前記建物の一部を賃借し、これに基づき、当該建物部分および建物敷地の占有を承継した者は、民訴法74条(現:50条1項)にいう『其ノ訴訟ノ目的タル債務ヲ承継シタル』者に該当する…。」としている。
したがって、本肢のような場合、裁判所は、原告から50条1項に基づく訴訟引受の申立てがあれば、当該第三者に訴訟を引き受けさせることができる。
(R2 予備 第33問 4)
XのYに対する土地の賃貸借契約の終了に基づく建物収去土地明渡請求訴訟の係属中にZがYからその建物の全部を借り受けてその土地を占有する場合において、裁判所は、Zに対して所有権に基づき建物退去土地明渡しを求めるとしてされたXの訴訟の引受けの申立てにより、Zに訴訟を引き受けさせることができる。
(正答)〇
(解説)
50条1項は、義務の引受承継について、「訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、当事者の申立てにより、決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判昭41.3.22)は、「賃貸人が、土地賃貸借契約の終了を理由に、賃借人に対して地上建物の収去、土地の明渡を求める訴訟が係属中に、土地賃借人からその所有の前記建物の一部を賃借し、これに基づき、当該建物部分および建物敷地の占有を承継した者は、民訴法74条(現:50条1項)にいう『其ノ訴訟ノ目的タル債務ヲ承継シタル』者に該当すると解するのが相当である。」としている。
土地上の建物の全部を借りた場合でも、一部を借りた場合と同様に、退去義務の存否という紛争の主体たる地位を承継したといえるため、全部を借り受けたからといって結論は変わらない。
したがって、裁判所は、Zに訴訟を引き受けさせることができる。
上告審における訴訟引受申立の許否 最二小判昭和37年10月12日
概要
判例
判旨:「民訴74条(現:50条)による訴訟引受の申立は事実審の口頭弁論終結前に限ってなされるべきものであり、上告審において右申立をなすことは許されないから、本件申立は不適法として却下すべきである。」
過去問・解説
(H21 司法 第71問 1)
被承継人の相手方は、承継人に対し、承継したものが義務であっても権利であっても訴訟引受けの申立てをすることができるが、申立ての時期は事実審の口頭弁論終結前に限られる。
(正答)〇
(解説)
50条1項は、義務の引受承継について、「訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、当事者の申立てにより、決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。」と規定している。そして、51条後段は、権利の引受承継について、「前条の規定は訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である権利の全部又は一部を譲り受けた場合について準用する。」と規定している。
したがって、被承継人の相手方は、承継人に対し、承継したものが義務であっても権利であっても訴訟引受けの申立てをすることができる。
また、判例(最判昭37.10.12)は、申立ての時期について、「訴訟引受の申立は事実審の口頭弁論終結前に限ってなされるべき。」としている。
(R1 予備 第33問 3)
XのYに対する訴訟が上告裁判所に係属中にZがYから訴訟の目的である義務の全部を承継した場合において、Xは、上告裁判所に対し、訴訟の引受けの申立てをすることはできない。