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民事訴訟法 民事訴訟法220条3号後段にいう法律関係文書の意義 最一小決平成12年3月10日 - 解答モード
概要
文部大臣の諮問機関である教科用図書検定調査審議会が作成した教科用図書についての判定内容を記載した書面及びその内容を記載した文部大臣に対する報告書は、民訴法220条3号後段の文書に当たらない。
判例
事案:教科用図書検定調査審議会の作成した文書について、文書提出命令の申立がなされた事案において、当該文書が220条3号後段の文書に当たらないかが問題となった。
判旨:「民訴法220条3号後段の文書には、文書の所持者が専ら自己使用のために作成した内部文書(以下『内部文書』という。)は含まれないと解するのが相当である。
これを本件についてみるに、本件文書…は、検定意見を通知し必要な修正が行われた後に再度審査を行うのが適当であるとの検定審議会の判定内容を記載した書面及び検定審議会がその旨を記載して文部大臣に提出した報告書を指すものと解されるところ、これらはいずれも、検定審議会が、文部大臣の判断を補佐するため、本件申請図書を調査審議し、議決内容を建議するという所掌事務の遂行過程において、本件申請図書の判定内容の記録として…また、議決した内容を文部大臣に報告する手段として…文部省内部において使用されるために作成された文書であることが明らかである。これらの文書は、その作成について法令上何ら定めるところはなく、これらを作成するか否か、何をどの程度記載するかは、検定審議会に一任されており、また、申請者等の外部の者に交付するなど記載内容を公表することを予定しているとみるべき特段の根拠も存しない。以上のような文書の記載内容、性質、作成目的等に照らせば、本件文書…は、文部大臣が行う本件申請図書の検定申請の合否判定の意思を形成する過程において、諮問機関である検定審議会が、所掌事務の一環として、専ら文部省内部において使用されることを目的として作成した内部文書というべきである。」
判旨:「民訴法220条3号後段の文書には、文書の所持者が専ら自己使用のために作成した内部文書(以下『内部文書』という。)は含まれないと解するのが相当である。
これを本件についてみるに、本件文書…は、検定意見を通知し必要な修正が行われた後に再度審査を行うのが適当であるとの検定審議会の判定内容を記載した書面及び検定審議会がその旨を記載して文部大臣に提出した報告書を指すものと解されるところ、これらはいずれも、検定審議会が、文部大臣の判断を補佐するため、本件申請図書を調査審議し、議決内容を建議するという所掌事務の遂行過程において、本件申請図書の判定内容の記録として…また、議決した内容を文部大臣に報告する手段として…文部省内部において使用されるために作成された文書であることが明らかである。これらの文書は、その作成について法令上何ら定めるところはなく、これらを作成するか否か、何をどの程度記載するかは、検定審議会に一任されており、また、申請者等の外部の者に交付するなど記載内容を公表することを予定しているとみるべき特段の根拠も存しない。以上のような文書の記載内容、性質、作成目的等に照らせば、本件文書…は、文部大臣が行う本件申請図書の検定申請の合否判定の意思を形成する過程において、諮問機関である検定審議会が、所掌事務の一環として、専ら文部省内部において使用されることを目的として作成した内部文書というべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%
(R3 予備 第40問 3)
裁判所は、専ら所持者の利用に供するための文書に当たる文書について、挙証者と当該文書の所持者との間の法律関係について作成された文書であることを理由として、その提出を命ずることができない。
(正答)〇
(解説)
220条は、柱書において、「次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。」と規定し、3号において、「文書が挙証者の利益のために作成され、又は挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたとき。」を掲げている。
これについて判例(最決平12.3.10)は、「民訴法220条3号後段の文書には、文書の所持者が専ら自己使用のために作成した内部文書…は含まれない…。」としている。
したがって、裁判所は、専ら所持者の利用に供するための文書に当たる文書について、挙証者と当該文書の所持者との間の法律関係について作成された文書であることを理由として、その提出を命ずることができない。