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民事訴訟法 境界確定訴訟の控訴審における不利益変更禁止の原則 最三小判昭和38年10月15日 - 解答モード
概要
②①が実際上控訴人にとって不利であり、附帯控訴をしない被控訴人に有利である場合であっても、不利益変更禁止の原則の適用はないものと解する。
判例
判旨:①「境界確定訴訟にあっては、裁判所は当事者の主張に覊束されることなく、自らその正当と認めるところに従って境界線を定むべきものであって、すなわち、客観的な境界を知り得た場合にはこれにより、客観的な境界を知り得ない場合には常識に訴え最も妥当な線を見出してこれを境界と定むべく、かくして定められた境界が当事者の主張以上に実際上有利であるか不利であるかは問うべきではないのであり、当事者の主張しない境界線を確定しても民訴186条(現:246条)の規定に違反するものではないのである(大審院大正12年6月2日民事連合部判決、民集2巻345頁、同院昭和11年3月10日判決、民集15巻695頁参照)。されば、第1審判決が一定の線を境界と定めたのに対し、これに不服のある当事者が控訴の申立をした場合においても、控訴裁判所が第1審判決の定めた境界線を正当でないと認めたときは、第1審判決を変更して、自己の正当とする線を境界と定むべきものであ…る。」
②「その結果が控訴人にとり実際上不利であり、附帯控訴をしない被控訴人に有利であっても問うところではなく、この場合には、いわゆる不利益変更禁止の原則の適用はないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H20 司法 第56問 3)
筆界(境界)確定の訴えにおいて、審理の結果、証拠上筆界が明らかにならなかった場合には、裁判所は、請求棄却判決をする。
(H20 司法 第56問 5)
筆界(境界)確定の訴えにおいて、第1審判決を不服として第1審被告が控訴した場合、不利益変更禁止の原則により、控訴審裁判所は、第1審判決を第1審原告に有利に変更することはできない。
(H22 共通 第56問 エ)
筆界(境界)確定の訴えの控訴審においては、不利益変更禁止の原則の適用はない。
(H29 予備 第44問 3)
所有権確認訴訟では、原告の主張する所有権の範囲より原告に有利な内容の判決をすることはできないが、筆界(境界)確定訴訟では、原告の主張する筆界(境界)より原告に有利な内容の判決をすることはできる。
(R1 予備 第42問 3)
境界確定訴訟において、裁判所は、原告の請求を棄却するとの判決をすることができる。
(R4 予備 第35問 イ)
一定の線を筆界と定めた第1審判決に対し、これに不服のある当事者の一方のみが控訴し、附帯控訴がされていない場合であっても、控訴裁判所は、第1審判決を変更して、第1審判決が定めた筆界よりも更に控訴人にとって不利な筆界を定めることができる。
(正答)〇
(解説)
304条は、「第1審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、これをすることができる。」として、不利益変更禁止原則について規定している。
これについて、判例(最判昭38.10.15)は、「第1審判決が一定の線を境界と定めたのに対し、これに不服のある当事者が控訴の申立をした場合においても、控訴裁判所が第1審判決の定めた境界線を正当でないと認めたときは、第1審判決を変更して、自己の正当とする線を境界と定むべきものであり、その結果が控訴人にとり実際上不利であり、附帯控訴をしない被控訴人に有利であっても問うところではなく、この場合には、いわゆる不利益変更禁止の原則の適用はない…。」としている。
したがって、控訴裁判所は、第1審判決を変更して、第1審判決が定めた筆界よりも更に控訴人にとって不利な筆界を定めることができる。