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新株予約権 - 解答モード

条文
第236条(新株予約権の内容)
① 株式会社が新株予約権を発行するときは、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。                
 一 当該新株予約権の目的である株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法        
 二 当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法        
 三 金銭以外の財産を当該新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額        
 四 当該新株予約権を行使することができる期間        
 五 当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項        
 六 譲渡による当該新株予約権の取得について当該株式会社の承認を要することとするときは、その旨        
 七 当該新株予約権について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができることとするときは、次に掲げる事項        
  イ 一定の事由が生じた日に当該株式会社がその新株予約権を取得する旨及びその事由
  ロ 当該株式会社が別に定める日が到来することをもってイの事由とするときは、その旨
  ハ イの事由が生じた日にイの新株予約権の一部を取得することとするときは、その旨及び取得する新株予約権の一部の決定の方法
  二 イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその算定方法
  ホ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
  へ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の他の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)を交付するときは、当該他の新株予約権の内容及び数又はその算定方法
  ト イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは、当該新株予約権付社債についてのホに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのヘに規定する事項
  チ イの新株予約権を取得するのと引換えに当該新株予約権の新株予約権者に対して当該株式会社の株式等以外の財産を交付するときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
 八 当該株式会社が次のイからホまでに掲げる行為をする場合において、当該新株予約権の新株予約権者に当該イからホまでに定める株式会社の新株予約権を交付することとするときは、その旨及びその条件        
  イ 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 合併後存続する株式会社又は合併により設立する株式会社
  ロ 吸収分割 吸収分割をする株式会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継する株式会社
  ハ 新設分割 新設分割により設立する株式会社
  二 株式交換 株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する株式会社
  ホ 株式移転 株式移転により設立する株式会社
 九 新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に1株に満たない端数がある場合において、これを切り捨てるものとするときは、その旨        
 十 当該新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)に係る新株予約権証券を発行することとするときは、その旨        
 十一 前号に規定する場合において、新株予約権者が第290条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨        
② 新株予約権付社債に付された新株予約権の数は、当該新株予約権付社債についての社債の金額ごとに、均等に定めなければならない。                
③ 金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第361条第1項第4号又は第5号ロに掲げる事項についての定めに従い新株予約権を発行するときは、第1項第2号に掲げる事項を当該新株予約権の内容とすることを要しない。この場合において、当該株式会社は、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。                
 一 取締役の報酬等として又は取締役の報酬等をもってする払込みと引換えに当該新株予約権を発行するものであり、当該新株予約権の行使に際してする金銭の払込み又は第1項第3号の財産の給付を要しない旨        
 二 定款又は株主総会の決議による第361条第1項第4号又は第5号ロに掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、当該新株予約権を行使することができない旨        
④ 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第361条第1項第4号又は第5号ロに掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第409条第3項第4号又は第5号ロに定める事項についての決定」と、同項第1号中「取締役」とあるのは「執行役若しくは取締役」と、同項第2号中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。                
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H21 司法 第40問 エ)
株式会社は、自己の新株予約権を取得することができない。

(正答)

(解説)
236条1項7号柱書は、新株予約権の内容とすることのできる事項の1つとして、「新株予約権について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができることとする」ことを掲げている。
したがって、株式会社は自己の新株予約権を取得することができる。


全体の正答率 : 0.0%

(H26 司法 第41問 ウ)
新株予約権の行使に際し、金銭以外の財産を出資の目的とすることができる。

(正答)

(解説)
236条1項3号は、新株予約権の内容としなければならない事項について、「金銭以外の財産を当該新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額」と掲げており、金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とできることを前提としている。
したがって、新株予約権の行使に際し、金銭以外の財産を出資の目的とすることができる。


全体の正答率 : 100.0%

(H30 予備 第18問 イ)
株式会社が新株予約権を発行する場合には、当該新株予約権の内容として、合併により当該株式会社が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者に合併後存続する株式会社の新株予約権を交付することとする旨及びその条件を定めることはできない。

(正答)

(解説)
236条1項8号柱書は、株式会社が新株予約権を発行するときに、当該新株予約権の内容としなければならない事項として、「当該株式会社が次のイからホまでに掲げる行為をする場合において、当該新株予約権の新株予約権者に当該イからホまでに定める株式会社の新株予約権を交付することとするときは、その旨及びその条件」と規定し、イにおいて、「合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。) 合併後存続する株式会社又は合併により設立する株式会社」を掲げている。
したがって、株式会社が新株予約権を発行する場合には、当該新株予約権の内容として、合併により当該株式会社が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者に合併後存続する株式会社の新株予約権を交付することとする旨及びその条件を定めることができる。

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条文
第238条(募集事項の決定)
① 株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。        
 一 募集新株予約権の内容及び数
 二 募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨
 三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権1個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法
 四 募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。)
 五 募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日
 六 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第676条各号に掲げる事項
 七 前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第118条第1項、第179条第2項、第777条第1項、第787条第1項又は第808条第1項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め
② 募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。        
③ 次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第1号の条件又は第2号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。        
 一 第1項第2号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。
 二 第1項第3号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。
④ 種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。        
⑤ 募集事項は、第1項の募集ごとに、均等に定めなければならない。        
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H26 予備 第23問 5)
新株予約権の行使(その行使に際して会社が交付する株式の全部が自己株式である場合を除く。)が行われた場合、資本金の額及び発行済株式の総数のいずれについても変化がない。

(正答)

(解説)
445条1項は、「資本金の額は…株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込又は給付した財産の額とする。」と規定している。そして、236条1項は、新株予約権を発行する場合に新株予約権の内容としなければならないものとして、2号において、「当該新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法」、を、3号において、「金銭以外の財産を当該新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額」を、それぞれ掲げている。そのため、新株予約権の行使に際しては、金銭の払込み又は財産の給付が必要となり、資本金額は増加する。
また、新株予約権が行使されれば、新たな株式が発行されることになるから、発行済株式の総数も増加する。
したがって、新株予約権の行使(その行使に際して会社が交付する株式の全部が自己株式である場合を除く。)が行われた場合、資本金の額及び発行済株式の総数のいずれについても増加する。


(H26 司法 第41問 ア)
会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めなければならない。

(正答)

(解説)
238条1項5号は、株式会社が新株予約権を引き受ける者の募集をしようとする場合に定めなければならない事項の1つとして、「募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日」を掲げている。そのため、払込期日の定めは必要ではない。
したがって、会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定める必要はない。


(R6 予備 第19問 ウ)
株式会社は、株主に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当てをすることができる。

(正答)

(解説)
238条1項2号は、新株予約権を引き受ける者の募集をする場合に定めなければならない事項の1つとして、「募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨」を掲げており、金銭の払込みをさせない場合を許容している。
したがって、株式会社は、株主に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の新株予約権の割当てをすることができる。

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条文
第240条(公開会社における募集事項の決定の特則)
① 第238条第3項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第2項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。この場合においては、前条の規定は、適用しない。
② 公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第238条第2項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の2週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。
③ 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
④ 第2項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の2週間前までに金融商品取引法第④条第1項から第3項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。
過去問・解説

(H21 司法 第40問 オ)
募集新株予約権の行使に際して出資される財産の価額が当該募集新株予約権の発行時の株価より著しく低い場合には、その募集事項の決定は、株主総会の特別決議によらなければならない。

(正答)

(解説)
238条2項は、新株予約権の募集事項の決定について、公開会社においても払込金額が特に有利な条件であるときは、「株主総会の決議によらなければならない。」としている。また、309条2項6号は、株主総会の特別決議によらなければならないと事項として、「238条2項」を掲げている。
他方で、募集新株予約権の行使に際して出資される財産の価額が当該募集新株予約権の発行時の株価よりも著しく低い場合に、募集事項の決定を株主総会の特別決議によらなければならないとする規定は存在しない。
したがって、募集新株予約権の行使に際して出資される財産の価額が当該募集新株予約権の発行時の株価より著しく低い場合には、その募集事項の決定は、株主総会の特別決議による必要はない。


(H22 司法 第39問 ア)
会社法上の公開会社がいわゆるストック・オプションとして募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないで募集新株予約権を発行するには、募集事項の決定を株主総会の特別決議によってしなければならない。

(正答)

(解説)
240条1項は、公開会社における新株予約権の募集事項の決定機関について、「234条第3項各号に掲げる場合を除き…『株主総会』とあるのは、『取締役会』とする。」と規定している。そして、募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないで募集新株予約権を発行する場合は、234条3項各号に掲げられていない。
したがって、会社法上の公開会社がいわゆるストック・オプションとして募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないで募集新株予約権を発行するには、募集事項の決定は、株主総会の特別決議ではなく、取締役会の決議によれば足りる。


(H28 予備 第19問 ウ)
甲株式会社は、会社法上の公開会社でない取締役会設置会社であり、これまで新株予約権を発行したことがない。甲株式会社の発行可能株式総数は1万株で、発行済株式の総数は8500株(自己株式500株を含む。)である。甲株式会社の株主総会の決議によって、募集新株予約権についての募集事項の決定を取締役会に委任し、取締役会がその委任に基づいて募集事項を決定した場合には、甲株式会社は、割当日の2週間前までに、当該募集事項を株主に通知し、又は公告しなければならない。

(正答)

(解説)
240条2項は、「公開会社は、…取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の2週間前までに…通知をしなければならない。」と規定している。
他方で、非公開会社においては、そのような規定は、存在しない。
したがって、非公開会社である甲株式会社の株主総会の決議によって、募集新株予約権についての募集事項の決定を取締役会に委任し、取締役会がその委任に基づいて募集事項を決定した場合には、甲株式会社は、割当日の2週間前までに、当該募集事項を株主に通知し、又は公告する必要はない。


(H30 予備 第18問 ア)
会社法上の公開会社が、その取締役に対し、職務執行の対価として、募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととして、その新株予約権を発行する場合には、金銭の払込みを要しないこととすることが当該取締役に特に有利な条件でないときであっても、株主総会の特別決議によって、当該募集新株予約権の募集事項を定めなければならない。

(正答)

(解説)
240条1項は、公開会社における新株予約権の募集事項の決定機関について、「234条第3項各号に掲げる場合を除き…『株主総会』とあるのは、『取締役会』とする。」と規定している。
そして、234条3項各号は、募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないで募集新株予約権を発行する場合について、掲げていない。
したがって、会社法上の公開会社が、その取締役に対し、職務執行の対価として、募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととして、その新株予約権を発行する場合には、当該募集新株予約権の募集事項を定めるとき、株主総会の特別決議を経る必要はない。

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条文
第241条(株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合)
① 株式会社は、第238条第1項の募集において、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができる。この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。        
 一 株主に対し、次条第2項の申込みをすることにより当該株式会社の募集新株予約権(種類株式発行会社にあっては、その目的である株式の種類が当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨
 二 前号の募集新株予約権の引受けの申込みの期日
② 前項の場合には、同項第1号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。        
③ 第1項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。        
 一 当該募集事項及び第1項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。) 取締役の決定
 二 当該募集事項及び第1項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。) 取締役会の決議
 三 株式会社が公開会社である場合 取締役会の決議
 四 前3号に掲げる場合以外の場合 株主総会の決議
④ 株式会社は、第1項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第2号の期日の2週間前までに、同項第1号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。        
 一 募集事項
 二 当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数
 三 第1項第2号の期日
⑤ 第238条第2項から第4項まで及び前2条の規定は、第1項から第3項までの規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。        
過去問・解説

(H28 予備 第19問 エ)
甲株式会社は、会社法上の公開会社でない取締役会設置会社であり、これまで新株予約権を発行したことがない。甲株式会社の発行可能株式総数は1万株で、発行済株式の総数は8500株(自己株式500株を含む。)である。甲株式会社がその発行する新株予約権を引き受ける者の募集において株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、甲株式会社も、自己株式について当該権利を有する。

(正答)

(解説)
241条2項は、「株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。」と規定しており、当該株式会社が自己株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有することを否定している。
したがって、本肢における甲株式会社がその発行する新株予約権を引き受ける者の募集において株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合であっても、甲株式会社は、自己株式について権利は取得しない。


(R3 予備 第18問 エ)
公開会社でない取締役会設置会社は新株予約権を引き受ける者の募集をするに当たって株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることを決定する場合において、取締役会の決議によって募集事項等を定めることができる旨の定款の定めを設けることはできない。

(正答)

(解説)
241条3項2号は、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合の方式の1つとして、「取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合…取締役会の決議」と掲げている。
したがって、公開会社でない取締役会設置会社は新株予約権を引き受ける者の募集をするに当たって株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることを決定する場合において、取締役会の決議によって募集事項等を定めることができる旨の定款の定めを設けることはできる。

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条文
第245条(新株予約権者となる日)
① 次の各号に掲げる者は、割当日に、当該各号に定める募集新株予約権の新株予約権者となる。        
 一 申込者 株式会社の割り当てた募集新株予約権
 二 第244条第1項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者 その者が引き受けた募集新株予約権
② 募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、前項の規定により募集新株予約権の新株予約権者となる者は、当該募集新株予約権を付した新株予約権付社債についての社債の社債権者となる。        
過去問・解説

(H22 司法 第39問 イ)
募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをした者は、募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなくても、割当日に、発行会社から割り当てられた募集新株予約権の新株予約権者となる。

(正答)

(解説)
245条1項は、柱書において、「次の各号に掲げる者は、割当日に…募集新株予約権の新株予約権者となる。」と規定し、1号において、「申込者」を掲げている。
したがって、募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをした者は、払込金額の全額を払い込まなくても、割当日に、発行会社から割り当てられた募集新株予約権の新株予約権者となる。


(H28 予備 第19問 オ)
募集新株予約権の引受けの申込みをした者は、割当日に、甲株式会社の割り当てた募集新株予約権の新株予約権者となるが、募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要する場合には、募集新株予約権についての払込期日までに、払込金額の全額の払込みをしなければ、当該募集新株予約権を行使することができない。

(正答)

(解説)
245条1項は、柱書において、「次の各号に掲げる者は、割当日に…募集新株予約権の新株予約権者となる。」と規定し、1号において、「申込者」を掲げている。
そして、246条3項は、「新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込みを…しないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。」と規定している。
したがって、募集新株予約権の引受けの申込みをした者は、割当日に、甲株式会社の割り当てた募集新株予約権の新株予約権者となるが、募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要する場合には、募集新株予約権についての払込期日までに、払込金額の全額の払込みをしなければ、当該募集新株予約権を行使することができない。


(R2 予備 第18問 イ)
株式会社が募集事項として募集新株予約権の払込金額及び払込期日を定めたときは、募集新株予約権の割当てを受けた申込者は、払込期日に、払込みをした募集新株予約権の新株予約権者となる。

(正答)

(解説)
245条1項は、柱書において、「次の各号に掲げる者は、割当日に…募集新株予約権の新株予約権者となる。」と規定し、1号において、「申込者」を掲げている。
したがって、株式会社が募集事項として募集新株予約権の払込金額及び払込期日を定めたときは、募集新株予約権の割当てを受けた申込者は、払込期日ではなく割当日に、払込みをした募集新株予約権の新株予約権者となる。


(R6 予備 第19問 イ)
募集新株予約権の引受けの申込みをした者は、割当日に、株式会社が割り当てた募集新株予約権の新株予約権者となる。

(正答)

(解説)
245条1項は、柱書において、「次の各号に掲げる者は、割当日に…募集新株予約権の新株予約権者となる。」と規定し、1号において、「申込者」を掲げている。
したがって、募集新株予約権の引受けの申込みをした者は、割当日に、株式会社が割り当てた募集新株予約権の新株予約権者となる。

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条文
第246条(募集新株予約権に係る払込み)
① 第238条第1項第3号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第236条第1項第4号の期間の初日の前日(第238条第1項第5号に規定する場合にあっては、同号の期日。第3項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。
② 前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。
③ 第238条第1項第3号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込み(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付又は当該株式会社に対する債権をもってする相殺を含む。)をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。
過去問・解説

(H21 司法 第40問 ア)
新株予約権者は、会社の承諾を得て、募集新株予約権の払込金額の払込みに代えて、当該会社に対する債権をもって相殺することができる。

(正答)

(解説)
246条2項は、「新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、…払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。」と規定している。
したがって、新株予約権者は、会社の承諾を得て、募集新株予約権の払込金額の払込みに代えて、当該会社に対する債権をもって相殺することができる。


(R3 予備 第18問 ア)
募集新株予約権についての払込期日が定められている場合において、新株予約権者が当該払込期日までに募集新株予約権の払込金額の全額の払込みをしないときは、当該募集新株予約権は消滅する。

(正答)

(解説)
246条3項は、「新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、…払込金額の全額の払込み…をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。」と規定し、287条は、「新株予約権者が新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は消滅する。」と規定している。
したがって、募集新株予約権についての払込期日が定められている場合において、新株予約権者が当該払込期日までに募集新株予約権の払込金額の全額の払込みをしないときは、当該募集新株予約権は消滅する。


(R3 予備 第18問 イ)
新株予約権者は、募集新株予約権の払込金額の全額の払込みに代え、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付しようとする場合だけでなく、その株式会社に対する債権をもって相殺する場合にも、当該株式会社の承諾を得なければならない。

(正答)

(解説)
246条2項は、「新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、…払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。」と規定している。

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条文
第247条(募集新株予約権の発行をやめることの請求)
 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第238条第1項の募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができる。        
 一 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合
 二 当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合
過去問・解説

(H21 司法 第40問 イ)
新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、新株予約権者に対し、当該新株予約権の行使をやめることを請求することができる。

(正答)

(解説)
247条は、「次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、…新株予約権の発行をやめることを請求することができる。」と規定しており、株式会社に対して差止請求ができるとしている。
したがって、新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、新株予約権者ではなく株式会社に対し、当該新株予約権の行使をやめることを請求することができる。


(H26 司法 第41問 オ)
募集新株予約権の発行が法令に違反する場合において既存の新株予約権者が不利益を受けるおそれがあるときは、その新株予約権者は、会社に対し、新株予約権の発行をやめることを請求することができる。

(正答)

(解説)
247条は、「次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、…新株予約権の発行をやめることを請求することができる。」として、既存株主の株式会社に対する差止請求権を規定している。
したがって、募集新株予約権の発行が法令に違反する場合において既存の新株予約権者が不利益を受けるおそれがあるときは、その新株予約権者ではなく既存株主は、会社に対し、新株予約権の発行をやめることを請求することができる。


(H30 予備 第18問 エ)
募集新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該新株予約権の発行をやめることを請求することができる。

(正答)

(解説)
247条は、柱書において、「次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、…新株予約権の発行をやめることを請求することができる。」と規定し、2号において、「新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合」を掲げている。
したがって、募集新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該新株予約権の発行をやめることを請求することができる。

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条文
第248条(雑則)
 第676条から第680条までの規定は、新株予約権付社債についての社債を引き受ける者の募集については、適用しない。
過去問・解説

(H23 司法 第41問 イ)
新株予約権付社債(新株予約権を行使する場合には、必ずその社債が消滅するものに限る。)の発行は、金銭が会社に払い込まれることがないため、資金調達方法となり得ない。

(正答)

(解説)
248条は、社債に関する規定について、「新株予約権付社債についての社債を引き受ける者の募集については、適用しない。」と規定している。そのため、新株予約権付社債の発行については、募集新株予約権の発行の規定が適用されることとなる。そして、238条1項3号は、新株予約権の募集の際に決定すべき事項の1つとして、「払込金額…又はその算定方法」を掲げている。
したがって、239条1項2号が規定している金銭の払込みを要しない場合を除いて、金銭は会社に払い込まれる。
よって、新株予約権付社債(新株予約権を行使する場合には、必ずその社債が消滅するものに限る。)の発行は、金銭が会社に払い込まれることがあるため、資金調達方法となり得る。

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条文
第254条(新株予約権の譲渡)
① 新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。
② 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。
③ 新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。
過去問・解説

(H21 司法 第40問 ウ)
新株予約権付社債に付された新株予約権は、当該新株予約権についての社債が消滅したときを除き、新株予約権単独で譲渡することができない。

(正答)

(解説)
254条2項は、「新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。」と規定している。


(R5 予備 第23問 ウ)
新株予約権付社債については、新株予約権又は社債の一方を他方から分離して譲渡することができる。

(正答)

(解説)
254条2項本文は、「新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。」と規定している。

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条文
第280条(新株予約権の行使)
① 新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。        
 一 その行使に係る新株予約権の内容及び数
 二 新株予約権を行使する日
② 証券発行新株予約権を行使しようとするときは、当該証券発行新株予約権の新株予約権者は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を株式会社に提出しなければならない。ただし、当該新株予約権証券が発行されていないときは、この限りでない。        
③ 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提示しなければならない。この場合において、当該株式会社は、当該新株予約権付社債券に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅した旨を記載しなければならない。        
④ 前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合において、当該新株予約権の行使により当該証券発行新株予約権付社債についての社債が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。        
⑤ 第3項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債についての社債の償還後に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。        
⑥ 株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。        
過去問・解説

(H26 司法 第41問 エ)
会社は、その有する自己新株予約権を行使することができない。

(正答)

(解説)
280条6項は、「株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。」と規定している。


(R2 予備 第18問 ウ)
株式会社は、その有する自己の新株予約権を行使することができない。

(正答)

(解説)
280条6項は、「株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。」と規定している。

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条文
第281条(新株予約権の行使に際しての払込み)
① 金銭を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第1項第2号の日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、その行使に係る新株予約権についての第236条第1項第2号の価額の全額を払い込まなければならない。
② 金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第1項第2号の日に、その行使に係る新株予約権についての第236条第1項第3号の財産を給付しなければならない。この場合において、当該財産の価額が同項第2号の価額に足りないときは、前項の払込みの取扱いの場所においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならない。
③ 新株予約権者は、第1項の規定による払込み又は前項の規定による給付をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。
過去問・解説

(H23 司法 第41問 ウ)
新株予約権の行使に伴う株式の発行は、金銭が会社に払い込まれることがないため、資金調達方法となり得ない。

(正答)

(解説)
281条1項は、「金銭を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は…株式会社が定めた銀行等の払込みの取り扱いの場所において、その行使に係る新株予約権についての…価額の全額を払い込まなければならない。」と規定しており、新株予約権の行使に際して、金銭が会社に払い込まれることがあることを前提としている。
したがって、新株予約権の行使に伴う株式の発行は、金銭が会社に払い込まれることもある、資金調達方法となり得る。

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条文
第282条(株主となる時期等)
① 新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。
② 新株予約権を行使した新株予約権者であって第286条の2第1項各号に掲げる者に該当するものは、当該各号に定める支払若しくは給付又は第286条の3第1項の規定による支払がされた後でなければ、第286条の2第1項各号の払込み又は給付が仮装された新株予約権の目的である株式について、株主の権利を行使することができない。
③ 前項の株式を譲り受けた者は、当該株式についての株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
過去問・解説

(R2 予備 第18問 エ)
新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。

(正答)

(解説)
282条1項は、「新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。」と規定している。

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条文
第285条(不公正な払込金額で新株予約権を引き受けた者等の責任)
① 新株予約権を行使した新株予約権者は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。        
 一 第238条第1項第2号に規定する場合において、募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととすることが著しく不公正な条件であるとき(取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役。次号において同じ。)と通じて新株予約権を引き受けた場合に限る。) 当該新株予約権の公正な価額
 二 第238条第1項第3号に規定する場合において、取締役と通じて著しく不公正な払込金額で新株予約権を引き受けたとき 当該払込金額と当該新株予約権の公正な価額との差額に相当する金額
 三 第282条第1項の規定により株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第236条第1項第3号の価額に著しく不足する場合 当該不足額
② 前項第3号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した新株予約権者が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第236条第1項第3号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。        
過去問・解説

(R3 予備 第18問 ウ)
新株予約権者は、現物出資財産の実際の価額が新株予約権の内容として定められた現物出資財産の価額に著しく不足することについて、善意でかつ重大な過失がないときであっても、その株式会社に対し、当該不足額を支払う義務があり、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消して、その支払義務を免れることはできない。

(正答)

(解説)
285条2項は、「現物出資財産を給付した新株予約権者が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた…価額に著しく不足することにつき、善意でかつ重大な過失がないときは、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消すことができる。」と規定している。
したがって、新株予約権者は、現物出資財産の実際の価額が新株予約権の内容として定められた現物出資財産の価額に著しく不足することについて、善意でかつ重大な過失がないときには、新株予約権の行使に係る意思表示を取り消して、その支払い義務を免れることができる。

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条文
第286条(出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任)
① 前条第1項第3号に掲げる場合には、次に掲げる者(以下この条において「取締役等」という。)は、株式会社に対し、同号に定める額を支払う義務を負う。        
 一 当該新株予約権者の募集に関する職務を行った業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下この号において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるもの
 二 現物出資財産の価額の決定に関する株主総会の決議があったときは、当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるもの
 三 現物出資財産の価額の決定に関する取締役会の決議があったときは、当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるもの
② 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、取締役等は、現物出資財産について同項の義務を負わない。        
 一 現物出資財産の価額について第284条第2項の検査役の調査を経た場合
 二 当該取締役等がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合
③ 第1項に規定する場合には、第284条第9項第4号に規定する証明をした者(以下この条において「証明者」という。)は、株式会社に対し前条第1項第3号に定める額を支払う義務を負う。ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。        
④ 新株予約権者がその給付した現物出資財産についての前条第1項第3号に定める額を支払う義務を負う場合において、次に掲げる者が当該現物出資財産について当該各号に定める義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。        
 一 取締役等 第1項の義務
 二 証明者 前項本文の義務
過去問・解説

(R3 予備 第22問 5)
新株予約権の募集に関する職務を行った業務執行取締役は、新株予約権を行使した新株予約権者が給付した現物出資財産の価額が新株予約権の内容として定められた価額に著しく不足する場合には、検査役の調査を経たときであっても、その株式会社に対し、当該不足額を支払う義務を負う。

(正答)

(解説)
286条2項1号は、現物出資財産の価額が新株予約権の内容として定められた価額に著しく不足する場合でも、業務執行取締役の責任が免除される場合の1つとして、「現物出資財産の価額について…検査役の調査を経た場合」を掲げている。
したがって、現物出資財産の価額が新株予約権の内容として定められた価額に著しく不足する場合であっても、検査役の調査を経た場合であれば、業務執行取締役は不足額を支払う義務を負わない。

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条文
第287条(新株予約権に係る雑則)
 第276条第1項の場合のほか、新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は、消滅する。
過去問・解説

(H22 司法 第39問 ウ)
新株予約権は、当該新株予約権を行使することができる期間が経過した場合には、消却の手続を経ることなく、消滅する。

(正答)

(解説)
287条は、「新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は、消滅する。」と規定しており、新株予約権が消却の手続を経ることなく、消滅するとしている。

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条文
第292条(新株予約権付社債券)
① 証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券には、第697条第1項の規定により記載すべき事項のほか、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の内容及び数を記載しなければならない。
② 証券発行新株予約権付社債についての社債の償還をする場合において、当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅していないときは、株式会社は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券と引換えに社債の償還をすることを請求することができない。この場合においては、株式会社は、社債の償還をするのと引換えに、当該新株予約権付社債券の提示を求め、当該新株予約権付社債券に社債の償還をした旨を記載することができる。
過去問・解説

(R6 予備 第19問 ア)
新株予約権付社債に付された新株予約権を行使することができる期間の終期は、当該新株予約権付社債の償還の期限と一致するように定めなければならない。

(正答)

(解説)
292条2項前段は、「新株予約権付社債についての社債の償還をする場合において、当該…新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅していないときは…」と規定しており、新株予約権の行使期間の終期と、当該新株予約権付社債の償還の期限が一致しない場合があることを前提としている。また、その他に、新株予約権の行使期間の終期を、当該新株予約権付社債の償還の期限と一致するように定めなければならないとする規定は存在しない。
したがって、新株予約権の行使期間の終期は、当該新株予約権付社債の償還の期限と一致するように定めなくてもよい。

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