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民事訴訟法 訴訟物が金銭債権である訴と一定金額の表示の要否 最一小判昭和27年12月25日 - 解答モード

概要
金銭債権についての訴えにおいては、請求の趣旨には、訴訟物たる債権の金額を表示することを要する。
判例
事案:原告が、訴状に訴訟物たる債権の金額を記入せず、かつその後も金額を表示する措置を一切取らなかった事案において、訴訟物が金銭債権である訴えについて、一定の金額を表示する必要があるかが問題となった。

判旨:「訴状には請求の趣旨すなわち、原告が訴訟物につき如何なる範囲で如何なる内容の判決を要求するかを記載しなければならず(民訴224条1項、186条、199条1項(現:134条2項、246条、114条1項)参照)もし訴訟物が金銭債権であれば必ずその金額を一定してこれが範囲を明確にすることを要するのであって、このことは、それが給付の訴であると確認の訴であるとにより毫も差異はないのである。ところで本件上告人の訴は不法行為を原因とする損害賠償債権存在の確認を求めるものであり、その訴訟物が金銭債権であることは記録上明白である。しかるに、上告人は本件訴状に右債権の金額を記載せず、その后も遂に訴訟物たる債権の一定金額を表示する措置を採らなかったのであるから右訴は不適法として却下するの外はなく、これと同趣旨に出でた原判決は正当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50%

(H19 司法 第66問 2)
損害賠償請求訴訟については、損害額の算定が容易でない場合があるから、請求の趣旨に具体的金額を記載することに代え、裁判所が相当と認める金額の支払を求める旨の記載をすることができる。

(正答)

(解説)
134条2項2号は、訴状の必要的記載事項の1つとして、「請求の趣旨」を掲げている。
これについて、判例(最判昭27.12.25)は、「訴状には請求の趣旨すなわち、原告が訴訟物につき如何なる範囲で如何なる内容の判決を要求するかを記載しなければならず…もし訴訟物が金銭債権であれば必ずその金額を一定してこれが範囲を明確にすることを要する。」としている。
したがって、請求の趣旨に具体的金額を記載することに代え、裁判所が相当と認める金額の支払を求める旨の記載をすることはできない。


全体の正答率 : 100%

(H22 共通 第68問 2)
東京都目黒区に住所を有するXは、自ら自動車を運転して横浜市内の交差点に差し掛かったところ、静岡市に住所を有するYの運転する自動車と衝突する交通事故に遭った。そこで、Xは、Yを被告として、不法行為に基づく損害賠償を求める訴えを提起した。 
Xが慰謝料の支払のみを求める場合、Xは、請求の趣旨として「被告は、原告に対し、裁判所が相当と認める金額を支払え。」と記載すれば足りる。

(正答)

(解説)
134条2項2号は、訴状の必要的記載事項の1つとして、「請求の趣旨」を掲げている。
これについて、判例(最判昭27.12.25)は、本肢と同種の事案において、「原告が訴訟物につき如何なる範囲で如何なる内容の判決を要求するかを記載しなければならず···もし訴訟物が金銭債権であれば必ずその金額を一定してこれが範囲を明確にすることを要する。」としている。
したがって、Xが慰謝料の支払のみを求める場合、Xは、請求の趣旨として「被告は、原告に対し、裁判所が相当と認める金額を支払え。」と記載するだけでは足りない。


全体の正答率 : 100%

(R5 予備 第37問 ウ)
原告が、貸金100万円のうち被告から弁済を受けた70万円を控除した残額である30万円の返還を求める訴えを提起する場合には、原告は、請求を特定するために、訴状において、70万円の弁済を受けたとの事実を記載しなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭27.12.25)は、「訴訟物が金銭債権であれば必ずその金額を一定してこれが範囲を明確にすることを要するのであって、このことは、それが給付の訴であると確認の訴であるとにより毫も差異はない。」としているため、金額の明示は必要となる。
しかし、134条2項2号は、訴状の必要的記載事項の1つとして、「請求の趣旨」を掲げている。また、民事訴訟規則53条1項は、「訴状には、請求の趣旨及び請求の原因(請求を特定するのに必要な事実をいう。)を記載するほか、請求を理由づける事実を具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載しなければならない。」と規定している。
そうすると、原告は、請求原因事実を記載すべきことになるところ、本問の訴えの訴訟物は消費貸借契約に基づく貸金返還請求権(民法587条)であり、その請求原因は①金銭の返還約束、②金銭の交付、③返還時期の合意、④返還時期の到来である。
したがって、弁済を受けた事実は抗弁として被告が主張すべきものであるから、原告は、請求を特定するために、訴状において、70万円の弁済を受けたとの事実を記載する必要はない。

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