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上訴 - 解答モード

控訴審において訴えが変更された場合の新訴に対する主文の判示方法 最一小判昭和31年12月20日

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概要
控訴審において訴の変更により新訴が係属した場合、新訴については、控訴裁判所は、事実上第1審としての裁判をすべきであり、たとえ新訴に対する結論が旧訴に対する第1審判決の主文の文言と合致する場合であっても、控訴棄却の裁判をすべきではない。
判例
事案:控訴審において訴が変更された事案において、新訴に対する主文の判示方法が問題となった。

判旨:「上告人は当初、被上告人に対し売買契約に基く本件建物の引渡請求の訴訟(以下旧訴と称する)を提起し、第1審において請求棄却の判決を受け、これに対し原審に控訴の申立をなしたこと、その後上告人は原審口頭弁論において新らたに『上告人が被上告人から右建物の所有権を取得したことを確認する』旨の訴訟(以下新訴と称する)を追加的に提起し、訴を変更する旨申述したことをそれぞれ認め得るのである。ところで右新訴は原審に至りはじめて提起されたものであって、第1審においてはなんな判決されていないのであるから、原審は新訴につき実質上第1審としての裁判をなすことを要するのである。そして、たとえ新訴に対する原審の結論が請求の棄却であって第1審判決の主文の文言と合致する場合であっても控訴棄却の判決をなすべきものではなく、単に新訴について請求の棄却をなすべきものである。けだし、控訴棄却の判決は、第1審の判決を維持する旨の裁判であり、該裁判の確定によって第1審の旧訴に対する請求棄却の判決が当然に確定するに至るからである。しかるに原判決は新訴について、『控訴人(上告人)の請求を棄却した第1審の判決は相当である』との理由で控訴棄却の判決をしているのであって、ひっききょう原判決は新訴に対する裁判として、全然これと訴訟物を異にする旧訴に対する第1審判決を確定せしめる効果を生ずるに至る判決をしたことになるのであり、この点は違法であって、原判決は破棄を免れないのである。ところで上告人の新訴は原判示のとおり過去の法律関係の確認を求めるものであるから、確認の利益を欠くものとして該請求は棄却さるべきである。(なお、上告人は原審における訴の変更により、旧訴を撤回し、新訴についてのみ審判を求める意思であったことは、上告人が原審に提出した請求の趣旨変更の申立書によりこれをうかがうに難くないのであるが、しかし右旧訴の撤回は他に特段の事由の認められない本件においては、その性質は訴の取下に外ならず、したがって、これについては民訴236条の定める要件を必要とすると解すべきところ、相手方たる被上告人は右旧訴につきすでに第1審以来口頭弁論をなし、かつ旧訴の撤回に対し3月内に異議を述べていることが記録上明白であるから、旧訴の撤回はその効力を生じなかったものであり、しかもこれについては未だ原審は判決をしていないから、旧訴は依然原審に繋属していると解すべきである。)」
過去問・解説

(R3 予備 第44問 1)
控訴審において訴えの交換的変更がされた場合において、変更後の訴えに対する控訴裁判所の判断の内容が第一審判決の主文と同じものとなるときは、控訴裁判所は、控訴を棄却するとの判決をしなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭31.12.20)は、本肢と同種の事案において、「たとえ新訴に対する原審の結論が請求の棄却であって第1審判決の主文の文言と合致する場合であっても控訴棄却の判決をなすべきものではなく、単に新訴について請求の棄却をなすべきものである。」としている。
したがって、控訴裁判所は、控訴棄却ではなく、新訴について請求棄却判決をすべきである。

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相殺の抗弁により原告の請求を棄却した第一審判決に対し原告のみが控訴することの可否 最一小判昭和61年9月4日

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概要
原告の訴求債権・被告の相殺の抗弁が認められて原告の請求を棄却した第1審判決に対し、原告のみが控訴し被告が控訴も附帯控訴もしなかった場合において、控訴審が、被告の相殺の抗弁について判断するまでもなく、訴求債権の不存在を理由に原告の請求を棄却すべきときは、不利益変更禁止の原則に従い、第1審判決を維持して、原告の控訴を棄却するにとどめなければならない。
判例
事案:相殺の抗弁により原告の請求を棄却した第1審判決に対し原告のみが控訴した場合に、控訴審での不利益変更禁止の原則の適用が問題となった。

判旨:「訴求債権が有効に成立したことを認めながら、被告の主張する相殺の抗弁を採用して原告の請求を棄却した第1審判決に対し、原告のみが控訴し被告が控訴も附帯控訴もしなかった場合において、控訴審が訴求債権の有効な成立を否定したときに、第1審判決を取消して改めて請求棄却の判決をすることは、民訴法199条2項(現:114条2項)に徴すると、控訴した原告に不利益であることが明らかであるから、不利益変更禁止の原則に違反して許されないものというべきであり、控訴審としては被告の主張した相殺の抗弁を採用した第1審判決を維持し、原告の控訴を棄却するにとどめなければならないものと解するのが相当である。」
過去問・解説

(H21 司法 第73問 4)
予備的相殺の抗弁を容れて原告の請求を棄却した第1審判決に対して、原告が控訴し、被告が控訴も附帯控訴もしない場合、控訴裁判所が、原告の訴求債権はそもそも存在しないと判断するときは、原判決を取り消し、改めて原告の請求を棄却すべきである。

(正答)

(解説)
判例(最判昭61.9.4)は、本肢と同種の事案において、「第1審判決を取消して改めて請求棄却の判決をすることは、…不利益変更禁止の原則に違反して許されないものというべきであり、控訴審としては被告の主張した相殺の抗弁を採用した第1審判決を維持し、原告の控訴を棄却するにとどめなければならない…。」としている。
したがって、本肢のような場合、原判決を取り消し、改めて原告の請求を棄却のではなく、控訴を棄却するべきである。


(H25 共通 第73問 2)
第1審判決が予備的相殺の抗弁を認めて原告の請求を棄却したのに対し、原告が控訴し、被告が控訴も附帯控訴もしない場合において、控訴裁判所が原告の請求債権はそもそも存在しないと判断するときは、控訴裁判所は、第1審判決を維持し、控訴を棄却しなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭61.9.4)は、本肢と同種の事案において、「第1審判決を取消して改めて請求棄却の判決をすることは、…不利益変更禁止の原則に違反して許されないものというべきであり、控訴審としては被告の主張した相殺の抗弁を採用した第1審判決を維持し、原告の控訴を棄却するにとどめなければならない…。」としている。
したがって、控訴裁判所が原告の請求債権はそもそも存在しないと判断するときは、控訴裁判所は、第1審判決を維持し、控訴を棄却しなければならない。


(H30 予備 第44問 5)
金銭の給付訴訟において、被告の相殺の抗弁が認められて原告の請求が棄却され、原告が控訴し、被告が控訴及び附帯控訴のいずれもしない場合に、控訴裁判所が請求原因事実が認められないとの判断をしたときは、第1審判決を取り消して、請求を棄却するとの判決をすることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭61.9.4)は、本肢と同種の事案において、「第1審判決を取消して改めて請求棄却の判決をすることは、…不利益変更禁止の原則に違反して許されないものというべきであり、控訴審としては被告の主張した相殺の抗弁を採用した第1審判決を維持し、原告の控訴を棄却するにとどめなければならない…。」としている。
したがって、本肢のような場合、第1審判決を取り消して、請求を棄却するのではなく、控訴を棄却するべきである。

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訴えの利益がないとして請求を却下する判決に対し原告のみが控訴することの可否 最二小判昭和40年3月19日

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概要
第1審裁判所が訴の利益がないとして原告の請求を排斥した場合は、請求棄却の判決を求めた被告も控訴申立の利益を有するものと解すべきである。
判例
事案:訴えの利益がないとして請求が排斥された事案において、勝訴当事者からの控訴申立の適否が問題となった。

判旨:「第1審判決は、結局訴の利益がないとして被上告人らの請求を棄却したものであるから、形式的には上告人が全部勝訴の判決を得たかの如き観を呈するが、上告人は更に被上告人ら主張の前記登記抹消登記請求権の存在しないことの確定を求めるため、第1審判決に対し控訴の利益を有するものと解するのを相当とする。」
過去問・解説

(H22 共通 第73問 2)
判例によれば、第1審裁判所が、訴えを不適法として却下するとの判決をした場合には、請求棄却の判決を求めた被告は、控訴の利益を有する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭40.3.19)は、本肢と同種の事案において、「第1審判決は、結局訴の利益がないとして被上告人らの請求を棄却したものであるから、形式的には上告人が全部勝訴の判決を得たかの如き観を呈するが、上告人は更に被上告人ら主張の前記登記抹消登記請求権の存在しないことの確定を求めるため、第1審判決に対し控訴の利益を有する…。」としている。


(H25 共通 第73問 1)
被告が第1審で請求棄却を求めた場合において、訴えを却下する判決が言い渡されたときは、被告には控訴の利益が認められない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭40.3.19)は、本肢と同種の事案において、「第1審判決は、結局訴の利益がないとして被上告人らの請求を棄却したものであるから、形式的には上告人が全部勝訴の判決を得たかの如き観を呈するが、上告人は更に被上告人ら主張の前記登記抹消登記請求権の存在しないことの確定を求めるため、第1審判決に対し控訴の利益を有する…。」としている。
したがって、被告が第1審で請求棄却を求めた場合において、訴えを却下する判決が言い渡されたときにも、被告には控訴の利益が認められる。

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当事者の一方のみが控訴しない旨の合意の有効性 大判昭和9年2月26日

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概要
当事者の一方のみが控訴しない旨の合意は、無効である。
判例
事案:当事者の一方のみが控訴しない旨の合意がなされた事案において、当該合意の有効性が問題となった。

判旨:「民事訴訟法第360條第1項但書ニ於テ當事者雙方共ニ控訴ヲ爲ササル旨ノ合意ヲ爲シタルトキハ控訴ヲ爲スコトヲ得スト規定シタルハ訴訟ノ當事者雙方カ事件ノ迅速ナル完結ヲ欲スル爲或ハ第1審ノ裁判官ニ信頼スル爲等ノ理由ニ依リ第1審限ニ於テ事件ヲ確定セシムルコトヲ希望スルカ又ハ重要ナル爭點ハ法律問題ニ在ルカ故ニ當事者雙方カ控訴ヲ爲サスシテ上告ノミヲ爲サンコトヲ希望スルカ如キ場合ニ合意ノ效力ヲ認メタルモノニシテ合意管轄ヲ認メタル法律ノ趣旨ニ髣髴タルモノナリ故ニ其ノ合意ノ效力ヲ生スルニハ當事者雙方ニ於テ孰モ控訴ヲ爲ササル旨ヲ表意スルコトヲ要スルモノニシテ若シ當事者一方ノミヲシテ控訴ヲ爲ササラシムルコトヲ約セシムルモ有效ナリト爲ストキハ民事訴訟法ノ認メタル當事者對等ノ原則ニ反スルノミナラス私法上ノ契約ヲ爲スニ當リ當事者ノ一方カ他方ニ對シ特ニ債權者カ債務者ニ對シ契約締結ノ條件トシテ斯カル不利益ナル約款ヲ附スルコト無キニ非ス故ニ斯カル當事者一方ノミカ控訴ヲ爲ササルヘキコトヲ約シタル合意ハ無效ナリト解スルヲ相當トス」
過去問・解説

(H28 予備 第43問 5)
判決の言渡し前にされた当事者の一方のみが控訴しない旨の合意は、有効である。

(正答)

(解説)
判例(最大判昭9.2.26)は、「當事者一方ノミカ控訴ヲ爲ササルヘキコトヲ約シタル合意ハ無效ナリト解スルヲ相當トス」として、当事者の一方のみが控訴しない旨の合意を無効としている。

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全部勝訴の原告は控訴審において附帯控訴の方式により請求の拡張することの可否 最二小判昭和32年12月13日

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概要
第1審において全部勝訴の判決を得た原告も、控訴審において、附帯控訴の方式により請求の拡張をなし得る。
判例
事案:原告が全部勝訴した事案において、控訴審において附帯控訴の方式により請求の拡張をなし得るかが問題となった。

判旨:「第1審において、全部勝訴の判決を得た当事者(原告)も、相手方が該判決に対し控訴した場合、附帯控訴の方式により、その請求の拡張をなし得るものと解すべきである。」
過去問・解説

(H23 共通 第72問 4)
Xは、Yに 1000 万円を貸し付けたとして、Yに対して、そのうち 400 万円の貸金の返還を求める訴えを提起した。これに対し、Yは、請求棄却の判決を求め、当該貸付けの事実を否認するとともに、消滅時効又は相殺による当該貸金債権の消滅を主張した。
第1審裁判所がXの請求を全部認容し、Yがこれを不服として控訴した場合、Xは、附帯控訴の方式により、請求を1000万円に拡張することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭32.12.13)は、「第1審において、全部勝訴の判決を得た当事者(原告)も、相手方が該判決に対し控訴した場合、附帯控訴の方式により、その請求の拡張をなし得る…。」としている。
したがって、第1審で全部勝訴の判決を得たXも、Yがこれを不服として控訴した場合、附帯控訴の方式により、請求を1000万円に拡張することができる。


(H25 共通 第73問 4)
一部請求であることを明示した訴えにおいて全部勝訴した原告は、被告が控訴をしたときは、附帯控訴により残部について請求を拡張することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭32.12.13)は、「第1審において、全部勝訴の判決を得た当事者(原告)も、相手方が該判決に対し控訴した場合、附帯控訴の方式により、その請求の拡張をなし得る…。」としている。


(H30 予備 第37問 オ)
第1審において全部勝訴の判決を得た原告は、被告が控訴した場合であっても、附帯控訴の形式で請求を拡張することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭32.12.13)は、「第1審において、全部勝訴の判決を得た当事者(原告)も、相手方が該判決に対し控訴した場合、附帯控訴の方式により、その請求の拡張をなし得る…。」としている。

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控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第一審判決を取り消す場合の措置 最三小判昭和45年12月15日

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概要
控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第1審判決を取り消す場合には、原告に対し訴状の補正を命じさせるため、事件を第1審裁判所に差し戻すべきであり、ただちに訴を不適法として却下すべきではない。
判例
事案:控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過して第1審判決がなされた事案において、裁判所のとるべき措置が問題となった。

判旨:「本訴において、Dには被上告会社の代表者としての資格はなく、同人を被告たる被上告会社の代表者として提起された本件訴は不適法である旨の原審の判断は正当である。 そうして、右のような場合、訴状は、…被上告会社の真正な代表者に宛てて送達されなければならないところ、記録によれば、本件訴状は、被上告会社の代表者として表示されたDに宛てて送達されたものであることが認められ、Dに訴訟上被上告会社を代表すべき権限のないことは前記説示のとおりであるから、代表権のない者に宛てた送達をもってしては、適式を訴状送達の効果を生じないものというべきである。したがって、このような場合には、裁判所としては、…上告人に対し訴状の補正を命じ、また、被上告会社に真正な代表者のない場合には、上告人よりの申立に応じて特別代理人を選任するなどして、正当な権限を有する者に対しあらためて訴状の送達をすることを要するのであって、上告人において右のような補正手続をとらない場合にはじめて裁判所は上告人の訴を却下すべきものである。そして、右補正命令の手続は、事柄の性質上第1審裁判所においてこれをなすべきものと解すべきであるから、このような場合、原審としては、第1審判決を取り消し、第1審裁判所をして上告人に対する前記補正命令をさせるべく、本件を第1審裁判所に差し戻すべきものと解するを相当とする。」
過去問・解説

(R2 予備 第31問 5)
第1審において当事者が訴訟能力を欠くことを看過して本案の判決がされ、控訴審においてその事実が明らかとなったときは、控訴裁判所は、第1審判決を取り消して、訴えを却下しなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭45.12.15)は、本肢と同種の事案において、「このような場合、原審としては、第1審判決を取り消し、第1審裁判所をして上告人に対する前記補正命令をさせるべく、本件を第1審裁判所に差し戻すべき…。」としている。
したがって、第1審において当事者が訴訟能力を欠くことを看過して本案の判決がされ、控訴審においてその事実が明らかとなったときは、控訴裁判所は、訴えを第1審裁判所に差し戻さなければならない。

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附帯控訴を取り下げた後に再び附帯控訴することの可否 最二初判昭和38年12月27日

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概要
附帯控訴(293条1項)は、一旦取り下げても、口頭弁論の終結に至るまでは、再び申し立てることができる。
判例
事案:附帯控訴は、取下げ後に再び申し立てることができるかが問題となった。

判旨:「被上告人がいったん附帯控訴を取り下げた後にした前記一連の請求の拡張は、実質的にみて、なお附帯控訴にほかならないと解せられ、その方式においても、民訴374条、367条に反するところがないことは記録上明らかであり、しかも、附帯控訴は、いったん取り下げても、口頭弁論の終結にいたるまでは、ふたたびこれを申し立てることを妨げないと解すべきである…。」
過去問・解説

(H30 予備 第37問 ウ)
附帯控訴は、一旦取り下げても、口頭弁論終結に至るまでは、再び申し立てることができる。

(正答)

(解説)
293条1項は、「被控訴人は、控訴権が消滅した後であっても、口頭弁論の終結に至るまで、附帯控訴をすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判昭38.12.27)は、「附帯控訴は、いったん取り下げても、口頭弁論の終結にいたるまでは、ふたたびこれを申し立てることを妨げないと解すべきである…。」としている。

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控訴審が第1審判決を取り消した上原告の請求の一部を認容する本案判決をすることが不利益変更禁止の原則に抵触するか 最一小判平成27年11月30日

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概要
訴訟上の和解が成立したことによって訴訟が終了した後、被告が当該和解の無効を主張して既に終了した訴訟手続の続行を求めて期日指定の申立てをした場合において、いずれの当事者も当該和解が無効であることの確認を求めていないときは、裁判所は、主文において、当該和解が無効であることを確認する判決をすることはできない。
判例
事案:訴訟上の和解が成立したことによって訴訟が終了したことを宣言する終局判決である第1審判決に対し、被告のみが控訴し原告が控訴も附帯控訴もしなかった事案において、控訴審が第1審判決を取り消した上で原告の請求の一部を認容する本案判決をすることができるかが問題となった。

判旨:「和解による訴訟終了判決に対する控訴の一部のみを棄却することは、和解が対象とした請求の全部について本来生ずべき訴訟終了の効果をその一部についてだけ生じさせることになり、相当でないから、上記の場合において、控訴審が訴訟上の和解が無効であり、かつ、第1審に差し戻すことなく請求の一部に理由があるとして自判をしようとするときには、控訴の全部を棄却するほかないというべきである。」
過去問・解説

(R6 予備 第34問 1)
訴訟上の和解が成立したことによって訴訟が終了した後、被告が当該和解の無効を主張して既に終了した訴訟手続の続行を求めて期日指定の申立てをした場合において、いずれの当事者も当該和解が無効であることの確認を求めていないときは、裁判所は、主文において、当該和解が無効であることを確認する判決をすることはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判平27.11.30)は、本肢と同種の事案において、「和解による訴訟終了判決に対する控訴の一部のみを棄却することは、和解が対象とした請求の全部について本来生ずべき訴訟終了の効果をその一部についてだけ生じさせることになり、相当でないから、上記の場合において、控訴審が訴訟上の和解が無効であり、かつ、第1審に差し戻すことなく請求の一部に理由があるとして自判をしようとするときには、控訴の全部を棄却するほかないというべきである。」としている。
したがって、本肢のような場合、裁判所は、主文において、当該和解が無効であることを確認する判決をすることはできず、控訴の棄却判決をすべきである。

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控訴審において当事者の一方が口頭弁論期日に欠席したときに、出頭した当事者に双方に係る第1審口頭弁論の結果を陳述させることの可否 最三小判昭和33年7月22日

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概要
当事者の一方が控訴審の第1回口頭弁論期日に欠席したときは、その期日に出頭した当事者に、欠席した当事者に係る第1審における口頭弁論の結果を陳述させることができる。
判例
事案:当事者の一方が口頭弁論期日に欠席した事案において、出頭した当事者に双方に係る第1審口頭弁論の結果を陳述させることが、296条2項との関係で適法であるかが問題となった。

判旨:「民訴138条(現:159条3項、1項)は控訴審にも適用のあること当裁判所の判例(昭和30年10月31日第三小法廷判決、民集4巻516頁)であり、控訴審において当事者が第1審における口頭弁論の結果を陳述すべき場合、当事者の一方が口頭弁論期日に欠席したときは出頭した方の当事者に双方に係る第1審口頭弁論の結果を陳述させることができるものと解すべきである(昭和31年4月13日第二小法廷判決,民集10巻388頁参照)。」
過去問・解説

(R1 予備 第44問 ア)
当事者の一方が控訴審の第1回口頭弁論期日に欠席した場合に、その期日に出頭した当事者は、当事者双方に係る第1審口頭弁論の結果を陳述することができる。

(正答)

(解説)
296条2項は、「当事者は、第1審における口頭弁論の結果を陳述しなければならない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭 33.7.22)は、「控訴審において当事者が第1審における口頭弁論の結果を陳述すべき場合、当事者の一方が口頭弁論期日に欠席したときは出頭した方の当事者に双方に係る第1審口頭弁論の結果を陳述させることができるものと解すべきである…。」としている。
したがって、当事者の一方が控訴審の第1回口頭弁論期日に欠席した場合に、その期日に出頭した当事者は、当事者双方に係る第1審口頭弁論の結果を陳述することができる。


(R6 予備 第44問 オ)
当事者の一方が控訴審の第1回口頭弁論期日に欠席したときは、その期日に出頭した当事者に、欠席した当事者に係る第1審における口頭弁論の結果を陳述させることはできない。

(正答)

(解説)
296条2項は、「当事者は、第1審における口頭弁論の結果を陳述しなければならない。」と規定している。
これについて、判例(最判昭 33.7.22)は、「控訴審において当事者が第1審における口頭弁論の結果を陳述すべき場合、当事者の一方が口頭弁論期日に欠席したときは出頭した方の当事者に双方に係る第1審口頭弁論の結果を陳述させることができるものと解すべきである…。」としている。
したがって、当事者の一方が控訴審の第1回口頭弁論期日に欠席した場合に、その期日に出頭した当事者は、当事者双方に係る第1審口頭弁論の結果を陳述することができる。

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第1審判決の仮執行宣言に基づいて強制執行がなされた場合と控訴審の本案判決 最一小判昭和36年2月9日

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概要
仮執行宣言付の第1審判決に対して控訴があったときは、その執行によって弁済を受けた事実を考慮することなく、請求の当否を判断すべきである。
判例
事案:第1審判決の仮執行宣言にもとづいて強制執行がなされた事案において、控訴審の本案判決と第1審判決の仮執行宣言の関係が問題となった。

判旨:「所論乙1号証による支払は、第1審判決の仮執行によるものであること明らかであるから、原控訴審がこれを考慮することなく本訴請求の存否を判断したのは正当であって、所論は採るを得ない。」
過去問・解説

(H18 司法 第61問 オ)
貸金の返還を命ずる仮執行宣言付判決に対して控訴がされた場合、その判決に基づいて第1審原告が貸金の弁済を受けていたとしても、控訴裁判所は、当該弁済の事実を考慮して、第1審原告の貸金返還請求権が消滅したと判断してはならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭36.2.9)は、「所論乙1号証による支払は、第1審判決の仮執行によるものであること明らかであるから、原控訴審がこれを考慮することなく本訴請求の存否を判断したのは正当であって、所論は採るを得ない。」としている。
したがって、貸金の返還を命ずる仮執行宣言付判決に対して控訴がされた場合、その判決に基づいて第1審原告が貸金の弁済を受けていたとしても、控訴裁判所は、当該弁済の事実を考慮せずに、貸金返還請求権の存否を判断しなければならない。


(H25 共通 第71問 4)
判例の趣旨によれば、貸金返還請求訴訟において、債権者が、仮執行宣言付きの第1審判決に基づく強制執行によって弁済を受けた場合には、控訴裁判所は、その弁済の事実をしん酌して第1審判決を取り消し、請求を棄却すべきである。

(正答)

(解説)
判例(最判昭36.2.9)は、「所論乙1号証による支払は、第1審判決の仮執行によるものであること明らかであるから、原控訴審がこれを考慮することなく本訴請求の存否を判断したのは正当であって、所論は採るを得ない。」としている。
したがって、仮執行宣言付きの第1審判決に対して控訴があったときは、控訴審は、仮執行宣言に基づく強制執行によって給付がされた事実を斟酌することなく、請求の当否を判断するべきである。

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控訴審の取消差戻判決に対する上告の許否 最三小判昭和26年10月16日

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概要
控訴審が原判決を取り消し、事件を原審に差し戻す判決をした場合に、当該差戻判決に対して上告をすることができる。
判例
事案:控訴審が原判決を取り消し、事件を原審に差し戻す判決をした事案において、差戻判決に対して上告をすることができるかが問題となった。

判旨:「原判決は被上告人の控訴により第1審判決を取り消し、本件を第1審裁判所に差戻したのである。…原判決によって本件は原審級を離脱するのであるから、原判決はこれを終局判決と解するを相当とし、従って、これに対し民事訴訟法第393条によって当裁判所に直ちに上告することができるものと解するを相当とする。」
過去問・解説

(H25 共通 第73問 5)
控訴審が原判決を取り消し、事件を原審に差し戻す判決をした場合には、それにより事件が原裁判所に移審するため、当該差戻判決に対して上告をすることはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭26.10.16)は、「原判決は被上告人の控訴により第1審判決を取り消し、本件を第1審裁判所に差戻したのである。…原判決はこれを終局判決と解するを相当とし、従って、これに対し民事訴訟法第393条によって当裁判所に直ちに上告することができる…。」としている。
したがって、差戻判決に対しても上告することができる。

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控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者と附帯上告の許否 最二小判昭和54年11月16日

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概要
控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された場合に、附帯上告を提起することは許されない。
判例
事案:控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された事案において、第1審判決において棄却された請求の認容を求めることを目的とするときであっても、附帯上告を提起することは許されないかが問題となった。

判旨:「附帯上告人の提出した『再審請求願』と題する書面は、当審の手続において第1審判決のうち附帯上告人の主位的請求を棄却した部分を取り消すことを求めるため、附帯上告を提起する趣旨のものと解されるところ、控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、上告審が法律審であることに鑑み、第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された場合に、第1審判決において棄却された請求の認容を求めることを目的とするときであっても、附帯上告を提起することは許されないものと解するのが相当であるから、本件附帯上告は不適法として却下を免れない(前記書面が再審の訴を提起する趣旨のものであるとしても、第1審判決は、附帯上告人の請求を棄却した部分についても未だ確定していないから、これに対する再審の訴は提起することが許されないばかりでなく、同書面に記載されているように新証拠を発見したというだけでは民訴法420条1項各号所定の再審事由にあたらない点においても、再審の訴として不適法であることが明らかである。)。」
過去問・解説

(H22 共通 第74問 ウ)
請求を全部認容する旨の控訴審の判決に対して上告がされた場合、被上告人は、請求を拡張するため、附帯上告をすることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭54.11.16)は、「控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、…第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された場合に、第1審判決において棄却された請求の認容を求めることを目的とするときであっても、附帯上告を提起することは許されない…。」としている。

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上告受理の申立てに対する附帯上告の提起又は上告に対する附帯上告受理の申立ての許否 最二小決平成11年4月23日

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概要
上告受理の申立てに対して附帯上告を提起し、又は上告に対して附帯上告受理の申立てをすることはできない。
判例
事案:上告受理の申立てに対して附帯上告を提起し、又は上告に対して附帯上告受理の申立てをすることはできるかが問題となった。

判旨:「上告受理の申立てに対して附帯上告を提起し、又は上告に対して附帯上告受理の申立てをすることはできないと解するのが相当である。」
過去問・解説

(H25 共通 第74問 5)
判例の趣旨によれば、上告受理の申立てに対して附帯上告をし、又は上告に対して附帯上告受理の申立てをすることができる。

(正答)

(解説)
判例(最決平11.4.23.)は、「上告受理の申立てに対して附帯上告を提起し、又は上告に対して附帯上告受理の申立てをすることはできない…。」としている。

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数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて共同訴訟人の一人が上告を提起した後にされた他の共同訴訟人による上告の許否 最一小判平成23年2月17日

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概要
①数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて、共同訴訟人の1人が上告を提起した後に他の共同訴訟人が提起した上告は、二重上告として不適法である。
②数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて、共同訴訟人の1人が上告受理の申立てをした後に他の共同訴訟人がした上告受理の申立ては、二重上告受理の申立てとして不適法である。
判例
事案:数人の提起する養子縁組無効の訴えがなされた事案において、①共同訴訟人の1人が上告を提起した後に他の共同訴訟人が提起した上告は、二重上告として不適法か、②共同訴訟人の1人が上告受理の申立てをした後に他の共同訴訟人がした上告受理の申立ては、二重上告受理の申立てとして不適法かなどが問題となった。

判旨:①:「数人の提起する養子縁組無効の訴えは、いわゆる類似必要的共同訴訟と解すべきであるところ…記録によれば、上告人兼申立人が本件上告を提起するとともに、本件上告受理の申立てをした時には、既に共同訴訟人であるX1が本件養子縁組無効の訴えにつき上告を提起し、上告受理の申立てをしていたことが明らかであるから、上告人の本件上告は、二重上告で…あって、…不適法である。」
 ②:「数人の提起する養子縁組無効の訴えは、いわゆる類似必要的共同訴訟と解すべきであるところ…記録によれば、上告人兼申立人が本件上告を提起するとともに、本件上告受理の申立てをした時には、既に共同訴訟人であるX1が本件養子縁組無効の訴えにつき上告を提起し、上告受理の申立てをしていたことが明らかであるから、…申立人の本件上告受理の申立ては、二重上告受理の申立てであって、…不適法である。」
過去問・解説

(R5 予備 第33問 4)
Aを養母とし、Yを養子とする養子縁組が無効であるとして、Aの子であるX1及びX2がYに対して提起した養子縁組無効の訴えにおいてされた控訴審の判決に対して、X1が上告を提起した後に、X2が上告を提起することは、不適法なものとして許されない。

(正答)

(解説)
判例(最判平23.2.17)は、本肢と同種の事案において、「数人の提起する養子縁組無効の訴えは、いわゆる類似必要的共同訴訟と解すべきであるところ…記録によれば、上告人兼申立人が本件上告を提起するとともに、本件上告受理の申立てをした時には、既に共同訴訟人であるX1が本件養子縁組無効の訴えにつき上告を提起し、上告受理の申立てをしていたことが明らかであるから、上告人の本件上告は、二重上告で…あって、…不適法である。」としている。
したがって、X1が上告を提起した後に、X2が上告を提起することは、不適法なものとして許されない。

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上告審判決の破棄理由とした法律上の判断の拘束力が及ばないとされた事例 最三小判昭和43年3月19日

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概要
上告審判決が、一定の事実関係のもとで、ある法規の適用を否定した原判決の判断を違法としてこれを破棄し、事件を原裁判所に差し戻した場合において、差戻を受けた原裁判所が、同一事実関係について、右法規の適用の可否を判断しないで、他の法律上の見解による判断をして、右法規を適用したのと同一の結論に達した判決をすることは、右上告審判決の破棄理由とした判断に抵触しない。
判例
事案:民法94条2項の類推適用を認めずに破棄差戻判決がなされた事案において、破棄理由とした法律上の判断に拘束力が認められるかが問題となった。

判旨:「上告審の破棄理由たる判断は、同一確定事実については民法94条2項の類推適用を否定しえないという限度でのみ拘束力を有するのであるから、差戻前の原判決と同一の認定事実を前提としても、右法条の適用のほかに、別個の法律的見解が成り立ちうる場合には、差戻後の原審が、右法条の適用を主張する前示被上告人らの抗弁について判断を示すことなく、他の法律上の見解に立って、上告人の請求を棄却することも許されるものと解するのが相当である。したがって、右抗弁について判断せず、前記のような判断によって結局上告人の請求を棄却した原判決の措置が、上告審判決の右拘束力に違反したものとはいえない。」
過去問・解説

(H19 司法 第57問 オ)
判例によれば、上告裁判所によって破棄差戻しがされた後の原審が、差戻し前の原判決と同一の認定事実の下で、破棄理由で誤りとされた法律的見解とは別個の法律的見解に立って、差戻し前の原判決と同一の結論の判決をすることは、破棄判決の拘束力に違反しない。

(正答)

(解説)
352条3項後段は、「上告裁判所が破棄の理由とした事実上及び法律上の判断は、差戻し又は移送を受けた裁判所を拘束する。」と規定している。
これについて、判例(最判昭43.3.19)は、「差戻前の原判決と同一の認定事実を前提としても、…別個の法律的見解が成り立ちうる場合には、差戻後の原審が、…他の法律上の見解に立って、上告人の請求を棄却することも許される…。」としている。

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弁護士法の利益相反規定に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対して、自らの訴訟代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者による即時抗告の可否 最一小決平成29年10月5日

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概要
弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対し、自らの訴訟代理人又は訴訟復代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者は、民訴法25条5項の類推適用により、即時抗告をすることができる。
判例
事案:弁護士法25条第1号の規定に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対して、自らの訴訟代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者が即時抗告をすることができるかが問題となった。

判旨:「弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対しては、自らの訴訟代理人又は訴訟復代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者は、民訴法25条5項の類推適用により、即時抗告をすることができるものと解するのが相当である。」
過去問・解説

(R6 予備 第31問 ウ)
弁護士法第25条第1号の規定に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対しては、自らの訴訟代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者は、即時抗告をすることができる。

【参照条文】弁護士法
(務を行い得ない事件)
第25条 弁護士は、次に掲げる事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第3号及び第9号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
 一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
 二~九 (略)

(正答)

(解説)
判例(最決平29.10.5)は、「弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対しては、自らの訴訟代理人又は訴訟復代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者は、民訴法25条5項の類推適用により、即時抗告をすることができる…。」としている。

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判決確定後の特定承継人と再審原告 最一小判昭和46年6月3日

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概要
判決確定後に目的たる土地を右判決の当事者から買い受けた者は、右判決に対する再審の訴において再審原告となることができる。
判例
事案:判決確定後の特定承継人が、再審原告となることができるかが問題となった。

判旨:「再審の訴は、判決が確定したのちにその判決の効力を是認することができない欠缺がある場合に、具体的正義のため法的安定を犠牲にしても、これが取消を許容しようとする非常手段であるから、右判決の既判力を受ける者に対し、その不利益を免れしめるために、その訴の提起を許すものと解するのが相当であり、したがって、民訴法201条(現:115条1項3号)に規定する承継人は一般承継人たると特定承継人たるとを問わず、再審原告たり得るものといわなければならない。」
過去問・解説

(H20 司法 第72問 エ)
判例によれば、口頭弁論終結後の承継人として既判力の拡張を受ける者は、特定承継の場合も含めて、再審の訴えの原告適格を有する。

(正答)

(解説)
115条1項3号は、判決効の拡張が認められる者の1つとして、「前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人」を掲げている。
判例(最判昭46.6.3)は、本肢と同種の事案において、「民訴法201条(現:115条1項3号)に規定する承継人は一般承継人たると特定承継人たるとを問わず、再審原告たり得るものといわなければならない。」としている。


(R3 予備 第45問 4)
XのYに対する土地の所有権確認請求訴訟につき、Xの請求を棄却するとの判決が確定した。その後、Xが死亡し、Xの唯一の相続人であるZがYを被告として、この確定判決に対する再審の訴えを提起した場合に、この訴えに係るZの原告適格は認められない。

(正答)

(解説)
115条1項3号は、判決効の拡張が認められる者の1つとして、「前2号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人」を掲げている。
判例(最判昭46.6.3)は、「民訴法201条(現:115条1項3号)に規定する承継人は一般承継人たると特定承継人たるとを問わず、再審原告たり得るものといわなければならない。」としている。
Zは、口頭弁論終結後にXを相続することでXの権利義務を承継しているから、「口頭弁論終結後の承継人」に当たる。
したがって、Zに再審の訴えの原告適格が認められる。

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新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者の再審の訴えの原告適格 最一小判平成25年11月21日

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概要
新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は、上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって、上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになる。
判例
事案:株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受けるXが、上記確定判決につき、民訴法338条1項3号の再審事由があるとして申し立てた事案において、新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格が問題となった。

判旨:「新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は、再審原告として上記確定判決に対する再審の訴えを提起したとしても、上記確定判決に係る訴訟の当事者ではない以上、上記訴訟の本案についての訴訟行為をすることはできず、上記確定判決の判断を左右できる地位にはない。そのため、上記第三者は、上記確定判決に対する再審の訴えを提起してもその目的を達することができず、当然には上記再審の訴えの原告適格を有するということはできない。しかし、上記第三者が上記再審の訴えを提起するとともに独立当事者参加の申出をした場合には、上記第三者は、再審開始の決定が確定した後、当該独立当事者参加に係る訴訟行為をすることによって、合一確定の要請を介し、上記確定判決の判断を左右することができるようになる。なお、上記の場合には、再審開始の決定がされれば確定判決に係る訴訟の審理がされることになるから、独立当事者参加の申出をするために必要とされる訴訟係属があるということができる。そうであれば、新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は、上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって、上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになるというべきである。」
過去問・解説

(R3 予備 第45問 2)
株式会社Yの株主ZがYを被告として提起した新株発行無効の訴えにおいて、YがZの請求を実質的に争わず不誠実な訴訟追行をした結果、Zの請求を認容した判決が確定した場合に、新株発行に係る株式の株主であるXは、Y及びZを被告として株主たる地位の確認請求を定立して独立当事者参加の申出をするとともに再審の訴えを提起すれば、当該再審の訴えの原告適格が認められる。

(正答)

(解説)
判例(最判平25.11.21)は、「新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は、上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって、上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになるというべきである。」としている。
したがって、新株発行に係る株式の株主であるXは、「新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者」(会社法828条1項2号、838条)であるから、Y及びZを被告として株主たる地位の確認請求訴訟を提起して独立当事者参加の申出をするとともに再審の訴えを提起すれば、当該再審の訴えの原告適格が認められる。

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本案の裁判に対する上告とともになされた訴訟費用の裁判に対する不服申立て 最一小判昭和29年1月28日

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概要
たとえ本案の裁判と共に費用の裁判に対し上訴が申立てられた場合においても、上訴が不適法でありとされ、若しくは本案に対する上訴が理由なきものとされ、従って本案の裁判が変更されないようなときは、費用の裁判も亦変更すべきではなくこの点に関する不服の申立は許されない。
判例
事案:訴訟費用の負担の裁判を不服として控訴することが、控訴の利益との関係で可能であるかが問題となった。

判旨:「訴訟費用の裁判に対しては独立して上訴をなすことを得ない。(民訴361条、396条、414条参照)これは、訴訟費用の裁判が本案の裁判に附随してなされるものであることに鑑み、この裁判と離れて費用の裁判のみの当否を上訴審で判断させることを回避したものに外ならない。それ故たとえ本案の裁判と共に費用の裁判に対し上訴が申立てられた場合においても、上訴が不適法であるとされ、若しくは本案に対する上訴が理由なきものとされ、従って本案の裁判が変更されないようなときは、費用の裁判も亦変更すべきではなくこの点に関する不服の申立は許されないものと解するのを相当とする。しかもかく解することによって、故意に本案につき理由なき上訴を敢てし以て費用の裁判のみに対する上訴の目的を遂げようとする脱法行為を阻止することができるのである。」
過去問・解説

(H23 共通 第72問 5)
第1審裁判所が、Xの請求を全部認容したが、訴訟費用の一部をXの負担とした場合、Xは、訴訟費用の負担の裁判を不服として控訴することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭29.1.28)は、「たとえ本案の裁判と共に費用の裁判に対し上訴が申立てられた場合においても、上訴が不適法でありとされ、若しくは本案に対する上訴が理由なきものとされ、従って本案の裁判が変更されないようなときは、費用の裁判も亦変更すべきではなくこの点に関する不服の申立は許されない…。」としている。
したがって、Xは、訴訟費用の負担の裁判を不服として控訴することはできない。

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