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訴え(訴えの変更) - 解答モード
詐害行為取消訴訟の係属中における被保全債権の変更 最三小判平成22年10月19日
概要
判例
判旨:「詐害行為取消権の制度は、債務者の一般財産を保全するため、取消債権者において、債務者受益者間の詐害行為を取消した上、債務者の一般財産から逸出した財産を、総債権者のために、受益者又は転得者から取り戻すことができるとした制度であり、取り戻された財産又はこれに代わる価格賠償は、債務者の一般財産に回復されたものとして、総債権者において平等の割合で弁済を受け得るものとなるのであり、取消債権者の個々の債権の満足を直接予定しているものではない。上記制度の趣旨にかんがみると、詐害行為取消訴訟の訴訟物である詐害行為取消権は、取消債権者が有する個々の被保全債権に対応して複数発生するものではないと解するのが相当である。
したがって、本件訴訟において、取消債権者の被保全債権に係る主張が前記事実関係等のとおり交換的に変更されたとしても、攻撃防御方法が変更されたにすぎず、訴えの交換的変更には当たらないから、本件訴訟の提起によって生じた詐害行為取消権の消滅時効の中断の効力に影響がないというべきである。」
過去問・解説
(H28 予備 第38問 1)
債務者が第三者に無償で譲渡した不動産につき、債権者が詐害行為取消権を行使して所有権移転登記抹消登記手続請求訴訟を提起する場合において、訴訟係属中に被保全債権を甲債権から乙債権に変更することは、訴えの変更に当たる。
訴えの交換的変更 最一小判昭和32年2月28日
概要
判例
判旨:「被上告人は原審において前説示の如く訴の変更をしている。元来、請求の原因を変更するというのは、旧訴の繋属中原告が新たな権利関係を訴訟物とする新訴を追加的に併合提起することを指称するのであり、この場合原告はなお旧訴を維持し、新訴と併存的にその審判を求めることがあり、また旧訴の維持し難きことを自認し新訴のみの審判を求めんとすることがある。 しかし、この後者の場合においても訴の変更そのものが許さるべきものであるというだけではこれによって当然に旧訴の訴訟繋属が消滅するものではない。けだし訴の変更の許否ということは旧訴の繋属中新訴を追加的に提起することが許されるか否かの問題であり、一旦繋属した旧訴の訴訟繋属が消滅するか否かの問題とは、係りないところだからである。もし原告がその一方的意思に基いて旧訴の訴訟繋属を消滅せしめんとするならば、法律の定めるところに従いその取下をなすか、或はその請求の抛棄をしなければならない。訴は原告の任意提起するところであるが、一旦提起した訴の繋属を消滅せしめんとするには、相手方の訴訟上受くべき利益も尊重さるべきであり、原告の意思のみに放任さるべきではない。それ故法律は原告の一方的意思に基き訴訟繋属の消滅を来たすべき訴の取下、請求の抛棄等に関しては相手方の利益保護を考慮して、これが規定を設けている。…また請求の抛棄はこれを調書に記載することによりその記載が確定判決と同一の効力を有するものとされているのである(同203条(現267条1項))。されば原告が訴提起の当初から併合されていた請求の一につき既になしたる弁論の結果これを維持し得ないことを自認しこれを撤回せんとするならば、その請求を抛棄するか、または相手方の同意を得て訴の取下をしなければならない。このことは原告が訴の変更をなし、一旦旧訴と新訴につき併存的にその審判を求めた後、旧訴の維持すべからざることを悟ってその訴訟繋属を終了せしめんと欲する場合においても、その趣を異にするものではない。」
過去問・解説
(H26 共通 第61問 3)
判例の趣旨によれば、いわゆる訴えの交換的変更においては、旧請求について訴えの取下げ及び相手方の同意又は請求の放棄がなくても、旧請求の訴訟係属は消滅する。
(H26 共通 第61問 4)
判例の趣旨によれば、ある土地の所有権確認請求訴訟において、原告が初め被告からの売買による取得を主張し、後にその時効による取得を主張することは、訴えの変更に当たる。
将来の賃料相当損害金の請求を認容する判決が確定した場合においてその後公租公課の増大等により認容額が不相当となったときと損害金の追加請求 最一小判昭和61年7月17日
概要
判例
判旨:「従前の土地の所有者が仮換地の不法占拠者に対し、将来の給付の訴えにより、仮換地の明渡に至るまでの間、その使用収益を妨げられることによって生ずべき損害につき毎月一定の割合による損害金の支払を求め、その全部又は一部を認容する判決が確定した場合において、事実審口頭弁論の終結後に公租公課の増大、土地の価格の昂騰により、又は比隣の土地の地代に比較して、右判決の認容額が不相当となったときは、所有者は不法占拠者に対し、新たに訴えを提起して、前訴認容額と適正賃料額との差額に相当する損害金の支払を求めることができるものと解するのが相当である。けだし、土地明渡に至るまで継続的に発生すべき一定の割合による将来の賃料相当損害金についての所有者の請求は、当事者間の合理的な意思並びに借地法12条の趣旨とするところに徴すると、土地明渡が近い将来に履行されるであろうことを予定して、それに至るまでの右の割合による損害金の支払を求めるとともに、将来、不法占拠者の妨害等により明渡が長期にわたって実現されず、事実審口頭弁論終結後の前記のような諸事情により認容額が適正賃料額に比較して不相当となるに至った場合に生ずべきその差額に相当する損害金については、主張、立証することが不可能であり、これを請求から除外する趣旨のものであることが明らかであるとみるべきであり、これに対する判決もまたそのような趣旨のもとに右請求について判断をしたものというべきであって、その後前記のような事情によりその認容額が不相当となるに至った場合には、その請求は一部請求であったことに帰し、右判決の既判力は、右の差額に相当する損害金の請求には及ばず、所有者が不法占拠者に対し新たに訴えを提起してその支払を求めることを妨げるものではないと考えられるからである。」
過去問・解説
(H25 共通 第70問 5)
将来の賃料相当額の損害金請求を認容する判決が確定した場合であっても、その後、土地価格の昂騰等の事情によって当該判決の認容額が不相当となったときは、原告は、後訴により、当該認容額と適正賃料額との差額に相当する損害金の支払を求めることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭61.7.17)は、本肢と同種の事案において、「従前の土地の所有者が仮換地の不法占拠者に対し、将来の給付の訴えにより、仮換地の明渡に至るまでの間、その使用収益を妨げられることによって生ずべき損害につき毎月一定の割合による損害金の支払を求め、その全部又は一部を認容する判決が確定した場合において、事実審口頭弁論の終結後に公租公課の増大、土地の価格の昂騰により、又は比隣の土地の地代に比較して、右判決の認容額が不相当となったときは、所有者は不法占拠者に対し、新たに訴えを提起して、前訴認容額と適正賃料額との差額に相当する損害金の支払を求めることができる。」としている。
控訴審における訴えの変更 最二小判昭和29年2月26日
概要
判例
判旨:「控訴審において、請求の基礎に変更のない、請求原因の変更による交替的訴の変更があり、新訴によって被告敗訴の判決がなされても、請求の基礎に関する部分について、すでに旧訴に関し第1審の審理がなされているのであるから、新訴についても事実上第1審があったのと同様であり、被告に不当に不利益をこうむらせることはないから、新訴につき審級の利益を失わせるものということはできない。」
過去問・解説
(H28 予備 第38問 2)
控訴審における訴えの変更は、請求の基礎に同一性が認められる場合であっても、相手方の同意が必要である。
(正答)✕
(解説)
143条1項本文は、「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。」と規定している。
これについて、判例(最判昭29.2.26)は、「控訴審において、請求の基礎に変更のない、請求原因の変更による交換的訴の変更があり、新訴によって被告敗訴の判決がなされても、請求の基礎に関する部分について、すでに旧訴に関し第1審の審理がなされているのであるから、新訴についても事実上第1審があったとの同様であり、被告に不当な不利益をこうむらせることはないから、新訴につき新旧の利益を失わせるものということはできない。」としている。
したがって、控訴審における訴えの変更は、請求の基礎に同一性が認められる場合、相手方の同意をなくしてすることができる。
「請求の基礎」に変更がある場合において相手方の陳述した事実に基づいてする訴えの変更 最二小判昭和39年7月10日
概要
判例
判旨:「相手方の提出した防禦方法を是認したうえその相手方の主張事実に立脚して新たに請求をする場合、すなわち相手方の陳述した事実をとってもって新請求の原因とする場合においては、かりにその新請求が請求の基礎を変更する訴の変更であっても、相手方はこれに対し異議をとなえその訴の変更の許されないことを主張することはできず、相手方が右の訴の変更に対し現実に同意したかどうかにかかわらず、右の訴の変更は許されると解するのが相当である(大審判昭和9年3月13日民集13巻4号287頁参照)。そして、右の場合において、相手方の陳述した事実は、かならずしも、狭義の抗弁、再々抗弁などの防禦方法にかぎられず、相手方において請求の原因を否認して附加陳述するところのいわゆる積極否認の内容となる重要なる間接事実も含まれると解すべきである。ところで、原審判決(1審判決引用、以下同じ。)および一件記録によると、被上告人は、当初、上告人先代Dに対し係争家屋が被上告人の所有に属するとしてその所有権にもとづき係争家屋の明渡ならびに延滞賃料および賃料相当損害金の支払を請求したところ、同人は、係争家屋は被上告人所有のもとの家屋を取りこわしたうえあらたに建築して上告人先代Dの所有に属する旨主張して積極的に被上告人の所有権を否認した。そこで、被上生人は上告人先代Dが先に陳述したところに従い係争家屋の所有権が同人に属することを前提として、あらためて本件土地の所有権にもとづき同人に対し係争家屋の収去とその敷地の明渡の請求を、第1審において、予備的に追加したことが認められる。右訴訟の経過によると、本件においては、被上告人は、係争家屋の収去とその敷地の明渡の請求を、上告人先代Dの提出したいわゆる積極否認にかかる事実を是認したうえこれにもとづいて新たに右請求を予備的に追加したものと認められるから、前段説示のところから明らかなとおり、右の訴の変更は許容するのが相当である。それゆえ、被上告人のした新の追加的変更を許容した原審判決の判断は相当というべぎであり、原審には、所論のような違法はない。」
過去問・解説
(H24 共通 第72問 2)
判例によれば、建物所有権に基づき建物明渡しを求める訴えを提起した原告が、請求を土地所有権に基づく建物収去土地明渡請求に変更することは、この訴えの変更が当該建物の所有権が自己に帰属する旨の被告の陳述に基づいてされた場合であっても、認められない。
(正答)✕
(解説)
143条1項本文は、「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。」と規定している。
これについて、判例(最判昭39.7.10)は、本肢と同種の事案において、「相手方の提出した防禦方法を是認したうえその相手方の主張事実に立脚して新たに請求をする場合、すなわち相手方の陳述した事実をとってもって新請求の原因とする場合においては、かりにその新請求が請求の基礎を変更する訴の変更であっても、相手方はこれに対し異議をとなえその訴の変更の許されないことを主張することはできず、相手方が右の訴の変更に対し現実に同意したかどうかにかかわらず、右の訴の変更は許される。」としている。
本肢において、建物所有権に基づき建物明渡しを求める訴えの際に、当該建物の所有権が自己に帰属する旨の被告の陳述に基づいて請求を土地所有権に基づく建物収去土地明渡請求に変更することは、「相手方の提出した防禦方法を是認したうえその相手方の主張事実に立脚して新たに請求をする場合」に当たるため、請求の基礎を変更する訴えの変更であるが、これも認められる。
(H28 予備 第38問 4)
建物所有権に基づき建物明渡しを求める訴えを提起した原告が、請求を土地所有権に基づく建物収去土地明渡請求に変更することは、この訴えの変更が当該建物の所有権が自己に帰属する旨の被告の陳述に基づいてされた場合には、許される。
(正答)〇
(解説)
143条1項本文は、「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。」と規定している。
これについて、判例(最判昭39.7.10)は、本肢と同種の事案において、「相手方の提出した防禦方法を是認したうえその相手方の主張事実に立脚して新たに請求をする場合、すなわち相手方の陳述した事実をとってもって新請求の原因とする場合においては、かりにその新請求が請求の基礎を変更する訴の変更であっても、相手方はこれに対し異議をとなえその訴の変更の許されないことを主張することはできず、相手方が右の訴の変更に対し現実に同意したかどうかにかかわらず、右の訴の変更は許される。」としている。
本肢において、建物所有権に基づき建物明渡しを求める訴えの際に、当該建物の所有権が自己に帰属する旨の被告の陳述に基づいて請求を土地所有権に基づく建物収去土地明渡請求に変更することは、「相手方の提出した防禦方法を是認したうえその相手方の主張事実に立脚して新たに請求をする場合」に当たるため、請求の基礎を変更する訴えの変更であるが、これも認められる。
(H30 予備 第37問 ア)
被告が主張する積極否認の内容となる重要な間接事実に立脚した新たな請求の追加的変更であっても、従前の請求と請求の基礎の同一性がない場合には、このような訴えの変更は、許されない。
(正答)✕
(解説)
143条1項本文は、「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。」と規定している。
これについて、判例(最判昭39.7.10)は、「相手方の提出した防禦方法を是認したうえその相手方の主張事実に立脚して新たに請求をする場合、すなわち相手方の陳述した事実をとってもって新請求の原因とする場合においては、かりにその新請求が請求の基礎を変更する訴の変更であっても、…相手方が右の訴の変更に対し現実に同意をしたかどうかにかかわらず、右の訴の変更は許される。」とした上で、「相手方の陳述した事実は、…いわゆる積極否認の内容となる重要なる間接事実も含まれる。」としている。
したがって、被告が主張する積極否認の内容となる重要な間接事実に立脚した新たな請求の追加的変更は、従前の請求と請求の基礎の同一性がない場合であったとしても、許される。
(R4 予備 第37問 4)
相手方が積極否認の理由として主張した重要な間接事実に基づいて訴えの変更をする場合には、相手方の同意がなく、請求の基礎に変更があるときであっても、訴えの変更をすることができる。
(正答)〇
(解説)
143条1項本文は、「原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。」と規定している。
これについて、判例(最判昭39.7.10)は、「相手方の提出した防禦方法を是認したうえその相手方の主張事実に立脚して新たに請求をする場合、すなわち相手方の陳述した事実をとってもって新請求の原因とする場合においては、かりにその新請求が請求の基礎を変更する訴の変更であっても、…相手方が右の訴の変更に対し現実に同意したかどうかにかかわらず、右の訴の変更は許される。」とした上で、「相手方の陳述した事実は、…いわゆる積極否認の内容となる重要なる間接事実も含まれる。」としている。
請求原因の変更の書面によることの要否 最三小判昭和35年5月24日
概要
判例
判旨:「請求の原因を変更するにとどまるときは、判決事項の申立である請求の趣旨を変更する場合と異り、書面によってこれをなすことを要しないと解するのが相当である(大審院昭和11年9月7日判決、法律新聞4038号12頁、同昭和18年3月19日判決、民集22巻221頁各参照)。」
過去問・解説
(R1 予備 第35問 2)
原告は、請求又は請求の原因の変更をするときは、これを記載した書面を直接相手方に送付しなければならない。
(正答)✕
(解説)
143条は、2項において、「請求の変更は、書面でしなければならない。」と規定し、3項において、「前項の書面は、相手方に送達しなければならない。」と規定している。
そして、請求の変更の書面の送達は、原告から提出された副本によってされるから(民事訴訟規則58条2項、1項)、原告は、請求の変更の書面を裁判所に提出するのみで、直接相手方に送付しない。
また、判例(最判昭35.5.24)は、「請求の原因を変更するにとどまるときは、判決事項の申立である請求の趣旨を変更する場合と異り、書面によってこれをなすことを要しない。」として、請求の原因を変更するときは、書面によらなくてもよいことを示している。
控訴審における請求の基礎の変更と相手方が異議を述べなかった場合の効果 最三小判昭和29年6月8日
概要
判例
判旨:「所論の請求拡張については原審において上告人が異議を述べた形跡がないから原審がこれを許容したのは何等違法ではない。」
過去問・解説
(H19 司法 第59問 3)
被告が訴えの変更に同意した場合、判例によれば、当該訴えの変更は、請求の基礎の同一性がないことを理由に不適法とされることはない。
(H24 共通 第72問 5)
判例によれば、控訴審における訴えの変更に対して相手方が異議なく応訴した場合には、請求の基礎に変更があるときであっても、当該訴えの変更は許される。
(H26 共通 第61問 1)
判例の趣旨によれば、訴えの変更は、請求の基礎に変更があるときは、相手方が異議を述べなかったときでも許されない。
控訴審における訴えの変更後の新訴の係属と控訴棄却の裁判 最一小判昭和32年2月28日
概要
判例
判旨:「第1審判決が訴訟物として判断の対象としたものは前説示のとおり貸金債権であり、原審の認容した求償債権ではない。この両個の債権はその権利関係の当事者と金額とが同一であるというだけでその発生原因を異にし全然別異の存在たることは多言を要しない。そして本件控訴はいうまでもなく第1審判決に対してなされたものであり、原審の認容した求償債権は控訴審ではじめて主張されたものであって第1審判決には何等の係りもない。原審が本件訴の変更を許すべきものとし、また求償債権に基く新訴請求を認容すべしとの見解に到達したからとて、それは実質上初審としてなす裁判に外ならないのであるから第1審判決の当否、従って本件控訴の理由の有無を解決するものではない。それ故原審は本件控訴を理由なきものとなすべきいわれはなく、単に新請求たる求償債権の存在を確定し「控訴人は被控訴人に対し金713,626円を支払わなければならない」旨の判決をなすべかりしものなのである。それは一見第1審判決と同旨の主文を徒らに繰返えすが如き感を与えるかも知れないけれども、実は、法律上重大な意義を有する。けだし控訴を棄却する旨の判決は、民訴384条(現:302条)1項の法文上明らかなように第1審判決を相当とし維持さるべきことを宣告するものであり、この判決が確定することによって第1審判決も確定し、その裁判の内容に従いそれに相応する既判力、執行力、形成力等を生ずるのである。同条2項にいわゆる『判決カ其ノ理由ニ依レハ不当ナル場合ニ於テモ他ノ理由ニ依リテ正当ナルトキ』とは、第1審判決でなされた判断そのものの正当性が判決の理由とするところによっては維持せられないが他の理由によって肯定される場合をいうのである。例えば第1審判決が原告主張の貸金債権が弁済により消滅したものとして原告の請求を排斥したものであるとき、控訴審においては弁済の事実は認められないけれど、免除の事実が認められ、結局当該貸金債権の消滅を確定した第1審判決の判断が維持し得るような場合をいうのであって、本件のように第1審判決と第2審判決とがその判断の対象を異にし偶々その主文の文言が同一に帰するというが如き場合をも包含するものでないことは同条1項の法意に照らし疑なきところである。」
過去問・解説
(H18 司法 第63問 4)
判例によれば、控訴審において訴えの交換的変更があった場合、新訴については控訴裁判所が事実上第1審裁判所として裁判するのであるから、新訴についての判決の結論が第1審判決の主文と全く同一となっても、控訴棄却の裁判をすべきではない。