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公訴提起(公訴時効) - 解答モード
「犯罪行為が終った時」(253条1項)の意義 最三小決昭和63年2月29日
概要
①253条1項にいう「犯罪行為」には、刑法各本条所定の結果も含まれる。
②業務上過失致死罪の公訴時効は、被害者の受傷から死亡までの間に業務上過失傷害罪の公訴時効期間が経過したか否かにかかわらず、その死亡の時点から進行する。
②業務上過失致死罪の公訴時効は、被害者の受傷から死亡までの間に業務上過失傷害罪の公訴時効期間が経過したか否かにかかわらず、その死亡の時点から進行する。
判例
事案:いわゆる熊本水俣病事件において、被告人らが、胎児段階で水俣病を発病し、出生後12歳9か月にして同疾病により死亡した被害者に対する業務上過失致死罪に問われたところ、公訴時効の成立を主張した事案において、①253条1項の「犯罪行為」の意義、及び、②被害者が受傷後期間を経て死亡した場合における業務上過失致死罪の公訴時効の起算点が問題となった。
判旨:①「公訴時効の起算点に関する刑訴法253条1項にいう『犯罪行為』とは、刑法各本条所定の結果をも含む趣旨と解するのが相当である...。」
②「Vを被害者とする業務上過失致死罪の公訴時効は、当該犯罪の終了時である同人死亡の時点から進行を開始するのであって、出生時に同人を被害者とする業務上過失傷害罪が成立したか否か、そして、その後同罪の公訴時効期間が経過したか否かは、前記業務上過失致死罪の公訴時効完成の有無を判定するに当たっては、格別の意義を有しないものというべきである。」
判旨:①「公訴時効の起算点に関する刑訴法253条1項にいう『犯罪行為』とは、刑法各本条所定の結果をも含む趣旨と解するのが相当である...。」
②「Vを被害者とする業務上過失致死罪の公訴時効は、当該犯罪の終了時である同人死亡の時点から進行を開始するのであって、出生時に同人を被害者とする業務上過失傷害罪が成立したか否か、そして、その後同罪の公訴時効期間が経過したか否かは、前記業務上過失致死罪の公訴時効完成の有無を判定するに当たっては、格別の意義を有しないものというべきである。」
観念的競合の事件の公訴時効の算定 最一小判昭和41年4月21日
概要
1個の行為が数個の罪名に触れる場合における公訴の時効期間算定については、各別に論ずることなく、これを一体として観察し、その最も重い罪の刑につき定めた時効期間によるのを相当とする。
判例
事案:被告人が、選挙に際して支援者に報酬を支払い、票の取りまとめを依頼したところ、公職選挙法上の供与罪、事前運動罪に問われ、両罪は観念的競合とされた事案において、観念的競合の場合における公訴時効の算定方法が問題となった。
判旨:「刑法54条1項前段のいわゆる観念的競合は、1個の行為が数個の罪名に触れる場合に、科刑上一罪として取り扱うものであるから、公訴の時効期間算定については、各別に論ずることなく、これを一体として観察し、その最も重い罪の刑につき定めた時効期間によるを相当とする。」
判旨:「刑法54条1項前段のいわゆる観念的競合は、1個の行為が数個の罪名に触れる場合に、科刑上一罪として取り扱うものであるから、公訴の時効期間算定については、各別に論ずることなく、これを一体として観察し、その最も重い罪の刑につき定めた時効期間によるを相当とする。」
「犯人が国外にいる場合」(255条1項前段)の意義 最三小判昭和37年9月18日
概要
255条第1項前段は、犯人が国外にいる場合は、そのことだけで、公訴の時効はその国外にいる期間中進行を停止することを規定したものである。
判例
事案:被告人が、中華人民共和国へ、有効な旅券に出国の証印を受けないで出国していたが、この事実を捜査機関は知らなかった事案において、かかる場合にも公訴時効の進行が停止するかが問題となった。
判旨:「255条1項...前段の『犯人が国外にいる場合』は、同項後段の『犯人が逃げ隠れている』場合と異なり、公訴時効の進行停止につき、起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかったことを前提要件とするものでないことは、規定の明文上疑いを容れないところであり、また、犯人が国外にいる場合は、実際上わが国の捜査権がこれに及ばないことにかんがみると、犯人が国内において逃げ隠れている場合とは大いに事情を異にするのであって、捜査官において犯罪の発生またはその犯人を知ると否とを問わず、犯人の国外にいる期間、公訴時効の進行を停止すると解することには、十分な合理的根拠があるというべきである。」
判旨:「255条1項...前段の『犯人が国外にいる場合』は、同項後段の『犯人が逃げ隠れている』場合と異なり、公訴時効の進行停止につき、起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかったことを前提要件とするものでないことは、規定の明文上疑いを容れないところであり、また、犯人が国外にいる場合は、実際上わが国の捜査権がこれに及ばないことにかんがみると、犯人が国内において逃げ隠れている場合とは大いに事情を異にするのであって、捜査官において犯罪の発生またはその犯人を知ると否とを問わず、犯人の国外にいる期間、公訴時効の進行を停止すると解することには、十分な合理的根拠があるというべきである。」
過去問・解説
(H21 司法 第30問 5)
犯人が国外にいる場合には、時効は、その国外にいる期間その進行を停止するが、捜査機関が犯罪の発生又は犯人を知らない場合には、犯人が国外にいることだけでは、時効は、その進行を停止しない。